Kleinschmidt

2012年06月12日

Stu を訪ねて

COM_4320-2 Stu Kleinschmidtは名だたる精密工作屋である。名字からして「小さな鍛冶屋」であることに興味を持った。彼の名前はもう30年以上も前から知っていた。時々会うが、なかなか気難しい男で話ができなかった。StuはStewartの短縮型である。

 シカゴの会合で祖父江氏の業績を伝えるプレゼンテイションをすることになって、それが告知された途端に問い合わせがあった。「参加したい。期待している。」ということであった。
 その席上、「Mr.Sofueは偉大だ。尊敬している。」という発言があり、その後筆者のテーブルに現れて、1時間ほど色々な話をした。
 「一度お宅に伺いたいが、」と申し出ると、「ぜひとも来てくれ、明日の午後はどうか。」ということになった。

 道を説明してくれたが、「GPSがある。」というと「すぐ来られるよ。」ということであった。
 実のところは大変手間取った。もらった名刺の住所にミスプリントがあったのだ。近くで何度か聞いて、1時間遅れで到着した。
COM_4412-2 先方は首を長くして待っていた。玄関先に来ていた荷物の住所は、筆者の受け取った間違った住所であったので、聞くと、「運送会社は間違いを知っているから問題なく配達される。」と言った。筆者の到着が遅れたので、「訂正してない名刺を渡したことに気がついた。」と言う。
 
 クラインシュミット氏は親が電気機械の製作修理をしていたらしい。幼少の頃から家業を手伝った。「アメリカ製の電気器具は全て直せる。」と自負している。真空管式の各種のラジオ、アンプ、無線機が大量に置いてある。全て完動品である。未使用の真空管もどっさりあった。

 工作機械は全てアメリカ製とドイツ製である。その数も凄い。ちょっとした町工場である。かなり大きな旋盤が、地下室にある。どうやって入れたのかと聞くと、全てばらして小さくして運び込んだ。「最大200ポンド(100 kg弱)にすれば、滑らせて入れられるさ。」とのことである。出すことは考えていないようだ。

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2012年06月24日

Kleinschmidt Drive

COM_4347 Kleinschmidt Drive という言葉がある。Stu によって開発された伝導方式だ。 普通の既製品のドライヴを外して、彼が作ったギヤボックスを付ける。それだけでも十分なのだが、もうひとつディーゼル機関車には特別の装置を付ける。遠心クラッチである。この動作をYoutubeで探したが、みつからない。

 まずモータをアイドリングにすると、プルプルと廻っている。この時車輪を廻すトルクは取り出されない。回転数を最大速度の20%程度にすると、緩やかにクラッチがつながって行く様子が分かる。巡航速度では、クラッチは全く滑ることがない。
 これの現物を見た時、非常に驚いた。構造はすぐに推測したが、それを大量に作り、十分な寿命を持たせることができる技術力に感嘆したのである。一つや二つなら、筆者にも出来る自信はある。しかし、それを金を取って人に売る自信は全くない。彼はこのドライヴを1000台は作ったと言う。

COM_4333COM_4334 中はこのようになっている。ブラスの丸棒を薄切りにしたものを鋼製の丸棒に通してある。遠心力で外に行って接触するようになっている。相手は鋼製の円筒である。錆びにくいように、黒染めが施してある。注油穴があって、年に一滴油を注せば十分と言っている。20年ほど走らせたものを分解したが、ほとんど減っていなかったと言う。
 多分200年位は十分持つだろうと言う話だ。
 
 この方式は安いモータを使っても滑らかな発進を可能にする。音もなく動き出す。同心性が高くないと、不具合が起きる。その部分の設計、工作が卓抜である証拠だ。
 電気機関車、蒸気機関車には付けたことが無いと言うが、それは当然だろう。

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2012年06月26日

続 Kleinschmidt Drive

COM_4354-2COM_4357-2COM_4358-2 これら3枚の写真をご覧戴きたい。GG-1の主台枠と先台車である。先台車には左右に滑る長穴は無い。垂直荷重だけが掛かる。
 リンクで左右に振れる時に先台車の回転も同時に起こる。うまい工夫である。実に模型的な発想で、感服した。この種の工夫は見るのが初めてだ。この方法を採用すると、線路に載せるとき、全ての車輪が整列するので載せやすい

