鉄道模型のあり方

2024年06月13日

ある構想

 友人が真顔で言う。
「鉄道模型のある養老院を作ってくれよ。あなたは人望があるから、声を上げれば手を挙げる人が居るはずだ。」

 世の中には面白いアイデアを詰め込んだ老人施設がある。ギャンブルを楽しむ施設などがあるのだから、鉄道模型のある施設でも何ら問題ない。
 当博物館の隣は銀行だったのだが、過疎化が進んで店を畳み撤収してしまった。建物は立派なものが残っている。駐車場も広い。その向こうは大きな呉服店であったがこれも店を畳んで安く売りに出ている。向かいの大きな医院も廃業して久しい。この町にはそういう空家がたくさんあって、売りに出ているものがたくさんある。

 工作室を完備した老人ホームというのは楽しそうだ。建物は沢山あるから、ゲージ別に分けるのが良いだろう。医院の駐車場は建物1階部分に屋根付きの大きな面積のものがあるから、ライヴ・スティームも可能だろう。

 先日地元の有力者にその話をしたら、「面白い。町興しの一つの材料になるかも知れない。」と言った。 

 筆者には人望もないし、運営のノウハウもないから、すぐにできるわけでもないが、話としては面白い。家族に死に別れて一人住まいするよりも、汽車に囲まれた人生の方が楽しいと感じる人には良さそうだ。
 この話は50年近く前、椙山満氏からも聞いたことがある。椙山氏は医師であったから、そのようなニーズを感じていたのかもしれない。

 ある人は茶化してこう言った。「制御系の経年劣化が予想されるので、レイアウト上の事故が心配だな。」 

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2024年05月08日

Dennis' workshop

 Dennisは長らくロストワックス鋳物の工房を経営していたが、体調の問題があって、設備一式を友人に譲って廃業した。

Workshop (1)Workshop (3)Workshop (2) その後工房を整理し、広い日当たりの良い工作室に作り替えた。車庫にあった大きな2トン近くある旋盤、フライス盤を処分し、小型のものに買い替えた。寒い冬にも座ったままで作業できるというのは有難いと言う。テキサスでも西部の高地にあるので、寒い時期の車庫での作業は辛かったそうだ。

Workshop (4) 床のモルタルをつるつるに仕上げ、樹脂を浸み込ませてあるので埃も立たない。小さな部品を落とした時は掃除機の袋を新しいものに替え、全体を掃除すると必ず見つかるという。これは見習いたい。

 蒸気機関車の整備はお手のもので、クランクピンを新製し、クランクを植え替えることなど朝飯前だ。すべての工作を3/100 mm以下の誤差に収めている。韓国製の全くダメな機関車を捨て値で手に入れ、下廻りを全て作り替えて最高の走りを作り出す。これは筆者の方針と完全に一致するので、長く付き合っているのだ。  

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2024年03月04日

dead rail

 これら20の話題の中で、筆者が一番注目しているのは dead rail である。線路に通電しなくても走る動力車制御方式だ。当然電池駆動になる。
 博物館の隠しヤードには240輌ほど入る。分岐は10台あるが、おそらく、ありとあらゆる故障が生じると予想する。その度に車輌をすべてどかして点検し、故障を直すというのは考えただけでも気が滅入る。半分以上が手の届きにくい隙間にあり、そこになにかの導電性のかけらでも落ちようものなら、完全にアウトとなる。
 実物の鉄道の貨車ヤードに架線は張ってない。張るべきではないのだ。全く同様に、隠しヤードには通電したくない。脱線はまずないから、機関車が電池動力で無線操縦で動けば、すべて解決だ。分岐はすべて露出させてあるから、メンテナンスは簡単だ。ポイントの切替は、ギヤード・モータの常時通電式である。その駆動はDCCで行う。そうするとルート・コントロールが自然にできる。連結器開放ランプは設置しない。遠隔操作でカプラの開放ができるからだ。

 A氏が新たに開発された無線方式は極めて合理的で、信頼性が高く、なおかつ広範な応用が効く方式だ。これは無線方式のDCCであって、多数の機関車を個別に呼び出せる。サウンド装置発煙装置も連動する。神戸の会場でも披露して戴いた。連結器の開放も訳なく出来、入換機としては願ったり叶ったりだ。もし商品化されれば、よく売れるだろうと思うが、モータと動力伝達機構の効率が悪いと、すぐ電池がなくなって立ち往生するはずだ。すなわち、dead rail には高効率の動力装置が不可欠なのである。

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2024年03月02日

続々々々々 20 innovations that changed the hobby

17. 木製のキットは、割り箸キットと呼ばれた時代がある。細かく指定寸法に切り、穴あけもせねばならなかった。1989年に薄い木の板をレーザ光で切り抜いたキットが現れ、現在ではそれが主流になってしまった。硬い紙を切ったものでもエポキシ樹脂を含浸させれば十分な強度を持たせることができる。
 金属板を切り抜くのはエッチングによるのが普通であったが、現在ではかなりの厚板もレーザで切り抜ける。単価も下がり、使い捨てのジグにも使える時代になった。

18. DCCはNMRAの規格に入れられ、世界中どこでも同じ動作をさせることができる(メルクリンとアーノルトは独自規格を持っている)。DC運転に比べ、はるかに高機能であり、多くの列車を同時に運転できる。日本では走らせている人が少なく、DCCの普及率が極めて低いのは残念だ。難しいと考えている人が多いようだが、誰でもできる。特にプラスティック車輌はショートの可能性がまずないので、極めて簡単である。 

19. 3Dプリントは小ロットの部品のみならず車輌全体を作ることが出来、それを販売する人もいる。誰もがこの業界人になれる日が来たのだ。しかし、材質に関する知識が不足すると、時間が経つとぐにゃりと曲がってしまったり、溶けたりする可能性があるが、まだそこまで時間が経過していないので、気がついた人は少ない。

20. 通電していない線路(dead rail) の上を無線操縦で走らせることができる方式である。当初は屋外の汚れた線路で走らせるための方便であったが、屋内でも用いられることが多くなった。DC本線とDCC本線をまたいで貨物列車の入替をしようと思うと、この方式を採用すると便利だ。当鉄道ではすでにWifi伝達方式の試作品を採用して、貨車ヤードの入替に使っているが、今回A氏が開発したDCC信号を無線伝送する方式は、双方向ではないがDCCのフルスペックを活用できる。この方法ならば、音声も各種のギミックも、多チャネルで送れる。本線を走るのでなければ電池容量は十分で、ヤードの隅の停泊所に充電装置を置けば良いだけである。   

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2024年02月29日

続々々々 20 innovations that changed the hobby

13. 昔はストラクチュアを作るのは大変だった。特にレンガ造りの建物は至難の技であった。1952年にPlasticvilleというキット群が売り出されてから、各社が追随し、大量のキットが市場に飽和している。

14. 昔は米粒球とか麦粒球などという白熱電球があった。これをいかにうまく使って小さな機関車の前照灯に入れるか苦労していたのだ。MRのLEDを紹介した最初の記事は1971年の踏切警報器の赤灯である。これは筆者も数年後に作った。現在のLEDはリード線のない表面実装型で、小さなZゲージでも使え、白熱灯よりはるかに長寿命である。 

15. 我々が最初に手にした鉄道模型の線路はおそらく居間のカーペットの上に敷かれたものであったろう。それが独立した部屋になり、合板の平面に様々な素材…おが屑とか篩(ふるい)を掛けた砂とか、アスベストまでばらまいて作ったのだ。そのうちにスポンジ粉やライケンが主流になり、1970年頃から静電気で直立させられる短い繊維を使うようになった。もうアスベストを使う人はいないだろう。この装置は専用のも売っているが、テニス・ラケット風の電撃捕虫器から外して作ることができる。

16. インターネットは鉄道模型向けの製品ではないが、これは我々の世界を大きく変えた。1989年にTim Berners-Lee がWWWを作るまでは、ある機関車を作ろうと思うと、それを持っているかどうかもわからない図書館に行って資料を探す必要があった。現在では絶版になった本でも、そのページだけを見ることができる。スワップ・ミートに行かなくても参加できるし、各鉄道の歴史保存協会に問い合わせて質問することができる。距離という概念がなくなったのだ。すでに、インターネットを使わずに鉄道模型を楽しんでいる人はほとんど居ないだろう。
(スワップ・ミートとはジャンク市のことである。様々な中古品、仕掛品、中には新品を格安で売ることもある。筆者のコレクションは、ほとんどここで入手したものばかりである。)

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2024年02月27日

続々々 20 innovations that changed the hobby

9. Kadeeカプラは、双子の兄弟 Keithと Daleによって作られた。彼らの名前がK、Dであって社名の由来となっている。delayed uncoupling 切り離して押して行くことによりヤード内の入替運転が楽しくなるが、日本でこれをやっている人は稀だ。レイアウトを持たない人が大半だから、この機能を知っている人は少ない。Low-D車輪を採用していると、わずかの勾配がヤードにあれば思わぬ方向に転がってしまい、解放して置き去りにすることができないこともありうる。Nゲージのカブースには台車の軸受にわずかのブレーキが掛かるようにコイル・スプリングが入っている
 HO用も最近は大きさがやや小さくなり、スケール感が増している。すでに特許が切れているので、他社によって同等のものがたくさん出ているが、ケイディ社の製品が高品質である。

