書評
2025年04月19日
TMS 1000号

記事としては、振動試験車が面白い。数年前に携帯電話を使ってできそうだと思い、筆者も手を付けたがそのままになっていたことを思い出した。この方はかなり本格的に作られている。しかし、どうでも良い車体の工作の説明が長い。
岸本剛一氏の昔話は面白い。伊藤剛氏の影響が大きい。安井酉次郎が実在の人物だと思っておられるようだ。以前にも書いたが、これは「ヤスリ、ドリル、作ろう」から来た造語で、伊藤剛氏らが書いていたのだ。 491号の例の作者の件は知らせたが、訂正が間に合わなかったようだ。
岸本氏は「こういう部品を付けました…みたいな話は面白いとは思わない」とおっしゃっているが、そういう記事は今月号にも載っている。その中でボイラの下半分を台枠に付ける話があるが、HO以下では初めて見たような気がする。筆者の周りでは例は多い。
久保田富弘氏の記事ではペーストの話があるが、誤解されやすい話だ。ペースト信者が増えるのだろうか。
さて、今回の目玉は創刊号から 100号までのDVDである。これは有難い。実は博物館には全ての号があるのだが、 最初の20号くらいは紙が劣化していて、開くと砕けてしまいそうなのである。
開架しているのは 51号以降にしている。しかし、初期の号を見たい人も居るので、それは写真を撮ってDVDに焼くつもりであった。そして博物館内のプリンタで印刷して持ち帰ってもらうことになり、面倒であった。そこには著作権の問題もあり、困っていた。
機芸出版社にお願いして、「著作権については開放する」との許諾を貰わねば、とてもできない話だった。さらに、そういうことにはかなり難しい点があることも分かっていた。そこに今回のDVDが付録に付くことになり、数年間呻吟してきたことから解放されて万々歳!である。
閲覧するだけなら操作は極めて簡単である。PDFで入っているのでプリントするのも速い。
一桁号の記事には祖父江氏の執筆もある。記事が無くて、酒井喜房氏を通して頼まれたとのことだ。その機関車のことを聞くと、
「えぇっ、そんなもなぁ、アメちゃんに売っちまったよ。食い物が無かったからねぇ。」とのことで、アメリカのどこかにあるはずである。
今でも eBay を丹念に見て探しているが、見つからない。しかしそろそろ出て来る頃だと思う。30年ほど前、その機関車を探していることを伝えると、「下らねぇことをするんじゃあねぇよ。あんなもなぁ、今のあんたが作った方がよっぽど上手く出来るぜ。」とのことだったが、やはり見てみたいし、博物館に収蔵したい。
2025年03月26日
今野氏の意見
筆者は機関車のディテールはあまり気にしない。全体を見た時のシルエット、補機類の配管がおかしくないこと、窓や手摺、車輌限界やステップの相対的な位置(掴めない握り棒は意味がない)に問題が無ければ十分だ。
しかしメカニズムは最深の注意を払って見る。いわゆるイコライザ付きの機関車も、根本的に間違っているものがままある。機関車全体が2点支持になっていて、前後に揺れるものが多い。理解していないことを理解していない人(ややこしい表現だがこれ以外の表現が見つからない)が作るとこうなる。
ギヤボックスが浮動していても反トルク承けがなく、前後進で調子が異なるもの、吊り掛けてあっても駆動軸が一直線上になく、ゴムチューブでズレをごまかしてあるものに遭遇することがある。これでは走らない。
いずれにせよ、筆者はジャンクしか買わないし、下廻りを全部ばらして作り直すので全く構わないが、こういう製品を大枚をはたいて買わされる人はたまったものではない。
ろくに走らない模型でも我慢してしまうのだろう。
2025年02月06日
俯瞰記事について
表紙を飾るレイアウト写真は、平野和幸氏製作の第1次千曲鉄道からインスパイアされたものと分
私は海外の鉄道雑誌を眺めることが好きで、
要因の一つは、記事の画像は全て製作者が撮影、
と申しますのは、日本のレイアウト紹介記事のスタイルが「
ここから言える事は、レイアウトの製作過程を説明する事が主眼となっており、
いつまでも旧態然とした考え方に囚われるのではなく、
2025年01月29日
今月号のTMS
次の雪原のレイアウトも俯瞰写真ばかりだ。いったいこれはどうしたものか。線路脇に立った時の視点の写真が無いと面白くないだろうと感じるのは筆者だけだろうか。
「私の読んだTMS」という追想記事は今一つだ。「ロンビックのところはよく分かっていないということがよく分かる。」と電話を掛けてきたのが2人も居た。もっとよく理解している人を指名すべきだろう。次のD51の記事は訳アリ記事で、出すべきではなかったかもしれない。このメカニズムの発案者が誰かということは、このブログを昔から読んでいる方はお分かりだろう。
一方、Model Railroader誌の記事はどれを読んでも破綻が無い。この会社では様々な分野の査読に専門家を登用している。昔話になるが、電子工学の分野ではDon Hansen氏が居た。彼のアイデアが面白いのでそれに派生して思い付いたことを投書したことがある。1985年にミルウォーキィで開かれたNMRA convention で待ち構えていた。筆者のアイデアを面白がり、その後長くお付き合い戴いた。彼はMR誌の電気分野の顧問をしていた。非常に優秀な方であるが、筆者のような素人のアイデアをバカにしない懐の深い方だった。
ハンセン氏は15年ほど前から病気になって手紙が来なくなり、2年ほど前亡くなったと知った。残念だった。
TMS誌が1000号を超えて発展するには、彼のような査読者が必要なのである。読者が「分かってない」と見破るような記事では心もとない。
2023年07月04日
機関士の手記
鉄道員としての生涯が、実にリアルに記述されていて驚きました。
特に幼少の頃から晩年までの家族写真が、著者の鉄道人生というものを強く感じさせてくれます。やはり鉄道の現場で実際に働いていた方の手記は胸に迫るものがあります。この本を出そうと思われてから、足掛け40年とはもう果てしなく気が遠くなるような
実際に日本で蒸気機関車の機関士をされていた方が書いた本を思い出しました。
ひとつは長谷川宗雄氏の「動輪の響き」です。これは1970年代のキネ旬の「蒸気機関車」誌に連載され、後に単行本になりました。蒸気機関車機関士のいろいろな体験談がまとめられていて、趣味としている人にはとても経験できないことが書いてありました。
もうひとつは川端新二氏の「ある機関士の回想」イカロス出版2006年。これも、川端氏の鉄道員としての人生が実にいきいきと書かれていて感動します。これには、井上豊氏の写真も何枚か使用されていました。井上氏の写真は同じ機関区で働く仲間の方々への思いやりや、機関車への慈愛といったものを強く感じさせてくれます。
国が異なっても、機関士のものの考え方には共通するところが多い、ということを再確認した。井上豊氏の写真趣味はかなりのもので、見せて戴いて驚いたものが多かったが、残念なことに筆者の手元には一枚もない。
川端氏の著作に「15歳の機関助士」がある。これは素晴らしい本だ。電車の中で読むと、降りるべき駅を乗り過ごしてしまうほどの内容である。
追記 動輪の響きがYouTubeにUPされた。 (Sep.1, 2024)
2022年03月02日
3号雑誌