 この寸法を測って作図したところ、直線から僅かに偏倚(い)したところまでは第二先輪のフランジがレイルヘッドに接触する。その後もう少し首を振ると第一先輪のフランジが接触するようだ。
 実物では軌間を押し広げる形になり、よくないそうだ。

 この件に関しては、業界人に写真をお見せして、意見を聞いた。疑似円弧運動をさせるので、色々な応用例が可能であるとのことだ。たとえば、「1軸先台車で、リンクの長さをとれないときに、短い寸法で緩やかな円運動をさせたいという場合には、良い方法かもしれない。」というコメントを戴いている。
また、「かつて、個人の作品で2軸先台車をT字形のリンクで案内する構造があったが、一般的ではない。」とあった。その作例は覚えている。

 剛性の高いリンクでは無理が効かないので、ゴムのグロメットを介するリンクなら、先台車の前後軸が同時にレイルヘッドに当たるように出来るはずだと思っている。
 実は筆者には縁遠いはずのGG-1のキットを組めと、1台預かっているのだ。この方法は大きなヒントとなった。

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2012年06月30日

続々々 Kleinschmidt Drive

COM_4353-2 これはGG1の主台車・先台車である。先台車の復元装置は付いていない。筆者のアイデアを紹介すると興味深そうだった。
 Cogged Belt(歯付きベルト)で伝導している。十分に静かだ。

 スパーギヤで連動してドライブ軸を上げてあるものもある。ウォームで減速する前の段階で、スパーギヤを使うのは考え物だと言うと、歯車の精度次第だとのことであった。確かに組まれたものは静かだ。彼の説明によると、スパーギヤ軸のガタが騒音に大きく影響するそうだ。ほんの少しのことだがボールベアリングのガタが大きく響くらしい。だからギヤボックスのボールベアリングは、予圧を掛けてガタを全くなくしている。予圧はバネで与えている。
 筆者はほとんどの場合、チェインドライヴを採用している。彼は「高速軸では、チェインは静かだとは限らない。歯車の方を好む。」とのことである。

COM_4360-2COM_4361-2 GG1の台車枠をハンダ付けするときのジグである。これはテキサスのDennisと同タイプである。各ブロックを嵌めて締める。そしてDennisはアセチレンガスで加熱してハンダ付けする。
 なぜアセチレンかということは説明していなかった。酸素アセチレン炎はとても小さい。すなわち、よそに熱が行かないのである。付けたい部分だけを加熱するので安心であるからだ。

 Stuは炭素棒ハンダ付けを使う。「一瞬で終わるよ。」とのことだ。

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2012年07月02日

続々々々 Kleinschmidt Drive

COM_4389-2 機関車の補重をするのには鉛の塊を積む。その鋳造はここで行う。
 色々なサイズの鋳型があり、熔かした鉛を注ぎ込む。当初は木の型を使ったらしい。焦げて用をなさなくなるので、アルミ製にしたのだそうだ。角がシャープで気持ちが良い。鉛はインゴットで買う。
 穴を開けたりしたときの切り粉は捨てずに再利用するそうだ。

COM_4390-2 ブラス材料置き場の一部である。角材、平角材がどっさりある。これ以外にも板材、線材が大量にあった。
 材料は潤沢に持っていないと、仕事に差し障るので多めに持っているという。材料が安く出ることもあるので、その時は買ってしまうということである。

 最近はインターネットでそのような出物を探すのが容易になったので、助かっていると言う。その通りで筆者も、その方法で材料を買うことがある。しかし、快削ブラスかどうかは分からない場合が多く、使いにくい材料のこともある。そういうのは叩き出しの材料として分けてある。アメリカで流通しているブラスは板材も含めて快削ブラスが普通である。

 
 