10. MRでは、いわゆるプラ板は1959年から紹介されている。簡単に切れ、木目もなく、穴あけ、ネジ立てが可能である。日本では1970年くらいからタミヤが板を売り出したので、一般化された。
 米国で市販されている板のほうが柔らかく、パキンと割れたりしない。接着剤は合成化学系の有機溶剤が長らく使われてきたが、最近は天然物のリモネンがよく用いられる。これを使うと、接合面が脆くなってパリンと割れるのを避ける事ができる。

11. Shake-the-Box car kit は、箱を振るだけできる訳ではないが、それほど簡単な組立てキットである。アサンに代表されるプラスティック車体を持つ製品である。パチパチと組めてそれなりの性能を持つ塗装済車輌ができる。長い編成も数時間で形になる。
 その昔、貨車は手作りであってキットがあっても組むのに数日もかかった。日本にはこの種の塗装済簡単キットはあるのだろうか。

12. 瞬間接着剤は1958年に、イーストマン・コダックで開発された。1973年に急速に世の中に浸透し、それまでの接着剤が長い硬化時間を要するので、工場での組立ジグの数が多く必要であったが、それを減らすことが出来るので極めて効率的であった。金属にもよく付き、エポキシ接着剤を駆逐した。固まった状態のものは熱可塑性であるから、加熱すると剥がれる。 
 硬化促進剤もあるので、さらに早く固まらせることもできる。固まるのは発熱反応であるから、多量を瞬時に固まらせると火傷をするほど熱くなる事がある。 


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2024年02月25日

続々 20 innovations that changed the hobby

5. エアブラシは19世紀からあるが、MRの記事で最初に扱われたのは1959年と遅い。TMSで吹付塗装の話が出たのはいつ頃だろう。それまでは刷毛塗りが普通である。ウェザリングには不可欠の技法であるが、その話題が日本で扱われたのは1970年代である。

6. チョークの粉を塗ってウェザリングするのは、日本の鉄道模型ではまだ普遍化されているとは言えないだろう。米国では刷毛を使って擦り込むのが普通になっている。タミヤなどが顔料粉のセットを売り出したので、ようやく用いる人が増えて来た。

7. 米国ではフレキ線路は1938年からあるそうだ。1945年の記事でウェスコット編集長はアトラスの線路が堅過ぎて曲がらないと書いている。その後篠原が優れた製品を出し世界中に売れた。これがなければレイアウト作りは大変な手間が掛かる。

8. X2Fカプラーは日本では馴染みがない。1955年に導入されたが、日本ではベーカー式が主流であった時代だ。アサンのHO貨車には付いているが、連結に多少の力が必要だったり、推進運転で脱線しやすかったりしたので人気はなかった。ただ、米国ではカプラーの統一に大きな働きをしたことになっている。Oゲージ用のブラス製の製品もあったがほとんど浸透しなかったのは、その形の異様さだったという。

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2024年02月23日

続 20 innovations that changed the hobby

1. ディカールがないと、文字表記等は手書きか、写真を切って貼ることになる。1970年頃までは皆そうしていた。絵の具に中性洗剤を一滴落とし、細い筆で書き、剥がれないようにクリアラッカで押さえたのだ。
 椙山 満氏がディカールを米国から輸入し、貼って下さったことを思い出す。米国では、ライオネルは1937年から「製品に使用している」と広告に表記していたそうだ。

2. これは日本では使っている人が稀である。HOに限らず各ゲージで使うべきである。以前話題になったゲージのグループでは頒布したのだろうか。怪しい車輪、分岐を使っていても、その間違いに気付けないのはまずい。ノギスで測れば分かると言う人もいるが、決してそういうものではない。

3. 以前はPFM方式、最近はDCCである。本物の音から作ってあるのできわめて実感的である。大昔は機械的な雑音を発生させるものがあった。イギリスの製品であったが、車輪が回転すると小さな太鼓の表面を擦って、シュッシュッという音を出すものを小栗氏から見せてもらった。音の出る模型は実感を与える。ただし、動力源からそれ以上の音が出ている様な機関車も見ることがあるのは残念だ。最近は煙の表現を超音波加湿器のモジュールで行うようになった。この20の発明の中には入っていないが、これも大きな進歩である。

4. 調色済みの模型用塗料は1946年にフロクイルが14色出したのが最初らしい。模型用塗料は、汎用の塗料より細かい顔料を用いて、滑らかな表現を可能にした。フロクイルはその品質で模型界を席巻したが、顔料に重金属元素化合物を使用していたので、数年前に廃業してしまった。舐めるものではないので問題はないのだが、理解が足らないのに攻撃する人がたくさんいて、批判に耐えかねたのだ。現在の米国では、フロクイルの小瓶が高値で取引されている。

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2024年02月21日

20 innovations that changed the hobby

Jan 2019 MR Model Railroader の 2019年1月号にある記事の表題である。"that" という関係代名詞が使ってある表題は珍しい。「この趣味のあり方を変化させた20の発明」というような意味だ。
 日本では馴染みの少ないものもあるが、なるほどと感じるものもある。一応全部羅列してみよう。

1. 水で貼るディカール
2. MNRA のゲージ
3. 車輌から音を出す装置
4. 調色済み塗料
5. エアブラシ
6. ウェザリング用チョーク
7. フレキ線路
8. X2Fカプラ
9. ケイディ・カプラ
10.  ポリスチレン系プラスティック板
11.  簡易組立てキット 
12.  瞬間接着剤
13.  プラスティック製建築物キット
14.  LED
15.  地面材料と静電気植毛技術
16.  インターネット
17.  レーザカットによる建築物キット
18.  DCC
19.  3-D プリント
20.  dead rail 

 単なる翻訳ではなく、筆者の解釈を交えて紹介していこう。  

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2024年01月28日

Quietness

 友人からメイルを受け取った。かなり興奮した様子で、「この動画を見てくれ」とのことだった。

 ある機関車が短い線路を往復する。初めは音を消して見ていたのでよく分からなかったが、音を出すととんでもない状態だった。芝刈機か電動の髭剃りかという感じだ。ギャーという音で、かなり悲惨である。昔はこういうのはよく見たが、この20年では初めてだ。これではお話にならない。以前観測能力という言葉を出したが、これはそういう話題では解決しない。根本的なところがおかしい。走らせると 100 mくらいでギヤが摩滅するだろう。

 蒸気機関車からは大きな音が出てはまずいのだ。できれば無音で走って欲しい。知らせてくれた友人は、筆者の高効率ギヤを搭載するようになって、「もう後戻りはできない。」と言った。従前の駆動装置とのあまりの格差に驚いたのだ。いくつか購入し、主力機はすべて取り替えたようだ。「今までのは一体何だったのだ。」と言う。運転会に持って行って他の人に見せびらかしているという。そうすると欲しがる人が出て来て、普及が進み始めた。

 今までは反トルクの処理がしてなかったので、変なゴムジョイントを使うはめになり、調子が悪い状態から脱出できなかった。六角ジョイントと高効率ギヤボックスのトルクアームで、すべて解決できたのだそうだ。

 筆者のところにこのギヤに関する問い合わせが多くあったが、筆者はHOを触ったことがなく勘所がつかめないので、貫名英一氏にすべてをお渡ししてある。貫名氏は工学を修めたクラフツマンであるから、適切なアドヴァイスを戴けるはずである。
 貫名氏のメイルアドレスは、下記の通り(掲載許可済)。
  enukina60s@nifty.com

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2024年01月26日

slow speed contest?

 友人から、超低速コンテストについての話題を振られた。筆者としては物理的な考察しか言うことはなく、主催者側の目的とか、応募する人が何を考えているかなどは、見当もつかない。 

 滑らかに動く必要がある。聞くところによると "3秒以上止まってしまうと失格" などという規則があるそうだ。笑止千万である。一瞬でも止まれば何の意味もない。こういう規則を作る人が居るということは、主催者は何も考えていないということだろう。

 スケールで時速50キロが出なければならないそうだが、これは当然だろう。以前T氏がギヤを切り替えて対応し(これは賢い方法だ)入賞した。それを排除するために手を触れずに低速と高速の試験をするようになったらしいが、ギヤの切替えなどラジコンでやろうと思えば容易なはずだ。しかし、切替えなどしなくても可能なメカニズムがあるのだから、すでに勝負はついている。今年もやるとすれば、本記事を参考にされると良いだろう。

 最大の不可思議な点は、無負荷での試験であるということだ。長い編成を押したり引いたりして入れ替えをしているのを見た世代なら、低速運転の意味は分かる。現代ではそういう鉄道風景を見ていないので、ただ言葉の上での「低速」を思い付いただけなのであろうと推察する。テンダ機関車であるなら、テンダで軽くブレーキを掛けると滑らかに動くであろう。ただし、機関車の動力伝達機構がまともな設計である場合に限る。

 先日のコメントで筆者の機関車のスムーズな起動を見た人が述べているが、全く引っ掛かること無く極めて遅くできる。それには秘密など無い。次の項目が満たされていれば良いだけである。

・動輪が真円に旋削してある 
・動輪の心が出ている
・軸断面が真円である
・クランク半径が等しい
中国製のボールベアリングを使わない
・高効率ギヤを使う (高回転部にスパーギヤがあると駄目)
・モリブデン・グリースを塗布する
・なるべく大径のコアレスモータを使う
シリコーンゴムの継手を使わない
トルクアームまたは吊り掛け式等の反トルク承けのあるギヤボックスを使う
・集電ブラシを吟味する

