tanker
2025年06月08日
続 safety placards



その他、用途別に貼って行ったが、石油運搬用にはあと20輌分必要である。それらは、Texaco のタンク車が大半である。
2025年06月06日
safety placards
ディカールの整理をしていたら、タンク車に取り付けられているsafety placards という小さな菱形ディカ―ルのセットがかなりの量、出て来た。
タンク車は数十輌ある。その中でこれが貼ってあるのは数輌しかなかった。積荷は石油系のものが大半だが、硫酸、塩素、水酸化ナトリウム水溶液、硫黄、その他極めて危ないものがいくつかある。
その種の危険物をまず選り分けて、該当するものを貼っていくことにした。このディカールは水に沈めるだけで菱形が浮き上がるので、貼るのは楽である。これをいちいち切り離していたら、どうかなりそうだ。
これは塩素である。タンクのジャケットにそう書いてあるので、そのように貼らざるを得ない。このコード番号は一覧表を探して確かめてある。
これは今ではほとんど製造されなくなった4エチル鉛というアンチノック剤専用のタンク車である。今は航空ガソリン用だけに使用される極めて危険な毒物である。これを一般貨車に混ぜて輸送していたというのも、今となっては驚くばかりである。
これは石油ガスである。密度が小さいので大きなタンクである。近代型であって、当鉄道では少数派である。
問題はワイン運搬用車である。これは運用していた当時の写真を見ても何もプラカードが入っていない。専用列車なので問題が無かったのかもしれない。
タンク車は数十輌ある。その中でこれが貼ってあるのは数輌しかなかった。積荷は石油系のものが大半だが、硫酸、塩素、水酸化ナトリウム水溶液、硫黄、その他極めて危ないものがいくつかある。
その種の危険物をまず選り分けて、該当するものを貼っていくことにした。このディカールは水に沈めるだけで菱形が浮き上がるので、貼るのは楽である。これをいちいち切り離していたら、どうかなりそうだ。



問題はワイン運搬用車である。これは運用していた当時の写真を見ても何もプラカードが入っていない。専用列車なので問題が無かったのかもしれない。
2024年10月23日
SUNOCO

日本製ではあったがハンダが全く廻っていず、全てチョン付けであったのでショックでバラバラになったのだ。タンク胴の板もタンクエンドも焼き鈍された 0.3 mm板で、ぺこぺこに凹んでいた。
全部捨てて、使ったのはわずかのロストワックス鋳物だけだ。それも質が悪いものは捨てた。
連結器座は厚板を用い、フライスで削ってタンク胴に密着させたので、フレイム・レスの構造で非常に丈夫になった。勢いを付けてぶつけても、生き残る。この短い部品の内部の空間に鉛活字を詰め込んで重くしたが、450 gしかない。この長さであれば 550 gほど欲しかった。いつも思うことだが、タンク車は質量の想定が難しい。タンクにはあとで錘を積めないから、組立前に質量を予想せねばならない。これは意外と難しい。
全質量の90%以上をスクラッチから作った。タンク胴は 0.4 mmの板を丸め、エンドは仏壇屋で見付けた分厚いろうそく立てから作った。運良くぴったりの大きさであった。丈夫なタンク・ボディになった。連結器座を取り付け、完全にハンダを流してから、2箇所孔をあけて内部を洗浄した。その穴は錘を接着して塞いだ。
タンク上のプラットフォームは適当な網目板があったので利用した。
ハシゴを丈夫に作りたかった。照明塔を作った時のステンレス部品の残りをハンダ付けして組んだ。断面がH字型になり、きわめて丈夫になった。下端はタンク体に支えを付けたので倒しても壊れない。立派なハシゴになったので、元の製品とは品格が違って見える。

Dr.Yがカスタムのディカールを作って下さった。素晴らしい出来で嬉しくなってしまった。いろいろな思い出が甦った。
(最近画面上の写真が異常に大きくなり、小さくする工夫が出来ない。見苦しい点をお詫びする。)
2024年07月03日
6-dome tankcar

テキサスには大きな硫黄鉱山があった。硫黄が地下に埋まっているところに高温高圧の水蒸気を注入し、融解したものを圧力で押し上げて取り出す(Frash法)のだ。その融けた硫黄(115 ℃以上で融解)を入れるタンク車があった。ネット上ではあまり良い写真が無いが、現物を見たことがある。ドームが意外に太いと感じた。その写真が見つからないので、いくつかの参考資料と記憶とを照らし合わせての設計である。
既に、このフラッシュ法での硫黄採取は今世紀に入ってからは行われていない(フラッシュは人名である)。現在硫黄は原油の脱硫から得られるものが大半で、鉱山で採掘することが無くなったのである。
タンクボディのエンド部分の2枚以外はスクラッチ・ビルトだ。そういう意味ではタンク車の製作は簡単である。気を付けなければならないのは、ハンドレイルが直線でなければならないことだ。仮に線を入れて確認しながら作る。
HOの模型と比べると、ドームの雰囲気が異なる。このドームは3Dの師のS氏に作図をお願いした。高精度のアクリル製である。うっかり1週間ほど明るいところに置いてあったら、部分的に色が変わってしまった。直射日光は当てていない。
成型は最低厚みがあってそれが薄いとは言えない厚みなので、製品の底を大きな丸ヤスリで削った。その手間が大変だったが、タンク本体は簡単である。3本ロールで丸めて、端は丸金床で合わせた。タンクエンドは既製品である。実はこのエンドを2つ持っていたので作ってみようと思い立ったのだ。旋盤を持っていれば作るのは簡単そうに思うが、径が大きいので、これを作るのはいろいろな点で疲れる作業である。
塗装は黄色を主としたものになる予定。
2023年11月09日
続 塗装日和

次に水平に塗らないと入らないところがあるので、そこを吹く。最後に45度の角度で上から吹いて出来上がりのはずだが、届かないところはある。そこは細い筆で補う。


この写真は拭取り途上であるが、この後フランジの裏側も少し拭取る。そうしないと分岐のガードレイルの上に塗料が剥げたものが積もる。実物の車輪の裏側も、踏面以上の高さまで光っている場合が多い。実物のガードレイルはやや高いことが多いからだ。模型の場合はそんなに高いものはまず見ない。NMRAの規格ではレイルヘッドと同じだからだろう。祖父江氏の工房では出荷前にポイントを通す試験をしていたが、そのガードレイルは 1 mmほど高い。
「これで通りゃあ、文句あんめい。」
2023年11月07日
塗装日和
ここしばらくは天気が良い。風も弱く、湿度は低い。このような条件を待っていた。作り溜めした貨車を引張り出して洗剤で洗い、完全に乾かす。
エア・コンプレッサに注油し、エア・シリンダから水を抜く。油は専用油を用いる。これがなくなると焼き付いてしまうから気を付ける。
ガンを空吹きして空気の出を確かめ、シンナを吸わせて細かい霧になることを確かめる。塗料は薄めてパンストの切れ端で濾過し、所定の瓶に入れて開始だ。
塗り分けが必要なので、先に塗って1日置き、塗膜が十分に硬化したものにマスキングを施してある。このマスキングには1輌あたり30分以上掛かる。漏れないように細かく切ったテープの小片を、はしごの裏などにもぬかりなく貼ってある。
エア・コンプレッサに注油し、エア・シリンダから水を抜く。油は専用油を用いる。これがなくなると焼き付いてしまうから気を付ける。
ガンを空吹きして空気の出を確かめ、シンナを吸わせて細かい霧になることを確かめる。塗料は薄めてパンストの切れ端で濾過し、所定の瓶に入れて開始だ。