2012年07月06日

Kleinschmidt氏のコレクション

COM_4372-2COM_4371-2COM_4373-2 クラインシュミット氏はあちこちの模型ショウで出物があると買っている。最初に見せてくれたのはこのガーラットだ。
 縮尺は1/32位だろうか。妙に大きかった。30年くらい前に手に入れたそうだ。実物が狭軌なので、それをOゲージにするために全体を大きくしたのだろう。この手法は佐野衡太郎氏のガーラットでも採用されている。誰が作ったのかは分からないが、よく出来ていた。大きいので、Oスケール・レイアウトで走らせると、あっちこっちでひっかかりそうな感じである。要するにシーナリィが無い線路上を走らせていたのだ。

COM_4375-2COM_4376-2COM_4377-2 LobaughのC&NW Berkshireである。この機関車はかなり大量に生産された。筆者も持っている。組んで塗装してあるものは珍しい。しかもオリジナルのディカールが貼ってある。
 従台車の構造はオリジナルとは異なる。実物を摸した構造である。当初のデザインは側枠が独立していて、回転中心は無かった。これはその構造が気に入らなくて造り替えたものであろう。
 主台枠も後ろが絞られ、良く出来ている。テンダの床板が日本製のようにも見える。祖父江欣平氏の手法が見えるのである。
 一つの推測として、ロボゥのキットを祖父江氏が組み直したものではないか、と思った。1950年頃にはそういう仕事をしたことがあると祖父江氏から聞いている。その時のノウハウ吸収が、大きな転機となったそうだ。

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2012年07月08日

続 Kleinschmidt氏のコレクション

COM_4379-2COM_4378-2 青い機関車はライオネルである。その上のUNION VALLEYとある機関車はやや大きい。多分17/64インチスケール、1/45.3ではないかと思われる。非常に端正な作りで好感がもてる。その後ろの機関車は当時いくつかあったアメリカ製の機関車である。

COM_4380-2 これはMax GrayのErie RR Heavy Pacific K-5aである。祖父江氏の製品である。とても良く実物の雰囲気を捉えた機関車で、力強さを感じる。
第一次世界大戦後の鉄道国有化USRAの時代に基本設計がなされたHeavy Pacificであるが、この1機種しかない。Light Pacificはたくさんある。この太いボイラ、いかにも大きそうな軸重が力強さの源である。
 この模型の従台車は少し傾いている。前を少し持ち上げるべきである。
 筆者も持っているが、このようなボックスポックではない。スポーク動輪である。それは筆者が最初に買ったブラスエンジンで、事故車であった。キャブがめり込み、動輪が凹んで軸が曲がっていた。それを安く買って、完璧に修理したのである。ボックスポックが手に入らず、スポークにしたら、見た人はみな同じことを言う。
「これは珍しい機関車だ。売ってくれないか?」
 上に見えるGP-9もMax Grayの時代の祖父江氏の製品である。

COM_4381-2 このあたりにも祖父江氏の機関車がある。まず黄色のUPのSD-7はMax Grayの時代の製品である。安達庄之助氏がパイロットモデルを作り、祖父江氏が製造した。そのパイロットモデルを入手することができたので、いずれ発表する。祖父江氏の証言を得られたので間違いない。SD-7の向こうにはN&WのY-6bがある。これも祖父江氏の製品だ。
 二段下にはナイアガラがある。祖父江氏は、これを延べ1000台は作ったそうだ。彼自身もとても好きな機関車であった。
 その上の段に8軸ディーゼルが見える。多分これはBill Melis氏の製造のDD35Aであるが、後ろの妻板にナンバーボードがあるのは何かの間違いだろう。誰かが蛇足を付けてしまったようだ。

2012年07月10日

続々 Kleinschmidt氏のコレクション

COM_4382-2 このあたりはヨーロッパの製品が多い。赤いクロコダイルの向こう側にはSPのAC9が見える。これも祖父江氏の製品である。
 ハドソンは有名なライオネルのスケール・ハドソンである。1937年に精密ダイキャストで1/48の模型を発売している。走行を見せる動画がある。自動逆転機を内蔵しているせいか、通電音がひどい。

COM_4383-2 この旧型チャレンジャは1950年頃の祖父江氏の作品である。製造とはまだ言えない頃の手作りである。テンダの文字は糸鋸切りぬいてある。のちにエッチングとなった。テンダは、当時丁稚奉公中の高橋淑氏が作ったとの証言を戴いている。お話を伺うと、祖父江氏は手が早くて、エッチングを注文してあるのに待ちきれなくて、文字を全部、手で切りぬいてしまったそうだ。当時としては最大級の機関車で、アメリカでは大変な人気であったという。テンダの台車はバックアイで、フル・イコライズしている。これはインポータの要求以上の仕事で、インポータのIMPはとても驚いたそうだ。

