auto rack
2025年05月17日
tri-level auto rack

筆者は70年代の初頭、この素抜けた車輌を見ている。しかし銃で撃つという「いたずら」があって、急速に波板で囲われてしまった。囲い付きの車輌は好きではない。

この種の車輌の塗装には塗料がたくさん要る。3枚の床板を裏表ともに塗り、骨組みに塗り残しが無いように気を付けながら塗る。予め刷毛である程度塗って置くが、微妙な塗り残しが散見される。細い筆で補う。普通の貨車の6倍ほどの塗料を消費し、塗装台はまっ黄色になった。

ともかくも、これで4輌完成させた。怖くて触れないので、ガラスケースの中から出すことはなさそうだ。 この種の模型は金属製に限る。
積荷の自動車が欲しい。市販品は1/43が大半で、1/48はほとんどない。 あってもすでに購入している。何らかの方法で複製したいが、ガラスが透明なのでかなり難しい。
2019年02月17日
続々 神戸の行事
ピギィバックは3種持って行った。本当は 89 ftを7輌持って行きたかったところだが、持って行く入れ物に余裕がなかった。
これは1960年ころ、UPが小口配送をしていた時のものだろう。 トレーラは 24 ft(7.2 m強)である。この模型は硬質ウレタンの鋳物だ。塗装は大変苦労したが、つるつるに仕上がった。あたかもブリキのおもちゃのようである。しかし、この種の材質の模型は、50年も経つと形が無くなっている可能性もある。それだけが残念である。
この flatcar も、53ftである。
89 ftの車には40 ftのトレーラを2台積んだ。J.B.Huntのロゴが鮮やかだった。
Autorack 自動車を3段積む貨車を塗った。こんなに透け透けでも塗料はたくさん要る。意外と表面積が大きな車体なのである。1,2段目に車を積むのは非常に難しい。載せてある車は故植松宏嘉氏の愛車のジャガー2台と、1939年Hispano Suizaである。こんな高価な車を裸で運ぶわけはないが、縮尺が正しい車は手に入りにくいのだ。
このUP塗装のものは珍しい。写真が載っている本を探し当てたので、それを参考にした。

この flatcar も、53ftである。
89 ftの車には40 ftのトレーラを2台積んだ。J.B.Huntのロゴが鮮やかだった。

このUP塗装のものは珍しい。写真が載っている本を探し当てたので、それを参考にした。
2018年11月03日
木製キットを組む

毎日の作業の前に点検し、組立て手順を考える。同じ種類の作業は昼休みにやり、帰り際にはそれを接着する。一晩経てば完全固着しているから、次の工程に入れる。これを毎日やるとかなりの進捗である。

あと手摺を付ければ生地完成のものがたくさん並んでいる。木製カブースがなかなか良い。かなり細かく出来ている。側板は羽目板を表す細い筋がたくさん入っていて、それに角孔をあけて、ホワイトメタルの窓枠を入れる。
キュポラもホワイトメタルで重い。その屋根は薄い木板である。このあたりが弱いので、ブラスで作り替える。キュポラは外れないと窓ガラスが入らないから、ピンを植えて本体に挿すようにする。物によってはブラスの屋根板を磁石で留めている。
これらはAmbroid のキットとQuality Craftのキット、それと後者の後継者のGroor Craftのキットである。1960年代はこのようなキットがたくさん出ていた。筆者が集め始めたのは70年代である。その後、売れ残りを見つけたら買い求めた。50輌以上あるだろう。殆ど定価で買っている。安くはなかった。投げ売りが始まったのはこの10年である。Gloor Craftは 人気のあった機種を再生産して儲けた。
Ambroid は接着剤のメーカである。この種のキットを売り出したのは、その販売促進用だという説すらある。その接着剤は、樹脂を溶剤に溶かしたものをチューブに入れている。すこし粘り気の多いセメダインCのような感じであり、”Amber(琥珀)に似た物”という意味の言葉である。そんな色をしている。昔はそれを使っていたが、最近はエポキシ以外使わない。経年変化が怖いからだ。

2018年10月30日
続々 長い貨車

普通の貨車よりやや狭い。客車と比べるとさほど長いわけもないが、急曲線を通すことを考えているのだろう。本線上は全く問題ないが、積み下ろしする引込み線はかなり急曲線であるし、直交する本線をつなぐ線などもかなり小半径だからだ。

シュナーベルの運行を見たことがある。弱い橋を通るときは最徐行である。高速だと衝撃で橋が落ちる可能性があるからだ。

この車種を好きな人が多いが、自作する人はまれだ。ほとんどの人は完成品を不満を持ちながら買っている。この記事にはレーザ加工で作る話がある。暇になったらやってみたい。自動車の模型は高価であるから、完全閉鎖型を作ると安くできる。自動車の形に切り抜いたシルエットを入れると、それらしく見えるかもしれない。
写真の車輛はあとハシゴとブレーキ装置を作れば完成だ。渡り板は1枚ずつ作った。本当はフライスで溝を切る予定であったが、裏が網目板なので角材を貼った。ブラス板製だから丈夫である。かなり荒っぽいキットだったので、自作と言ってもおかしくない。キット中のアングル、チャネルは使ったが、その他は自前である。ハンダが汚く見えているが、塗装すれば問題ない。
2018年10月28日
続 長い貨車