2022年04月09日
アルミ製タンク車を作る


ボルスタの部分は 5x10の角材をフライス加工して、タンクボディを支える。そのタンクボディには、支えが付く部分は厚板を貼り付けている。そうしないと凹むのであろう。
手摺りは片側だけである。中央のプラットフォーム部分だけには、両側の手摺りがある。色は白で、水色の帯の入ったDu Pontの私有貨車になる予定だ。
2022年03月20日
他のタンク車

タンク・エンドの接合部は滑らかでない。オリジナルの形を尊重したが、本当は継ぎ目を無くすべきであった。大抵の場合、本物は滑らかだ。
全てのハンダ付けをやり直して、手摺りその他を新製した。デッキは新品である。どこかに引っ掛けて手摺りが曲がっているが、ハンダ付けが完璧なので壊れない。梯子が安っぽいのは残念だ。先回のような3枚の部品を組合せたものを、使うべきだった。
筆者はタンク車を作るのは得意で、スクラッチ・ビルトが、かなりある。すでに既製品の中に埋もれてしまって、探し出すのが大変である。


濃過酸化水素水運搬用のアルミ製タンクにする。アルミ製のタンクボディは弱いので、鋼製の台枠を持っている。そこが、以前のと異なるところだ。

2022年03月18日
modern tank car

20年ほど前、アメリカの友人に相談を持ちかけられた。
「このタンク車2輌、なんとかならないか。」
それは長短のタンク車で、どちらも壊れていた。ハンダ付けした部分は、100%近く、はずれている。自然に壊れたと言う。
「日本製なんだぜ。この下手くそなハンダ付けは、一体何だ?」と言う。タンク・ボディはペコペコに凹んでいる。エンドも同様で、持つと歪んでハンダが外れると言う。手摺りは全て欠落し、ボルスタ部分はもともとハンダが廻っていなくて、壊れている。上部のプラットフォームも、平面性が無い。この作りから判断すると、たぶん横浜のP社製である。
これはNJ Custom Brassが輸入したものだ。NJは、New Jersey ではなく、Nick と Jackという2人の人名である。とにかく、材質は最低である。タンク・ボディはt 0.3 の焼きなまし板で、タンク・エンドも同様である。持つと凹んでしまう。驚いたのは、その継ぎ目である。エンドは嵌め込まれてハンダ付けしてあるはずなのに、ぽろりと取れた。するとタンクボディはぐわっと開いて、反対側も取れたそうだ。日本製で、こんなひどいハンダ付けは、初めて見た。全くしみ込んでいない。修理は不能でスクラップになった。
エンドをどのように作るか迷っていたところ、仏壇屋の友人を訪ねた折に、ろうそくの皿らしきものを貰ってきた。耳を落としたら、ぴったりであった。t 0.4板から新たなタンクボディを切り出して、3本ローラで巻いた。加工硬化するから十分堅くなる。
エンドを嵌め、50%ハンダをたっぷり付けて、削って丸くした。上のデッキ部はすべて作り直した。ここには硬い銀ハンダを使った。炭素棒で加熱し、完全に取り付けたから、もう壊れることは無いだろう。
ハシゴは、先の照明塔の部品が余っていたので、組立てて曲げた。側面の配管は、まっ直ぐでないと気分が悪い。硬い長い線を先に取り付け、曲がりが出ないように、あとから0.8 mm角線の支えを銀ハンダで留めた。非常に丈夫である。
2021年04月06日
KTM 10周年記念品

タンクの上の蓋を開けると、インクを入れられるようになっている。ブルーブラックと赤を入れるのだ。インク壺はプラスティック製である。この部品は取ってあるが使い途が無い。
元関係者の方から、「君はOゲージをやっているから、差し上げるよ。」と、次々と戴いたのである。台の大理石は砕いて、近所の小中学校に二酸化炭素発生用に寄付した。台車はフランジを削って貨車の積み荷にした。
ボディは改良した。連結器、台車を取り替えてLow-D化すれば、稼働する貨車となる。筆者の博物館の線路上にある2ドームのタンク車は、ほとんどこれである。
最近ヤフー・オークションに40万円で出ていたそうだが、とてもとても、そんな価値はない。その100分の1程度である。あまりにも数が多いのだ。全く応札が無かったそうで、そのオークションは流れたようだ。
安達庄之助氏から来たジャンクの中には、このタンクドームの蓋(鋳物製)がたくさんあった。大半は地金で処分したが、まだいくつか残っている。蓋の蝶番が外(向こう側)に出ているので、それを切り落として体裁を整える必要がある。
カツミ模型店はOゲージ、OJゲージから手を引き、昔の姿とは異なる形になってしまった。当時は世界有数の生産額を誇っていたらしい。
2019年05月13日
Nationalの台車


このタンク車は 50 ft でやや長い。ドームの周辺はテクスチャが異なるのが、お分かりになるだろうか。滑落防止のために砂が撒いてあるのだ。
この貨車はアメリカに持って行ったことがある。皆興味があって、やり方を聞かれた。実は、艶出し塗装して、部分的に最大限の艶消し塗装をしただけである。
十分 anti-skid の感じがするそうだ。
この模型の台車にはバネを挿す穴が下から開いているので、不要な細いコイル・バネを差し込んでエポキシ樹脂を塗り、固めた。横からバネが見えるので、一瞬可動するのかと思ってしまう。バネは動かなくても本物を使うと効果があるという見本だ。
人間は決して目だけで物を見ているのではないという実例である。脳が働いて見ているので、錯視が起こるのである。
(お詫び)
一部の方から、台車部の詳細が、写真が黒くつぶれてわからないとご指摘を受けている。見え方はブラウザによるらしい。Google Chromeでは良く見えるそうであるが、暗いことは確かなので、撮り直して写真を入れ替えた。
2018年10月14日
鉛活字

鉛活字がその価値を失ってからもう10年以上経つ。初期のTMSには、活字を錘用に少し買いに行くテクニックが紹介されていた。
印刷屋の小僧を装い、「8ポの”イ”を20本」とか、もっともらしい事を言って、活字屋で買う話だ。当時は活字屋という商売もあったわけだ。もっとも、東京のように出版が盛んな地域の話だろう。田舎にはない。
さて、先日廃金属商にブラス屑、銅屑その他をどっさり持って行った時に、ドラム缶一杯の活字があった。
「どうだい、これ一杯で4万でいいよ。」
と言う。2トンあるらしい。とても乗用車には載らないし、そんなに使うあてもない。
「10 kgほど貰うよ。」と言って、適当な価格で買って来た。もちろん量りもしない。そこにあった小箱に山盛りである。

タンク車は完成後の補重は難しい。設計時に材料をたくさん使って重くしておくべきだ。既製品の場合は主台枠の骨の中に押し込むしかない。
左は鋳造品、右は活字そのものである。隙間なく詰め込むと当鉄道の規定質量に到達した。実は先日の車検で20輌ほどが質量不足であった。
1.6%の坂を押上げると、連結部が座屈することがある。そういう車輌は決まっているのだ。測定すると、355 g必要なところ300 gほどしかないのだ。この55 gほどが、決して無視できない結果をもたらす。いつも同じタンク車が座屈するので、きっちり詰め込んで、すべてを同じ質量にした。
結果は上々で、全く脱線せず80輌の押上げが可能であった。
2017年01月30日
続々 tank cars

