カブース

2025年04月09日

続 塗装剥がし

stripping paint (1) 袋から出してみると、黄色の塗料は半分程度めくれていたが、灰色の下地は全く剥がれていない。こうなったら物理的に攻めるしかない。ワイヤブラシで軽く傷を付け、硬い毛のブラシでシンナを付けて擦ると少しずつ剥がれるが、ぺろりとは行かない。

stripping paint (2) 30分ほど努力してこの程度だ。まだ全体に灰色のプライマが薄く残っている。今回はここまでで、さらに一晩シンナの袋に入れて、刷毛でこすった。9割がた取れたが、まだまだである。デッキ部分のややこしいところは全て外して、新製するのが一番労力が少ないような気がしてきた。ここまではがれにくい塗料は初めてだ。

 サンドブラストを持っているがこういう仕事には使えない。薄板に当てると、極端に反りが出る。片面の加工硬化した部分がなくなると反対側の残留応力の影響が出るからである。

 アメリカならではの塗料の使い方であった。この彩度の高い黄色は農業機械のJohn Deere社の黄色のような気がしている。 

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2025年04月07日

塗装剥がし

c5c88599 このカブースを塗り替えることにした。
 窓配置がおかしな、例のUS Hobbies時代の製品である。これを入手したのは25年ほど前で、カリフォルニアで開かれたコンヴェンションで見付けた。極めて安かった。その理由は、まず色調が実感的でなかったことと、台車、連結器が壊れていたこと、片方のデッキが壊れていたことである。それらは簡単に修復できた。一般的に、アメリカでは塗装に対する評価の比重が大きい。本体が良いものであっても塗装に失敗していると、価値が極端に下がるのだ。このカブースを見た人は「これは駄目だ、」と言って誰も手を出さない。3日間放置されていたので、閉会するときに行って安く買った。

 塗装は見るからに厚く、0.4 mm程度はあった。艶などを考えると、自動車用の塗料を塗ったに違いない。この黄色は極めて彩度が高く、鉄道車輌には見えなかった。全体に埃をかぶせるように薄い灰色と褐色の混合物を塗った。多少落ち着いて見えるようになったのがこれである。窓ガラスを入れ、台車を作って本線を走っていたが、他の車輌とは見かけに格段の差があり、徐々に休車に追い込まれてしまった。あまりにも塗膜が厚く、ボテっとしていたのだ。

 一念発起し、上下をばらしてブレーキフルードに漬け込んだ。3日後に出してみると、あとでタッチアップした部分は剥がれていたが、その他は多少柔らかくなった程度で剥がれていない。
 やはり、これは一般の塗料ではないということだ。わずかに膨潤するが、溶解するようには見えない。おそらくエポキシ系の自動車用プライマを塗ってから、ウレタン系塗料を塗ってあるに違いない。
 しょうがないから、ラッカシンナとアセトンの混合物を入れた大型ポリ袋に入れ、数時間ごとにごろごろと各面を浸すように転がした。普通ならば、この処方に耐える塗料はない筈だった。


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2025年04月03日

続々 PRR のカブース群

N5C (2)N5C (1) このN5Cは以前にお見せしたものである。とても繊細な模型で、ばらすのにかなり苦労した。エッチングされた板で作られているので全体が柔かく、下手に持つと凹みそうだ。

 屋根を外せるはずなのだが、その方法が分かるまで多少時間が掛かった。車内を虫眼鏡で覗き込むと、屋根上からネジが締めてあるのが見つかった。その頭がどうやって隠されているのかを理解するのに手間取ったのだ。
 屋根上のラニングボードがバネで喰い付くようになっている。それを引っ張るとスポンと抜け、ネジ頭が露出する。それだけのことなのだが、バネが利いているので隙間が無く、すぐには見抜けなかった。
 そのバネは細いリン青銅線を曲げたフープ状のもので、良い考えではあるがハンダ付けが上手ではなく外れてしまった。塗装後に壊れたので修復せず、接着剤をわずか付けて押さえ込んだ。面白い工夫ではあるが、塗装後につけ外しをすると、塗装が剥がれる可能性が無きにしも非ずだったからだ。
 窓ガラスをはめたので、二度と外す人は居ないだろうから、これで良いのだ。

 この模型はエンドウ製である。遠藤稔氏が社長であった時代だ。招待されて訪ねて行くと喜ばれた。筆者の駆動装置をお褒め戴き、その応用について語り合った。そして筆者を自ら工場の中を案内してくださったのだ。あれから37年経つ。

 台車のバネは太いものに取り替える予定であったが、塗装したところ微妙に太く見えるようになった。これで良いことにする。  

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2025年04月01日

続 PRR のカブース群

N6A (2)N6A (1) こちらは N6A だ。以前にも作ったので2輌目である。この機種は2軸車のフレイムを切り離し、片方に伸ばして作った物らしい。両方に伸ばしたものもあるとのことで、それは前後対称の長さになっているはずだ。この写真を見るとその改造様式が分かる。当然キュポラは背を高くしているし、窓を縦長にしている。

 以前お見せしたときにキュポラを黒く塗っていたが、brass-solder氏からご指摘を戴いた。その塗装スキームは無いらしく、あわてて塗り替えた。
 
 ディカールはDr.Yによるお手製で、素晴らしい出来である。キュポラの屋根を外せば、車内に指が入り、窓ガラスが貼れる。
 窓ガラスを入れてないと完成した気分にならない。これは椙山 満氏の影響である。氏は、「窓ガラスが入ってない車輌は戦災に遭った様だ。」と評された。必ず窓ガラスを入れるようにしている。

 屋根は薄いブラス板で作り、鉄板を貼り付ける。キュポラの壁に梁を掛け、小さな磁石を嵌め込むと屋根が取り付けられる。ネオジム磁石の威力は素晴らしく、取るのに苦労するぐらいよく付く。

 いずれも Low-D 車輪をはめたナイロン台車であるので、素晴らしい転がりを示す。


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2025年03月30日

PRR のカブース群

PRR ND 木造カブースに窓ガラスを入れた。



 これは元は2軸車だったもので、2軸台車を履かせて4軸になった。好ましい形だが、いささか小さい。筆者の持っている機関車の時代には、そぐわないかも知れない。

 構成は例によって木製の枠に溝を切った板を張る方法だ。普通の塗装だけではカビが生える可能性がある。不思議なことに日本の木にはカビが生えないが、アメリカから来たBass Wood(ポプラの一種)の材はカビだらけになる。ラッカー系の塗料では防ぎきれない。表面の皮膜だけでは駄目なのだ。
 必ずオイルステイン(溶剤系のものではなく、樹脂がたくさん入っているもの)の中に漬け込んで気泡が出なくなるまで放置し、それを引き揚げて3日ほど乾燥すると、内部まで固まる。
 この方法を採ればカビに悩まされることは無くなる。

 手摺に色を入れれば完成である。

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2025年01月27日

続 ディカールを貼る 

PRR N5’s このカブースは2輌ある。基本的な設計はアメリカで行われ、製作はエンドウである。板が薄く、細工が細かい。エッチングした板を使っているので剛性が無く、強く掴むと歪みそうである。

 この製品群は、1984年ごろアメリカでSunnyside というブランドで発売された。日本側の代表者は池田氏であった。彼は某防衛産業に勤務し、テキサスに10年以上いたのでアメリカでかなりの人脈があったのだ。Sunnyside とはペンシルヴェィニア鉄道がニューヨーク東方に作った客車基地の名前である。現在は Amtrak の車庫になっている。 

 Pennsylvania鉄道に特化した模型群を発売した。T1 Duplexを50輌、P85 Coachを200輌、このカブースを200輌作ったのだ。 
 最初、T1の製作依頼は祖父江氏に持ち込まれた。アメリカの指定要件(駆動装置、懸架装置他)がおかしいので断ったが、いくつかの部分は作った。この Duplex の機関車は日本の Kodama で作ったが、動力機構はアメリカ製でよく走るとは言えなかった。その設計者は高速回転部の軸を細くすべきだということが理解できない人で、モータ出力の大部分が、グリースの攪拌抵抗で消えてしまうようなまずい設計であった。
 その一部のロストワックス部品の製作には筆者も少し関与した。先日原型が出てきて懐かしく思った。

 池田氏はその直後に急死され、遠大な計画は雲散霧消した。土屋氏は T1 を購入すると祖父江氏に送り、走行装置を取り替えたので極めてよく走る
 
 客車は細かく出来ているが、これも板が薄く剛性が無い。脱線すると凹みそうだ。

yellow cupola もう一輌のカブースはキュポラが黄色だ。PRRの全線に乗り入れることが出来る目印である。隠蔽力のある塗料で薄く仕上げた。マスキングは大変であるが、多少の失敗があっても手塗りで補正できる範囲にある。ディカールの番号の下に region名がない。普通のカブースは所属している地域の名を書くが、この黄色のキュポラのカブースには書いてないのは当然だ。 

 台車は全体を塗り、タイヤ部分だけを剥がしたのち、ウェザリングを施した。

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2025年01月25日

ディカールを貼る

 昨年はかなりの数の貨車を完成させた。組掛けのものを無くそうと、計画を立てて処理したのだ。問題はディカールで、買おうと思ったがアメリカにもない場合が多く、頓挫していた。

 このブログによく登場する Dr.Y はディカール製作に熟達された方で、時々お願いする。以前お見せしたUP850 は彼のディカールが無ければ完成しなかった。いつも素晴らしい鮮鋭度のディカールを作ってくださる。ただ、仕事が大変忙しい方なので納期は指定せず、時間のある時に作って戴く。 

PRR NDA, N6A  今回はPennsylvania鉄道のカブース群とその他のカブース、貨車である。以前はキュポラを黒くしていたが、brass-solder氏のご指摘で赤く塗り替えた。これらは塗装して箱に入れて仕舞ってあった。 まずは文字を貼っただけで、これから手摺などの各部に色を付け、軽くウェザリングして完成である。
D&H casboose このカブースは目の覚めるような色にした。参考にした写真が現役時のものだったが、本当に綺麗なのである。車端部の補強鉄板が目立つ。