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2024年01月24日

The engine equipped with inertia emphasizer II

 新登場のパシフィックをクラブの新年会に持って行き、2m の線路上だったが往復運転を披露した。興味のある人には運転をしてもらった。

「運転はすごく難しいですね。機関車ってこんなに重いのかって、初めてわかりましたよ。」
 世界に2輌しかない機関車である。

 今回は等価慣性質量が 200 kgもあるので、パシフィックでは場合によっては発車が難しい。テンダが極端に重いので、テンダ車輪がレイルの継ぎ目に落ち込んでいると、それが引掛かってしまい動き出しにくい。前回のテンダより、車輪径が小さいこともその影響を大きくしている。鉄レイルなので滑りにくいはずなのだが、それでもよく滑る。

 低電圧で巡航してそのまま逆転を掛けると、動輪はゆっくり逆回転して止まる。車体が止まった瞬間に電圧をゼロにすると実感的だ。止まっても逆回転しているのは、かなりドジな感じがするからだ。

 そのまま電圧をすこし上げるとゆっくり起動して後退する。わずかに電圧を上げるとシュルシュルとスリップする。この機関車はこのままでは軽過ぎだ。すこし補重するべきである。駆動力にはかなり余裕があるので、軸重を1割程度増やすだけで、キビキビした動きになるであろう。 

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2024年01月22日

続 "freelance", "prototype"

 この件についてアメリカ人のネイティヴ・スピーカの人の意見を聞いたところ、なかなかおもしろい答が返ってきた。

 やはりフリーランスはイギリス語である。アメリカでは "private road” であるそうだ。要するに、好きなようにやっているから文句言うなよ、という感じである。デンヴァにあったカブース・ホビィズの店ではそういう分類をしていたそうだ。
 イギリスの模型の世界では、普通に使われている。極めて初期のTMS(一桁号)に、なかおゆたか氏がその言葉を使っているのを確認した。彼らはイギリスの本を見たのであろう。

 また、このように教えてくれた。
 フリーランスというのは実物に忠実に作ることに束縛されない模型作りで、ナローゲージ模型でよく見る。しかしMR誌でフリーランスの模型を見ることは非常に少ない。

 物事を断定的に言うことに快感を覚える人が居る。この趣味界ではそういうことはたくさん経験して来た。その結果、信用を失うのだが、そのことにさえも気付けない人が多いと感じている。


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2023年11月25日

慣性を大きくするのは簡単!?

 しばらく前のことである。ある会合に慣性増大装置を付けた4-8-4を持って行き、単機でスリップさせて見せた。何人かの方がそれを見て、興味深そうであった。実際にスロットルを持たせてみると、慣性が大きすぎて怖いという意見もあった。

 そこに登場したある方が、表題の言葉を放った。
「こんなのはテンダを重くすりゃあ簡単にできる。俺のは機関車に自動クラッチが付けてあるからな。どこまででも滑って行くよ。」
と言う。筆者は二の句が継げなかった。その人は続けて言った。
「俺は設計をやっているからな。計算は強いんだ。あんたは計算して作ってる?」これには参った。

「簡単に見えるけど無理ですね。やってご覧なさいよ。」と言うと、「テンダにボールベアリングをつけて重くするだけだろ。やらなくたってできることはわかるんだ。」と言って行ってしまった。かなりリニアな人である。 

 簡単な算数をしてみよう。このテンダに、重い材料の代表の劣化ウラン(密度約19 g/立方cm)を詰めたとすると約16 kgになる。16 kgは重そうに聞こえるが、このテンダの等価慣性質量の1/10以下である。しかし、その質量で軸がへたらないように設計できるのだろうか。また線路は耐えるのだろうか。
 劣化ウランは日本では手に入らない。ウランの単体は酸素と反応して発火するから密閉容器に入れる必要がある。金では高価過ぎるから、タングステンを使うのが順当だろう。しかし全く質量が足らない。

 筆者の10輌編成の客車列車も約16 kgである。摩擦は非常に少ない。それを牽いて巡航しているときに、逆回転ブレーキを掛けて滑らかに止めるのは難しい。ガクンと止まる。機関車の摩擦力が相対的に大きいからだ。

 その人はHOの人らしい。そのサイズではテンダはどう頑張っても 2 kgくらいしかないだろう。しかしそれでもHOの模型としては異常に重い。車軸の設計はどうするのだろう。

 これもファンタジィの世界である。夢を見るのは自由だが、それを口にするとどのような評価を受けるか、という想像力が欠けている。何の設計をしているのかは知らないが、交通機関でないことを祈りたい。

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2023年11月23日

ある言葉

 先日の会合で、ある方が興味深い言葉を発せられた。
「dda40xさんが等角逆捻り機構のところで、『あなたの模型はその程度のものですか?』と言われないようにしたいと書かれているので、その気持を大切にしたい。」とおっしゃったのだ。
 筆者は、鉄道模型のメカニズムについて改善を模索してきた。最近になって、一応人に見せても恥ずかしくないレヴェルになってきた。技術者であった父に見せたとしても、「よし、これなら良い。」という言葉を貰えるようになったと自負する。

 模型の展示運転を見ていると、まともに走らないものがある。1 mしか走らないもの、傾いているもの、ギャーという音を立てて走るものに出くわす。どれも素晴らしくきれいに仕上がっているのに、もったいなことだ。しかし、車輪の裏塗ってある人極めて少ない

 筆者の模型は、とにかくよく走るようにしている。5 km程度は無給油で走り、脱線しない。間違って軽衝突があってもそう簡単には壊れない。事実上無音で走る。これらの条件を満たさないものは人には見せないことにしている。
 模型には本物とは根本的に異なる部分がある。それを克服して、本物のような動きをさせるということが如何に難しいか、を感じることが大切である。

 冒頭の方とはじっくりお話をさせて戴いた。素晴らしい模型を作られるであろうと確信が持てた。 

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2023年10月16日

展示会 2つ

 車で2時間ほどの街で、船舶模型(模型船舶ではない)とプラスティック・モデルの同好会の展示会があった。友人からお誘いを受けて出かけた。

ship models (1)ship models (2)ship models (3) 船の方は 1/200 を主体とし、同じ縮尺のものを並べていた。端の方には 1/350 がちらほらある。同一縮尺のものを並べると相対的な大きさがよくわかって良い。  

 鉄道模型も似たような問題がある。さすがにOとHOを並べることはしないだろうが、ナロゥ・ゲージなどで、同じゲージを使っても縮尺が異なるものがある。これはレイアウトを持っていない人には大した問題ではないようだ。縮尺はレイアウトごとに決まる。一つのレイアウト上で1/87と1/80を混ぜて置くのは、気が退けるはずだ。長さで1割違うということは、体積では2割以上違う。同一の人形は使いにくいはずだ。

plastic models プラスティック・モデルの方は細密性を競っているのが分かる。これでもかという作品ばかりだ。作者が横に居て、詳しく説明してくれるのは良いが、材質その他については説明が怪しいものもある。
 話を聞くと、細密化部品はエッチング部品が市販されているらしい。要するに付け放題のようだ。これらは走らないから良いが、鉄道模型でも同じ傾向があるのはまずい。外観のみを重視しているのだ。走りはどうでも良いらしい。しかし走りは外観の一部である。見れば分かるのだがそれには目をつぶる人が多いと感じている。
 模型鉄道という言葉を再度確認したい。

 細いものを瞬間接着剤で付けたそうなので、
「ハンダ付けすればよいのに」と言うと、
「ハンダ付けはとても難しくて、このクラブの人は殆どできません。」と言う。
 ハンダ付け講習会をすると面白そうである。

 どちらの会場でも気になる表現があった。「1/200スケール」、「1/48スケール」などとあった。これは正しい表現と言えるのだろうか。1/200 scale-sized model なら分かるが、1/200 scaleでは間違いと感じる。しかし、最近はこれを外国でも使っているらしい。本来は「1/200 サイズ」、「1/48 サイズ」と言うべきだろう。欧米では、スケールというのは1 ftを何インチにするかという時に使う表現である。
 1 ftは12インチだから、1/48サイズなら、1/4インチスケールと言うべきであろう。しかし、この言い回しが残っているのは、すでに鉄道模型だけなのかも知れない。

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2023年10月14日

慣性増大装置 第2弾

 近々ある集会に慣性増大装置を付けた機関車を持って行かねばならない。いつもの4-8-4では見飽きた人も居るだろうから、思い切ってもう1輌の完成を急いでいる。

momenntum emphasizer この砲金の円柱だけでも 840 gもある。これは重過ぎる。台車のバネが完全につぶれていて、線路からの衝撃が緩和できない。円柱の内部をくり抜いて軽くする。慣性モーメントは半径の2乗に比例するから、中心部は無くてもあまり影響はない。

 この円柱の径は 52 mmである。先回は 46 mmだったから、かなり大きい。外側に傷が付いているので、一皮剥いて51 mmにする予定だ。
 テンダの上廻りにはそのままでは入らないので、幅を多少削って入れる(オレンジ色の部分)ことになりそうだ。高さも微妙に当たるので、床板を少し切り抜いて沈める。そうすると床板の強度が減るので、側面のアングルで持たせている。 

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2023年09月08日

続 既製品の客車を手直しする

reinforced Daylight floor ブラスの角棒を所定の長さに切った。連結器座の深さ分をフライスで削って差し込み、ネジを立てて留めた。すなわち、前後2つの連結器座が完全につながる。これで、垂直に床に落としても生き残るだろう。