 その上のNYCハドソンも祖父江氏の製品である。何度もリ・ランしていてこれも1000輌以上作ったと祖父江氏は言っていた。グレイ塗装が実物にあるかは疑問であるが、なかなか良いと感じた。

2012年07月12日

続々々 Kleinschmidt氏のコレクション

COM_4386 この4-6-0はかなり初期の機関車を模型化したものであると思う。というのは第一動輪のフランジが無いからだ。先台車はまだ首を振らないで、回転しか許されていない時代である。
 その時期の4-4-0も第一動輪のフランジが無い。曲線上では少しはみ出し気味に通過したはずである。粘着力が大幅に小さくなるから、その頃の機関車は牽引力が足らなかった。その後、先台車の左右動ができるようになって、それが特許だというから恐れ入る。同時に復元装置が付いて、走行安定性は大幅に向上した。この模型はOスケールではなく、もう少し大きなサイズである。多分1番ゲージであろう。とても良く出来ている。

COM_4388-2 これは誰かがスクラッチビルドしたものらしい。出来はよくないがメカニズムはよく出来ている。この種の機関車は実物の整備部門に居た人が作った例が多い。 だからというわけでもないが、上回りはあまり熱心に作っていない。


COM_4391COM_4392 これは熊田貿易がNJ Custom Brassに輸出したBi-Polerである。これは数ある日本からの輸出品の中で、最も出来が悪かったものとして有名である。
 生前、Bill Wolfer氏は、「話にならない模型で、自分自身が動かない。少し高い電圧を掛けたら、メリメリと音を立ててばらばらになった。あれでも日本製か。」と憤慨していた。
 Stuも同じことを言った。彼は何もかも分解し、鋳物だけを活かして下回りを100%作り直した。もちろん上回りもかなり修正している。でもパンタグラフは駄目だと言っている。作り直さねばならないらしい。
 これがその下回りである。素晴らしい工作である。12軸駆動であって素晴らしい牽引力を示した。

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2012年07月14日

続々々々 Kleinschmidt氏のコレクション 

3-axle, 4-axle truck with drive この模型の4軸台車はバネが効いているから、4軸が自由に動かねばならない。ドライヴはしなやかに曲がらなければならないし、ドライヴ軸が剪断力を受けるような配置ではいけない。なおかつ、動軸が上下したときには、推進軸が多少縮んだり伸びたりする必要がある。
 3軸側も、回転力は自由に伝わるが、軸の上下を妨げることは避けねばならない。このバイポーラでは、3軸台車と4軸台車は直列につながっている。その継ぎ目は軸のずれを許す継手であった。

 このドライブは筆者が8動軸ディーゼル電気機関車DDA40Xに搭載したものである。もう25年以上前の作品である。中間の2軸は共通のドライヴ軸を持つが、末端の1軸ずつはドライヴ軸がユニヴァーサル・ジョイントで曲がるようになっている。なおかつ、そのトルク承けはユニヴァーサル・ジョイントのスパイダが受け持っている。
 実物では、決して採用されないだろうが、模型の強度であれば十分実用的である。精度のよいユニヴァーサル・ジョイントなら音もしない。これを思いついた時は、誰もこんな方法でドライヴする人はいないだろうと思っていたが、Stuが全く独立に同じ方法を採用していた。
 頭の中を覗かれた様な気がした。その話をしたら、「私もあなたの話を聞いていると、考えていたことが次々と出てきて、頭の中を覗かれた様な気がしたよ。」と言った。
 「お互い、もう少し早く親しくなっていれば良かったな。」と抱き合った。

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2012年07月16日

続々々々々 Kleinschmidt氏のコレクション

COM_4397-2 最後に見せてもらったこの小さい機関車をご覧戴きたい。「日本製だよ。」と棚から出してくれた。デザインが奇妙だが許せる範囲にある。しかしその下回りが悲惨である。