PRR H21 lettered これらは例のH21である。連結器付近の造作を引き剝がして作り直してある。もともとはMax Grayの時代の商品で、カリフォルニア住民の彼には遠い東部の貨車の知識は無かったわけで、仕方ない。以前から持っていたものも同時に改造して4輌が揃った。
 端梁の太さは尋常ではない。果たしてこれが正しい設計だったのかは大いに疑問だ。
 台車、車輪には色が塗ってない。あちこちタッチアップして埃をかぶせる。石炭は満載する予定で、夕張炭を砕いて準備してある。最近は本物の石炭を入手しにくくなった。

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2024年08月24日

続 Atlas exteded-vision cabooses

Atlas cabooses これらは完成していない。うち3輌は過去に紹介した。  

 DT&I はデッキの手摺を細く作り替えてあったが、その部品は既に行方不明で再度作り直す。B&O、 C&O の手摺は、材料が脆化していたので切り取った。暗いところに置いてあったので、光のせいではない。空気に触れていると可塑剤が飛び易い、あるいは壊れ易いのだろう。すなわち細いもの、薄いものは脆くなりやすいわけだ。先回紹介の UP、 BN では塗装してあるためか、脆化していなかったが、太くて見苦しいので切り取った。

 改良に関しては、
・デッキ手摺を切り取り、金属で細いものを新製する。
・全体に新たな塗膜がないといずれ脆化する。
・台車は板バネの緩衝機能を模したものを付けないと現実味がない。
・肉の厚味が見えている部分は削り取って肉を薄く見せる。
・できれば電装して、ライト類を点灯する。
という程度のことを施すと良いわけだ。特に電装は、絶縁材料で出来ているから簡単である。電池を積めばよい。45年も前、椙山 満氏がご健在だったころ、電装し燈火が点る DT&I カブースをご覧になって、「実に良いですなあ。」と感嘆されたことを思い出す。現在では小さな LED がいくらでも手に入るので簡単なことであろう。 


 Atlas は50年前に非常に優れた製品群を開発したが、それを改良することなく、トイトレイン用として放置したような気がする。スケールの方は需要が小さいので、それ以上手を出さなかったのだろう。

 時は流れ、現在 Atlas が販売中のものにはこれらの製品の改良型はないようだ。すべて新開発の中国製ばかりである。トイトレインが「必要以上のスケール化」に走り、”急カーヴを曲がるスケール的な車輌”の需要が生まれ、それに合わせた商品開発がされて現在に至る。今ではスケールの需要はトイトレインの1/30以下だそうだ。
 スケールの人はティンプレートのおこぼれに与っている。だからOスケールの人はトイトレインの妙に細かく出来た上廻りを使った怪しい商品を買わされているわけだ。その下廻りのダイキャストの材質は極めて怪しく、5年で破綻したものもあるようだ。ブラス製でないと結局は駄目ということが分からない人はまだまだ多い。

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2024年08月22日

Atlas exteded-vision cabooses

 Atlas は 1972年ごろから、Oスケールの車輌をいくつか出しスケールティンプレートのどちらにもできる、という路線を歩み始めた。
 機関車はDC駆動でスケールの車輪を付けていたが、貨車はプラスティック製のハイフランジ車輪であった。すなわちティンプレート用であるが、簡単に改造できた。

 かなり良く出来た車輌群であったが、貨車の車輪、連結器がトイ・トレイン用であったため、それを改造しなければスケールには使えなかった。スケール用にはRP25を称する取替用車輪が供給されていた。それは出来の悪いブラスの挽物に粗悪な黒メッキを掛けたものだった。連結器もトイトレインの部品で、別途スケールの自動連結器を購入して取替えることになっていたが急曲線に対応するために首が長く、またナックルが折れ易かった。仕方がないので、Kadeeに取り替えた。
 いろいろな点で詰めが甘い製品群であった。当時はブラス製以外にはろくな細密車輌は無かったことと、塗装済み完成品というものが少なかったということもあって、大変よく売れた。怪しい Pola-Maxiとか Rivarossiしかなかった時代だったのだ。もう少し神経が行き届いた売り方をすれば10倍は売れたと思う。型の設計はなかなか良いのだ。

Atlas exteded vision cabooses これらは Atlas の塗装済みを加工したものである。UPの方は電装して、屋根上のストロボ・ライトやマーカ・ランプを付けた。BNは妻面を黄色にした。塗膜が薄いので、傷がつくと下地が見えてしまう。サッシを銀色にすると引き立つ。問題はデッキの手摺である。取り替えようと思って40年経ってしまった。

 全体の造形は優れていたが、細く作るべきところを表現することが出来なかった。おそらく材質の問題だろう。
 当初はよく売れたが、その後より優秀なスケールの車輌が他社からいくつか出て来たので、急速に売れ行きが悪くなった。

 手を入れればかなり良くなるので、一部の模型屋がオリジナル塗装のものを出したり、未塗装のものを売り出したりした。台車はコイルバネを模したベッテンドルフであったから取り替えるべきだ。この2輌は取替済みで、UPの方はボルスタレス台車にした。この実物車輌は70年代によく見たので、記憶をたどって作った。

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2024年08月20日

SP bay-window caboose

SP bay-window caboose (2) このカブースは30年ほど前にアメリカで手に入れた。事故車で片方のデッキが無かったのを廉価で購入したのだ。反対側を参考にスクラッチから修復したが、難しい仕事ではなかった。  
 適合する台車が無く未塗装で放置されていたが、一念発起して完成させて塗装した。

 bay‐window 部分は妻の方から見るとオレンジ色である。目立つ色にしておかないとぶつかる人が居るからだろう。

 ちょうどぴったりの良いディカールを入手してあったので塗装できた。デイカールが無いと塗装する気が起きない。逆にディカールがあると信じていたにもかかわらず、そのディカールが不良だと貼れなくて落ち込む。   

 この製品は安達製作所製で、板が厚い。
 屋根板の仕上がりが今一つだ。プレスの角がしっかり出ていないので安達製作所らしさが無い。屋根板に鈍し板(ナマシイタ)を使っていないような気がする。あるいは板が厚過ぎたのだ。しかしハンダ付けは上手で、壊れることはないから、安心して持てる。 

 この安心して持てるというのは、Oゲージでは大事なファクタである。韓国製のどうやって持てばよいのやらわからない模型は、とても困る。結局は壊れて、すべてハンダ付けをやり直すことになる。アメリカの顧客はどうしているのだろう。大半はエポキシで付けていて、修復が不完全である。 

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2024年08月18日

NP wood caboose

NP caboose finished このカブースは3輌ある。これはBob Weaver氏のキットから筆者が100%手がけたものだ。Minnesota州で現物を見て作りたくなったものである。直後にキットを探して手に入れた。ある程度作って下塗りをしたところで、ディカールを紛失してしまい、8年ほど放置してしまった。最近見つけたので再度挑戦していたのだ。ディカールが無ければ進まないという実例である。

 そういう意味で、将来欲しそうな車種はディカールを事前に手当てしている。だからディカールはスーツケースに一杯分以上ある。
 友人が「模型屋以上あるな」と言っていた。

 その半分はアメリカの友人から来ている。亡くなった友人が生前に譲ってくれたものもある。「もう使わないから持って行け」と言ってごっそり渡してくれたのだ。それらは貨車用で、大半使い尽くした。ありがたいことであった。Oゲージのショウでは、この種のディカールの即売があるから、たくさん買う。気を付けないと肝心の部分だけが無いものもあるから、よく見て買う。 

 今回はディカールとの境目がよく分かるので、何らかの手当てをして消さねばならない。艶消しにするのが一番簡単だが、ある程度の艶は欲しい。

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2024年08月16日

D&H wood cabooses

 Bob Weaver氏は、どういうわけか デラウェア & ハドスン の模型をいくつか出している。彼はペンシルヴェイニア州在住であったが、 D&H 方面 の出身だったのかもしれない。

D&H cabooses さて、この会社のカブースは2輌ある。1輌は図面通りであるが、作ってから時間が経ち、部分的に接着剤の剥がれが見られた。あちこちの部品を引張ったり、叩いたりして浮き上がりを調べ、外してエポキシ接着剤で付け直した。こういう時のコツは古い接着剤を完全に剥がしとることである。付け直す時は圧締を完全にすることだ、クランプを工夫して締め付ける。場合によっては、締め付けジグを作ることだ。今回は端梁が緩かったのでその辺りをすべて外し、ジグを介して正確に締め込んだ。これで、軽度の衝突時にも確実に生き残るはずである。塗装は剥げているところを補修し、全体に半艶とした。幸いにも貼られたディカールは生き残った。一部を補修しただけである。

 もう1輌はキュポラオフセットした。塗装も少し変えた。これもディカールが劣化していて駄目であったので今回は貼れなかった。
 色は最大限に彩度の高い塗料を用いた。昔、現役時代のこの車輌を見たことのある友人に聞いたのだ。カブースは目が覚めるくらい、綺麗な赤だったとのことであった。

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2024年08月14日

PRR wood cabooses

Pennsy N6's Pennsylvania 鉄道のカブースがいくつかある。自前のもの以外に、半製品を入手したものもあり、意外に輌数が多い。どれも最大限に手を入れ、原型を保っているものは少ない。
 筆者はペンシルヴェイニア鉄道に関してはそれほど知識があるわけではなく、東部の友人を訪ねた折にいくつかの博物館を見た程度である。 Brass_solder氏は大変お詳しいので、戴く助言を最大限に受け容れている。

 木製のN6Aは2輌ある。これは原型の短いカブースを伸ばした時に片方に延ばしたタイプである。すなわち、前後非対称である。キュポラを黒くしたものと車体色と同色のものとした。これらはBob Weaver氏の設計である。メリハリのある設計で、木製とは思えない仕上がりである。キュポラは大きく、建築限界の大きな西部で使われたものだ。

 手摺等は写真でよく見る塗りにする。その色は白と黄色の2種あるようだ。向こう側の車輛は未仕上である。キュポラを黒くするとかなり奇妙な感じがする。ディカールを貼ろうと思ったが、そのディカールが極端に劣化していて断念した。 