 背骨だけで350 gもあるから、断面がチャンネル状になるように切り込むことも考えた。それをやると反るだろう。

 全体で1 kg強だ。ピヴォット軸を採用した3Dによるナイロン台車の許容軸重を2倍以上、上廻る。ボールベアリングを使わねばならない。
 この編成の車輌だけが全金属製で元々重かったこともある。他の車両は側板と妻だけがブラス製で、残りは木製なのだ。450 g程度であるから、ピヴォット軸受の許容値である。 

 この客車は、5輌セットの3線式であった。例によって大きなカプラがついていたが、つないだ瞬間に壊れてしまいそうだった。鉄道玩具であるから、扱いが模型よりはるかに荒いはずだが、何の手立ても施されていない。 

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2023年09月02日

続 摩擦の少なさ

 軸受は大きなファクタであるが、もっと大きな損失を作るものがフランジ形状だということを話した。模型の曲線は実物より遥かに急なので、フランジが当たると損失が大きい。だから、フランジが当たりにくい形状にし、フィレット部分を大きなRとして、微妙な乗り上がりで行路差を取り戻すことを簡単に説明した。

 これは非常に説明しにくいことなので、最後尾のカブースを切り離し、坂の頂上から転がした。ゆっくり転がり始めたが、直線部分になると、極めて速くなった。そのまま曲線に入ると微妙に減速し、貨物列車の最後尾に絶妙な速度で連結された。
 これは非常に良いデモンストレイションであったようで、曲線での抵抗の存在を知らせることが出来た。

 もしこれが普通のフランジであったら、曲線上では半分も滑っていかないという例を見せたかったが、その様な車輪は処分したので出来なかった。ただ、K国製の車輪とLow-Dとは比較して見せた。
 左右の車輪径の差が 1/100 mm以下であるという点には驚いたようだ。
「並の工業製品のレヴェルではないね。」ということだった。

 この博物館は模型の博物館ではなく、物理の応用例を示す博物館と標榜したほうが良いと言う者が居た。
「これを見て、力学を考える糧とすべきだ。見ても何も感じない人は
その道を諦めたほうが良い。」と言う。
「評判は良いだろ?」と聞かれたので、
「いや、中にはフランジ形状について、今だに否定する論陣を張っている人も居るんだ。」と答えると、
「見に来れば良いのに。」と言う。
「実は見に来たんだけどね・・・」

 全員が、救いがたいという顔をした。 

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2023年08月31日

摩擦の少なさ

 見学者の中には博士号を持つ者も何人か居たので、摩擦についてわいわいと議論があった。最初はボールベアリングだろうという話だったが、「こんな大きさではボールベアリングの効果よりも、中のグリースの抵抗のほうが大きいよ。」と言うのが居て、ピヴォット軸受に違いないという結論が出た。さすがに優秀である。
 しかし、そんな細いものでは壊れやすいし、寿命が短いという意見が出た。そこで、台車を分解して車輪を外したものを見せた。
 POMまたはナイロンの円錐軸受で、ステンレスのピヴォット・コーンを承けるというやり方には、全員が驚いた。軸重が 100 gw以下すなわち、1箇所あたり 50 gw以下では何の問題もなく30年も走っているというと、絶句した。

 どうやってその結論に到達したのか、という質問があった。
「いや、僕が見つけたわけではないよ。アメリカの Athearnという模型屋がこの台車枠に、普通鋼のピヴォット軸を使っていたが、錆び易かった。先端が錆びてしまうと、鉄の酸化物は研磨剤だから、擦り減ってしまう。錆びない材料に置き換えたら、長持ちする筈だと考えただけさ。それと少量のモリブデン・グリースによる潤滑だね。」と答えた。 

 先輪がなぜ動輪より小さいのかという質問をすると、幾何学的なことだから、みな夢中になって考えていた。そういうところは高校時代と同じだ。 よくできる奴らが集中したクラスだった。 

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2023年08月29日

続 見学会

 貨物列車の運転は滞りなく行われた。その前にカブースを手で押した。その動きが100輌以上前の機関車に伝わって押されたのを見て、歓声を上げた。これはインパクトのあるデモンストレイションである。
 出発して坂を登る時、動輪が少しスリップして前後のエンジンの音がずれるのを面白がった。貨車10輌ごとに少し毛色の変わった貨車をつないで数えやすくしてある工夫を面白がる人もいた。貨物列車全体の質量が40 kgと知り、摩擦の少なさには驚いた。
 しかし、「さて、何輌つないでいましたか。」と聞くと、下は60輌、上は120輌とでたらめであったのは面白い。他のことに眼が行って、数えられなくなるそうだ。子供はそういう傾向が強い。

 特急列車 San Francisco Overlandの運転は大変感動的であるそうだ。発車して加速するが、登り坂になるといささか苦しくなる。登り切ると巡航速度になり、下りになると100マイル/時を超える速度で滑り降りる。それは手に汗を握る興奮だそうだ。下りの動画を撮った。

 FEF4の慣性増大装置の演技では、少々工夫して、手廻し発電機を用意した。廻すと発電されたエネルギィが徐々にテンダに注入されるのが分かるのだ。動き始めたら手を止めても、そのまま走って行く。軽く逆回転させると動輪がロックした状態で滑って行くが、さらに廻すと逆回転する。これは大人気で、やらせてみると興奮した。
 次に、テンダだけを外して本線上に置いた。手で押すと走って行き、そのまま斜面を登るのには驚いたようだ。数メートル登って、ゆっくり降りて来た。何人かは、
「本物のようだ!」と言った。我々は本物を見た世代であった。  

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2023年08月27日

見学会

 最近見学者が急に増えている。一般公開はしていないので、クラブ内の方が多い。ところが先日、高校の同窓会があり、その直前に申し出があって、
「有志だけで見たい。10人入れてくれ。」と言う。

 快諾したものの、中には、
「何かわからないけど、とにかく面白そうだから見たい。」という女性も居たから多少は心配した。3台の車に分乗して来てくれた。事前に、写真撮影は自由だが、GPSだけは切ってくれと頼んでおいた。公開前だから、その写真がどこかに転送されて位置が特定されてしまうと対応が面倒だからだ。

 当初は高さ 330 mmの透明なバリアを付ける予定だったが、お行儀の良い方しか来なければ、無い方が良いとの結論になった。すなわち、絶対に手を出さないということを確約させた。

 事前にリクエストがあって、100余輌の貨物列車、FEFの牽く特急列車、それとFEF4の単機運転でのスリップを用意した。スリップさせるための線路をヤードの貨車などを片付けて用意した。

 最初に祖父江氏、土屋氏、内野氏の話をしてから、運転に入った。 

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2023年07月24日

ABS樹脂製の車輌

 友人から連絡があった。ABSと言っても、ずいぶん差があるそうだ。彼はヨーロッパ型のコレクタである。
 同じ会社の製品であっても、本国製と某C国製では歴然たる違いがあるそうだ。メルクリンでさえもC国製になった。
 結論から言うとC国製は全部駄目だそうだ。その原因は耐候剤が入っていないからだそうだ。これは某製造業の専門家からの情報である。

 耐候剤とは、紫外線、高い温度、空気(酸素)及び潤滑油への暴露などの影響を受けにくくする薬剤である。一番分かり易いのが、自動車の車内の材料への応用である。自動車は屋外で日光に晒されている。耐候剤がなければ、1週間でヒビが入り、1ヵ月で割れてしまうだろう。それを防ぐために数種類の耐候剤が配合されている。

 模型製造企業では、そういう指示を受けていなければ何も配合しない。これらの薬剤はかなり高価なものであるからだ。その結果、そうしてできた製品を輸入して使っている人たちは、光に当て、暑くなるところに放置して、たちまち駄目になるというわけである。

 殆どは室内であるから、紫外線の影響は限定的であろうが、窓ガラスを多少なりとも透過する波長の紫外線もある。その種の模型を大切にしたければ、窓のない部屋でいつもエアコンを効かせておかねばならない。最近のLED照明は紫外線を出さないはずなので、安心できる。蛍光灯をいまだに使っている人は、模型を破壊していることになることを理解して戴きたい。蛍光灯からは無視できない量の紫外線が出る。 

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2023年05月13日

重い機関車

 伊藤氏の機関車のボディ・シェルは、EA, EBとも1.3 kgであった。確かに重い。

 CLWの PA-1は1.3 kg、PB-1は1.2 kgであった。どちらも砲金鋳物の妻板とボンネットがついているが、床板が無い。骨組みだけである。
 EMDのE7A、Bはどちらも1.2 kgであった。これは CLW の製品であるから、同じような理由だ。これらは、衝突には強いはずだ。砲金の前頭部は厚さが 4 mmほどもあり、そう簡単には壊れない。ハンダ付けは難しい。組立て説明書には、接合面を滑らかにヤスって、クランプで締める。フラックスを塗ってガスバーナで加熱して、糸ハンダを押し当てる、とある。その時、鋳物を加熱せよと書いてある。板を加熱すると変形するだろう。

 KTM製のErie-builtは不思議なことに1.1 kgもあった。これは床板付きの質量だ。当時は板厚をあまりうるさく言わなかったのだろう。輸出用のものは材料をふんだんに使ったのだ。

 駆動装置はそれぞれ 1 kg程度であるから、軸重は0.4 kgwほどで不合理ではない。本物は3軸台車の中央の1軸を遊輪としているが、当鉄道の方針として、車体中央に近い軸を遊輪とし、残りを駆動軸としている。この方式では曲線上の挙動が、はるかに良くなる。