調子よく発刊されても、執筆者が定着しなかったり、広告が入らなかったり、その他の様々な理由で廃刊になってしまうことがあったのだ。この3冊はTK氏から戴いたもので、博物館で大切に保存している。
紙質が良くないので、開くと折れそうである。中身を読んでみると面白いことが書いてあるが、筆致がやや粗い。関係者からは睨まれそうなこともたくさん書いてある。当時のことだから、情報源は国鉄である。国鉄当局に不興を買ってしまい、新しい情報を貰えなくなったのかも知れない。
ともかく非常に珍しい雑誌である。早くディジタル化せねばならない。
2022年02月26日
「続 蒸機を作ろう」の評判
殆どの方はこのブログの読者なので、言わんとすることがすでに頭の中にある、という事も大きいだろう。しかし、それを差し引いても、今回の本の記事は、素晴らしい。異なる視点から見ているので、分かりやすいのだ。
今野氏が、商業誌の書評中、「縮尺の物理学」が面白いと書いてあるとおっしゃるので、街まで出て、購入してきた。
TMSの3月号である。
「縮尺の物理学」は非常に興味深い内容で、工作派や蒸機ファンでなくても「考えるモデラー」であれば一読の価値あり、とあった。編集に携わった人間としては、このような評価を受けるのは、とても嬉しい。
この書評を書いた人が、編集部のどなたなのかは知らないが、このように感じた方が編集部に居られるということは、大きな救いである。
奇しくもこの号には、著者の谷川氏のアルゼンチンの機関車の記事がある。その記事を見て少々驚いた。ちょうど一年前谷川氏から、この機関車の写真が載っている鉄道ファン誌を持っていないか、と問い合わせがあったのだ。博物館の書棚を探し、1ページの記事ではあったが、すぐに複写して送った。それがこのような形になって、発表されていたのだ。大変嬉しいニュースであった。
その頃、筆者は新たな慣性増大装置を開発したので、秋に締め切られるTMSコンペに出して、審査員を瞠目させてみようと思った。直前に気が付いたが、HO以下しか応募できない事がわかった。