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2024年08月12日

NKP wood caboose

NKP caboose finished このNickel Plate Roadのカブースは、既に10年以上も製作途上であった。キュポラ側面の連絡用ライトの色がよく分からない。レイル方向には緑、枕木方向には赤のレンズを向けている写真が1枚あっただけで、それがどのような状況のものなのかはわからない。

 窓ガラスがあると実感が出るのは間違いない。 取り付けはかなり面倒な作業ではある。平面度の高いアクリルガラスの薄いものを用いている。

 この赤白の塗り分けは美しい。ディカールの予備が無いので、ずいぶん緊張して貼った。木板の継ぎ目で浮かないように、下地には塗料を十分に沁み込ませて水を吸わないようにする必要がある。その上に十分艶のある塗料を塗る。ディカールを水だけで貼って、切り込みを丁寧に入れてから柔軟剤を沁み込ませた。この操作を3回繰り返し、泡を押し出したので何とかなった。

 この種の泡を追い出す手法はいろいろなやり方があると思う。筆者は薄く削いだゴムベラを使う。決してこすらず、押さえるだけである。カッタの刃で軽く切れ目を入れておいて空気を押し出す。切れ目は全て平行に入れるのがミソである。切れ目が交差すると、ディカールはこま切れになってしまう。

 40年ほど前だが、この手法で貼った模型をとれいん編集部に持って行ったことがある。彼らは非常に驚いた。
「外板の切れ目にディカールが馴染んでいる!Oゲージだとそこまでやるのか?」と言うので、
「Model Rilroader の Paint Shopにもこの方法が載っている。HOでもやるべきだ。」と答えると驚いた。 

 この写真の左の方の ”radio equipped”の稲妻マークは手作りである。製品のディカールが壊れたので、白い部分を切り取り、つぎはぎで仕上げた。左右で微妙に異なる。

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2024年08月10日

finishing cabooses

 しばらく前から掛かっていた塗装済のカブースを数輌仕上げた。ディカールを貼って、手摺などの彩色をした。窓ガラスも入れた。

 当鉄道に見学に来られる方々の中には、カブースの窓にガラスが入っているのに驚く方がある。筆者は、それを聞いて逆に驚く。ガラスの嵌まっていないカブースを考えるのは困難である。乗務員が乗っているのだから、ガラスが無いわけにはいかない。 

 ウェザリングも多少は掛けるが、余りひどくはしない。人が乗っているのだからそんなに汚くしているわけがないのだ。たまに洗っているのを見かけた。

UP CA9 このUPカブースは到来物で元の持ち主は改造を断念したものだった。あちこちが左右裏返しになっていて、かなりの部分を作り直した。床下は手抜きである。床下が左右逆になっているのはよくある。上からの透視図を下からと勘違いするのだ。本物の場合、下からの図面があったとしてもとても使いにくいはずだ、ということに気付かない人たちが作っているわけだ。

 ディカールはありあわせのもので、当時実際にありそうなものを選んでいる。これでUPのカブースは10輌目だと思う。


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2024年01月12日

more cabooses

 自宅の地下室で電気温水器の更新工事に伴い、棚を動かしたところ、その内側に3輌のカブースが隠れていた。Atlas が当時の人気車種であったInternational Railway Car Company のExtended Wide-Vision caboose を量産したのだ。これはキュポラが車幅以上にせり出し、ベイウィンドウの様になっているとも言える。当鉄道にはすでに数輌ある。もう埋蔵金属はないと思っていたが、埋蔵プラスティックはあった。
 
 各種の塗りで売られていたが、どの塗装も中途半端で面白くなかった。塗装が薄くて文字が透けて見えるのである。色調もおかしいから塗り直しが必要であった。

DT&IModl Rilroader June 19741974 MR なんと懐かしいカブースだろう。1974年の Model Railroader の表紙になっている車輌だ。DT&I Detroit, Toledo & Ironton という鉄道のカブースだ。Atlas のカブースの窓を塞いで加工し、ディカールを入手して貼った。デッキ部分は金属で作ったが、行くえ不明となっている。窓ガラスも落ちている。
 ろくな道具の無い環境で作ったので、出来は悪いが、50年前の作品として蘇らせてやりたい。台車は仮のものに載せた。一応は板バネを模した台車である。

Chessie system cabooseC&O この2輌も Atlas の製品である。急速に価値が下がり、投げ売りをしていたときに入手したものだ。は B&O が C&O と合併した頃の製品であるが、塗色が単純過ぎる。もう少しややこしい塗り分けが必要だ。B&Oの台車だけは3Dの高速台車に替えた。
 は、色がかなり違う。最近復元されたようだ。正しい色に塗るだけで価値が出るであろう。当然、台車も取り替えねばならない。

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2023年12月25日

UP caboose CA9

UP CA5 この韓国製のカブースは戴いた物だ。ほとんどの部品が左右反転してついていて、修復のしようがないと言う。図面の読み方を知らない人が作ったのだろう。窓の位置もおかしい。
 床下機器は上から見た配置を描く。床板を透視しているのだが、それを下から見たように作ってあった。どういうわけかハシゴの位置も反対で、ラニングボードも逆であった。床下などは大した問題ではない。ほとんど見えないので、目立つところだけを直した。 
 直しついでに窓も塞ぎ、随分様子が変わった。どんな色にするかは迷う必要がなく、黄色である。ただ、ディカールをどうするかは考えねばならない。

 UPは各種のスローガンを側面に貼っている。前回貼ったのは、”I Follow The Leader"である。これはいかにもアメリカ的な哲学である。民主主義で平等を謳ってはいるが、能力差を認めている。能力を持つ人間を探し、選んで代表者にする。
 日本では、こういうことを言う人はあまり居ない。その結果、能力に欠けた人が組織のトップに立ってしまうことが、ままある。しかもそれが長く続く。

 大きなディカールを貼らねばならないから、滑面にする必要がある。さて何を貼ろうか、手持ちのディカールの戸棚を探っている。 

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2023年12月23日

Pennsy cabooses 2

Pennsy N5c この2輌のN5Cはエンドウのブラス製品である。アメリカのSunnysideというインポータが日本に発注した最後のロットである。ペンシィのT1とほぼ同時に発注された。その製作には筆者もごく僅かであるが関係している。日本側の受注者は池田 度氏であった。当時池田氏は名古屋に在住し、筆者とはかなり親しかった。祖父江氏を紹介し、この計画遂行には協力した。一部の部品も製作した。 池田氏はアメリカ在住が長かった技術者で、筆者とは話が合うところがあったが、このプロジェクトが始まってまもなく他界した。T1の駆動装置はアメリカ側の意見が通ったので、走りは良いとは言えない。

 この1輌は土屋氏から来たものであり、他方はクラブの物故者のご遺族から譲渡されたものである。非常に凝った作りではあるが、走行性能を第一に考える筆者から見ると不満が多い。台車は取り替えたいが、珍しい構成なので代替品を作るのは難しいかも知れない。この太いコイルバネは透けて見えるものではないはずだ。中に逆捻りの別のバネが入っている。実車では極めて初期以外は重ね板バネに換装されているものばかりだ。
 とりあえずタスカン・レッド(トスカーナ地方の瓦屋根の色らしい)のボディと黒い屋根にしたが、片方のキュポラは黄色にすることにした。いずれ塗装して発表するが、クロムイェロゥのキュポラというのは目立つ。interdivisional pool service用である。これはカブースを各devision内でのみ運用するのではなく、鉄道全体で共用する ”pool制” を採用したときに登録されたものである。要するに黄色のカブースはどこへでも行けたというわけだ。
 
Pennsy N8 (1) これはN8である。戦後の斬新なデザインで、乗務員の安全に配慮した設計であり、筆者の好みのタイプである。手に入れたジャンクは派手に壊れていて、片方のデッキはほとんど新製に近い。ステップは作り直している。これは赤いボディで黒いキュポラにするつもりだ。赤いとは言っても、カドミウム・レッドの赤ではなく、エビ茶色をもう少し赤くした色だ。資料は集めてある。
  
 これら3輌は train phone を装備している。エンドウのアンテナ部分は、引っ掛けて壊しやすい。なるべく丈夫になるようにハンダ付けをやり直しているが、材料が細いと思う。 

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2023年12月21日

Pennsy cabooses 1 

 ペンシルヴェイニア鉄道のカブースを5輌仕上げねばならない。ディカールは製作依頼中である。木製はこの2輌だ。

Pennsy NDA ND型は元々は2軸車であった。長いリーフ・スプリングで承けていた。後年、4軸に改造されたものを仕上げている。実は2軸にしようと長いバネを作ったが、やはり模型は堅く、思うように出来ない。等角逆捻りにしようと思ったが、木製の床をくり抜いて仕込むと壊れそうな気配であったので、楽な4軸化を施し、形式はNDAとなった。

Pennsy N6A N6Aは上部のキュポラが大きい。建築限界の狭いピッツバーグ以東の路線には入れなかった。その区間にはキュポラの部分が小さいN6Bが使用された、とBrass_Solder氏から教わった。N6Aは比較的早い時期に淘汰されたようだ。
 また、N6Aは古い2軸カブース車体の片側だけ伸長改造したのでキュポラがオフセットしていたが、N6Bは片側に伸ばした物と両側に伸ばした物があり、キュポラの位置が2種類あったそうである。もちろん、台枠は鋼製に更新されている。


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2023年12月19日

Northern Pacific cabooses

 このカブースは3輌ある。内2輌は木製、1輌はウレタン樹脂の鋳物である。木製は特に紹介することもないので、外観だけお見せする。
NP caboose 1 色は何色が良いのかよくわからない。ミネソタ州の博物館に行ったときに見たのはこんな色だった。屋根は黒っぽいほうが良さそうだ。緑色のBNヴァージョンもあった。 