ワイン・タンカーは圧力が掛かるものではないので、隔壁は平板であるはずだが、骨くらいはあるかもしれない。内側は glass lining してある。グラス・ライニングとは低融点ガラス膜をタンク内に付けたものだ。いわゆる琺瑯引きである。鉄板と内容物が直接接触しないから、ワインなどには適する。
中身を出す時は空気抜き弁を開く。空気抜き弁はドームの横にある。ドームおよびタンクボディは熱絶縁してある。そうでないと輸送途中にワインが煮えてしまうだろう。
博物館で貨物列車を友人に見せたところ、この貨車を目ざとく見つけ、
「石油と同じで、貨車で運ぶのか!」
と驚いていた。実際はワイン専用列車があったらしい。それほど長くないとはいえども20輌くらいはあったろう。
2017年01月28日
続 tank cars

当時はトラック輸送よりも鉄道輸送の方が多かったようだ。
このタンク車はThomasのキットで、随分古いものだ。おそらく1950年代の物だろう。 手を加えて、今様に改造してある。
この貨車を見て、中身も入っていなければ面白くないという人は多い。ガラス細工でタンク車を作ってみたいものだ。実は筆者はガラス細工は得意である。最近やっていないから腕が落ちたかもしれないが、昔は実験装置はすべて自作した。頼むと高いし、思うものがなかったからだ。
このタンク車は6槽になっている。どうしてこのような小分けになっているのだろう。6種も運ぶのだろうか。
ある人が、「それは量によるからだ。なるべく、上の方の空気が少なくなるようにして運びたいので、細かく分けたほうが得なんだよ。」
と教えてくれた。納得のいく説明である。
2017年01月26日
tank cars
しばらく前に完成していたタンク車を紹介する。
非対称なタンク車である。 常識的にはありえない構成で、興味があった。ディカールを入手したのは、もう35年も前のことだ。いつか作ろうと思っていた。
30年ほど前、プラステイック製のおもちゃのようなタンク車のキットを手に入れた。おそらく、ライオネルの台車と連結器を買って完成させるものだろうと思われる。非常に大味な作りで、あまり面白くない。タンクボディ以外をすべて削り取り、ドームをもう一つ付けた。なんの事はない。タンクボディを丸めて作ればよかったのだ。そうすればスクラッチ・ビルトになった。
ドームの接着はスーパーXによる。これがなければできなかった。エポキシでは剥がれてしまう。下廻りはキットの構成を大改造した。でたらめな作りで、話にならなかった。
未塗装で15年ほど寝ていたが、年末に塗装した。
どうして二槽になっているのかは分からない。諸説あり、潤滑油とガソリンなどとあるが、どれも怪しい。多分潤滑油を二種類だろう。
Tydol Veedol は、初のTranspacific Flight (太平洋横断飛行)が、1931年に青森県の淋代から行われたときのスポンサであった。機体にMiss Veedolと名前が書いてある。
今の三沢基地の近くである。どうしてそこになったのかは、単に地理的な問題である。大圏航路で本州としては一番アメリカに近いからである。出発時にもらったリンゴがあまり美味しくなかったので、アメリカからデリシャス系のリンゴの木を贈ったという話がある。それが青森りんごに接ぎ木されて広まったと聞いたが、本当のことはよくわからぬ。
日本人にはなじみの薄いブランドであるが、アメリカではたまに見る。 この非対称のタンク車は珍しく、どうしても作りたかったものである。


30年ほど前、プラステイック製のおもちゃのようなタンク車のキットを手に入れた。おそらく、ライオネルの台車と連結器を買って完成させるものだろうと思われる。非常に大味な作りで、あまり面白くない。タンクボディ以外をすべて削り取り、ドームをもう一つ付けた。なんの事はない。タンクボディを丸めて作ればよかったのだ。そうすればスクラッチ・ビルトになった。
ドームの接着はスーパーXによる。これがなければできなかった。エポキシでは剥がれてしまう。下廻りはキットの構成を大改造した。でたらめな作りで、話にならなかった。
未塗装で15年ほど寝ていたが、年末に塗装した。
どうして二槽になっているのかは分からない。諸説あり、潤滑油とガソリンなどとあるが、どれも怪しい。多分潤滑油を二種類だろう。
Tydol Veedol は、初のTranspacific Flight (太平洋横断飛行)が、1931年に青森県の淋代から行われたときのスポンサであった。機体にMiss Veedolと名前が書いてある。
今の三沢基地の近くである。どうしてそこになったのかは、単に地理的な問題である。大圏航路で本州としては一番アメリカに近いからである。出発時にもらったリンゴがあまり美味しくなかったので、アメリカからデリシャス系のリンゴの木を贈ったという話がある。それが青森りんごに接ぎ木されて広まったと聞いたが、本当のことはよくわからぬ。
日本人にはなじみの薄いブランドであるが、アメリカではたまに見る。 この非対称のタンク車は珍しく、どうしても作りたかったものである。
2016年10月28日
塗装済みの貨車

このタンク車もスクラッチ・ビルトである。かなり重い。太いブラスのパイプを切断し、それに合う蓋を鏡板としてハンダ付けした。蓋は何かの部品だったが、余っていたので削って付けた。 ドームもパイプから作った。丸く欠きとって、炭素棒でハンダ付けした。台枠はムクの角棒だ。
何かの図面集で、見つけた細いタンク車だ。 硫酸のような密度の大きな液体を運ぶものである。タンク車の諸元のみのディカールのセットがあったので、sulphuric acid 硫酸専用とした。
ドームの上方の細かい部品はロストワックスで、硫酸用なら要らないものもある。どこの会社にしようかと迷っている。実はちょうど良いディカールがないのだ。ディカールのジャンクを入れた箱から、切れ端を拾い出して貼ろうと思っている。
実はもう一台同じタンク車がある。材料が余っていたので作ってしまった。それは青いDow Chemicalになるはずだ。ディカールが用意してある。

台車を取り付けるボルスタが薄板で、ネジがバカになった。厚板から作り直し、ネジを切った。当初のはJISネジで、新しいのはISOネジだ。
車輪の内外の色が違うのがウリである。外は油でまみれ、内側は錆びている。最近はそういう塗り分けをしている。内側は塗ってないと目立つので、全て塗装し直している。
ディカールはY氏に作って戴く手筈になっている。
2016年10月18日
完成した貨車
塗った貨車を紹介していこう。
このタンク車はスクラッチ・ビルトである。かれこれ15年以上掛かっている。安達製作所から譲ってもらったジャンクの中のドーム部分が一つ余っていたので、それを有効利用するために作った。タンクの円筒は丸めて作り、鏡板は大きなブラスの丸棒を旋盤で挽いて作った。厚みが10mm以上あって、ずいぶん重い。ガスバーナで炙って付けたので、ハンダがたっぷりついていた。タンク車は完成後の補重が難しいので、重く作るのには意味がある。
組立てが完了してから、余分のハンダを削る作業が面倒で10年ほど放置してあったが、先日一念発起して丹念に削り、塗装した。どこの鉄道の車輛の図面を見たのか思い出せないので、余っていたディカールを貼った。
このdrop bottom gondola は床が固定のを間違って買ったものだ。ずいぶん安くて喜んでいたら、床の開かない方であった。安達製作所も、開くタイプはあまりにもコストが掛かりすぎるので、簡略ヴァージョンを出したのだ。ともかく余っているSPのディカールを貼った。レポーティング・マークは T&NO (Texas & New Orleans) にしたが、他意はない。
このboxcarは、プラスティック製である。黄色系統の気に入らない色に塗ってあったので、文字等を磨き砂で削り落とし、塗り替えた。戴いたスプレィを吹き付け、たくさん買ってあったディカールを貼った。それなりによく仕上がった。
筆者は貨車については詳しく考証はしていない。ありえない設定はしないが、それらしく見えれば良しとしている。以前番号等の問い合わせを戴いているが、こういうわけで、全く参考にはならないことを承知されたい。