2022年02月06日
続 「蒸機を作ろう」

この新刊の目玉は、最初にある「縮尺の物理学」である。このブログの読者にとっては、何度も聞いた話であろう。
筆者が書いた文章ではわかりにくいらしい。様々な質問が来て、丁寧に答えたつもりでも意を尽くし切れなかったようだ。書籍にして残そうと思うと 、それには専門家のわかりやすい説明を必要としていた。そこで、力のある執筆者にお願いして、書いて戴いた。ぜひとも読んで戴きたい。
飛行機の模型を作っている人は、実物を縮尺したものはうまく飛ばないということを、感覚的に知っている。それは気体分子まで縮尺された空間を飛ばすことが出来ないからだ。翼に当たる分子は、相対的に巨大である。
模型も同じであって、原子まで縮小されることは無いので、小さな部品を作ると、それは異常な堅さとなる。たわみというものがほとんど無いわけである。だから、模型の機関車は、鷲掴みすることが可能だ。本物なら、たちどころにペチャンコである。
今回の本の記事では、急曲線を走っても脱線しない理由、カントが無意味な理由なども、計算値を出して示している。式の展開が上手で、何の関数になるかということをズバリと見える形で示している。
これを読んで理解すれば、本物通り!と自慢することが本当に価値のあることかどうか、が分かる人が増えるだろう。
真によく走り、脱線せず、実感的な動きを再現するには何が必要なのかを考えるチャンスになると信ずる。ろくに走りもしない機関車を評価することも、減っていくであろう。
また、正しいユニヴァーサル・ジョイントの使い方とか、低抵抗車輪の効果についても客観的な記事がある。これらはメーカ側に対する助言であるとも言える。
コロナ禍で人の動きが制限されていた中、ウェブ会議で編集した本である。筆者のコンピュータでは互換性に問題があって、細かい文字配列が再現できていないことがわかり、ほとんどのレイアウト(割り振り)を今野氏にして戴いたのは、申し訳ないことであった。また、今回の裏方の大黒柱は、northerns484氏である。様々なことに助力戴いた。また、筆者の原稿の拙い絵も、全て描き替えて戴いている。
今回の書籍の編集中、動画を見られるようにQRコードを付けるように提案があった。これは優れたアイデアで、すぐ見られる。新たに撮り直した動画もあり、ぜひご覧戴きたい。
価格は2500円(送料は370円)である。申込みは、
konno#m1.bstream.jp (#を@に変換)
に連絡されたい。まとめての取寄せは、筆者も代行する。
この2500円という価格は、いささか安過ぎる。つまらぬ雑誌が1000円もする時代なのである。もう少し高くても良かったと個人的には思う。旧刊の方もまだ多少売れ残りがあるそうなので、一緒に購入されると良いだろう。その場合でも送料は変わらないはずだ。
2019年10月31日
TMSからの返事
その返事が届いた。信書であるから、その内容全文を公表することはできないが、核心部分だけはお知らせしておきたい。
中澤 寛氏の記事で意味不明の部分に関しては、原稿執筆者の意図に反する紙面展開となったことを反省し、今後は著者との間で校正をやり取りするなどの対策を講じたい、とある。
これは大きな前進である。TMS誌が大人の雑誌になると感じている。今までは、”載せてやるぞ・文句言うなよ感”を拭えなかったが、執筆者と編集部が意思疎通できるとなると、紙面には大きな変化がもたらされるであろう。
Big Boyの煙突に関しては他の御一方からの指摘もあったそうである。いずれ訂正が載ると思う。この件に関しては、事前に「詳しい方に素読していただいた」とあるが、その方もお詳しくなかったということだ。
各分野に精通している人は居る。それを網羅して、どの人に聞けば正しい答が返ってくるかというリストを持つということも、能力ある出版社の要件である。そういうことは、このブログでさえも行っていることである。いかにも詳しそうでも、おかしなことを言う人は、居ないわけではないのだから。
2019年04月09日
「蒸機を作ろう」