 UPの黄色の旅客列車が、2編成できる予定である。1編成当たり、20 kgを超えるだろう。全軸ボールベアリング装荷である。これらには慣性増大装置は要らないはずだ。下り坂では、何らかのブレーキが必要になるだろう。 

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2023年05月05日

伊藤英夫氏の作品

EMC EA,EB EMD E7A,B 上の A,B が今回の機関車である。下は対比のために置いたCLWの E7 である。大きさは正確だ。キャブ上の流線型のフィンはホーンを囲む形で付けてある。これを見る限りは、伊藤氏はB&Oの写真を見たことは間違いない。

 伊藤英夫氏は数年前に亡くなった。それを知らずに筆者の博物館のレイアウト開通を知らせる手紙とDVDを送ったが、宛先不明で戻ってきてしまった。
 半年後にお宅のあったところを訪ねると、すでに更地となり、現在は高層分譲住宅になっている。

 友人らからの情報によると、たくさんあった模型は、タダ同然で買い受けられ、売り飛ばされてしまったそうだ。30分の1,35 mmゲージの秀作は、Oゲージでもなく、Gゲージでもないので、規格不明品として安値で売られてしまったと言う。彼は客車の台車だけ買ったそうだ。自称"経験ある中古業者"というのも、この程度の人達なのだ。 
 今回のディーゼル電気機関車はその中にあったのだろう。よくぞ無事で、筆者のところに辿り着いたものだと、感激している。 

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2023年04月25日

再度 ユーレイについて

 山線のレイアウト上でユーレイの実効性が確かめられたとあった。勾配線対策の決定版とあるが、そうだろうか。

 押されたテンダが脱線とあるからには、失敗と考えるのが妥当ではないか。本来、勾配を乗り切ろうと思えば、補機を考えるのが普通であろう。大きな重い車輌が押しているというのは、極めて調子が悪い。DCCを使っている訳でもないので、動力の配分はむずかしい。

 I田氏に“ある装置”を進呈したら、この用途にも使えるかもしれないと連絡があった。早速試運転をしているようだ。今回のような重連にも使えそうだと、新しい工夫をしているようだが、さてどうなるだろうか。楽しみである。


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2023年04月23日

牽引力ってなんだろう

 最近「牽引力を測定しました」という記事目立つ。中身はかなり疑問符がつく。

 牽引力は機関車に固有のものである。通常は乾燥した平面の線路上で測定する。勾配上では当然減少する。

 その記事では客貨車を牽いて坂を登らせ、機関車の後ろに付けた測定器で得た数値をテレメータ化して送っている。「牽引力を測定した」とあるが、それは牽引力でも何でも無い。その列車の曲線上、および勾配上での牽引抵抗である。
 ”測定”された数字がぱらぱらと変化するから楽しいが、意味があるとも思えない。バネ秤に糸を付けて引っ張れば、どの地点の抵抗が一番大きいかはすぐわかる。「変化することがわかった」とあるが、変化しないわけはないのだ。
 曲線、勾配、被牽引車の特性がごちゃ混ぜでは、測定は限りなく不可能に近い。これはケチを付けているのでは無い。正しい自然科学の探究の姿勢を持ちたいと主張しているのである。

 (上記のリンク内の文言はすでに修正済み。またこの原稿を事前に今野氏にはお見せしている。) 

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2023年04月09日

ユーレイという亡霊

 最近、ユーレイという言葉がウェブ上によく出てくる。すでに死語だと思っていたのだが、これだけ頻繁に出てくると気分が良くない。
 1960年代のTMSなどによく出ていた。要するに客車、貨車などに動力を入れ、機関車の非力を補うものである。昔はDCCなどはなかったから、機関車とユーレイは同調せず、ガーガーと後ろの方で唸っていたのをよく見た。

 要するに列車の抵抗が非常に大きく、機関車だけでは牽けないということである。本来は客貨車の抵抗を減じることを真っ先にすべきである。それでも牽けないのは、そもそもその勾配ではその列車を牽くことが出来ない条件にある。勾配の緩和、急曲線の廃止、勾配用の機関車の導入など、本物の条件そのままである。模型での解決方法なら、ゴムタイヤの装着もあるだろう。
 異常に重い全金属製客車を数輌も軽量機関車に牽かせて急坂を登らせるのは、全く無理な相談なのだ。

 まずは牽かれるものの責任を追求してから、こういうことを考えるべきである。筆者のレイアウトで120輌を牽かせて坂を登らせて見せると、
「何台の貨車に動力が仕掛けてあるのですか。」
と聞く人がかなり多い。列車全体を手で押させると仰天する。
「なんでこんなに摩擦が少ないのですか。」
 やろうと思えば出来る範囲にあることなのである。それをどうしてやらないかが、理解しがたい。クラブの目標として掲げて取り組めば、すぐ解決するだろう。もっとも、勾配線の無いクラブではその必要性を感じにくいかもしれない。勾配線を装備すべきである。

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2023年04月05日

続々々々 伊藤 剛氏のGandy Dancers

enyakohla A氏から剛氏の線路工夫の全体が作動するようになったと連絡があった。この動画である。



 ゆっくり動かしているので、工夫4人の動作がイコライズされている様子がよく分かる。退避モードになると、4人ずつ退避する。
 親方が笛を吹く瞬間の顔の向きを見て戴きたい。笛は口にくわえられる。音はDCCの警笛の中から選んだそうである。

 あとは列車の在線検知と連動させるだけで、A氏の努力に拍手を送りたい。時間を掛けて下さって結構ですとお願いしたが、面白くてどんどんやってしまったとのことである。能力ある人がクラブに入って、素晴らしい結果を出された。

 これがクラブの本来の姿である。出来ること、やりたいこと、をクラブで実現するのである。日本のクラブでは往々にして、期日までにあれをやろうなどと決めたりして、困ってしまう人もいる。出来る人が、出来ることを、みんなのためにやるという姿勢が大切である。筆者がアメリカで見たクラブは、どれもその様になっていた。 

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2023年02月08日

牽引力コンテスト

a contest 古いTMSを整理している。たまたま開いた号に、表題の記事があって、とても驚いた。40年ほど前の記事だから仕方ないが、あまりにも滑稽なところがあって、少々呆れたというところが正直な感想である。

 例によって、「重くする + 駆動軸を増やす」のオンパレードである。そこには物理的な思考というものがあるようには見えない。小学生の発想から抜け出していないのだ。駆動軸を全て連動させるべきだという話もない。

 被牽引車の摩擦を小さくするのが、最も建設的な方向性であるが、この当時から誰もそちらを向かないようだ。この記事の最後には、台車にバネでキングピンを軸にして捻りを掛け、フランジの摩擦で牽引力を稼ぐという、トンデモ・アイデアの作品が紹介してある。それで「ポイントを脱線せずに渡った」とは一言も書いていない。それは編集部の責務であるはずだと思うが、いかがであろうか。

 
 実物の鉄道は「摩擦が少ない」ということを最大限に利用している。札幌の地下鉄は華々しくゴムタイヤ付きでデヴュウしたが、その電力消費の大きさには、開通当初から驚きの声が上がっている。しかし、マスコミがどういうわけか褒めそやしたので、効率が悪くてもあちこちで採用され始めた。ゴムタイヤの消費もかなりのものであると同時に粉塵がたくさん撒き散らされていると聞く。環境には決して良いとは言い難い。 

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2023年01月23日

新年会

NMRC 所属クラブの新年会があり、新入会員のA氏のデモ運転があった。おそらく誰も見たことのない種類の運転を披露して戴いた。


 45mmゲージでスクラッチ・ビルドされた国鉄のディーゼル機関車2輌が、自律して複線をランダムに往復している。たまたま線路が空いた状態であると、ポイントが切り替わり、渡り線を通る。素晴らしい音響効果があると同時に霧化装置からの煙も出る。動きも重々しい。機械にも電気にも強い方なので、今後が楽しみだ。

DD54 (1) DD54である。実物は整備に関する問題が解決せず、短命に終わったが、造形はとても良かったと思う。この模型は素晴らしい牽引力を持ち、本物のように惰行する。メカニズムは極めてよく出来ている。 

 今までにこの会では、素晴らしい仕上がりの作品をいくつか拝見してきたが、外見だけではなく、中身に注力した模型はあまり見ることがなかった。そういう点でも、会員の気持ちがそちらに向くことになれば、このように中身がある模型が発表されるきっかけとなろう。 

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2023年01月17日

続 内野日出男氏のD62

Mr.Uchino's D62 (5)Mr.Uchino's D62 (3) Tavata氏、春岡電鉄氏が正解である。寸法を測ってみると全長は200 mm強で、1/100である。線路が見当たらず、探し回って載せた線路が大きなヒントになってしまった。枕木部分を消すと、もう少し難しくなったかも知れない。


Mr.Uchino's D62 (1) この機関車の話は内野氏から聞いていたが、現物が出てくるとは思わなかった。小さな箱に入っていたので、気が付くまでに時間が掛かった。 

 1/100というサイズは他に例がないので、列車を走らせて楽しむことは出来ず、ただ作ってみただけで終わった。鉄道模型は仲間が必要であると悟ったそうだ。

Mr.Uchino's D62 (6) Mr.Uchino's D62 (7)共通のゲージ、共通の(似通った)縮尺が必要である。独善的な模型は孤立するのだ。


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2023年01月09日

内野日出男氏のD62

Mr.Uchino's D62 (4)Mr.Uchino's D62 (2) 内野氏宅からお預かりしている物の点検は、ようやく最終段階に来た。

 これは一体何であろうか。寸法は伏せて写真をお見せする。ゲージ、縮尺を当てて戴きたい。

 内野氏はこれを1968年に作った、と箱に記してある。そのころのTMSを調べているが、記事には載っていないようだ。それから55年も経とうとしている。この掲載記事が雑誌にあれば、お知らせ願いたい。 