組立てが完了してから、余分のハンダを削る作業が面倒で10年ほど放置してあったが、先日一念発起して丹念に削り、塗装した。どこの鉄道の車輛の図面を見たのか思い出せないので、余っていたディカールを貼った。


筆者は貨車については詳しく考証はしていない。ありえない設定はしないが、それらしく見えれば良しとしている。以前番号等の問い合わせを戴いているが、こういうわけで、全く参考にはならないことを承知されたい。
2016年02月21日
車輪を塗る
先日手伝いに来てくれた友人が、貨物列車を見てかなり驚いていた。
「車輪が塗ってある・・・・・・」
「君のは塗ってないのか。」と聞くと、機関車は塗ってあるが貨車などは全く塗ってないという。塗るのは面倒だし、うまく塗れないと言う。
「そんなことはないよ。ほらこうして車輪を回しながら一筆で片面塗れるだろう?いっぺんにやると失敗するから、1面ずつ塗ればいいのだよ。」
タンク車には裏面も塗る。彼はそこにも驚いていた。
「タンク車のフレイムは透けているから、裏まで見えてしまうからね。」
一部のホッパ車も裏が見えそうだ。
彼はその簡単さに非常に驚いていた。この種の塗装はフロクイルに限る。薄い塗膜でも隠蔽力があり、つやがなくて筆で滑らかに塗れる。常温でも塗ってから1分くらいで溶剤が蒸発し、もう垂れることもない。完全に固まるまで2日ぐらいかかるが、線路に載せてしまえば触ることもなくなる。
フロクイルは手に入りにくくなってしまった。日本のみならずアメリカでも買いにくい。どういうわけかそのブランドが無くなってしまったようだ。どこかが買い取って売り出せばよいのだが、在庫限りでおしまいのところが多い。
昔買い込んだものがスーツケース一杯分くらいあるので、当分は大丈夫だが、特定の色はなくなってしまいそうだ。UPイエロゥとかプルマングリーンは貴重品だ。
プルマンの車輪には油汚れの色を塗る。車輪が塗装してあると非常に実感的である。
「車輪が塗ってある・・・・・・」
「君のは塗ってないのか。」と聞くと、機関車は塗ってあるが貨車などは全く塗ってないという。塗るのは面倒だし、うまく塗れないと言う。
「そんなことはないよ。ほらこうして車輪を回しながら一筆で片面塗れるだろう?いっぺんにやると失敗するから、1面ずつ塗ればいいのだよ。」
タンク車には裏面も塗る。彼はそこにも驚いていた。
「タンク車のフレイムは透けているから、裏まで見えてしまうからね。」
一部のホッパ車も裏が見えそうだ。
彼はその簡単さに非常に驚いていた。この種の塗装はフロクイルに限る。薄い塗膜でも隠蔽力があり、つやがなくて筆で滑らかに塗れる。常温でも塗ってから1分くらいで溶剤が蒸発し、もう垂れることもない。完全に固まるまで2日ぐらいかかるが、線路に載せてしまえば触ることもなくなる。
フロクイルは手に入りにくくなってしまった。日本のみならずアメリカでも買いにくい。どういうわけかそのブランドが無くなってしまったようだ。どこかが買い取って売り出せばよいのだが、在庫限りでおしまいのところが多い。
昔買い込んだものがスーツケース一杯分くらいあるので、当分は大丈夫だが、特定の色はなくなってしまいそうだ。UPイエロゥとかプルマングリーンは貴重品だ。
プルマンの車輪には油汚れの色を塗る。車輪が塗装してあると非常に実感的である。
2015年09月06日
Union Tank Car Co
UTLX と言えばタンク車製造会社である。本社はシカゴの近くにあるが、工場はあちこちにある。そのうちの一つが、ここEvanston、WYにある。

タンク車のように危険物を運ぶ車輛の連結器は特別である。何かの事故があってもそう簡単に外れたりしないようになっている。要するに上下の変位が制限されているのだ。
AARの分類ではEとかFに相当する。棚(shelf)状に飛び出している部分で、相手のナックル(日本語では肘と云う)の動きを制限する。これをシェルフ・カプラと呼ぶ。
機関庫の裏手に行くとユニオン・タンク・カァの会社がある。この町では大手の会社で、かなりの雇用を生み出している。タンク車が何台か並んでいた。いわゆるfunnelタイプのタンク車だ。文字通り漏斗状で、抜けが良いことを売りにしている。初めてこのタンク車を見たときはとても驚いた。作り間違いではないかと思ったくらいだ。
熔接が進歩したので、曲がっていても強度に差はないとのことだ。


AARの分類ではEとかFに相当する。棚(shelf)状に飛び出している部分で、相手のナックル(日本語では肘と云う)の動きを制限する。これをシェルフ・カプラと呼ぶ。

熔接が進歩したので、曲がっていても強度に差はないとのことだ。
2012年06月04日
続々々々 Illinois 鉄道博物館 再訪

この時期のタンク車は最近はきわめて少なくなった。






このカブースも全く同じタイプのものを数台持っている。MGやUSHの時代には与えられた情報が少なく、安達製作所は苦労して作っていた。しかし間違いが多い。便所の窓が左右にあったり、デッキの梯子の形が全く違っていたりする。
窓は塞げばよく、梯子は作り直せばよい。しかし図面だけでは分からないところがあるので、写真を撮ることは大切なことである。
たまたま見つけたので、室内を含めたくさんの写真を撮った。
この台車はOゲージでは模型化されていない。いずれきちんとしたものを作って、製品化しようと思っている。欲しいという人はかなり居るからだ。
2012年04月29日
続々々 St.Louis の鉄道博物館


黒丸は明らかに目玉を意識しているのである。




追記 カヴァ coverする とは取材などによって記事を掲載すること、放送することである。複数の方から質問を戴いた。
2011年07月01日
”Occupied Japan”



”made in occupied Japan"
という銘板が貼ってあった。ということは1952年までの製品だ。これは厚さが0.25 mm という信じられないほど薄い板で作られたタンク本体を持つ。薄いからリヴェットの打ち出しはとてもシャープであるが、強く持つとペコンと凹むから注意しなければならない。同型のものは持っているので、安達製作所製であることは疑いがない。
前回のは下廻りが怪しい仕上がりの板金製であったので、それは捨てて新製している。今回のは下廻りがダイキャストとの混成で出来がよいのだろうが、ダイキャストが劣化して少し曲がってしまっている。それをばらして捨てざるを得ない。銘板はそれに付ける。
ダイキャストの部分には、ドラフトギヤもある。それをばらして驚いたのは、Thomasのタンク車と同等の構造を持っていたことである。 押し、引きの双方向に緩衝があり、実物の構造をよく知った人が設計していることが伺える。連結器はworking(可動)である。下にぶら下がった部分は初めて見たが、Monarchの系統である。ひょっとすると、カタログ上でしか見たことがない
"ramp operating"かもしれない。
トーマスの製品と比べてみると、型は異なる。この時代にすでにダイキャスト型を起こして模型を作ろうとした人がいるのである。ダイキャスト部品は、ブラスのラニングボードに十分にうまくハンダ付けができている。しかも60年以上もの間、間違いなく接着されている。これは意外なことであった。ダイキャスト部品は多少膨張しているが、脆くはなっていない。
上廻りのハンダ付けはほとんど取れていた。ハンダ付け職人の技量がよくなく、ハンダが廻っていない。丹念に外して全面ハンダ付けをした。こうすれば絶対に壊れない。その他細かい部品を作って付けたら、立派に見える。いずれ塗装したら写真をお見せする。
台車は例によってAthearnのデルリン台車である。車輪はLow-Dを装着した。この台車をいくつか持って行ってヒル氏に見せたら、大変強い興味を示した。「私はもう引退したが、これはアメリカ中に売れる。いや世界中に売れる。雑誌に発表しなければ…」と言う。
「Model Railroaderでそろそろ掲載なのですが、少々事務手続き上のミスがあって遅れています。」と言うと、「それなら良い。これはInnovativeな(意識革命を起こすような)製品である。必ず売れるよ。」と言った。
2010年07月01日
Walthers の ”Tongue-in-cheek" キット