NP caboose to ew-paint この写真の車輌はかなり風化が進んでいて、全塗装を施すべきである。これはカビだらけのを、次亜塩素酸ナトリウム水溶液を吹き付けて洗ったものだ。カビは落とせたが、塗料がかなり傷んでいる。これも全塗装すべきだろう。オイルステインに浸けてしみ込ませ、乾かすつもりだ。そうすれば、カビの再発は完全に防げる。
 ある人が、「素晴らしいウェザリングだ。」と言ったが、その範疇ではないように思う。
 屋根が外れないので窓ガラスが入らないと思っていたが、塗料によって屋根が固着していただけであることがわかった。

NP caboose plastic 問題はこのウレタン樹脂製である。10年ほど前、キットのジャンクを安価で手に入れた。当然部品は足らない。ステップは3Dプリントだ。
 寸法が正しいとは思えないところもある。屋根の幅が足らなかった。修正して箱にはしたが、多分屋根は作り直すことになろう。一生懸命直しても、20年も経てば劣化して壊れてしまう可能性があるのは残念だ。

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2023年12月17日

Southern Pacific bay-window caboose

SP bay-window caboose このカブースは当鉄道唯一のベイ・ウィンドウ カブースである。NYCのも持っていたが、友人に譲ってしまった。飛び出している部分と妻面は、遠くからでも認識できるようにオレンジ色に塗ってある。 

 これは安達製作所製のブラス車輌である。手堅くまとめてある。屋根はプレスで凹凸を付けてあるが、その板は厚い。ステップや細かな手摺などが壊れていたが、すぐ直せた。屋根のラニング・ボードは安っぽいエッチング板であったので、剥がして実物のような素抜けているタイプのものに取り替えた。東部で買ったので、安価であった。 

 意外に窓が大きいので、室内もある程度は作っておく必要があるだろう。このカブースはSPのSouthern Pacific(4-10-2の軸配置)と写っている写真があり、その情景を再現しようと導入したまま30年以上経過した。機関車の方は完成しているのだが、まだ塗っていない。これが良い機会となったので、取り組んでみよう。  

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2023年12月15日

Nickel Plate Road caboose

NKP caboose この塗り分けが好きである。まだ未完成ではあるが、大まかな塗装は完了し、ディカールも大半は貼った。まだ、手摺の白などの塗装が残っている。この白帯部分の文字は素敵だ。

 中学生の時、英語の初歩の時期に「英習字」とかいう時間があった。15円もするノートを買わされ、それにアルファベットを筆記体で書かされた。たまに上手な子も居たが、大半は下手くそであった。英語を勉強するにはこれが必要なのかと信じ込まされたが、現実には全く無用なことを教えられた、と気付いたのは約10年後である。呆れた話だ。
 アメリカで生活し始めて気が付いたのは、ほとんど誰も筆記体というものを書かないし、書けないということだ。下手くそな活字体の大文字をぐにゃぐにゃと書く。逆に、筆者のさほどうまくもない筆記体でも褒められたほどだ。お世話になった銀行家も、筆記体は自分の名前をサインするときだけであった。また学校の事務所や役所では、提出書類は活字体で書くようにと強制された。現在の日本の中学校の英語教育ではどうしているのだろうか。

 この Nickel Plate High Speed Service の文字は美しい。このような字を書きたいと練習したこともあったが、あまり使うこともなく終わってしまった。

 白を2回塗って表面を滑面にしてから、ディカールを貼った。その後で、切れ目を入れて軟化剤を塗ってなじませた。
 キュポラの側面に出ている信号燈の箱には、赤いものが多いが、黒いものもあるようだ。レンズ部分には銀を入れ、色を付けたエポキシ樹脂を盛るとそれらしく見えるが、その色が分からない 

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2023年12月13日

N&W caboose

2年前、新型コロナ禍で誰にも会わずに過ごしていた頃に、古い木製キットを全て組んでしまおうというプロジェクトに取り組んだ。生地完成まで持ち込んだが、下塗りの状態で置いてあるのは見苦しい。手を入れて塗ってしまいたかった。

N&W wood caboose まずこれから始めた。Norfork & Westernである。木製カブースの写真は鮮明なものが少なく、情報が不足だ。
 屋根が赤いのもあったようだが、やはり黒くすると締まって見えるように思う。屋根の周りのタッチアップ手摺を白く塗って出来上がりだ。その後でガラスを入れて、ウェザリングを軽く掛ければ完成である。錘を入れ、355 gとした。ディカールは木板の溝に沿って切り離し、軟化剤を塗ると落ち着く。これを成功させるには、塗料をよくしみ込ませた上で、艶のある塗装にする必要がある。ディカールの膜がある程度は付着してくれてないと、切り刻んだときにばらばらになるからだ。ここでも”A”の一部が欠けている。これは取り除いて、後で白を極細の筆で足す。

 車輪の裏、車軸が塗られていないと面白くない。先日の集会で、
「車輪の裏が塗ってないものを雑誌記事で扱っているのはおかしい。裏を塗って、護輪軌条に当たるところまで剥がしてないと気分が悪い。」と発言した。何人かが深く頷いてくれたが、他の方々はどうなのだろう。

 台車は Kemalyan氏の指示で作った台車を加工して、ボールベアリングを仕込んだものだ。車輪はRP25のはずだが、フランジがやや薄いので、バックゲージをわずかに拡げてLow-Dもどきとした。この車輪の表面は塗っていない。程々の酸化被膜色であり、実物にもローラベアリング車の場合、こういう色がある。 

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2023年12月11日

painting cabooses

CB&Q 溜まっていたカブース10輛ほどを塗装している。色は赤ばかりではない。塗り分けもあり、面倒である。屋根も黒だけではなく、茶系統もあるし、赤いものもある。まだ未完成で、これからタッチアップする。ディカールが密着していないので、軟化剤を使って処理せねばならない。木目に沿って切り込みを入れてから塗るのだ。

 とりあえず全体を塗って、細かい部分は手塗りだ。こういうときにはフロクイルの塗料は隠蔽力が大きく、薄く仕上げることができるので助かる。筆は、径が 1 mm以下のものを用いる。

 ディカールを貼って、窓ガラスを入れ、軽くウェザリングを掛ければ出来上がりなのだが、カブースは普通の貨車の数倍の手間がかかる。
 ディカールはキットに入っていたものを使いたいが、すでに風化していて、補強剤を塗った瞬間に崩れるものがある。Dr.Yが再生(完全な新製)をして下さるので助かる。最近は Champ Decal の廃業で欲しい物がほとんど手に入らない。たとえ手に入れられても、使えないものが半分くらいある。Dr.Yのご助力がなければ、数十輌の貨車、機関車がレタリング出来ずに放置されていただろう。改めて感謝したい。

 木製のキットは早く組んで線路に載せないと、細かい部分が壊れてしまう。箱に出し入れするだけで細かい部分が折れたりするのだ。手摺その他は木部に貫通穴を空けておき、裏からエポキシをしみ込ませて支えるようにすると壊れにくい。大きな部品も接着面をよく擦って、接着剤層が薄くなるようにしておかないと壊れやすい。以前酢酸ビニルエマルション系の接着剤を使ったものはことごとく壊れてしまったので、エポキシ接着剤を使って作り直した。
 屋根が浮いて隙間ができるのは避けたいので、窓ガラスを入れたら接着してしまう。この時、内部の造作が完全に接着されていることを確認する。後でストーブが外れてコロコロと転がった例があるのだ。連結時のショックは大きいからだ。これは煙突を屋根に貫通させれば防げる。人形も完全に接着する。照明を入れたいが、それをやると、目立ち過ぎる。


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2023年11月19日

続 ATSF cabooses

ATSF CAbooses (2) この2輌は工事中である。右は先回で紹介のKTMの製品である。派手に壊れたもの2輌からのニコイチである。もう壊れないように太い骨を入れた。垂直に落としても、連結器は壊れるだろうが他は無傷のはずだ。台車は 3D print のナイロン製である。極めて低摩擦で調子が良い。もちろんピヴォット軸受である。  

 左は Lobaugh(ロボゥと発音する)のキットから組んでいるものである。おそらく1950年代初頭の製品である。この2つは根本的には全く同じ形であるはずなのだが、ずいぶん異なるように見える。窓枠は追加することになっている。
 Lobaugh の会社の住所を訪ねたことがあるが、近くに Santa Fe 鉄道の線路もあり、彼らは現物を見ていたはずである。それならば自社で製品化されたものと比較することも容易だから、正確なものが出来たはずなのだが、ちょっと異なるような感じがする。遠く離れた日本で作られたもののほうが、忠実度が高いように見えるというのは不思議である。

 Lobaughのキットはやや厚めのブラス板で構成され、しかもその板は快削材で堅い。すなわち鷲掴みで持っても、全く歪むことがないし、衝突しても生き残る。筆者の好みの頑丈なキットである。車体だけはオリジナルを使用し、あとは自作である。
 デッキ部分などは怪しい構成であるので、全て角材からフライスで削り出す。床下は木材との混成で実に不思議な構成だ。すべて捨てて作り直す。

 こういうものをアメリカに持って行って友人に見せると、是が非でも欲しがる人が居るのは面白い。そういう意味でも、手に入る物は手に入れておいて損はない。


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2023年11月17日

ATSF cabooses

 改修中のサンタフェのカブースが4輌ある。KTMが輸出した安達製作所の製品が2輌、木製キットを組んだもの1輌、もう一つはアメリカ製のブラスキットである。

ATSF CAbooses (1) 木製キットはQuality Craftで45年ほど前に出したものである。よくできたキットで、実感的である。1930年代の木製車輌を模している。作るのは大変だが、仕上がりは美しい。仮台車の上に載っている。車輪が未塗装なのはご容赦願いたい。

 右はインポータがUS Hobbiesで、おそらく1965年頃の生産であろう。アメリカで見つけたジャンクから再生したものである。破損品の塗装を剥がして修理し、再塗装したものだ。ブラス製であると、如何ようにも改修できるので気楽である。