この貨車は突出している部分が多いので、その部分は念を入れて接着する必要がある。たとえば隣の貨車との接続部には、渡り板がある。これを接着する時には、接着面をよく削って平面を出し、硬化時間中は適当な保持具で押さえねばならない。


5分というのはいわゆる"working time"(付け外しが可能な時間)で、"setting time"(硬化時間)は15分である。未混合では硬めだが、混ぜると粘り気が減るから、隙間の上に盛り上げておくと、毛細管現象で吸い込まれてしまう。ぬれが良いのだ。
2018年10月26日
長い貨車
1970年代のアメリカの鉄道では、85 ft(約26m)クラスの貨車が急速に増えていた。そのころは貨物列車を見て、新車を探すのが楽しみであった。この Autorack 車載専用車は3段でたくさん積めた。乗用車は15台載せていた。当時は現在のような屋根や側板はなく、開放型であった。
この貨車が好きで、都合4輌作った。1輌目は別会社の木製キットで1970年代に完成させた。実に難しいキットで、苦労した。接着部が少ないので、ショックに弱いだろうから、走らせられない。展示用だ。その後90年代に金属製キットを入手したが、単なるチャネルと板の詰め合わせであった。これがキットと言えるのか、という程度のものであった。図面も怪しく、実感に欠けるところがあったので修正した。ハンダ付けなのでジグも要らず、作るのは容易であった。組み立てたものは10年も行くえ不明であったが、最近発見された。重く600 g以上ある。補強材を足したためである。少しディテールを付ける必要があるので資料を当たっている。
今回のキットの2輌は支柱がホワイトメタルでその他が木製である。支柱は24本あって、それに3段のラックが載る。接着している間にどうやって保持するかで悩んだ。友人は考えた末、「不可能だ。」と言った。しかし、何とかして組み立てたかった。
丸一週間悩んで、ついにある方法を思いついた。側面の枠だけを型紙上で接着してしまう。つまり、格子状にするのだ。それを床板の隅に引っ掛けて二段目のラックを支点に上端を輪ゴムで軽く締める。仮留めはマスキング・テープでも良い。そうすると支柱の弾力の範囲であるから、支柱は床の隅に密着して留まる。もちろんある程度の錘をラックに載せると密着が良くなる。5分間エポキシを使った。
支柱はかなり硬い合金で、曲がったりはしない。普通のホワイトメタルとは違う。ヤスリを掛けると快削であることがわかる。たまには捩じれているのもあるので、事前に修正するが、とても硬い。
この貨車が好きで、都合4輌作った。1輌目は別会社の木製キットで1970年代に完成させた。実に難しいキットで、苦労した。接着部が少ないので、ショックに弱いだろうから、走らせられない。展示用だ。その後90年代に金属製キットを入手したが、単なるチャネルと板の詰め合わせであった。これがキットと言えるのか、という程度のものであった。図面も怪しく、実感に欠けるところがあったので修正した。ハンダ付けなのでジグも要らず、作るのは容易であった。組み立てたものは10年も行くえ不明であったが、最近発見された。重く600 g以上ある。補強材を足したためである。少しディテールを付ける必要があるので資料を当たっている。
今回のキットの2輌は支柱がホワイトメタルでその他が木製である。支柱は24本あって、それに3段のラックが載る。接着している間にどうやって保持するかで悩んだ。友人は考えた末、「不可能だ。」と言った。しかし、何とかして組み立てたかった。


2009年02月08日
続々Arvid Anderson の Kit

そういうわけで、筆者のところにはその「不良債権」が大量に集まってきた。ほとんど押し付けで買わされた物ばかりである。
昨年の春、それらを一挙に組み立てた。多くを望まず、ただ走れば良いことにした。
その中の1台に、Tri-level Auto Carrierがあった。これはなかなか良い。この車種のように、広い部分で接着することが出来ないものには、ハンダ付けは有効である。細い板を裏に当ててつけると丈夫で、衝突時にはがれることもないだろう。
ブレイス(筋交い)を入れるだけでは心配であったので、社名を入れる薄板をリン銅板で作って強度部材とした。
重心は高く、ゆらゆらと揺れながら走る。この走りは大型模型の特質である。実物の走りを思い起こさせる。
この車種のキットは板が多いのでかなり重かった。薄い板ではあるがチャネルを組合わせているので、かなりの剛性がある。これも連結器座を厚板で作って強度を出した。そうしないと少しのショックで床板がめり込んでしまうからだ。