過去に菅原道雄氏の「鉄道模型工作技法」という書籍があった。これは良い本だとは思ったが、さすがにもう古いと感じるようになってから久しい。菅原氏とは20年ほど前、親しくお話しする機会があった。Low-Dが開発された頃である。その現物や、高精度のギヤボックス、軸箱もお見せした。
「工作機械を導入せねば、精度の悪い模型しかできませんよ。」
すると菅原氏は、
「これは凄いですね。しかし、そういう本は私の手には負いかねます。貴方が書いてください。」
と言われた。そのことも、当ブログを始めたきっかけの一つになっている。
今回のプロジェクトが始まってから、もう数年経つ。その間、出版社に刊行を依頼したが、何年も動かずに止まっていた。世の中の動きは速く、その間に情勢が変わって入手不能になる機械も出て来た。
そこで今野氏は、「自費出版でやろう!」と執筆者に声を掛け、原稿の再編集に立ち上がったのだ。執筆者に原稿を差し戻し、すべてに再度手を入れて戴いた。筆者も微力ながら、お手伝いした。
機関車をブラスで作るというのは、最近の若い模型人にとっては、かなり敷居が高いと感じる人が多いそうだ。しかし筆者たちの世代は、それが当然であった。プラスティック製、ダイキャスト製の機関車など、殆ど無かったのだから。
高校生の時から、ブラス板を糸鋸で切りまくって現在に至る。ハンダゴテは20本くらい買っただろう。ヤスリは何グロスか使いつぶした。ハンダ付けのテクニックを磨くのには苦労したが、炭素棒を使えばそのようなテクニックは要らなくなる。工作機械を導入したのは40年位前だが、それから工作スピードはかなり上がった。
この本では、工作機械を使った工作にかなりのページを割いている。機械を持てば、楽に、正確にできる。特に蒸気機関車の台枠、ロッドの工作は機械を使えば、簡単で確実である。
機械の価格は、相対的に安くなった。ただし、中国製の感心しない機械であるから、全部ばらして、ネジの取換から始めるべきだ。締めると首が飛ぶような、粗悪なネジを使っていることがあるから、油断はできない。ネジ専門店で、日本製のネジを購入してこなければならない。
このブログでも工作機械の整備の記事をいくつか書いた。機械本体の価格と同じくらいの投資をすると、実に良いものになる。そうして作り上げた工作機械は自分の体の一部のように働いてくれる。
この本では、達人たちのテクニックが惜しみなく披露され、後進の人たちに勇気を与えている。
「既製品を買い集めるのをしばらくやめて、工具に投資すれば、楽しい人生が送れる」
というメッセージを送っているのだ。この本の価格が2,500円というのは、いささか安過ぎると感じている。
直接購入を希望される方は、konno#m1.bstream.jp(#を@に交換)に連絡されたい。送料は360円である。
2019年01月18日
Finescale Railroader