B electricCOM_4398-2COM_4400-2「こんなんじゃ、ひっくり返るよ。」と言うのである。イコライザが付いているのが、片方だけだと信じたいが、両方についている。確かにこれではつんのめる。模型はバネが突っ張っているらしく転ばなかったが、本物なら大変なことになろう。

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COM_4409-2 居間の暖炉の前にはライヴスティームが置いてあった。5インチゲージ(正確には4‐3/4インチゲージ)の4-4-0だ。すばらしい工芸品で、ライヴとは思えない仕上がりである。

 作った男を知っているとのことだ。行き先が無くなりそうで買い取ったそうだ。この模型は鋼ではなくブラスで出来ている。

COM_4410-2 辞去しようと思ったら、「一緒に食事をしたい。時間はあるだろう?」とお誘いを受けた。残念ながら夜の予約があったので失礼した。
 奥様にも強く誘われたので、残念であった。

2015年06月23日

MRの整理

MR back issues 日本の雑誌は綴じが固くて自立するが、アメリカの雑誌はふにゃふにゃで合本にしないと自立させることができない。アメリカでそのような雑誌を立てるための箱をいくつか手に入れたが、その中でもつぶれてくしゃくしゃになってしまったものが多い。さりとて合本は取扱いが良いとは言えない。重いし、合本の表紙から外れるものもある。

 今回の本棚には低い棚がたくさんある。これはこの種の雑誌の収納には適する。平積みで見やすいし、雑誌の傷みも少ない。写真に写っている平積みだけで26年分以上ある。その他合本を合わせて約50年分は手に取りやすいところにある。古いものは触るとばらばらになるものもあるので、開架しない方針である。

 こうやって並べると、時代の流れがわかる。広告が多くて分厚かった時代から、ディジタル化が進んでペラペラの時代への変化だ。経営は苦しくなったのだろうか。
 
centrifugal clutch 整理していると、昔挟んだ栞があって、思わず開いて見入ってしまう。これには見覚えのある方は多いはずだ。
 60年以上前から、このようなメカニズムを作っていた人があるのだ。この頃のアメリカのOゲージでさえも、モータの性能は良いとは言えず、より滑らかな走りを追及する人が作ったのである。低速でのトルクが小さいモータでも、滑らかに発進できたのだ。
 この時代の日本の16番は走りが悪かった。小さいモータは、機関車それ自身が走る程度の出力しかなく、車体の小さい日本型16番には大変苦しい時代であった。だからこそ、70年代にシカゴで会った元進駐軍の将校は、「日本はSスケールを採用すべきだった。」と言ったのだ。 

 大きなOゲージは、このクラッチの成果を十分に堪能できる。Kleinschmidt氏に頼んでおいたけど、ちっとも送ってこないので、自分で作ってみることにする。ボールベアリングを入れて完璧な構造にしてみたい。大きめのフライホイールを付けると面白い走りとなるだろう。

2016年04月26日

おみやげ

plate girder bridge このガーダ橋はアメリカのAuel社の製品である。ちょうどこの橋を作ろうと思って、材料を切る直前であったので助かった。

 長さが385mmなので、ブラス板の定尺ものの365mm幅を少し上回る。そうすると切るのに大きなシァを借りに行かねばならない。どうすれば一番楽な方法なのか、を考えている最中だったから、大いに助かったのである。

 この橋はダイキャスト製である。1940〜50年あたりの製品で、アメリカの国力の最盛期に作られたものである。ダイキャストの地金に間違いがないから、割れることはない。欠陥品であれば、すでに粉微塵(こなみじん)になっているはずだ。

 これはシカゴのMike Hill氏からのお土産だ。彼は体調不良で来られなかったが、家族が持って来てくれた。
”彼がレイアウトを作っている。これが必要なはずだから持って行ってやれ。”
とわざわざ支承も付けて、持たせてくれたのだ。偶然なのだが、有難いことであった。
 懸案の橋は、このガーダ橋とトラス橋が連なる。ガーダ橋は複線だから2本要るのだが、ちゃんと2本持たせてくれた。Mikeには心より感謝する。