その中にこの "Tongue-in-Cheek" キットがあった。この言葉は、辞書に載って居ない可能性が高い言葉で、悪ふざけという意味である。
しばらく前、Beer Can Tankerの写真をお見せした。その tankbody を本当のビール缶で作ってしまえというわけである。
12オンスのビール缶なら何でもよく、とりあえず手近にあったOlympiaのビール缶を使った。Oスケールではかなり太いので、バランスがよくない。背が高いが、一応限界内に収まる。飾棚の片隅に置いてあり、走らせることはほとんどなかった。
部品はすべてソフトメタルで、エポキシ・セメントで取り付けた。手すりの取り付けもエポキシなので触ると壊れるだろう。もし壊れたら、ブラスをハンダ付けして組み立てようと思う。どうせなら16オンス缶で作ると立派であろう。
2010年06月29日
続々々 Max Gray のタンク車

このドームには「緑を塗れ」と指示してある。しかし、その彩度が分からない。後で彩度を下げるのは容易であるので、とりあえず鮮やかにしてある。


右のBrea Chemicalが何なのかはよくわからない。1950、60年代によくあった原子を表す絵が付いている。



右のEastmanのタンク車は部品が余っていたので、プラットフォームを作った。見本となったものがあるのかどうかは分からない。このタンク・ボディには深い dent(凹み)があった。直すのも面倒で、仮組みして伊藤剛氏に見せたところ、これまた "Authentic"(真正な、すなわち揶揄して写実的であるという意味)とのことで、そのままにした。
2010年06月27日
続々 Max Gray のタンク車



右のタンク車はUSHの時代にKUMATAで作ったものである。極端にへたなハンダ付けで全ての部品がイモ付けである。触るとパラパラと部品が取れてくる。壊れて丸裸になった物を安く買った。ほとんどの部品を作り直し、修理に一苦労した。直しているうちに、タンクのエンドまで外れたのには参った。
一時期の韓国製よりひどい出来であり、中古価格はかなり安い。