 連結器はKadeeを用いている。石炭は半分ほど剥がれているので、これは修復したい。ホコリがついているので清掃して陳列する。場合によっては塗装のタッチアップをすべきかもしれない。

 とにかく、フル・スクラッチ・ビルトである。もちろん動輪も手作りであり、これは内野氏がユニマットを入手してまもなくの作品である。 

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2023年01月03日

ダイキャストの変質

 ダイキャストで作られた蒸気機関車の台枠が変形して、走らなくなったという記事があった。Mogul氏は経験ある模型人であり、ブラス板による修復は可能であろうと思うが、面倒なことである。

 戦後数年間に日本で作られたダイキャスト部品は、すでにほとんどが割れて壊滅したと思われる。有名なのはOゲージの軸箱である。EF58などに使われたものは原型を留めていない。ヤフオクなどによく出ているが、例外なく滅茶苦茶な状態である。これを修復するためのロストワックス製のブラス部品も出ていたが、末端までは届いていない。

 昭和30年代に輸出用に作られた部品も、かなり怪しい。少しずつ膨らんでいるのである。当鉄道にもかなりの数が在籍していたが、全てブラスのロストワックス部品に交換した。

 亜鉛ダイキャスト鋳物は少しずつ膨らむ。合金に不純物として鉛などが入っていると、結晶の界面が酸化されて金属結合が断ち切られ、割れてしまう。アメリカ製のはかなり持つと言われていたが、戦前のライオネルの高級な模型(Oスケールのハドソン)もどんどん割れてしまい、現存するものは極めて少なくなったという。

 最近は中国製の模型が市場に溢れている。それらはダイキャストとプラスティックの組み合わせでできているらしい。今後20年のうちに何が起こるか、観察したい。

 ブラス製で正しくハンダ付けされた模型は、1000年超の寿命を持つだろうことは疑いがない。おそらくそういう意味では、ブラス製模型の復権はありうると思っている。但し、今までのような板金を組み合わせて立体を構成する手法は一部となり、大半は3Dプリントを駆使した銅合金ロストワックスとレーザで切り抜きされた板との組み合わせという構成になるだろうと予測する。そうなると、必然的にハンダ付け手法も進化する必要がある。

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2022年12月10日

ABS の劣化

Pullman-Standard 60ft boxcar kit by US Hobbies 思わぬものが見つかった。1970年代に購入したプラスティック製のキットである。50 ftの Boxcar でPULLMAN-STANDARD の当時の新車だ。製造元は US Hobbiesであり、Kemtron の社長ケマルヤン氏がMax Grayの会社を引き継いで作った会社だ。彼は1976年に亡くなったので、その直後の在庫一掃セールで買ったような気がする。これも安価だったので、ほとんど記憶に残っていない。冷暗所にあったので、劣化していないと思った。しかし箱を開けて細かい部品を手ではずそうとしたところ、ランナの方が折れた。これは要注意のサインで、薄刃のカッタで切り離した。

LDLD2 全体にもろくなっている。実はほぼ同型をもう一輌組んだのを持っている。それを参考にしようと紙袋に入れて持ち帰ったが、自室で紙袋が破れた。ほんの30 cm弱だが、木の床に連結器から落ちた。 

time-related deterioration この連結器はバネで実際に縮むように出来ており、十分な緩衝力があるから壊れるはずはないと思ったが、妙な音がして連結器の付け根付近から折れてしまった。素材が劣化しているのだ。これは接着剤では直らないから、その縮む部品をブラスで作り直すしかないと覚悟した。
 上記リンクの貨車は自作だからエア・ダンパがついているが、このキットにはそんなものは無い。押し込むと、手を放した瞬間にぴょこんと飛び出すが、適度な摩擦でそれほど速くは飛び出して来ない。

 このキットを組み始めたが、やはりもろい。大きな部材は安心だが、細いものは割れてくる。直ちに溶剤で溶かして付けるが、期待はできない。可塑剤が加水分解されている可能性が高い。細かい部品はブラスで作って差し替えるしかない。  

 当鉄道にはプラスティック製のものは少ない。経年劣化が予想されたからだ。いずれこのように割れてくると確信したのだ。ABS製と書いてあってもこの程度である。たった40年でこの調子だから、この先どうなるのだろう。
 非常に虚しい。これは読者諸氏のプラスティック製模型の未来を暗示しているのだ。結晶性でないプラスティックは、全て同じ運命をたどる 

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2022年11月26日

慣性増大装置の今後の展開

 先日のKKCの会合で披露された3種の慣性増大装置についていろいろな意見を頂戴している。否定的な意見はないが、「HOの作例が思ったほどではなかった。」という感想を戴いた。

 作者のT氏も認めているように、小さなものは本物の挙動との乖離が大きくなる。慣性モーメントは大きさの関数であるので、小さくなると極端に不利であり、一方、摩擦というものは小さくしにくい。ボールベアリングは摩擦を減らすと信じている人も多いが、中のグリースの撹拌抵抗は無視できない。また、軸の径はそれほど小さく出来ないので、相対的に抵抗は大きくなる。
 それでもある程度の効果は見られ、この動画でもそれは分かる。

 摩擦を減らす工夫が必要であるので、ある方法をヒントとして差上げたところ、たちまちそれを実用化する方策を立てられたようだ。楽しみである。  

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2022年10月27日

続々 「私たちの立ち位置」

 今野氏率いるKKCの会員は、金属工作による車輌群の製作を趣味とする人達である。KKCの内部では様々な情報が交換され、共有されている。これは素晴らしいことである。雑誌には載らない常識、誤謬の訂正などが伝達され、然るべき時間の後には、雑誌に載ったりする。
 
 若い会員は、先輩の指導で様々なことに挑戦し、その試行錯誤の様子も分かる。ここで大切なことは、会員の殆どが実践者であることだ。自分で手を動かし、やってみて確認したことを報告している。糸鋸の使い方、タップの立て方にしても、雑誌に書いてあることとは一捻り違うことが紹介されている。ハンダ付けのコテを改造する例も紹介されている。 

 最近では模型人は製品を買うだけの人が多いと感じる。筆者は、それほど懐に余裕がなかったから、自作か、中古品を改造することを中心にしていた。博物館のコレクションは、土屋氏からのものを除けば、ほぼ100%中古品からの再生である。動力装置はすべて取り替えられ、サスペンションも更新されているものが多い。
 それを知っているアメリカの友人は、再生を頼んで来た。渡してやると、さらに友人に自慢し、それが次から次へと輪を広げていった。こうして祖父江氏は忙しく仕事をするようになったのは、嬉しいことであった。


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2022年10月25日

続「私たちの立ち位置」

 非常に多くのご意見を頂戴している。

 ほとんどの方の意見は一致していて、まとめて言えば”主体性の有無”である。これについては過去の記事で扱っている。


 例のコンテスト以降、鉄道模型のあり方について考えることが多い。コンテストの是非は別として、「入賞したいという意欲」が、昨今の問題の原点にあるような気がする。他人は他人なのだが、コンテストで入賞するためには、ある概念の中での出来不出来を競うわけだ。そうなると、見かけ上良くできている、ということは極めて重要になってくる
 筆者は何十年もコンテストを無視してきた。その入賞作品を見て、感動することもほとんどなかった。「ご苦労様」という言葉しか、感想として出てこなかったというのが正直なところである。中身についての工夫はほとんどなかったからだ。 

 筆者は、「世界で一番良く走り、耐久性のある模型」を作りたかった。祖父江氏も全く同じことを考えていたので、35年に亘る親交を結べた。懸架装置、歯車を含む駆動装置、耐衝撃性、耐摩耗性、静粛性の点で傑出するものを作ることだけを考えてきた。被牽引車は低摩擦であるべきで、緩和曲線を備えた線路を精密に作り、長大編成を牽かせることを目標にした。

 その目的達成以外、何も考えていなかったので、他の人からの雑音は耳に入らなかった。ある程度の完成形が見えてくると、車輪、歯車等を欲しがる人が出てきたので、原価で提供した。その購入者が筆者と同じことを考えていたかは不明ではあるが、さらにそれを見て、「僕も欲しい」と言う人が現れるのは嬉しかった。原価で頒布してきたのは、それを工場に注文するにはある程度の数を揃える必要があり、その協力者への謝礼という気持ちもあった。100個しか注文しないのと、3000個の注文では単価は数倍以上違う。

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2022年10月15日

「私たちの立ち位置」

 仙台の今野氏が率いるKKC会報のコラムに、今野氏が表題の件について書かれている。
 概略を書くとこのようなことである。(著者承諾済) 

 我々は金属工作によって車輌を作り、それが模型としての唯一の最高峰であると思ってきた。最近のTMSのアニバーサリー・チャレンジの結果を見ると、それが通用しないことに気が付く。スクラッチから機関車を作るということはこの趣味の本筋ではなくなったのだ。
 機関車を作る人はそれを走らせるレイアウトを作るところまで行く人は稀である。また、レイアウトを作る人は、機関車を作ることは少ない。
 KKCでは、走りの追求をしようとする方向に向かいつつある。伊藤 剛 模型鉄道館のような、簡易なシーナリィではあるが高精度な線路を持つ運転場
(ディスプレイ・レイアウトと呼んで欲しかった)を作ろうではないか。

