ore car

2025年06月02日

ore car の手直し

ore cars (2) 間違った設計のオアカーの数輌を修正して、とても気分が良くなった。
  
「台車のキングピン位置が間違っているから気分が悪い。」と友人に言うと、「僕は気にならないけど、どうしてそんなに気になるのか?」と彼に逆に聞かれた。

 筆者の父親は技術者で、この種の構造物を見た瞬間に何かを感じる人だった。そしてその感想は、2つの内のどちらかだった。
「この設計は正しい。」
「これは間違っている。すぐ壊れる。」
 実際に長持ちするものは正しい設計で、壊れたものは金属が疲労していたものが多い。

 そういう人に育てられてしまうと、無意識にそれを考えるようになってしまった。だから、以前述べたようにトラス構造が間違っていると、気持ちが悪くてしょうがなかった。気付かずにいたならば、もう少し楽しく人生を送れたに違いない。

ore car king pin shifted 今回はブラス製とプラスティック製の2輌を修正した。どういうわけか、ブラス製には元の位置の外側にもボルスタを留めるネジ穴があったので、抜いて差し替えただけで終了であった。ボルスタが内側に留めてあったのは、軸距離の大きなベッテンドルフがついていたことに原因がある筈である。
 プラ製のはどうしようもないので床板を外して切り刻んで、新たに作ったブラス製床板に接着した。連結器付近は上廻りに付いているので、外して切り詰めて床板に貼り付けた。大きな隙間は光硬化パテで埋めて塗装したら継ぎ目は分からなくなった。

 これで荷重が直接台車に掛かる正しい設計となり、精神衛生上とても良くなった。 

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2023年12月31日

C&NW ore cars

C&NW ore car (2) 長い間塗ってなかったオアカーをまとめて塗った。色は迷ったが、この緑の塗装が気に入った。とりあえず3輌塗って様子を見て、あと10輌ほどあるから徐々に塗り替えようと思う。連結器の色は後で仕上げる。

C&NW herald ヘラルドはウェブ上で探して印刷をお願いした。この種の仕事は昔に比べるとはるかに楽になった。昔は様々な本のページをめくって探し、色を確認しながら作らねばならなかったのだ。


 台車のキングピンの位置が正しいとこのようになるという見本である。極めて実感のあるオアカーとなった。これを見ると今までの物は一体何だったのだろうと思う。いずれ全部作り替えるつもりだ。

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2023年11月11日

機能美

ore cars ジャンクの貨車の再生が進んでいる。たくさんあったブラス製オア・カーの下廻りを更新し、衝突、落下に耐えるようにした。オリジナルは何も考えていない薄板の構成で、 連結時のショックでもめり込みそうであった。
 例によって t 1.5の板を、背骨のチャネルに食い込ませてハンダ付けし、連結器を付けた。台車のキングピンの位置が少しおかしい。構造を考えれば、縦の部材の奥になければならないのだが、少し中心寄りにある。これでは、わざわざ金属疲労を進ませるための設計である。構造設計の専門家は、
「正しい設計のものは、単純な構造で丈夫さを作り出すから美しいのさ。」と言う。

Max Gray ore car 寸法を順に当たっていくと、台車のホィールベースが長いのが原因であることに気付いた。要するに、短いアーチバーであればオリジナルの設計にできるが、ベッテンドルフでは無理ということだ。この写真ではホィールベースが短いアーチバーを使っているので、非常に素直な感じがする。車輪は端梁から外に出るのが普通である。「列車長あたりの積載量が全て」の世界であるから必然的にそうなったのであろう。
 このブラスのオア・カーは、程度の悪いジャンクで、かなり手を入れてある。古いデザインにしたので、アーチバー台車でも良いわけだ。

Atlas ore car ところで Atlas のプラ製品は一見しただけで何か違和感を感じる。構造設計屋の友人と話したら、それは「機能美がないからだよ。」と言う。「間違った部品(台車)を使って間違った設計にすれば、変だと気が付くのが普通さ。」
 側枠の四角の部分は上下を噛み合わせるときのラッチで、無い方が良い。この写真を見れば、右のAtlasの製品はキングピンが内側に入っている。正しい位置に付けると、車輪が端梁に当たってしまう。端梁も奇妙に伸ばしてある。台車の型を新たに作るのをサボって、既存のベッテンドルフを無理やり押し込んだのだ。
 実はもう一つの無視できないファクタもある。これらの貨車は鉄道玩具としてアメリカに導入されたのだ。フランジ高さが2.5 mmもある車輪を使ったので、正しい位置にキングピンを置くと、端梁にフランジが当たってしまう。遠ざけざるを得なかった。こういう模型を世界中に何十万とばらまいたのは罪が大きい。
 上の写真の左側のアーチバー台車は正しい位置に付いていて気分が良い 。かねてより、このAtlasの貨車には何とも言えない気持ち悪さを感じていた。ようやくその原因が判明したが、かれこれ40年ほど掛かったことになる。
 70年代のMRにこの貨車の端梁を短く切る記事があったが、それは固定連結器を付けるための方便であった。根本的なところは放置されていたから、何の解決にもなっていない。