2010年06月25日
続 Max Gray のタンク車
これは親友Georgeの遺品である。奥さんから形見に貰ってしまった。これを見ると彼のことを思い出す。塗装は筆者による。
2010年06月23日
Max Gray のタンク車
それは祖父江氏の機関車の分野だけではない。貨車の分野にも大量生産が展開された。安達製作所のようにプレス加工に秀でた製造所を見つけ出し、今までにない精度の製品を作りだした。MGが1ロット何百輌という貨車を販売したので、それらを沢山買う人が現れた。コレクタではない。レイアウト上を走らせるためである。
同一車種をたくさん並べた列車は、MG登場以降、MRによく現れるようになった。それまでに発売された貨車はThomasのようにキットであって、それらを全部組み立てて仕上げるのは結構面倒な仕事である。カスタムビルダに頼むにしても、大変な仕事である。
MGであれば、金を払うだけで手に入る。一度に24輌ずつ買う人がかなり居たと聞いた。すなわち一編成がすぐ手に入るということである。
その他16,000ガロンのタンク車 、ウォークウェイが高くなっているものもある。これは珍しく、オークションではかなりの高値で取引されている。特に2ドームが少ない。
ここにお見せするタンク車はジャンクより組んだのだが、真正な製品より細かくできていて、友人に見せると羨ましがられる。
2010年06月21日
続々 タンク車の増備
本物の図面を詳細にチェックし、図面通りに作ったのがこのキットの売りであった。ところがそれは作りにくく、壊れやすかった。
以前にも書いたが、全てのリヴェットが円錐型をしている。こんな金型を作る人の気が知れない。左右2型ではなく、3等分した型で円錐リヴェットを表現している。しかし、細かすぎて普通のアメリカ人には組み立てられない。作っても触ると壊れる。今はAtlasブランドで中国製の完成品が出ている。壊れやすい部分を金属製にしてある。
このSHELLのシングル・ドーム 8000ガロンは自分で組んだのだが、壊れるのが嫌で、レイル上から外したことがなかった。手すりが細くて一体モールドである。ここを持てば必ず壊れそうである。
ハンドレイルは全部とれていた。梯子もない。細かい部品は全部無くなっていたので新製した。
ハンドレイルは、挽き物パーツをスーパーXで取り付けた。よく付くので助かる。梯子はブラス製。ブレーキ部品もブラス製である。完成後、細い筆でリタッチして銀色にした。
これらの貨車は全てLow-D車輪に取り替えてあるので0.3%の坂を下り降りる。タンク車だけで50台以上あるので、単独の列車が編成できる。
貨車の種類ごとに編成を組むと実際にありそうな列車になる。
2010年06月19日
続 タンク車の増備
Thomasの貨車はよくできている。素晴らしい実感だ。ダイキャストの部品があるので、よく脱脂をしないと後で剥がれやすい。プライマもよく吟味しないと後で泣くことになる。
最近は"ミッチャクロン・マルチ"を使っている。塗って10分くらいで、表面がやや粘い時に塗ると良いらしい。今のところ剥がれた例はない。
キット通りの安全弁が二つ、ドームの頂部に付いているのでは面白くないので、ほとんどの車輌は、側面に安全弁を付けている。このロストワックスを計算間違いでたくさん購入してしまったことも、理由の一つである。ご希望の方にはお頒けする。
ドームがダイキャストでハンダ付けが効かないこともあり、スーパーXによる接着に頼っている。エポキシと違い、ぶつけた時に取れないのがよい。
手摺は割りピン方式だ。座を通して二つ折りの細い短冊を差し、中から引っ張って曲げ、ハンダ付けする。実に簡単で正確にできる。しかも強い。そう簡単には壊れない。ハンドレイルは全周一本で継ぎ目は極端に薄いパイプでつなぐ。だから強い。梯子は手持ちパーツから新製した。
タンク・エンドはダイキャストでタンク・ボディに差しこまれた状態で下廻りにネジ留めされる。タンク座は四角の板であるがごく適当にスーパーXで留めてある。ネジを締めた瞬間になじんだ形で固定される。エポキシではこうはいかない。大抵、4つのうちの2つがパラリと落ち、それを再接着するのに面倒なプロセスを踏まねばならない。
先週は一気に5輌を完成させた。ダイキャストのバリ取りに時間がかかったが、そのあとは一気呵成である。これで Thomas の在庫は無くなった。さすがに、もう買うこともないだろうと思う。
Thomasには他にいくつかの製品があるが、手に取ってみる価値もない。明らかに設計者が違う。
2010年06月17日
タンク車の増備
最近、ようやく全ての車輌に色を塗り終えた。総勢五十数輌である。1950年代を目標にしているので、今では消えてしまったいくつかの会社の塗装スキームがある。1台ずつではおかしなものなので2,3輌ずつそろえている。Champion Decalが廃業寸前で、欲しいディカールが手に入らない。オークションで目を凝らして探している。やはり探している人は大体同じ顔触れでいつも競合する。
模型店の店頭在庫も丁寧に探さねばならない。全てをオンラインで管理しているわけでもないので探すのは大変だ。スワップ・ミートでは、朝一番に箱ごと大人買いをして、要るものだけを抜き、あとは適当な値段で処分するという方法を採ってきた。
おかげでスーツケース一杯の在庫があるのだが、本当に必要なものはほとんどない。
このタンク車は、ディカールから始まった。偶然手に入れたCrystal Car Lineのディカールがとてもきれいで、それに合わせた貨車を作った。
色は鮮やかな赤で、くすんではいない。これはウェザリングを掛けずに、いつまでも新車ということにしたい。車体はIMPの1950年ころの製品だ。下廻りを新製してロストワックスの部品を付けた。オリジナルとは全く異なる仕上がりとなった。
ディカールは古いので水に浮かせると細かくちぎれそうであった。そういうときには、水に付ける前に Micro liquid Decal Film を塗って乾かす。
新たな膜が表面に出来て、微妙に厚くなるが丁寧に文字の輪郭に沿って切れば、分からない。日本でも売っているようだ。
2010年06月05日
続 "Super X" cement
先回にお見せしたフレームは捩じることが出来る。ハンダ付けではそうはいかないし、また瞬間接着剤では分解してしまうだろう。
この捩じり剛性の少ないフレームは、簡単に捩じれる。すなわち、線路への追随性の増大に貢献する。すなわち等角逆捻り機構が要らないことになる。
連結器の取り付けには、極めて適する。大きな衝撃が掛かるので、エポキシではいつか剥がれてしまう。以前エポキシで付けたところが剥がれたので、これで貼り付けた。
それともう一つの利用法として、飛び出している部品を付けることである。たとえばタンク車のドームには、安全弁がL字型に飛び出している。これを硬い接着剤で付けたり、ハンダ付けすると、何かにひっかかったときに折れやすい。あるいは接着が剥がれる。穴をやや大きめに作り、スーパーXを多めに付けて固着させる。もちろん固まるまで何らかの保持装置で押さえる必要はある。
合成ゴム系のものは30年くらいで少しずつ劣化するが、これはシリコーン系なのでもっと長持ちするはずだ。40年前のシリコーン・シーラントは、雨ざらしでも全く変わらぬ弾力性を示している。
2010年06月03日
"Super X" cement
このキットの組立てでもっとも面倒なところは、ランボードを取り付けることである。普通は細い釘を通して締め付け、ハンダを流してから余分を切り取り、ヤスリを掛ける。きちんと仕上げるのは難しい。また、ダイキャスト製の細い支えの先端にランボードをどうやって付けるかは、パズルみたいなものである。
アメリカ人は、「釘をハンダ付けしておいて、ダイキャスト部品を巻き込むように曲げる」というが、持つと撓んで塗料が剥がれる。
これをエポキシやACC(瞬間接着剤)で付けると、持つ時の撓みでそのうちに外れてしまう。質量のあるものを細い部分で持つので歪みが発生するからだ。他のところを持てばよいが、ランボードが一番持ちやすいので、そこを持って接着が外れるというわけだ。撓みに強い接着剤は外れにくい。
タンクの受けの部分に四角の部品が四つある。これもこの接着剤で付けてある。タンクを締め付けた時に多少動くので、硬い接着剤では外れてしまう部分だ。今までは細いブラスワイヤを通して自由に動くようにしていた。
少量付けてクランプで圧締する。この圧締という操作が最も大事なところであり、接着剤の膜を薄くすることである。接着剤の膜が厚いと破断しやすい。
ハンダを流しても、とれることがない。出来上がりが軟らかくて、ランボードのしなりを逃がしてくれる。このような部分の接着剤としては最高である。
2009年01月31日
Hookerのタンク車
色の名前にHooker Greenがある。これは紺青(プルシアン・ブルゥ)とガンボージという有機顔料の混合物で、落ち着いた緑である。鉄道車輌にもよく使われていた。これは有機顔料が入っているので褪色しやすかったが、現在では単一の褪色し難い顔料になっているはずである。このHookerは、この化学会社と同一のものかは調査中である。
このタンク車は、随分前に本物と模型をほぼ同時に見た。色が印象に残った。これもいつかは作ろうと思って、ディカールを探していたがなかなか手に入らなかった。
Champ社でも長らく品切れであったが、再生産の知らせがあったのですぐに注文した。
この貨車も先回の50 ftタンク車と同時に、e-bayで安く買ったものである。塗装をはがして補修し、塗れば立派な車輌になる。
積荷は苛性ソーダ液とした。ワシントン州タコマの水力電気を使う工場で電解して製造したものを積んでいることになっている。
最近お見せしている車輌はディカールが貼り立てで、艶が消してない。艶を適度に消して、ウェザリングすると多少よくなる。どの写真も台車は仮のものを使用していることをお断りしておく。
2009年01月11日
Decal を貼る
製造は安達製作所である。これは内野氏のお宅に遊びに行った時に、貰ってきたものである。「K模型店の倉庫に転がっていたのを貰ってきた」のを、「はいよ、お土産!」と戴いた物であった。あちこち壊れていて、修理した。ついでにドームを旋盤で挽いて新製した。
この型番の貨車はたくさん所有している。どれも有名な化学会社の塗色にした。DowとかMonsanto, Penn Salt などがある。左のリンク集の一番上の動画をご覧戴けば、その様子がお分かり戴けるであろう。
タンクの上部にあるドームの形が普通とは違っていて、大きな安全弁が付いている。高濃度の過酸化水素は大変危険な物質であり、まかり間違えば大爆発を起こす。タンクの内部はグラス・ライニングが施されているはずだ。もっと高濃度のものを運ぶときは、純アルミニウム・タンクを用いる。

このころのChamp Decalは現在と比べるとやや膜が厚い。丈夫だから貼りやすいが、膜の腰が強くて凹凸になじみにくい。ディカールを浸す水は40℃くらいにすると、少しは軟らかくなる。
ディカールをなじませるSoftenerはどこのでもよい。あまり多いと失敗する。ディカール膜の水を切って、貼る面に1,2滴置いたソフナの上に着地させる。
2008年12月30日
続 Draft Gear
その点については、かねてから申し上げていることである。模型雑誌しか読まない人が多いと思う。
「アメリカ型をやっている」とおっしゃる模型人とお話しするチャンスがあった。「ロコサイクロ、カーサイクロをお持ちですか?」と聞くと「何?それ。」という方が多い。
それらを読めば構造がよく分かる。今は円高でチャンスなので、ぜひともお買い求めになることをお勧めする。最近は、版権が切れてPublic DomainになったものからCD-ROMで安く売り出されている。1922年版は30ドル以下で市販されている。