というものである。
 今連載中の内野氏の工作は、すでに過去のものとなってしまったのであろうか。そうではないはずだ。偉大な模型人のテクニックは、語り伝えなければならない。

 高効率ギヤが普及すると、どうしても長編成を走らせて勾配を登らせてみたくなるものである。さて、これでいくつかのディスプレイ・レイアウトが、日本にも出現するであろうか。  

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2022年10月03日

他社のHOギヤボックス

another gearbox 別の友人が、前回の記事を見て意見を求めてきた。このギヤボックスはどうか、と聞くのだ。このギヤボックスも、1時間連続運転して止まると、動き出せないと言う。

 確かにウォームが当たっているウォームホィールはPOMのようだ。ウォームは1条のようだから、進み角(°)は一桁である。すなわち効率は、あまり高くない。大きなモータを付け、重負荷を掛けて1時間も走れば、熱は溜まる。これも熱くなった状態で、急停止するとウォームの歯型が転写されてしまうのではないのだろうか。

 ウォームホィールは熱の逃げやすい金属製に限る。快削のリン青銅を用いるのが普通である。快削のリン青銅と言っても何種類かあるから、よく調べて指定しなければならない。 

 長時間の運転をすることはアマチュアでは少ないだろうから、この種の問題は顕在化して来なかった。最近、いくつかの鉄道会社が博物館を持つようになって、この種の問題に気がつくようになったようだ。アメリカではかなり前から、この対策が必要であった。 筆者のギヤも微力ながら貢献した。

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2022年09月30日

レイアウトの高さについて

 友人に会うたびに、表題の話題が出る。どなたも今月号のTMSを見ての感想である。

・広いことになっているが、広さが感じられない。
・通路と背景ばかりが気になって、良さを感じる余地がない。
・俯瞰撮影なら、少しは工夫したアングルで撮るべきである。
・高さが低いようだ。

 筆者はそのレイアウトの現物を見たわけではないので、雑誌の誌面だけからの感想を述べる。一言で言えば、視点が高過ぎる、である。”設定した視点”からの眺望を考えるべきであった。

 TMSのレイアウトの記事を、過去20年分ざっと見ての感想であるが、どれも視点が高い。すなわちレイアウトの高さが足らない。TMS 968号のNゲージレイアウトに橋を見上げる場面がある。とても良いのだが、1枚だけである。 
 先のコメントでTMS439号の記事が話題になっているが、他にはとても少ない。その記事では椅子に座って目の高さということである。1100 mmほどであろう。

train watching 当博物館のレイアウトのグラウンド・レヴェルの標高は1230mmである。勾配があるので、最高地点では標高は1500 mm近い。
「そこで待ち受けて、通過するのを見ると興奮する。」
と言う人は多い。

 視点を標高1510 mmにしたのがこの写真である。重い列車が継ぎ目の音を響かせて走るのだから、鉄道ファンなら誰しも興奮するだろう。
 もう一つ、走行音が極端に静かであるということである。転動音は殆どしないので、分岐を渡るときのフログの音がよく聞こえる。もちろんギヤ音は全く無い。蒸気機関車なのであるから、そこも大事なポイントである。 

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2022年09月10日

続々々 TMS 968号

 友人から、痛烈なメイルが来た。

 既製品を並べるか、ディテールパーツをこれでもか、と貼ったのしか興味のない昨今の模型誌がよく上位に入れたものだと驚きました。 

 これは筆者も同感である。他にも友人が、「入賞はさせないだろうね。TMSは写真映りがよくないものは使わないからさ。」と言っていたので、まさかの入賞であったというのはウソではない。

 古くからの付き合いのある友人を当博物館に案内すると、その路盤の高さには驚く。「向こうが見えないじゃないか」と言うが、逆に質問する。
「僕たちが実物を見る時は、視点の高さはどれくらいだろうね。踏切で見たり、跨線橋で見る以外にあるだろうか。ビルの屋上から見て楽しいかい?」
「そう言われてみれば、今まで気が付かなかったが、視点を下げる、逆に言うと路盤を持ち上げるということは大きな意味があるな。日本のレイアウトは低過ぎるね。」
と納得する。

 本文記事にも書いたが、いずれ日本のレイアウトは路盤が高くなる。HOでも実例がある。Nではもっと高くすべきだろう。ウォークアラウンドなら、1500 mmでも良いのではないか。

 1980年代にアメリカでは急速にレイアウト路盤が高くなった。MRの記事に、”毎年1インチずつ上昇している”と書いてあったことを記憶している。上昇は2000年近辺で止まったようだ。それはウォークアラウンドの普及(DCC, wireless)と同期している。

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2022年08月31日

model railroading

 今回のコンテストの意味について友人と話した。彼が、
「model railroadingのはずなんだけどね。見ていると、車輌とかレイアウトだけなんだよね。足らないと思わないか?」と言う。
 彼はアメリカ生活が長い。模型の楽しみ方をよく知っている。車輌工作だけしかしない人を模型人とは言わない人である。
「この言葉は、オペレイションもメンテナンスもあるよと言っているんだ。動きそうもないものを選んでいるのは、まずいんじゃないかな。」

 TMSの表紙にはHobby of Model Railroadingと英訳がつけてある。この語は正しい。しかしながら、中身は少々この訳語からは乖離していると感じている。

 彼が所属していたクラブでは、オペレイションにかなりのウェイトを掛けていたそうだ。筆者の友人のレイアウトでも、オペレイションの面白さを強調している。
 オペレイションにはいくつかの意味があるが、わかりやすいのは列車の組み替えである。この貨車をある駅で落として、そこにある貨車を拾って来なければならない。
 また、勾配線があると機関車を足さないと登れない。用が済んだ補機は回送して待機させるなど、本物の鉄道で行われていることを、楽しむのである。

 筆者の博物館の場合は、解結作業は少ないが、坂を登るのはなかなか大変である。動画では楽に上っているように見える(with ease などと格好をつけているが、限界である)が、あの機関車の粘着力でなければ登れない。しかも時々スリップしている。当初の案では補機の待機場所も用意していた。

 勾配はできる限り正確に作り、剛性のある構造にして、均一な負荷を作り出せるようにしてある。この種の情報は、今までのどの記事を読んでも得られなかった。


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2022年05月05日

続 来訪者

 TN氏は3条ウォームの威力を目の当たりにし、かなり衝撃を受けたようだ。彼の素朴な疑問である。

どうして模型メーカはこれを採用しないのだろう。高いものではないし、やろうと思えば採用できるはずだ。押して動けば楽しい。特に蒸気機関車は、ロッドの動きが見えるのだから、やる価値は十分にある。」 

 その通りであるが、やろうとしているようには見えない。最初から諦めているのか、顧客が望んでいないと決めつけているのかはわからない。今回のものはOゲージのディーゼル機関車用を流用しているので、ギヤ比はやや小さい。すなわち、無負荷では6 V付近でその機関車の最高速度に到達するようだ。DCCなら何の問題にもならないが、アナログに固執する人もいる。列車を牽いて負荷の掛かった状態なら12 V近辺で最高速になるそうだ。全く問題ない。

unnamed 知人から興味深い強力モータを提供戴いたので、装着例を作って戴くべく、経験の深い友人にお願いしている。それは、12 Vで2200 rpmだそうだ。Φ22で、32 mm長の両軸である。前後で軸の太さが異なるのは、ロータリィ・エンコーダを取り付けるのであろう。
 HO用としてはかなりの大型で、4-8-4や2-10-4あたりでないと火室には収容できそうもない。マグネットはかなり大きく、ずしりと重い。これを収容できれば、極めて調子の良い強力機関車になるであろう。

 要は注文ロット数である。コアレスモータは300台の注文ができれば、新仕様のものが発注できるはずだ。強磁界で巻数を増やせば、低速モータは可能である。もう少し小さな物を注文すべく、メーカは考えるべきだ。

 また、換装を引受ける工房ができれば良い。筆者はHOを触ったことがないので不可能だが、その道の達人はいらっしゃるだろう。必要部品は供給できる。

 高性能のギヤを付けた機関車の走行は、見ているだけで楽しいのだ。このギヤは、極めて高精度のギヤである。過去の模型用ギヤの水準を遥かに超えていることは、見れば分かるはずだ。
 コアレスモータを逆駆動するのは容易だが、有鉄心モータは難しい。しかし、それをいとも簡単に廻すらしい。伝達効率が良いということは、ここにも現れる。

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2022年04月11日

よく走る模型

 しばらく前、この記事を発表した。賛同してくださる方は非常に多いが、そうでもない方が居ることが判った。要するに、TMSの最近の方針に対する批判が許せないらしい。TMSの方針に賛同している方のようだ。

 どうやらその方の頭の中では、細密化⇦⇨走行性能向上という一次元の尺度があるようだ。よく走る模型は細密でないと思っているだろう。残念ながらそれは間違いである。細密化と走行性能は異なる次元なのだ。

 2輌の同型機関車があり、片方は超細密で、他方がそうでないとする。大抵の人は細密な出来の機関車を見て、すごいと思う。これはよくある。
 次にまた別の2輌の同型機があり、その外観が同程度であるとする。片方が滑らかに走り、他方がガラガラと音を立てて走る。なおかつ、つんのめる。当然前者が良いと思う人がほとんどだろう。よく走る模型が良いということには反論が難しい。どなたもそれに向かって努力することを、無駄だとは言い難いはずだ。
 よく走る車輌には価値がある。