ATSF 1952 窓ガラスを入れてないと、いかにも未完成品である。当鉄道では、必ず窓ガラスを入れている。 

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2022年03月04日

MOW train

MOW train 塗装した4輌を、クラブの年次総会に持って行った。ホッパ車には砂利を積まねばならない。しかも安息角ギリギリに積み上げて、てんこ盛りにする。

 バラストは大昔に入手してある。ゴムを凍結粉砕して選り分けたものだ。新しい砕石の感じがよく出ている。貨車の内側にぴったり合う張りぼてを薄いポプラの板で作り、エポキシ樹脂で固める。紙ヤスリをかけて、無理なく収まることを確認する。
 アクリル系の建築用接着剤を塗ってバラスト材をばら撒き、放置して固める。多分これで50年はくっついているだろう。

 天気が良くなくて、軌框(ききょう)の塗装が間に合わなかった。これは積荷であるから、すでにレイアウト上で使用して磨り減り、線路としては用をなさなくなった古いものを切って載せている。汚れた暗灰色に錆色を混ぜたものを、まだらに吹いて、レイルは上部だけを少し錆色に塗ると良さそうだ。またレイルは、2,3段ずつ針金で縛っておくと実感的である。

 今、仮台車を積んだ貨車を用意している。クレイン車はあるから、あとは宿泊設備を付けた車輌を作れば、救援列車は準備完了だ。昔撮った写真を探している。

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2021年12月24日

続 MOW

MOW caboose このカブースは安達製作所製で、 US Hobbies に輸出されたものだ。資料が少ない時代だったので、窓配置が間違っていた。トイレ以外の窓を左右対称にしてしまったのだ。それでは非常に不自然な室内配置になるはずだが、検査に通ってしまったようだ。

 このジャンクを15年ほど前、安く手に入れた。事故車で、あちこち壊れて悲惨な状態であったが、捨て値であった。不要な窓を塞ぐのは非常に難しい。側板を直ちに捨てて、作り直すべきであった。

 窓枠を外して当て板を付け、そこにちょうど嵌まる板にリヴェットを打って、炭素棒で加熱して密着させた。コテでハンダを塗りつけた。曲がったヤスリでハンダを削り、あとは小さな板にサンドペーパを張ったもので削った。妙にリヴェットがはっきりしている辺りだ。
 何度も削ったり埋めたりしたが、完全には直らない。本物にもこの種の補修痕があるものも多いので、良しとした。この時代の製品は十分な厚みのブラス板でできていて、丈夫である。ハンダ付けも熟練した職人の手によるので、よく出来ている。後の韓国製は板が薄く、またエッチングした板を使っているので、へなへなである。バラすと歪んでしまい元に戻らない。

 ハシゴを曲げて付け、屋根上のラニングボードは、エッチングで透けたものにした。ここは目立つので、改造は必須である。
 アルミニウム・ペイントを塗り、完成である。この車輌には、珍しくACIラベルが貼ってある。これは1970年代に採用された、反射光に依る車輌認識装置である。海上コンテナにも貼られて、日本にもやってきたが、汚れに弱く、すぐに廃止になった。80年代には、すでに剥がし残しが存在するだけであった。これもその状態である。


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2021年09月25日

caboose を作る 7

DL&H caboose これは D&H デラウェア&ハドスン のカブースである。木造車は末期には様々な改造を受けていた。窓を塞いだり、増設したりしている。そればかりではない。この個体は、鋼板を使って補強している。ターンバックルを締める部分から、車体の端までを補強しているのだ。

 木造車だから、事故での衝撃には弱い。最大限の補強を施したのだろう。diagonal braceである。この種の帯をgirthと呼んだのを聞いたことがあるが、辞書を引いてもよくわからない。 
 床下のターンバックルは、このサイズだとクイーンポストは1本である。締め方でポストが傾くのではないかと思うが、全長が短いので、締める量は少なく、許される範囲かもしれない。あるいは、ロッド末端のナットを締めれば解決するだろう。

DL&H caboose roof これもキュポラの天井板はブラスに作り替えた。裏に薄鉄板を張り、磁石で留めている。Φ2.5の小さなネオジム磁石なのだが、1つで十分な力がある。屋根上には機関車との通信用の灯火がある。これはエポキシのイモ付けでは弱い。細い針金を貫通させてハンダ付けし、ソフトメタル鋳物にあけた穴に差し込んでエポキシ接着剤で留めた。そう簡単には取れないはずだ。

3 rollersround anvil 屋根板は3本ローラで曲げ、端の曲げられない部分は太い丸金床(Φ52)の上でゴムハンマで叩いて曲げた。




 しばらくは天気が良いので、塗装の季節である。全部で15輛塗る準備が整った。塗料を準備している。これはいわゆるカブース・レッドで塗る。

 これで、木製カブースの製作は終了したはずである。何かの間違いで未組みが発見されないことを祈りたい。この種のキットは、craftsman kit と呼ばれる。1960年代にはO, HOとも、かなりの数が発売されていた。今でも手に入るものもある。ご興味があれば、求められるとよい。下地処理に時間を掛け、エポキシ接着剤を用いれば素晴らしいものが出来る。その他の接着剤では壊れやすい。特に瞬間接着剤(ACC)で組むと、壊れやすく、壊れたときに修復が難しい。


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2021年09月23日

caboose を作る 6

PRR ND 8-wheel このカブースもAmbroid製品である。ペンシルヴェイニア鉄道(PRR)の4輪仕様または8輪仕様とあった。NDタイプと呼ばれた。就役当初は長いリーフ・スプリングの4輪であったが、後に一部は8輪に改装された。

 木造車であるので、キュポラにはブレイスが付けられている。これは屋根に固定して、キュポラは上に抜けるようにした。もちろん位置決めピンを入れてある。

 これを作り始めた40年前は、走行性能の劣る2軸車は避けたかった。今だったら等角逆捻り機構を付けたであろう。
 ボルスタを付けて貨車用台車を付けて8輪とした。しかし、それは実物の形とは全く異なり、やる気が失せた。しまい込んで35年目に3D print で正しい形の台車が手に入り、日の目を見た。
 
 PRRのカブースは、デッキ部分にある種の共通性があり、それらしく見えるように作った。最近のエポキシ接着剤は扱いやすい。鋳物製の梯子のような直立する部品も、割合簡単に付けられる。端面に塗って部品を直立させ、テープなどで仮留めするとそのまま固まる。余分は、溶剤を付けた綿棒で拭き取れば良い。もちろん端面は平らに削って、接触面積を大きくすることが肝要である。接着剤の厚みを最小限にすることだ。点接触では、いくら接着剤がその周りにあっても、剥がれる。

 この色も茶色味を帯びた赤である。昔のディカールが所定の性能を保持しているかは、すでに怪しい。

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2021年09月21日

caboose を作る 5

Ambroid NP caboose これはNorthern Pacific 鉄道のカブースである。24 ft(7.3m)だから、かなり短い。内野日出男氏が、TMSに 4-8-4(Northern)を発表したときの背景にも写っている。これはQuality Craftではなく、その前身のAmbroidの製品である。木部の仕上がりがとても素晴らしい。
 内野氏はすぐ組み立てたが、筆者は部品を紛失して、それが見つかるまで10年以上頓挫していた。その後、部品が見つかってからも30年ほど進展しなかった。今回十数時間掛けて、生地完成まで持ち込んだ。調査して、キットの図面に描いてない部分も作った。

Ambroid cement Ambroid は、接着剤のブランドである。日本では、昔のセメダインCが近い。溶剤にニトロセルロースを溶かしたものだが、かなり可塑剤が入っているように思う。パリッとは剥がれにくいところが優秀である。金属もかなりよく付くが、キュポラの4隅が、今回珍しくも剥がれた。再度、エポキシ接着剤で付けたので、大丈夫だろう。

 ある人によると、接着剤の販売促進用にキットを売り出したと言うが、それはかなり信憑性のない話だと思う。それ以前にこの種の木製クラフツマン・キットはいくつかあり、それにはAmbroid Cementを使え、と書いてあった。おそらく、Ambroid の経営者の中に鉄道模型の趣味のある人が居た、というのが真相だろう。Ambroid とは、「琥珀のようなもの」という意味である。色はやや飴色で琥珀に似ている。固まったものも少し柔らかい。
 琥珀とは、古代の植物の樹液が埋もれて出来たものである。要するに松ヤニを長時間蒸し焼きにしたようなもので、宝石ではあるが有機物である。

 木製キットを組むにはエポキシ接着剤が良い。エポキシは混合直後はかなり粘度が低く、流れて沁み込みやすい。デッキの縦の針金を端梁に接着するときは、それを利用する。木材に孔をあけて針金で出来た手摺を差して、根本に少し接着剤を置く。2分経ってから見ると、孔に流れ込んで針金の周りには無くなっている。入らなかった残りは、綿棒に溶剤を付けて拭き取る。綿棒を一定方向に回転させるのがコツだ。そうしないと綿の繊維が抜けて残ってしまう。溶剤は、スプレイの液を用いれば良い。 

 この種のキットは、もう組める人が少なくなった。一時期は奪い合いになるほど売れたが、現在では e-bay などでよく見かける、しかし特定の機種は全く出てこない。HOもあるが、素材の粗さが相対的に2倍になるので、表面処理はなかなか大変であろう。もともとはOスケールから始まったので、自ずから限界はある。 


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2021年09月19日

caboose を作る 4

PRR N6A 気になっているカブースにPRR N6Aがある。これもQuality Craft の製品で、木部の寸法が正確である。すなわち車体はすぐに組めるが、そのまま放置されていた。その先は、相も変わらず難行苦行である。キュポラはソフトメタル製である。突き合わせ部を正確に45度に削り、隙間なく組めるかを確認する。輪ゴムで縛ってエポキシ接着剤で留めた。天井の梁を作り、ネオジム磁石を埋め込む。屋根板はブラスで作り、裏に薄鉄板を貼る。こうすれば密着し、隙間もなくなる。

 キュポラを支えるブレイスを取り付け、細かい手摺を付けていく、この作業が一番大変で、午後全部を費やすことになった。

 デッキの手摺は細いブラスの帯板に孔をあけ、リン青銅線を差し込んでハンダ付けする。細い帯板の中心に孔を開けるには、このOptical Center Punchが有効である。完全に真ん中にあくので気持ちがよい。もちろん細い穴をあけるには、この高速電気ドリルが必要だ。 