このバネは伴板(英語では、spring plates) に、ちょうど良い固さではまる。抜けてこない。ブラスのピンを刺せばそのままはめ込むことが出来る。カプラの根元はここに嵌まるのだ。
非常に模型的であってうまい設計である。
2008年12月28日
Draft gear
Kadeeは、押す、引く、両方の緩衝能力はない。片方だけ多少の緩衝能力があるだけである。ガタも大きいから、引き出し時にはかなりの音がする。それも楽しい音ではあるが、実物どおりに作動する模型も面白い。
これは以前紹介したThomasのタンク車である。筆者はこれを見つけると買うのでかなりの台数を保有している。最近は円高のおかげで安く手に入る。
筆者はほとんどKadeeに換装するが、一台だけオリジナルの組立て品を持っている。
その動きは興味深い。
まず、左は押し込んだところ、次いで中は引き出したところである。そして、右の写真は首を振ると、スプリングの端が傾くので復元力が生じるところを示す。
簡単な構成でここまで見事な動きをする模型は珍しい。残念なのは付属のカプラが、非可動であることだ。TransPacificの記事中同じような図が載っているが、首振りのセンタリングまで含めて解決している点で、この製品はすばらしいと思う。可動カプラにすれば全て解決する。
しかしダンパーがないので、蓄えられたエネルギが飛び出してくる。したがって、実際の動きはややギクシャクする。適当な摩擦を生じるように板バネを挟むと良いかもしれない。
2008年12月22日
Quality Craft のプラスティック貨車
このタンク車もかなりよく設計されていた。今はもう無くなっているが、デッキの手摺と、床面と同じ高さの枠が、あらぬ角度にモールドされていた。それらをねじって孔に突っ込むと、細いプラスティックにストレスが掛かって、非常に堅い手すりになった。うまい設計であった。
この例のように、細いものに力を掛けて組み立てるという発想は、ドイツあたりから始まったようだ。
これは50ftであるが、40ftも少々の変更で同時に発売した。この調子でいろいろな製品が出てくると、きっと大成功するだろうという予兆を感じさせた車輌である。
手摺は0.75mmのブラス・ワイヤと1.5mmアングルの組み合わせである。巻き付けてハンダ付けするととてもしっかりする。アングル内側にはブラス・ワイヤをハンダ付けしてそれを本体に開けた孔に差し込む。相手がプラスティックなので、強く挿して摩擦で抜けないようにする。接着剤なしでも十分なくらいである。あまり強く差し込むと時間が経つと割れてくるから、針金の長さ方向にニッパで傷をつけて差し込む。そのとき、本体の孔はやや大きめにして傷をつけたときに出来るふくらみの先端が食い込むようにする。文字で書くと難しいが、やってみれば簡単である。これがクリープ割れを防ぐ方法である。
この写真では深く差し込みすぎて上端が傾いているが、後で修正した。
外れているプラスティック部品をヤスって、新しい面を出し、リモネンを塗ってクランプすると完全に接着する。
2007年04月27日
続々 IMP のTank Car
IMPの製品は、あちこちのスワップ・ミートでよくお目にかかるので、値切って買ってしまう。100%自作するよりずっと楽に出来るので、材料のつもりで買っている。
一体、IMPは何台のタンク車を輸入したのであろう。
2007年04月26日
続 IMP の Tank car
筆者はIMPのタンク車を複数保有している。久しぶりに出して並べてみたら、まだウェザリングしてないものが多いことに気が付いた。
これはD-X Gasolineのタンクカーである。この貨車はどういうわけか、実際に液体を入れることが出来るようになっていた。タンクはこれまた薄いブラスの板であるが、念入りにハンダを流して気密性をよくしてある。ドームには1/4インチのネジで、ガスケットを介して栓をする様になっていた。
水を入れてみると、漏れることはなかった。どうやらそれが、「売り」であったようだ。しかしながら、液体を出すべき場所はなく、貨車をひっくり返して液体を出すということをしなければならないアイデア倒れの製品である。底に排出栓をつけるべきであった。
D-X GasolineはSunocoに買収されたオクラホマの石油会社である。1950年代にはよく見られたはずである。筆者はこの貨車の現物は見たことがない。しかし、古いアメリカ映画を見ているとよくお目にかかるブランドではある。
IMPの製品は薄いブラスを器用に曲げてハンダ付けした製品で、人件費の安かった頃の日本の玩具産業の延長上にある。工学的な素養のある人が設計に関っていた形跡は、全くと言ってもよいほど無い。
この貨車は壊れかけたものを友人から安く手に入れたものであるが、改装後に見せたらあまりの違いに驚嘆して、売るのではなかったと後悔していた。その後、彼もまた手に入れて、作り直した。
水を入れてみると、漏れることはなかった。どうやらそれが、「売り」であったようだ。しかしながら、液体を出すべき場所はなく、貨車をひっくり返して液体を出すということをしなければならないアイデア倒れの製品である。底に排出栓をつけるべきであった。
D-X GasolineはSunocoに買収されたオクラホマの石油会社である。1950年代にはよく見られたはずである。筆者はこの貨車の現物は見たことがない。しかし、古いアメリカ映画を見ているとよくお目にかかるブランドではある。
IMPの製品は薄いブラスを器用に曲げてハンダ付けした製品で、人件費の安かった頃の日本の玩具産業の延長上にある。工学的な素養のある人が設計に関っていた形跡は、全くと言ってもよいほど無い。
この貨車は壊れかけたものを友人から安く手に入れたものであるが、改装後に見せたらあまりの違いに驚嘆して、売るのではなかったと後悔していた。その後、彼もまた手に入れて、作り直した。
2007年04月25日
IMP の Tank Car
この製品はIMP(International Model Products社)の製品である。IMPは1950年頃から55年にかけて、日本製の模型をアメリカに輸入していた。日本からの輸出黎明期で、比較的出来のよくない製品が多い。この頃の動力車は、今では眼を覆いたくなるような出来の物ばかりであるが、貨車の中には出来の良いものもあった。いくつかある製品の中ではタンク車がよく出来ている。
材料がとても薄く、手で持っただけでも凹みそうなものもある。ブラスの厚みは1/100インチ(0.25ミリ)である。薄いだけに、リヴェットの押し出し具合は良い。
これも下廻りが怪しく、我慢できないので新製している。ドームにはロストワックス製のディーテイルを付けているので、ほとんど原型を留めていない。
これはスワップ・ミートで入手したものである。事故車らしく、タンクに凹みがあった。そのせいもあって下廻りが駄目で、価格は信じられないくらい安かった。
適当に凹みを直して、短時間で作った。タンクの上面と側面にやや目立つ凹みがあるが、伊藤 剛氏は、"Authentic!"と褒めてくれた。実物みたいだというわけである。(オーセンティックという言葉は、「真正な」、「由緒正しい」という意味であり、このような場合に使うのはジョークである。)
板が薄いので、とても軽いから、台枠の隙間に補重している。
2007年04月24日
Williams の Tank Car
その中のタンク車はそこそこの出来で、上廻りは十分使える。下廻りはお世辞にもよく出来ているとは言えない。そこで下廻りを新製する事になった。