 最近仙台発の記事には、走りの改善についての情報が多い。素晴らしいことである。 

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2022年02月14日

入賞作

 読者氏からのコメントを読んで、やはり、という感じがした。TMSの新年号表紙の後ろにあるシャシを見た瞬間、反っている感じがしたのだ。目の錯覚か、レンズの特性か、それとも製版上の問題か、と思っていた。読者氏は実物を見たそうで、かなり派手に曲がっていたと言う。これは褒められた話ではない。車体と組合わせればなんとかなったのかもしれないが、大きな構造物が出ているので、運搬中に加速度が掛かると曲がるだろう。また、走るときにレイルに触らないようにできているのだろうか。しかし、線路には上り下りもある。

 機関車というものは、運転中にさまざまな加速度が掛かるものである。また、筆者は常に軽衝突を想定している。貨物列車に追突した時、ブラス製貨車の何輌かは破損しても、機関車の構造体には何ら影響が出ない程度の堅さに作っている。

 過去の入賞作を見ると、首を傾げるものも多々ある。椙山氏の仰った「コンテストは魔物だ」という言葉が、重みを増す。

 これは作者の問題ではない。コンテスト主催者側の問題である。模型の構造について、何が必要かを理解しているとは思えないのである。そういうものを入賞させると、それが一人歩きを始めてしまう。これが良いのだと読者に思わせてしまうようでは、これこそ「鉄道模型の発展に資する」とは言えない。

 入賞作は、それを真似て作っても問題が起こらない程度の出来でなければならないはずだ。スケールスピードも大切である。走らせて文句無いものしか、入賞させるべきでない。ヤマ氏は、走行テストをして、鉄道模型の名に相応しくないものは落としていた、と書いてあったように記憶する。 

 手厳しい感想を書いたが、例によって、悪口を言っていると感じる人が多いそうだ。そうではない。改善策を提示しているのだ。TMSはこの1年ほど、「鉄道模型の発展に資する」という言葉を、毎月掲げてきたではないか。それに沿った編集を心懸けるという意味だ、と信じたい。読者氏も提言しているように、建設的な討論がなされるべきである。

 古いTMSが博物館に揃っている。70年前からの過去のコンテストの記事を読み始めている。今回の件と共通した、ある問題点が、そこにはあるように感じている。

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2021年12月30日

続々 走らないものも鉄道模型か?

 今野氏の記事中、走らないレイアウトとあったが、それが何を意味しているのかは、よく分からない。この号には無いようだ。

 当ブログで扱ったのは、北海道のレイアウトについてである。雄大な景色を作られたようだが、実物通りの列車を牽けないらしい。これは悲しい。勾配を作るときは、ある程度の計算をして、可能な範囲を掴むはずだ。そして実験をして確かめる、という手順を踏むのが普通だ。被牽引車の抵抗も当然測定してみなければならない。
 高校1年夏休み前程度の初歩の物理であり、難しいことを言っているのではない。自分でやる自信がなければ、友人に手伝ってもらうのも、恥ずかしいことではないはずだ。それをしていないということは、理解し難い。


 たかが模型といえども、物理法則はあまねく適用される。作ってみて駄目だったというのは、中学生の工作までであろう。気分だけで作るというのは避けるべきことだ。

 筆者が博物館のレイアウトを作るに当たって留意したのは、絶対に躓かない運転を確保することであった。
 過去の実験データから確実に実現できる範囲のものを作ったわけで、難しいことをしたわけではない。オペレイションを見せるディスプレイ・レイアウトであるから、走り以外考えることはなかった。

 TMSは、レイアウトの紹介については、大きなミスを犯している。それはディスプレイ・レイアウトという概念を紹介して来なかったことだ。走りを確保しないレイアウトは、存在価値がないということを周知してこなかった。シーナリィ付きのレイアウトの紹介ばかりだ。しかも最近は異常に細かく、綺麗なレイアウトの紹介ばかりである。
 音の問題動き(緩和曲線も含めて)については、ほとんど見ない。それで良いのだろうか。 

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2021年12月28日

続 走らないものも鉄道模型か?

 先頃、表題の記事を発表したところ、異常に多くのアクセスが有り、少々驚いた。ほとんど誰も興味を示さないだろう、と思いながら書いた記事であったのだ。
 コメントは少なかったが、会った友人たちが「ズバリだね。もっと書くべきだよ。」と言う。

 今野氏のブログにも、引用されたようだ。今野氏は、走りにはうるさい方である。筆者は、「おそらく世界で一番、走りにうるさい人(ある友人談)」だそうで、「走らないものを載せるな」という点では、共通する認識を持っていると感じている。 
 最近の模型誌で、走りについて書いてあるのを見たことがない。しばらく前、意味が取りにくい牽引力の表があったが、編集部には物理を理解する人がいないように感じた。分かる人がいれば、もう少しまともな記事になったと思う。

TMS Jan 2122 今野氏の記事には、今月号のTMSの記事について書いてあった。筆者は田舎に住んでいるので、TMSなどの雑誌には接触するチャンスが限られている。先日所用で出掛けた折に、大きな書店に寄って求めた。機械室ドアの開くディーゼル機関車の記事があった。なるほど、このことかと読んだが、得るところは少ない。
 逆に、これを真似する人が増えるのではないかと思った。やってみると分かるが、実用性は無いし、事故が起こる。要するに壊れやすいのだ。
 ディスプレイ用に開きっ放しのものは作ったことがあるが、異なる範疇に属する話題だ。また、車輪の裏が塗ってないのには驚く。また、除雪装置の先端はレイルに触らないように出来ているのだろうか。

 筆者は、あちこちの蓋が開くのは好きではない。完成品で開くものは、すべて固定する。塗装が剥げやすいのと、その蓋などを亡失しやすいのだ。祖父江氏が、超絶技巧の製品を出したときにも、そのことを危惧した。祖父江氏は、一度はやめると言明したが、後に絶妙な構造のバネと鎖で、蓋を拘束したものを作った。やはり蓋が開いて、内部の構造が見えると嬉しいのだろう。実は、その内部は二人でDenverの博物館で攀じ登って撮った写真が元になっているから、筆者にも多少の責任はある。Big Boyの砂撒き装置など、あまり資料はないのだから。しかし、砂箱の蓋を開けると砂が見えないというのは、奇妙なもので、あまり感動しない。
 祖父江氏は、蝶番で開くものを閉じたときに完全に面が合うように、しかも扉の作動限界が実物と同じになるように作った。ハンドルを廻せば、ちゃんとロックされる。そこは、流石であるとしか言いようがない。今回のHOの作品とは、ちょいと違う。 

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2021年12月04日

続 伊藤 剛氏の瀬戸電を見る

instruction 箱の中には、説明がたくさん書いてある。イラストを入れてあるので、わかりやすい。問題は蓋の中央にあるウレタンスポンジだ。いずれだめになるから、別の材料で作らねばならない。

 TMSの記事は、きれいな状態の写真が載せてある。その後、かなり走らせたあとがあり、そこら中塗装が剥げている。今なら、優秀なプライマがあるから、こんな剥げかたはしないだろう。

 剛氏宅に伺うと、いくつかの車輌を重ねて抱え、剛氏は現れた。そんな持ち方では傷がつくが、へっちゃらである。感心したのは、その持ち方でも壊れないことである。ハンダ付けが完全だから剥がれないのだ。
「落とさない限り、壊れませんよ。」と一向に気にしないようだった。「また塗り直せばよいのですから。」 

 body distortion 車体は急停車で歪み、平行四辺形になるが、この写真ではその様子はわからない。また、車体は枕木方向の軸を中心に前後にピッチングする。すなわち、急停止すると前に傾き、さらに車体が歪むのだ。

 これを披露されたときは、クラブ員一同爆笑した。バネは意外と固いが、車体がかなり重く、具合良くピッチングする。多少の摩擦もあり、よく減衰して実感的である。今考えているinspection carの設計に、とても参考になる。  

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2021年11月30日

走らないものも鉄道模型か?

 展示会の終わりに、出席者が皆で各1分程度自己紹介をした際、ある方が興味深い発言をした。
「最近のレイアウトコンテストに、模型が走らないものを出して、入賞しているのはおかしなものだ。あんなものはレイアウトではない。」

 筆者は思わず拍手をしてしまった。コンテストの主催者は、とんでもない思い違いをしている。観光地の土産物屋で売っているような、その地の風景の立体的なレリーフに、極端な遠近感を付けただけのものがレイアウトの筈がない。それはある分野の芸術作品であるに過ぎないのだ。模型の世界には入って来てほしくない。
 最近の模型雑誌で、走りについて書いてあるのをご覧になったことがあるだろうか。北海道のレイアウトが大きく採り上げてあったが、その上での走りを動画で拝見したいものだ。

 走りの改善に貢献するために、HO用の3条ウォームとギヤボックスの2次試作品を持っていった。どなたも興味深そうであった。価格は安いので、予約された方が多かった。一月以内に出来てくるであろう。中にはお持ちのすべての機関車を改装したいと言う方もあった。確かに押して動くというのは魅力があるようだ。ただし、Oスケールのように1輌を押すと、もう1輌も動くというのはかなり難しい。機関車、テンダのすべての軸受の摩擦を最小にせねばならないのだ。ボールベアリングを付けても、車輪径が半分ほどのHOでは半径比の問題があり、抵抗は相対的に大きい。

 その点でも、O scaleはこういう動きを再現できるギリギリの大きさなのだろうと思う。 

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