Finescale であるから、正確に縮尺された軌間の模型ばかりかと思えば、そうでもない。
手元に40冊ほどあるので、正月にパラパラと読んでみた。”縮尺と軌間が一致しているものをfinescaleと呼ぶ”、という記述には遭遇しなかった。
「お前の英語力はあてにならないから、信じられない」
とおっしゃる方には御貸しするので、丹念に解読されたい。往復の送料はご負担願う。汚したり折ったりしないよう、お願いする。
先日RM Modelsの10年ほど前の記事を見ていたら、13 mmゲージの秀作を紹介していた。
確かによくできているのだが、フランジ、タイヤがまだ厚い。完全な縮尺模型ではない。その記事にはファインスケールと書いてある。これは単なる無知であろう。
あるウェブサイトでは、自分の商品を売らんがために、そういうことを書いている。これは公正取引員会の仕事を増やすことにもなりかねない。優良誤認と言われても仕方がない。さすがにそれは一回きりで、続きがない。おそらく誰かに何か言われたに違いない。
これは教養の問題である。その言葉がどういう場所に使ってあったかをよく検証してから、日本語に入れるべきだ。
このアメリカの雑誌は、ひたすら細かく作り、なおかつ時代考証を正確にして、躍動感のある模型を作ろうという姿勢を保っている。一番多く出てくるのは、1/20.3サイズ、45 mmゲージである。これは縮尺と軌間が完全一致だ。とにかく大きい。博物館には15輌ほどある。
2018年07月20日
伊藤 剛氏の記事

この時期の伊藤 剛氏は様々なメディアに登場している。模型工作雑誌に客車の作り方などを発表されている。


カブースのストーヴが煙突についていることはよく分かる。
ハドソンをハドスンと英語風の発音にしているのは、先の禿膸瓩竜事に倣っている。しかしキャブースは不思議だ。そういう発音はしない。酒井喜房氏がそう言ったのは覚えている。その影響を受けているのだろう。のちに剛氏はカブースと発音されるようになった。正しい音を確認されたのだろう。
食堂車の回転煙突は、スナップを用いて廻るようにしてあるというのは剛氏らしいアイデアだ。車内の灰皿はやはりスナップであった。
2018年05月20日
禿臍凹羯瓩竜事

この号の半分はアメリカの鉄道の紹介である。おそらく占領軍の意向が働いている。アメリカのものを貧しい日本国民に見せつけるためだ。
山陽線にはまだ入っていない時期である。記事は淡々と書いてあるが、日本に初めて出現した 4-6-4 を紹介するにあたって、執筆者自身の興奮を抑えきれないところも見える。

アメリカの鉄道を見てきた時のことを紹介する記事である。蒸気機関車とディーゼル電気機関車の両方に添乗しているところが面白い。この当時、蒸気機関車はかなり老朽化していたことが分かる。ディーゼルは車体の長さが大きくて不利とある。また最低速を下回るとモータを損傷することも問題視している。
また、ガスタービンの効率が良いと過大評価しているが、それは調査不足だろう。安い燃料を使えるということが、最大の利点だったはずだ。
しばらく休載させて戴く。家族の用事でしばらく出掛けることになった。6月の第2週には再開できるだろう。ついでにSan Joseで開かれる O Scale West にも顔を出す。講演を指名されていて、行かざるを得ない。光栄なことではある。
宮崎氏のご指摘を検討しています。とりあえず表紙だけの公表とします。現物はあるのですが、触ると崩れそうで、開く事もままならない状況です。
博物館が開館しても初期のTMSやピクトリアル、戦前の科学と模型等は開架では公開できません。ウェブ上で公開できれば有難いのですが、これでは宝の持ち腐れです。今出先で画面も小さく、キーボードが使えないので、簡単な記述に留めます。
2018年02月01日
走れ!!機関車

ネブラスカ州オマハから、サンフランシスコまでの鉄道の旅ができるようになったのは1869年である。開通直後のユニオン・パシフィック鉄道、セントラル・パシフィック鉄道(のちのサザン・パシフィック鉄道)に乗って大平原を越え、山地を抜けて太平洋岸に到達する様子が、淡々と、しかし躍動感ある記述と絵で表されている。

途中の食事の様子、トイレの様子、連結手が危険な仕事をしていることなどを紹介している。チキンのはずなのに、プレーリードッグの味がしても質問してはいけない、とあるのには吹き出した。
気になったのは、挿絵の中の看板などが日本語に書き換えられていることだ。子供向きだから日本語の方が良いという判断だろうが、元のままにして、下に訳を付ければ良かったのに、と思った。
アメリカの歴史の中で、鉄道の敷設というのは非常に大きな部分を占めている。鉄道がなければ、あの巨大な国は機能しなかったのだ。
英語版を発注した。1週間で届くというから驚いた。
2018年01月30日
御殿場線ものがたり