昔から、このタンク車には興味があった。どうして非対称でなければならないのか?
理由があるなら知りたいものである。ディカールは入手してある。大方出来てしまったも同然なので、近いうちに発表したい。
ちなみに、Veedol社はかなり古い石油会社で、太平洋横断の初飛行をした飛行機のスポンサーだったはずである。青森県の淋代海岸から飛び立った。 Tydolは東部のガソリンスタンドのブランドであったように記憶している。
出発時に地元民から貰ったリンゴが美味しくなかったので、アメリカから甘いリンゴの苗木を贈ったという話があるが、真偽は不明だ。
2007年04月23日
続々 Lobaugh のTank Car
このタンク車の下廻りは適当な部品を組み合わせて作った。それらしく作っただけなので実物にあるかどうかは知らない。タンクの板が厚いせいか、大きさの割にはずしりと重い車輌である。
塗ったばかりでまだ塗料が軟らかい状態で静岡の運転会場に持って行った。ある方が、「ウェザリングしてない貨車なんてありえない!」と仰った。「まだ塗り立てですから…。」と言い訳した。しかしその後10年も経ったが、まだウェザリングしてない。列車の中に1台だけぴかぴかの車輌があるのも良いものではある。その方は最近故人となられた。
タンク車は自作するのが容易である。ドームの形を作るのは面倒であり、正確に作るのは困難であるが、それさえ手に入れば出来てしまう。
筆者はオークション・サイトで、ブラス製ドームパーツを、鵜の目鷹の目で探している。スワップ・ミート(swap meet)などで見つけようものなら、箱ごと買ってしまう。
タンクのエンドはブラスのバー材をのこぎりで切り、旋盤で挽き落して丸く削る。たくさん作って、丸みの合うのを組にして使う程度のことである。写真は円筒状の材料があったのでその中心につかみ代をハンダ付けして挽いたものである。
あまり厚いと重くなりすぎるので、厚みは5ミリ程度にして、内側にチャックでつかむ部分をつける。これは銀ハンダで付けておかないと旋盤に掛からない。タンクの材料は薄い板を3本ローラで巻いて作る。巻き始めと巻き終わりだけは、丸棒上でゴムハンマーで叩いて丸みをつけておけば、均一な丸みになる。
塗ったばかりでまだ塗料が軟らかい状態で静岡の運転会場に持って行った。ある方が、「ウェザリングしてない貨車なんてありえない!」と仰った。「まだ塗り立てですから…。」と言い訳した。しかしその後10年も経ったが、まだウェザリングしてない。列車の中に1台だけぴかぴかの車輌があるのも良いものではある。その方は最近故人となられた。
筆者はオークション・サイトで、ブラス製ドームパーツを、鵜の目鷹の目で探している。スワップ・ミート(swap meet)などで見つけようものなら、箱ごと買ってしまう。
あまり厚いと重くなりすぎるので、厚みは5ミリ程度にして、内側にチャックでつかむ部分をつける。これは銀ハンダで付けておかないと旋盤に掛からない。タンクの材料は薄い板を3本ローラで巻いて作る。巻き始めと巻き終わりだけは、丸棒上でゴムハンマーで叩いて丸みをつけておけば、均一な丸みになる。
2007年04月22日
続 Lobaugh のTank Car

ロボゥのタンクはとても分厚い。厚さが1/32インチ (0.8 mm)もある。落としても凹まないくらいである。ブラスのパイプを焼きなまして雌型の中に中に入れ、内部に圧力をかけて膨らませて作ってある。多分プランジャーを油圧で押し込んで作るのであろう。ちらりと見えるリベットは、この方法で作られているのだ。
中を覗いても、雄型で押した痕はなく、つるりとしている。板全体が塑性変形して、リヴェットその他のディーテイルを構成している。そのパイプを旋盤で削って長さを出し、タンクの妻板を嵌める部分を削っている。
日本製の模型にはありえない構造で、これもまた、組立て時に設計者の腕を賞味することが出来る素晴らしいキットであった。
このようなつくりなので、硬ロウで組立てれば圧力容器にもなる。実際にガスライターを作った人もいる。一体何年分のガスが入ることやら。
ウイスキーを入れるようにしていた人はよく見た。レイアウト上に注ぎ出す場所を作って、来客に飲ませて遊ぶのだ。
このタンク車を手に入れたのはもう30年も前のことである。下廻りも組み立てたが満足のいく様には組めなかった。プレスが甘いからである。
その後、一念発起して下廻りを新製した。ドームも新しくして、ロストワックス部品をつけた。本体より、ロストワックスのほうが高くなってしまった。
2007年04月21日
Lobaugh の Tank Car
その中で蒸気機関車の模型は全て、機械工学が応用された『正しい模型』とでも言うべきものであった。Challengerについては以前書いた。
貨車は面白い形のものをいくつか出していたが、どれもこれもプレスの角が甘く、作り直す必要があった。
最近オークションでこれを手に入れた。SPのCrude Oil Tank Carなるもので、要するに未精製の石油を運ぶ貨車らしい。大きな安全弁が反対向きに付いたロストワックス一体鋳造のドームが載っている。
フレイムは込み入ったつくりである。これもプレスの曲げが甘く、普通には組み立てられない。これを組み立てた人はなかなかの腕であると思う。
自分で組むとしたら、下廻りは新製になりそうである。
E-bayのオークションで塗装済みのものを格安で手に入れた。塗装はやや傷んでいるが、塗り替えるほどではない。このままのほうが風格があってよいかも知れない。多少のタッチアップをする予定である。
カプラだけはKadeeに換装してあった。台車はLobaugh社オリジナルのものである。当時としてはよく出来ているが、如何せん摩擦が大きい。いずれ取り替えねばならない。
2007年04月20日
続々 Thomas の Tank Car
ドームの蓋をロストワックス製の高級品に取り替えてあるのと、安全弁の向きが異なる。
手すりは継ぎ目がどこにあるか分からない位、うまく継いである。左手大きなMの字の少し左あたりが継ぎ目であるが、どなたも気づかれないであろう。
昨日の写真の右のドーム下をご覧いただければすぐお分かりいただけると思う。極めて薄いパイプを用いて、ブラスの線を繋いである。この方法により、手すりは一体となり、継ぎ目で折れることはない。
マックスグレイで始まる日本製ブラスモデルも、このようなところを真似るべきであった。いくら細かく出来ていても折れてしまうのでは意味がない。
筆者はタンク車だけでも数十輌を保有している。何台かはアメリカ製である。どれも原型ではなく、台車、連結器を取替え、多少のディーテイルを追加している。
明日からはLobaughについてお話したい。
2007年04月19日
続 Thomas の Tank Car
手すりは、割りピンをダイキャストの小さな足に通して裏で広げる。そのままでも良いが、ハンダを流せば安心である。タンク上のラ二ング・ボードも穴に差込み、裏で広げる。これもそのままでも良いがハンダ付けする。
ドームは中に小さなバネ状の板を入れて下からネジで締めると、そのバネが広がってドームに噛み、締め込まれれば隙間なく密着する。
ドームの蓋は、簡単な蝶番になり開閉できるが、接着剤で固着する。塗装がはげるのが好きではないからだ。安全弁は、筆者の好みで側面に突き出た形のものを付けた。ドーム上面の穴は、焼きなました銅線を差込み、カシメて平らにする。少しやすりを掛ければ全く見えなくなる。
連結器は前後方向に緩衝作用を持たせた優れものではあるが、Kadeeに換装した。縦フライスで削り落としてはめ込む。
タンクの球面エンドはダイキャスト部品で、これを嵌めてフレームにネジ留めすると全てが完全に固定される。
2007年04月18日
Thomas の Tank Car

この組立説明図はいわゆるEXPLODED VIEWというもので、これは「爆発させてばらばらにした図」という意味である。
このトーマスという会社がどういう会社なのかは全く分からない。1950年代にニュー・ジャージー州に存在した会社であることは分かるが、他に何を作っていたのかはよくわからない。ベッテンドルフ台車が作られたことは確かである。4-4-0も作っていたらしい。それは3-Railらしい。
筆者は、アメリカの模型製作業者の中でこのトーマスを最高ランクに置いている。ブラスとダイキャストを組み合わせた実に巧妙な設計で、かなり細密な模型を作っている。組み立てていても、その全てのステップで設計者の頭の良さに感動してしまう。
今ではほとんど見かけることがなくなったが、たまにe-bayのオークションに出てくるので必ず応札する。うまく行けば30ドル台で落とすことが出来る。
慣れれば、組み立ては数時間でできる。その数時間で、これほどの幸福感を与えてくれる模型も珍しい。金属のピンを挿してカシメて留めたり、ネジを締めると部品が開いて固着させたりする。多少、接着剤を使うところもあるが、カシメと僅かのハンダ付けで作業が進行する。その全てのステップが、実に心地よく進むのだ。