 お土産ではないが、どうせ来るのなら、と頼んでしまったものがある。それはフレクシブル・トラックである。2カートンをシカゴのショウで買ってもらった。スーツケースに入らないので、それをテープで留めて、手荷物として預けて持ってきてもらったのだ。簡単な方法であるから、頼みやすかった。昔に比べて価格は倍に値上がりしていた。それとKadeeの連結器を100組持ってきてもらった。これは安い。

 Kleinschmidt氏は小さいボールベアリングを必要としていたので、探して準備した。200個ほど持って帰ってもらった。運び屋さんとして使ってしまったが、軽いから問題ないとのことであった。 

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2018年12月17日

Kleinschmidt氏の死去

 クラインシュミット氏が亡くなったとお知らせ戴いた。この二年ほど会っていなかったので、驚いた。
 かれこれ30年ほど、いろいろな形で接触のあった方だ。当初の10年は、筆者は睨まれていた。3条ウォームの真価についての理解をして貰えなかったのだ。
 筆者が現物を見せると驚嘆し、その後は非常に良い関係になった。部品のやり取りをし、訪問すれば歓待してくれた。鋭い批評も戴き、互いに助け合う関係になったのだ。

 彼は真の意味で技術者であり、たぐいまれな技能者でもあった。日本では技術と技能を分けることが少ないが、彼は山の向こうを見通す技術力があった。工学のエキスパートであり、熟練工でもあったのだ。彼に匹敵する人はPFMの Longnecker 氏くらいのものだ。 

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2020年02月01日

Servolink

sprocket-group-pic-1-600px チェインはServolink社の製品だ。もうかれこれ発売45年の、実績あるチェインである。これを初めて見たのは Bill Wolfer のところである。彼の GG1はこのチェインで駆動されていた。伸びたり切れたりしないかと心配したが、重い客車を引っ張って彼のレイアウトを疾走した。その後何回も見せて貰ったが、交換もせず、よく持っていて感心した。
 チェインは結晶性プラスティック製なので、へたらない。このあたりのことは専門的になるので理屈は割愛するが、ポリエチレンとかポリスチレンとは全く違う性能を持つ。小負荷なら金属製チェインよりはるかに性能が良い。使用による伸びとか寿命についても、データが公表されている。

 最初は少し分けて貰っていたが、祖父江氏の要望でかなり大量に、直接買った。その後いろいろな人に頒けたが、みな喜んで使っている。へたったという話は聞かないから、耐久力は十分なのだろう。効率は、スプロケットの外径が大きいほど良いはずだ。リンクの曲がり角が小さいからだ。また、同じトルクでは引張力も小さく、摩擦が小さい。当鉄道のディーゼル電気機関車群、タービン電気機関車群には標準装備されている。大型機には二重掛けをしているから静かだ。 

 問題は軸径がインチ規格なので、それに合うスリーヴを旋盤で挽いて組合せねばならない。デルリン(POM)製なので、無理をして打ち込むと割れて来る。ギリギリで作って軽くロレットを掛け、接着剤と共に押し込む。このように加工したものは時々確認して割れていないか見る必要がある。Weaver社のプラスティック製機関車にも大量に使われていたが、ことごとく割れた。無理な圧入をしたからで、回収されていた。いわゆる応力割れである。
 当鉄道では、力の掛かるところは接着剤ではなくピンを通してある。

 Kleinschmidt氏はギヤの方が静かだと述べていたが、コストを考えるとチェインに軍配が上がる。歯数を互いに素にし、はす歯のギヤと予圧を掛けたボールベアリング支持にしようと思うと、よほど大量生産しない限り、とてつもなく高いものになる。

 軸を平行に下げるギヤボックスは様々なものを見るが、どれもまともな設計とは言い難い。唯一、カツミ製のものが静かで抵抗が少ない。
chain drive (1) この写真は当鉄道で標準化したチェイン・ドライヴである。スウィッチャの台車用だ。運転室側で、高さに余裕がなく、しかも少し右にずらさないと 入らなかった。ギヤボックスは、新設計の無調整型である。素晴らしい性能である。

 Servolink社のスプロケット、チェインはたくさん持っている。使ってみたい人があれば、お譲りする。但し、旋盤加工はご自分で、とお願いする。

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