御殿場線は田舎を走っているのに、隣に線路があったような跡があるのはなぜ?駅の構内が広いのはなぜ?という疑問から始まる謎解きがある。

当時はC53が出たばかりなのだが、特急「燕」の本務機はC51なのだ。信頼性があったのだろう。一方、普通列車は小さな機関車で牽いている。
筆者も関西本線でC51が本務機の、重連鳥羽行き快速に乗ったことがある。C55と組んで、ぶっ飛ばした。当時名古屋ー桑名間(23.8 km)は18分であった。平均速度は 79.3 km/h である。当時近鉄は木曽三川を渡る鉄橋が古く、そこでの最高速が40 km/h に制限されていて、とても国鉄の快速には敵わなかった。
その後この記録は40年間破られることなく、ディーゼル快速「みえ」で再度18分になった。今は最速17分半だと思う。
C51はブラスの帯を沢山巻いた、お召し列車に使われるような機関車で、古いけど魅力的であった。その列車と相前後して発車する湊町行き快速も良かった。それはたいていC55とC57の重連であった。昭和33年頃の話だ。毎日駅まで行って観察していた。素晴らしい時代であった。写真があれば・・・、としみじみ思う。
2016年06月13日
客車ヤード
居間のリクライニング・チェアで好きなカントリ・アンド・ウェスタンを聞いて過ごした。 本は読んでも良いことが分かった。コンピュータ画面とは違って、視線を動かさずに読むことが可能だからだ。河原匡喜氏の「連合軍専用列車の時代」を熟読した。
実に興味深い本で、3回読み直した。お薦めする。黒岩保美氏から直接伺った話とも重なり、様々なことが分かった。
そろそろ車の運転もできるので、博物館の工事を再開する。

隠しヤードへの線路の敷設もかなり進捗した。5 mmのゴムの効き目は大したもので、レイルヘッドと車輪との転動音しかしない。Low-Dの表面の平滑度が良いことが如実にわかる。しかも、レイルの継ぎ目の音が実にやさしい。あまりにも静かで、拍子抜けする。機関車がベルを鳴らして上がってくるようにしないと、事故を起こしそうだ。
2015年12月01日
複捲表現の初出
先日来、伊藤 剛氏の蔵書の整理に掛かっている。その中に注目すべき本があった。
西尾音吉氏の「模型電氣機關車と電車の作り方」 科學と模型社版 昭和十年十月二十八日発行 である。その中に複捲の話が出てくる。
”複捲キ即チフィルドヲ倍ニ捲イテ ソノ中間ヨリ口出シヲナシ 之ヲブラシュニ續グ 他端ヲ図ノ通リニスレバ・・・・・・”とある。
西尾音吉氏には30年ほど前に椙山氏の紹介で会ったことがある。芸術家、いや宗教家といった感じの人で、観念論ばかりを話す人であった。
その時、「機玄」という本をくれた。言わんとすることはわからぬでもないが、工学が抜けていると感じた。鉄道車輛は機械であって、芸術品ではない。

以前、剛氏にそのことを聞いてみた。
「いやあれはすごいアイデアですが、走るかどうかは別問題ですね。みんなそういうものに飢えていたのです。すごいなーと言って喜んで見てましたがね。」
その後の言葉は出てこなかった。
2014年03月23日
川端新二氏との再会