 組み終わると、苦労も忘れる。赤く塗ることにした。PRRは時期により、様々な塗りがある。赤かった時期も、その赤はいわゆるカブース・レッドではない。わずかに茶色味を帯びた赤である。

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2021年09月07日

caboose を作る 3

Nickel Plate Road このNickel Plate 鉄道のカブースは、長年探していたものだ。45年以上前から様々な媒体で写真を見たが、キットは全く見つからなかった。塗装が可愛らしいので、購入者がすぐ組んでしまうのだろう。
 人気があるので、後継のGroor Craftが再生産に踏み切ったのは30年ほど前だ。一瞬で完売した。これは友人に頼んで入手したものだ。

 作りは、Quality Craft(Weaver)の手法を踏襲しているが、多少寸法精度が良くない。特に厚みが怪しいから、よく考えて作らないといけない。何も難しいことはないが、図面だけからの情報では、満足の行く形にはなりにくい。要するに図面があまり良くないし、また板の厚さが正確とは言い難い。接着剤はエポキシを使うと、時間がかかるが、沁み込んで固まるので、丈夫なものができる。

 白い部分のディカールは、白帯全体を貼るようになっているが、成功の確率は小さい。文字部分だけを貼るつもりだ。

 この模型の下塗りはオイルステインである。アメリカで普通に売っている家具用オイルステインに漬けて、完全に沁み込ませ、それを乾燥硬化させた。中で固まっているので、上塗り塗料が沁み込まない。普通はラッカ・サーフェサを塗るが、それは表面だけに載っている。中まで固いわけではない。中で固まる油を沁み込ませてあれば、サンドペイパで削っても具合が良いことが多い。またカビが生えなくなるというのも、大きな利点である。
 オイルステインはアマニ油でできているので、樹脂化する。日本で市販されているのは樹脂分が少ないから、これと同じ結果は出しにくいだろう。床に塗る透明塗料は沁み込んで固まるので、そちらをお勧めする。

 これで、塗装できるカブースは6輛となった。しかし未完成カブースは木製4輛、ブラス製6輛ほどある。先は長い。

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2021年09月05日

caboose を作る 2

SF caboose このカブースはSanta Fe の木造車である。30年ほど前、Quality Craft 社(現Weaver) のカブースのキットをかなりたくさん購入した。見つけ次第、全車種である。機関車を持っている鉄道のカブースは、すべて手に入れたことになる。社長のBob Weaver氏を訪ねて話を聞き、興味を持った事が大きい。1970年の発売時のキャッチフレーズは、
 You can say, "I built it."
であった。確かにまともに作ると最短で4日ほど掛かるが、当時の他のキットと比べると格段に素晴らしかった。
 キュポラ部分はソフトメタルの鋳造品であるから、重心が高くなる。床に錘を貼って重心を下げた。

SF cabooses Santa Feは、木造も鋼製も同じ形をしている。3輛ある。 左から順に木製、US Hobbies(安達製作所製)、Lobaughである。色も同じでTuscan Redトスカーナ地方の屋根の色)になる。大抵の場合、屋根まで同じ色だ。

Lobaugh SF caboose 次は、Lobaughのを完成させねばならない。オリジナルのブラスの屋根を切り抜き、キュポラを脱着出来るようにした。こうしておかないと窓ガラスが貼れない。切り抜かれた屋根板は、孔の廻りが細くなって折れてしまうので、補強材を入れた。このキットは快削のブラス製であって、かなり硬い材料である。糸鋸でサクサクと切れて気持ちが良い。現物が走っていた時代に作られたものだから、寸法は正しいはずだ。 しかもLobaughはサンフランシスコの会社だから、現物を毎日見られた。

 Santa Feは、Wigwag という手旗信号のようなものをキュポラに付けていた時期がある。丸い板2枚を上げ下げして、機関車との交信をした。どのような交信内容だったのかは、調査中である。機関車側からは汽笛で返答だろうか。

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2021年09月03日

caboose を作る 1

 組み掛けたまま20年以上放置されている貨車群を、毎日少しづつ手を加えて完成させている。目立つ所にたくさん置いてあるカブース群を、なんとかしたい。しばらく前に数輛完成させたが、まだまだ沢山ある。その中でもこのN&Wの木製カブースは手が掛かるので、敬遠されていた。着手してから、かれこれ30年は経っている。

 なぜ敬遠されたのかは、話すと長い。もともとは日本製のブラス製品を探していたが、手に入らず、たまたま見つけたこのQualty Craft (現Weaver) の木製キットを組み始めた。図面には何も描いてないが、このカブースの屋根は尋常ではない。多雨地域の鉄道であり、キュポラの屋根の僅かな庇(ひさし)にも、樋が付いている。その先は縦樋になり、車体全体の樋に落ちる。更にその先は、デッキの角の丸柱の中の空間を利用して、ステップ脇を通り、下に捨てるようになっている。

N&W wood caboose もっと思い切った構造にすればよいのに、手間を掛けた樋で、それを作るのは面倒であった。全体がブラス製なら、樋をハンダ付けしてしまえるので簡単である。木製のボディに、ハンダ付けして作った細い樋をどうやって取り付けるか、頭を悩ました。これで25年ほど遅れたような気がする。
 目立たないところに孔をあけ、金属樋から生やしたピンを挿し込んでエポキシ接着剤で固定した。なんと面倒な製作法であろうか。やっている自分が呆れるほどの手間を掛け、ようやく生地完成である。木部を捨てて、ブラスで作ればよかったのだ。

 やはりブラス製が簡単である。ハンダ付けなら一瞬で終わる。固定ジグを作り、テープで仮留めして1時間待ち、その部品同士をハンダで結合するといううんざりする方法で作った。フラックスは最小限にし、保護シートを置いてハンダ付けする。接合したらすぐに水洗する。下塗りがしてあるので、水は表面だけに付くが、沁み込むとまずいのですぐに払い、風を当てて乾燥する。

 キュポラの脇の4本のナット締めが興味深い。これは、キュポラからの監視要員が足を出して座る座席を固定するものである。

 色は赤いのだが、それをどこまで塗るか決めねばならない。屋根まで赤い時期があったのだ。屋根は当然褪色し、埃が積もって赤みは薄くなっている。黒っぽくすると楽だが、どうするかまだ決めていない。


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2019年06月30日

Signal Red

UP cabooseSignal Red カブースの手摺り、はしご等は赤の警戒色に塗られている。この色が、日本で売っている塗料の中には見つからない。
 20年ほど前、赤の塗料をいくつか買って、条件を整えて色見本を作った。ある程度の面積を持つもの、線に塗ったものなどの見え具合を調べた。どれも不合格であった。昔撮ったコダクロームのスライドと比べると、その色は微妙に違ったのだ。
 この色は単純な赤より、僅かに橙色に寄っている。黄色を混ぜると、明らかに彩度が落ちるのが分かるから混合色ではだめだ。単一物でこの色を持つものは、一つしかない。

 Floquilの Signal Red という色がある。この色はずばりである。30年前、本物のカブースの廃車体から、塗料を削り取って、分析に掛けたところ、カドミウムが入っていた。カドミウム・レッドだ。カドミウムの硫化物 カドミウム・イエロゥ は黄色で、道路の追い越し禁止表示に使われていた。カドミウムと、硫黄の同族元素のセレンとの化合物は、この特徴的な赤を作り出す。陽に当っても褪色せず、その顔料がある限り、鮮やかな赤を示す。このフロクイルの塗料はカドミウム・レッドを含み、貴重なものであったが、もう手に入らない。

brake handlebrake handle24017_Backhead_20040426 UPの蒸気機関車のあちこちのハンドル類にはカドミウム・レッドが塗られていた。筆者が所蔵しているBig Boyのブレーキハンドルにも、塗られている。5枚目の写真はWikipedia からお借りしている。日本でも明治・大正期の一部の機関車には赤いハンドルがあったそうだ。

 最近はドイツを中心に広がった下らない環境保護団体の活動のせいで、カドミウムを使うことが禁止されてしまった。カドミウムは摂取してはならない、と主張している。本当にカドミウムが全く入っていない物しか食べなければ、人間は発育不良になる。カドミウムは人類にとって、微量必須元素である。あちこちで使われたものは、少しずつ溶けて現在の日本がある。
 道路の黄色の線の色が、最近は少し変わってきたことに気が付かれた人も居るだろう。有機物になったのだ。そうなると、徐々にカドミウムの不足が顕著になるだろう。筆者はいずれ、「カドミウム強化米」というものが発売されるとみている、というのは悪い冗談だが、決して起こりえないことではない。カドミウムは骨の中のカルシウムの代謝には必要なのである。多すぎるといけないが、なくては困るものなのだ。

 シグナル・レッドの残りが少ない。アメリカの市場でも枯渇している。なくなれば自分で顔料から作るしかない。あるいは油絵具から抽出することになる。

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2019年06月28日

narrow gauge

 これでF scaleは終了である。線路がかなりあるので、自宅の庭で試運転してみよう。耐候性がある材料なので、しばらく敷きっぱなしでも問題ないだろうが、犬が居るのでその点は心配だ。早く博物館レイアウトの完成に向けて傾注したい。


 細かい作業ができない日が続いたので、貨車で、マスキングが要らない物を塗装をした。延べ20輌は塗ったはずだ。

D&RGW2 その中に、これらのDenver and Rio Grande Westernの On3貨車群がある。ブラス製のかなり高価な車輛たちである。内2輌はパイオニアの製品だ。ハンダが廻っていないので、部品がぽろりと取れる。ひどいのは端梁が落下したことだ。全くと言ってよいほどハンダが付いていない。塗装前に念入りに調べて再ハンダ付けをした。こういう時は炭素棒は便利だ。磨き砂で磨いて、プライマを塗り、Floquilで塗った。Glazeをたくさん入れて、思い切り艶を出し、ディカールを貼りやすくする。 ディカールはあり合わせのものを切り刻んで貼った。正確かどうかは分からない。年代によって、標記位置が異なる。今まで殆ど注意して来なかった分野なので、資料探しも難しい。