 プラ製品のAtlasは10輌ほどあるので、どうやって処分するか考えている。

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2021年12月26日

続々 MOW

UP MW Hoppers これらのホッパ車は鉄鉱石用であった。鉄鉱石は密度が大きく、運べる体積が小さい。貨車の上の縁から出ないように積む事になっていた。ユタ州のプロゥヴォの鉱山で使われていたのだ。
 それに改造無しで砂利を積んでいた。砕石は安息角が大きいらしく、山盛りであった。おそらく仮の運用であったろう。後にこれらはアリゾナ州との境の鉱山会社に売り飛ばされ、もっと大きな砂利専用ホッパ車が用意された。

Atlas ore car improved ladder 右はブラス製である。他方は Atlas のプラスティック製であるが、大改造してある。ハシゴの部分を完全に切り取り、針金にしたのだ。これは、このような銀色塗装車では大きな効果を持つ。
 オリジナルは奥行きが 5 mm以上もある板状のものであった。正面から見たときの投影面積はまずまずであるが、上から見ると板が並んでいて、奇妙なものだ。黒ければ目立たないが、銀色では目立ってしまう。ステップ(厳密にはstirrupと言う)も作り直すべきであった。最近のプラスティック模型はこのような部分にも神経が行き届いているだろうが、40年以上前の模型なので、無神経さが否定できない。ある程度のブレーキ装置などを付けて、塗装した。斜めの支えは、入れ忘れた。いずれ作ってはめ込みたい。
 それから、台車の位置がおかしいような気がする。これでは疲労して壊れそうな気がする。 

 ブラス製の方は、これまた安達製作所製のもので、少し歪んでいたのを、バラして直した。おそらく検査でハネられたものが、巡り巡って、ここに来たのだ。亡くなった友人の遺品である。

 1960年代のブラス製品は、どんな状態であっても、修復できる。エッチングをほとんど使っていないので、板の腰があるからだ。
 直さねばならないブラス貨車はあと10輛ほどあるので、順次紹介していきたい。

 これらの貨車のディカールは、全てDr.Yに印刷して戴いた。この場を借りて感謝の意を表したい。  

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2013年10月25日

続々々々々々々々々々々 Ron を訪ねて

  長い時間を掛けて機関車を見せてもらったあと、Ronが「貨車を見てくれ」と箱から出してきた。

Ron Mitchel covered hopperRon Mitchel covered hopper 2 この貨車はWeaverの4-bay covered hopperである。1輌30ドル以下の大量生産品である。筆者もたくさん持っている。梯子やステップが全てモールドされていて、線が太い。筆者のところでは一部取り換えたものもあるが、 それは破損品の修理に伴って部品を換えた程度だ。

 この貨車には参った。歩み板には手を加えていないが、梯子全てを切り捨ててヤスリをかけ、針金でスケールに近い太さで再現してある。ブレーキ配管をして、床下の4-bayを切り離して3-bayにした。筆者はブラス製の床下に振り替えたが、それより数等出来が良い。

Ron Mitchel covered hopper 3Ron Mitchel covered hopper 4 恐るべき腕である。細いプラスティックに正確に穴をあけ、きちんと曲げた針金を入れて接着してある。
 ホッパの排出口周りの工作は実に手際が良い。
「なに、写真撮って来て、適当に作っただけだよ。」とは言うものの、このレベルの工作はなかなか出来ない。台車がプラスティック製で、車輪もプラスティック製である。
 あまり転がりが良くない。いずれLow-D Wheelを買うよ。とは言ってくれた。少しサンプルを持っていたので提供した。
 Ron Mitchel ore car 
 うっかりブレた写真しかないのをお許し願いたい。これはAtlasのore carである。安ければ1輌10ドルで買える。その梯子をすべて切り取って、針金にしてある。凄まじい労力だ。なんと50輌仕上げたと言う。毎日2時間やって半年掛かったそうだ。
 寝室の脇にある机の上でやるのだそうだ。後の黒い貨車の車輪はLow-Dである。

「僕はみんなのようなワークベンチを持ってないんだ。」と言うので余計驚いてしまう。機械は一切なしで、全て手工具だけだそうだ。恐るべき腕である。

 庭の畑の部分をつぶしてレイアウトルームを持つのが来年からのプロジェクトだと言う。横の芝生を畑にするそうだ。そうすれば工作室も完備するそうである。すごいことになりそうだ。

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