2-10-4 Texas

2025年02月26日

Santa Fe の Texas 

ATSF 2-10-4 (2) この機関車は大きい。ボイラの大きさは煙室部分を除けば Big Boy とそれほど違わない。片手で持ち上げるのは難しい。これは祖父江氏の設計・製造である。このジャンク品をアメリカで極端に安く手に入れた。キャブとテンダがつぶれたものを手に入れたのだ。修理は難しくなく、よく走るようになったが、キャブ内が作ってないのでそのまま20年経過した。  
 この機関車は祖父江氏のお気に入りで、「上手く出来た。」と自負していた。
「このでけぇ機関車が、どういうわけか知らねぇが急カーヴを曲がるんだよねぇ。1200Rでも通っちまうんだよ。面白ぇもんだよねぇ。」と言った。
 テンダを作り直している最中に代わりのテンダをアメリカのジャンク市で見付けて購入した。この機種のテンダはかなり大量に輸入されていたらしく、あちこちで見たし価格も安かった。買ったと祖父江氏に伝えると、 
「テンダなんて箱だよぉ、いっくらでも簡単にできらぁ。でもねぇ、ボイラはそうはいかねぇよ。苦労するぜ。」とのことであった。 

ATSF 2-10-4 煙突を伸ばした状態である。後ろに畳まれているのをひょいと廻して上にかぶせる。これぐらいの高さの方がバランスが良いと感じる。これもどういうわけか、動力逆転機がない。形が気に入らないから新たに作って取り替えようとしたような気がする。

 この機関車の先台車は1軸であり、その復元力を強くしておかないと曲線から直線に入っても機関車がまっすぐ向かない。 
 強力モータを付けてあるので、単機で100輌牽いて坂を登れる。現物の写真もたくさん撮ってあるので、塗装が楽しみだ。 

dda40x at 02:26コメント(2) この記事をクリップ!

2025年01月23日

Texas and Pacific の Texas

T&P Texas この機関車は祖父江氏のところにあったジャンクから作った。2-10-4の軸配置は、この機関車が最初だったのでTexasと名付けられた。

MG T&P smokebox front「部品が足らねぇよ。」ということだったが、アメリカのジャンク市で部品を買い集めたり、手作りしてほぼ完成させた。この種のジャンク部品は意外と高いものである。


 サンドボックスは増設した。裾の丸味はハンダを盛ったものである。これは上手く出来なかったので、祖父江氏にやってもらった。
 祖父江氏は大きな銅の焼き鏝を加熱して、サンドボックスをボイラに付けたままで、ひょいひょいと廻して盛ってしまった。その間約2分である。達人の技を近くで見られて幸運であった。50%ハンダを使ったのを確認した。  

 この機関車は Lima 社の自信作で、主台枠が途中で切れている珍しい一群である。Super Powerというシリーズだ。従台車は無く、曲がる主台枠の後半が、従台車の代わりをする構成であった。Articulated Locomotive という本では、この機関車を関節式の中に入れているほどである。

MG T&P Texas Super Power 大きな火室を支えるために、主台枠の下に独立した台車を設置するのではなく、灰受けその他をすべて載せた台枠(水平面での回転しかしない)が滑り子 (slider) で火室後部を支えている。前進には非常に具合の良い構造ではあったが、後退時には分岐での脱線が起こり易かった、と Wikipedeia には書いてある。この話は初耳だ。機関車の出力は火室の大きさによって決まるらしい。このことは井上豊氏からもたびたび聞いた。

 模型もその構造を再現し、ドロー・バァ(機炭間の連結棒)は後部台枠から出ている。祖父江氏は、「主台枠はここで切れちまって後ろはねぇんだよ。でもねぇ、模型じゃ、モータを入れにゃならねえんでね。」と言った。そのための薄い台枠が火室の途中まで伸びていたのだ。しかしコアレスモータが付いていれば、それは不要であるから切ってしまうつもりだ。 

 この機関車には祖父江氏の双方向クラッチが付いている。うっかりして箱の中に転動止めの詰め物をするのを忘れて、工作室から撮影のため動かした途端に機関車が動いてカウキャッチャがつぶれた。また作らねばならない。   
 双方向クラッチはどうも都合が悪いものだ。動輪軸を外して、新規に製作した高効率ギヤ付の動輪軸に取り替える必要がある。これで壊したのは2回目だ。やる気が失せる。

dda40x at 01:23コメント(12) この記事をクリップ!

2012年04月23日

St.Louisの鉄道博物館

COM_3989-2 セントルイスは23年ぶりだ。シカゴから南に車で4時間半である。ミシシッピ川の渡河地点であって、この街でミシシッピ川の最大の支流であるミズーリ川と合流する。西部開拓時代はこの街が西部への入口であった。このアーチはそれを表す。
 昔はこの街に学生時代の友人がいて、訪ねたことがある。当時は街の北部が荒廃し、ホテルでは強盗が頻発して危ないからと、自宅に泊めてくれたことを思い出す。

COM_3907-2COM_3900-2 セントルイスには鉄道博物館がある。Big Boyその他の大型機関車が保存されている。アメリカにしてはそれほど大きな博物館ではないので、30分で見て廻れる。入場料も8ドルである。
 西部の砂漠ではないので雨が降る。すなわち、屋外ではそれほど保存状態は良くないので、屋根の付いている部分に格納されているものが多い。

COM_3910-2COM_3911-2COM_3928-2 ここの売りはSanta Feの5011 2-10-4である。とにかく巨大な機関車で、高さが 5.1 m もある。多分アメリカ中で一番背の高い機関車であろう。この機関車が展示されているのは、全米で三か所であるが、博物館はこことGreen Bayだけである。
 動輪軸重34.5トン、機炭全体で450トンもある機関車である。Big Boyの軸重が30トンほどであることと比べても重く、動輪径が1880mmもある高速機関車である。
 設計が新しいのでボイラの構造に工夫があり、出力は6000馬力以上とされた。この数字はBig Boyと同等である。

dda40x at 04:23コメント(0) この記事をクリップ!
Recent Comments
Archives
categories