 土屋氏が、On3の線路も少しは敷いて欲しいと希望されたので、簡単なヤードと三角線を本線脇に作ろうと思う。貨車は数輌が未組である。Oスケールの標準軌車輛に比べるとあまりにも小さく、なかなか難しい。この種のキットには、見えもしない床下機器を完全につけることになっているのだ。簡略化したいが、ターンバックルだけは、付けねばならない。ブレーキ装置は、ある程度は付ける。

D&RGW3 車輪の載せてある車輌は、クレーン車と組 (mate) になる。囲いは枕木を入れる場所だ。

D&RGW カブースは韓国製で、細かく出来ているが、実感が湧かない。綺麗すぎる。あたかも写真のように細かいのだが、細部が怪しいのである。床板に上廻りを取り付けるネジが不良であるし、どちら向きにもはまる。ネジの位置を1本変えておけば、いつも特定の方向に向けて床板を留められる。ブレーキ装置は向きが決まっているのだ。あまりにも重く、軸受が良くないので、油を注しても動きが悪い。また車輪の踏面の精度が悪く、ゴロゴロと音がする。これを改良するのは難しい。

 軽く砂埃を被せて終了。いずれ本格的にウェザリングをする日が来るだろう。

 筆者はナロゥゲージをそれほど深く研究しているわけではないので、標準軌車輛との対比材料として考えているだけである。

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2018年11月25日

3D printing

Quiz1Quiz2 当鉄道に初お目見えである。友人が3Dプリンタでいろいろなものを作るから、相乗りしないかと勧めてくれた。

 考えてみれば、足らない部品とか、手で作るのはとても大変な部品がある。いずれ手に入れたら作ろうと思っていて、10年経った物も多い。これを機会に在庫一掃を図った。
 
 客車の内装はある程度の部品は揃っているが、この二人掛けのソファは無かった。ラウンジの付いている車輛には不可欠の部品で、どうやって作ろうか悩んでいた。実は先日の活字合金による鋳造を検討していたこともある。この話があったので、Car Cyclopedia 1940年版を見て、形を決めた。寸法もすぐに決まったので送ったら、3Dのスケッチを送ってくれた。それを修正して発注してもらった。コの字の形の脚を付けるとできあがりだ。座面はローズ色にする。
 ナイロンの焼結で、非常に丈夫だ。多少曲げても復元する。これほど丈夫なら、台車の製造に使える。懸案のカブースの台車はこれで作れば解決だ。

 さてもう一つの部品は何だろう。これが分かる人はまずいないはずだ。ヒントとしては計画だけで終わった機関車の部品である。4という数字が付く。
 この部品を、investment casting でブラスに置き換える。後はちょいちょいとハンダ付けして出来上がりだ。


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2018年11月15日

HO scale キット

HO and O scale UP cabooses HOのキットが発掘された。おそらく35年ぶりに日の目を見たのである。筆者が組んだ唯一のHOキットで、ある方に進呈しようと思って購入したものだ。ある程度出来たところでアメリカに行ってしまい、そのまま忘れていた。その方は既に他界され、行き先がないので、博物館で大きさの対比の指標にするつもりだ。

 後ろにあるのはOスケールのカブースである。相似形だ。やはり、HOでは鋳物のざらつき、側面の板張りの様子などが、これ以上細かくできないので拡大すると良くないだろう。

 ここまで出来ていたので、少し手を入れれば完成する。問題は、色をどうするかだ。ディカールは2色入っていた。一つは黄色ボディ用、もう一つは red car 用である。この "red" が問題なのだ。上の写真で、模型の下敷きになっている説明書の写真に注目されたい。車体色が暗いので赤だと思う人も多い。

 説明書を見ると、Scalecoat の caboose red を塗れ、とある。これはおかしい。UPの red caboose は赤くないのだ。1948年以前は boxcar red いわゆる鉄錆をもとに作った茶褐色の顔料である。その辺の普通の boxcar の茶褐色である。この間違いがアメリカ中に広がり、一時期製造元のBob Weaver氏は釈明に追われた。塗り直す時にはディカールを無償提供したと聞いた。
UP red caboose この写真はAjin製のブラスの鋼製カブースである。この色は正しい。台車は未交換である。

 アメリカの鉄道界で "red car" という言葉には二通りの意味がある。いわゆる赤とこの茶褐色である。 あちこちでこの種の間違いはある。日本でも赤を塗ったUPカブースを持っている人は居る。Champ のディカールの説明書にも、"red car" とあるからだろう。罪作りな話だ。 


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2018年11月09日

red cabooses

 ”Red Caboose” と書くと、どこかの模型屋の商号である。あるいはカブースを改造してホテルにしているところもある。

 これらはQuality Craftのキット(Bob Weaver氏の設計)から組んだものである。何とも言えない雰囲気があり、筆者の好きな車輌群だ。カブースは木製のものが良い。スティール製は味気ない。問題は台車である。ぴったりのものが見つからない。既存のコイルバネのものでごまかしている。

Erie Railroad caboose Erieのカブースは筆者の最初の作品である。多分1975年製だろう。ちょうど事故車のErie の Heavy Pacific K5aを手に入れた直後だ。機関車は、徹底的に作り替えてよく走るようにしたが、まだその時は客車がなかった。仕方がないので短い貨物列車を牽かせて遊んだが、カブースを必要とした。このキットが入手できた時は嬉しかった。Ambroid Cementで組み立ててある。塗装はフロクイルだ。

B&O caboose B&O I-5タイプは、その10年後くらいにEM-1を入手した時に作った。台車には困った。合うものがないのだ。ごく適当にAndrewsを付けているが、誰からも指摘を受けていない。いずれ正しいカブース用のリーフ・スプリング台車に取り替える。
 写真を見て手摺に白を入れた。黄色のものが多い。 ウェザリングしていないので、赤が鮮やかだ。


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2018年09月18日

leaf spring

leaf spring この写真はUPのカブースの台車を取り替えたものである。このタイプの台車があったかどうかは別として、少々工夫したものである。間違って多過ぎる窓は、塞いで埋めた。リヴェットを打った板を貼って丁寧に削り、段差を無くした。

 貨車の台車はコイル・スプリングで懸架されている場合が多い。コイル・スプリングは 摩擦損失が殆どないので、振動が減衰しにくい。普通の貨車はともかく、カブースは、それでは具合が悪い。乗員が振動(共振振動数の問題が大きい)でどうかなってしまう。客車のような減衰力のあるバネで懸架されるべきだ。
 模型の台車のうち、リーフ・スプリング(重ね板バネ)を付けているものは少ない。仕方がないから作る。バネの形をした鋳物を半分に切り、台車のコイルバネの部分を削って、嵌め込む。ハンダ付けかエポキシ樹脂で接着する。

 たまたまリン青銅板でできたバネを見つけた。KTM製のローラ・ベアリング台車のコイルバネを外して嵌めると良さそうだということに気が付いた。後述するが、かなりの手間を掛けて嵌め替えに成功した。同時に、ボールベアリングを仕込んだ。もう一回やれと言われても、やりたくない面倒な工事であったが、取付けに成功した。

 この台車はKTMの製品中、断トツによく出来ている。アイデアはケマルヤン氏で、設計は酒井喜房氏である。軸の摩擦が少なく、長持ちする。この車輪の形状が不思議なのである。


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2018年07月02日

cabooseの台車

 カブースを手に入れると、懸案事項が一つ増える場合が多い。カブースの台車は客車と同等の乗り心地が必要だから、減衰力のあるリーフ・スプリングを必要とするからだ。
 台車が手に入れば良いが、そうでない時は作らねばならない。たまたま手に入れたリーフ・スプリングの鋳物を切ってハンダ付けする。大きく飛び出させると良い。鋳物が無い時は、薄いリン青銅を曲げて作る。末端の部分には針金を入れて締め、それらしくする。何か出ていれば十分であると考えている。

 伊藤剛氏が、「ペチャパイではいけません。少し誇張するぐらいに飛び出させるといいのです。」とおっしゃったので、それを守るように心懸けている。
caboose truck 2caboose truck 作例は Lobaugh のベッテンドルフのカブース用である。鋳物の出来が良くなくて、リーフ・スプリングがほとんど飛び出していない。フライスで切り込んで四角の穴をあけ、そこに直立するようにリーフ・スプリングの半分を立ててハンダ付けする。比較的大きな鋳物であるから、ガスバーナで加熱して完全にハンダを浸み渡らせる。


 ロボゥのカブースは重く、500 g 以上あるから、ボールベアリングが必要である。座グリドリルで沈めて、取り付けた。
 ボールベアリングを取り付ける時に、台車枠の中で車輪が左右に動かないように、ぎりぎりの寸法にする。こうすると走行が安定する。また、キングピンには薄いゴム板のワッシャを挟むと、音が静かになる。

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2017年02月05日

続 Lobaughの台車

 ロボゥの台車は造形は良いのだが、如何せん古すぎる。しかし手を加えて黒く塗れば、遠くからなら何とか我慢できる。走行性能は素晴らしい。ボルスタがへたらない構造になっているので、台車枠が平行を保つのである。

UP caboosecaboose truck このUPカブースは1960年代に安達製作所で作られ、カツミが輸出したものだ。多少の間違いはあるが、それも愛嬌で、我慢している。作りがしっかりしていて、多少の衝突には十分耐える。台車込みで550 gもあるので、ボールベアリングを入れた。
 以前はベッテンドルフを付けていたが、この時代の台車はイコライザ付きであるから取り替えたかった。韓国製でその商品が出るまでは、ロボゥが唯一の製品であった。それがこれである。 
 文鎮の縁を整形して、孔をあけ、余分をすべて糸鋸で抜く。端の細い部分も中身が詰まっていたので、三角を切り抜くと多少すっきりした。コイルバネも切り落とし、ヤスリを掛ける。そこに、細いコイルバネを接着する。そうすると、バネが効くように見えるらしい。
 友人に見せると、車体を下に押し付けながら、「オッ、バネが利いているね。」と言うから面白い。視覚というものは脳に強く働きかけるのだ。

 Barber Bettendorf caboose trucksこの台車は、カブース用のBarber Bettendorf swing motion truck である。本物は揺れ枕が付き、緩衝性のある板バネを持つ高級台車だ。そうでないとカブースの乗務員は車体が飛び跳ねて、どうにかなってしまうだろう。NYCのカブースに使う予定だ。これもボールベアリングを入れた。そのカブースが、これまた重いのだ。  


painting 前回の問題の、鉄道名は2つほど候補があるが、この写真をご覧になれば一つに絞られるだろう。左手前のプルマン・グリーンの貨車である。
 さていかがであろうか。



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2016年06月01日

室内は室外である

caboose by Go Itoh これは伊藤 剛氏の作られたカブースである。かなり傷んでいるが、原型を保っている。これも折り畳み式の筈だと思ったが、そうではなかった。他にもあるのかもしれない。

 このカブースはいわゆる”NE type”である。米国北東部の鉄道で共通に使われたタイプだ。Reading RRで最初に採用したので、Reading cabooseとして売っていた。インポータは複数あったような気がする。ブラス製で、製造は安達製作所である。
 剛氏は安達庄之助氏を訪ねて、板の状態の部品を入手し、それをもとに工作をした。

broken NMRA X2E coupler NMRA型のカプラが付けられている。 X2Eである。この板金製のカプラーは弱い。強くぶつけると、上下に泣き別れになるのである。合わせ目に薄い板を貼れば壊れにくいが、下の押し合う部分が曲がるだろう。砂鋳物製の製品も持っているが、やや分厚い。
 その後ケイディが普及して、誰もこのカプラを使う人は居なくなった。 

caboose interior このカブースには剛氏によって内装が付けられている。剛氏は、「室内は室外である」という名言を残されている。「外から見えるものは、付けるべきだ。」という意見だ。
 このカブースも、見えるところだけは工作してある。キュポラの部分の椅子が付けられているし、洗面台もある。
 経年変化で接着剤が変質して、あちこち壊れているが、直せばすばらしくなる筈だ。また、ガラス窓は上に抜けるようになっている。反対側(この写真では左)の窓はポジフィルムの透明な部分を使っている。 いずれ修理して、デヴュウさせたい。

2013年08月22日

続々々々々 Heber Creeper

Heber Creepers Caboose (0)Heber Creepers Caboose (2)Heber Creepers Caboose (7)Heber Creepers Caboose (8)




 UPの木造カブースがあった。かなり古いが、よく補修してある。戦前の色である。キュポラを支えるストラップはこんな形である。ロッドタイプもある。煙突の支えの形が面白い。
 デッキのステップの奥行きが意外と浅い。足を滑らせて落ちそうである。
 台車は多少乗り心地の良い板バネ仕様である。ダンピングが効く。コイルバネでは飛び跳ねるであろう。

Heber Creepers Caboose (6)Heber Creepers Caboose (5)Heber Creepers Caboose (1) デッキの板は痩せてすのこ状になっている。元々隙間があったのだが、それが広くなって居る。ルーフ・ウォークの端はこのようになっている。特に末端を留めているものは無い。
 

Heber Creepers Caboose (9) 室内は美しい。当時のままである。 ストーブの周りは木材が燃えないように鉄板で囲ってある。キュポラ部分はこの位置からは見えにくい。
 この写真の左上に斜めに走っている明るい部分はガラスの反射である。反射光が入らないよう、手で覆っていたのだが、指の隙間から入ってしまった。
 

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2012年12月10日

続々 Spokane County Fair & Expo Center

812_6387-2812_6433-2 カブースは2輌あった。このGreat Northernの木造車は興味深い。キュポラ部分の側面が車体の側面と面一(ツライチ)になっている。この形は模型化しやすい。キットとして発売されているはずだ。
 Western Pacificのカブースは標準型の窓を一部塞いでいる。SPのカブースと違ってBay Window(せり出した窓)の天井が単純な形をしている。SPのは壁面を少し高くして隠し樋にしてあったが、これのせり出した部分の斜面はつるりとしている。

812_6378-2 これはUPの食堂車である。丸屋根の好ましいスタイルをしている。筆者の好みであって、キットから製作中である。写真が撮れたのは運が良かった。


812_6440-2812_6441-2812_6442-2 UPの寝台車である。二段ベッドの部分は上の長円形窓から外を覗く。元は4-4-2というタイプの様であったような気がする。その後改造を受けて原型が分かりにくくなっている。左の写真の床下の銀色の斜めになった蓋が付いている部分は、燃料のプロパンボンベの収納場所である。蓋を開けて容易に差し替えられるようになっている。塗り分けはでたらめで、妻面も黄色になっている。本来は妻は灰色である。HO以下の模型では、このように妻も黄色のものが多いのは残念だ。

812_6447-2812_6449-2 これはコーチ(座席車)であろう。内部は外されて、催しのある日には子供たちの遊び場となるべく用意されているのだろう。車内には架線付きのライオネル・レイアウトがあった。架線はこの地域では不可欠のものなのだろう。

 812_6457-2 これはGreat Northernのコウチの様である。GNのモニタ・ルーフ(いわゆるダブル・ルーフ)は他社のものより深いように感じるが、気のせいだろうか。手前は子供たち相手の運転用の2-ft ナローゲージである。

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2012年09月15日

続 小さな鉄道博物館

712_5369-2 蒸気機関車は美しく塗装されている。この機関車は80年代には走行可能であった。現在でもラッギングなしで走ることが出来そうである。



712_5388-2712_5381-2712_5379-2 カブースは各種ある。塗装スキームはオリジナルだが、レタリングをかなり変えて、この小鉄道の名前を付けているものもある。

712_5365-2712_5386-2712_5380-2712_5390-2




 客車は美しい。これらは休日には営業車となるからである。タイミングが合えば内部を見たかった。13ドルほど払えば隣の駅までの往復に乗れるのである。
 たいした時間ではないが、実際に内部を見ると発見もあるであろう。 

712_5371-2 この博物館はコンヴェンションが開かれるホテルからほんの4kmなので、筆者が見ている間に2組の参加会員が名札を付けて現れた。囲いがあるわけでもなく誰でも自由に見て歩けるのはありがたい。
 45mmゲージの線路も敷いてあって、その運転もするようだ。

2012年09月13日

小さな鉄道博物館

712_5370-2 ホテルに帰ってからまだ明るかったので、車で外に出た。食料品を買いに行こうとスーパーマーケットを探しているうちに、偶然この小さな博物館の前を通りかかった。


712_5387-2712_5377-2712_5375-2 Uターンして前に車を停め、中に入った。東部の鉄道について、筆者はあまり詳しくない。分かるのはペンシルヴェイニア鉄道くらいだ。有名なカブースがあって驚いた。キュポラが黄色に塗られている。夏の日照りを反射するのだとか、目立ちやすくするためだとか色々な説があるが、これは全線を通過できる車輌である(inter region)。キュポラがこの色でないものは特定の区間からは出られなかった。
 さぞかしよく汚れたことだろう。まだ、蒸気機関車がたくさん居た時代だ。

712_5367-2712_5391-2 ステンレスのオブザヴェイションは美しい。まだ内部はきれいで、これでイクスカージョン・ツア(希望者を乗せて近郊まで走る遠足みたいなもの)をしているようだ。

712_5372-2 蒸気機関車は小型のコンソリデイション2-8-0があった。例によってラギングを外して石綿を捨ててある。無様である。ハンドレイル・スタンションが根元で細くなっているのが分かる。太いと熱損失が大きくなるからだ。

712_5374 無火式機関車がいた。比較的小型のBタンクである。石油精製工場などで使用されたものだ。この種の機関車はあちこちに保存されているが、これはかなり保存状態が良い方である。しかし、ラギングが外してある。

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2012年06月04日

続々々々 Illinois 鉄道博物館 再訪 

COM_4285-2 この8000ガロンのタンク車は、まさに同じ型の模型を持っている。昔の製品を今様に造り替えたものだ。ディカールの色が全く同じで驚いた。写真の数字は80000になっているがこれは80000lb (約40トン)である。
 この時期のタンク車は最近はきわめて少なくなった。

COM_4286-2COM_4287-2COM_4290-2COM_4288-2COM_4289-2COM_4284-2




 このカブースも全く同じタイプのものを数台持っている。MGやUSHの時代には与えられた情報が少なく、安達製作所は苦労して作っていた。しかし間違いが多い。便所の窓が左右にあったり、デッキの梯子の形が全く違っていたりする。
 窓は塞げばよく、梯子は作り直せばよい。しかし図面だけでは分からないところがあるので、写真を撮ることは大切なことである。
 たまたま見つけたので、室内を含めたくさんの写真を撮った。

 この台車はOゲージでは模型化されていない。いずれきちんとしたものを作って、製品化しようと思っている。欲しいという人はかなり居るからだ。



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2011年05月02日

Minneapolis の鉄道博物館

0618 この博物館の外見はこんな様子である。水タンクは木製で、下のほうが水圧がかかるから締める金具の間隔が狭くなる。3月初旬でも雪は多く、気温は−5℃程度であったが、日が差すと+5℃くらいになった。


06100611 次はJackson Street Roundhouse という交通博物館に向かった。GPSのおかげで最短距離で移動できたのは良いが、閉まっていた。これはGreat Nothern 鉄道の施設を利用したもので、稼働する転車台が売りである。事前の予約が必要なのを知らなかったのは大失敗である。昔懐かしい、Greyhoundの流線形バスが置いてあった。最近は久しく見ない。70年代にこれであちこち旅行したことを思い出す。

0612 その向こうにNPのCabooseがある。これはAmbroidの木製キットにある。内野日出男氏も作られたキットである。NPのノーザンの記事にも小さく写っている。アンドルーズ台車を付けているのが珍しい。もちろん板バネ仕様である。

06500656 ミネアポリスはミシシッピ川でセントポールと隔てられている。冬は凍っていて水面は見えない。とにかく寒いところだ。
 LRTもあり、かなり利用客が多い。正直なところ、ミネアポリスがこんなに大きな街だとは知らなかった。全米で13番目の大都市圏だそうだ。


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