川端新二氏にお会いしたのは35年ぶりである。椙山満氏の御紹介で2度お会いしている。
吉岡利隆氏は学生時代に川端氏と知り合い、お宅に泊めて戴くことが何回かあったらしい。川端氏のお子さんとのやり取りの話を聞かせて戴いた。
吉岡氏が拙宅に逗留されたとき、「元機関士の方に会いたいので、行きたい。」と仰った。「その人はひょっとして川端さんじゃないか?」と聞くと、「えっ、どうして分かったの。」と驚かれた。
「この近くで有名な機関士は川端さんだからね。」と言うと、ますます驚いて、「よし今度一緒に行こう。」と約束した。それも叶わなかったが、こうしてお別れ会でお会いすることが出来た。
川端氏は昭和40年頃「暮らしの手帖」誌に機関士の人生について複数回投稿していらした。高校生の時、母が「ほら、機関士の人の話が出ている。」と記事を見せてくれたので、お名前をよく覚えていた。
川端氏が機関士としての職務、エピソードを語るのを、末席で聞かせて戴いた。すばらしい記憶力の持ち主で、当時のことを極めて正確にお話しになった。いずれ御本を書かれるのだろうと思った。
最近出版された本では、「ある機関士の回想」(イカロス出版)、「15歳の機関助士」(交通新聞社)がある。どちらも素晴らしい本で、当時の躍動感が伝わって来る。まだお読みでない方は、お勧めする。特に後者は電車の中で読むと、内容に没入して目的の駅を乗り過ごしてしまうタイプの本である。このような本は珍しい。
井上豊氏は川端氏のお師匠さんであったそうだ。川端氏によれば、井上氏は見かけの豪胆さとは違って、極めて慎重な人であったそうだ。給油機に油を注ぎ、油面を点検して機関区の詰め所に戻る。川端さんに「帰ってよし」と言ってから、再度機関車に戻って油面を確かめる様な人であったという。これは意外な一面であった。
「15歳・・・」の本に出てくる数学を教えてくれた先輩機関士とは、井上豊氏のことであった。
2012年04月07日
ゴミ箱の中

いつも古い書籍とか雑誌を並べている男がいる。毎年会うのでおマケしてくれるいい奴だ。今年は妙に御機嫌が悪い。たくさん並べてあるModel Railroaderの旧号が一つも売れないのだ。
「こんなことは今までなかった。Kalmbach社がDVDを出したからだ。」とブリブリ文句を言う。
「そうだね、あれを買った人は紙の本を捨てるかもしれないから、古本の供給が過剰になって、値段が付かないかも知れないね。」と言うと、「あああ、もう駄目だ。」と頭を抱えた。
最終日の午前中に彼はMRの山をゴミ箱に投げ込み始めた。200冊くらいあっただろうか。そして残りの荷物を車に積み込んでさっさと帰ってしまった。
残った我々は一応最終時間まで居たが、何人かが集まってそのMRを見ていた。
「図面は紙が良いね。」
「そうだよね。でも紙も劣化しているからすぐ破れてしまうよ。」
というわけで、何冊か引っ張り出してそれぞれが興味ある図面だけ外して持って帰った。帰宅して早速コピィを取り、原本は捨てた。拙宅には図面のコピィは何百枚かあり、綴じてある。時々出して眺めるのは楽しい。
Kalmbach社の広告には、「計算してみよう。199.95ドルで912冊、一冊当たり22セント!」とある。あまり劣化はしないだろうが、DVDというメディアがあと何年用いられるのだろうかは心配だ。
Model Railroaderの電子配信の件はここに書いた。
2009年08月05日
続々々 「DCCで楽しむ鉄道模型」
いくつかの例が示してある。たとえば碓氷峠の横川駅で待機したEF63などが、やってきた列車に補機としてつなげられる場面とか瀬野・八本松間の解説である。
確かに同時に一つのキャブから全体を制御できればお手軽ではある。しかしそれでは筆者は満足できない。
DCCでは、運転者が縮小されてキャブに入っているという錯覚が生じるほど、個別運転が可能である。
重連では、総括制御ではない限り、キャブを複数作動させて走らせたい。
特に蒸気機関車は総括制御など不可能であるから補機は別のキャブで運転したい。そうすれば後部補機の押し過ぎで列車が脱線しない様にコントロールする面白さが出てくる。
筆者はキャブを3台持っている。いつもは2台で遊んでいる。両手に持って重連を楽しむ。汽笛の応酬を楽しみ、場合によっては片方がさぼった状態で運転する。
押して動くギヤが付いているので1輌でも引っ張れるが、やや苦しい。特に勾配区間では困難だ。勾配に差し掛かった時だけ両方が頑張るとぐいっと引き上げることができるのを見るのは楽しい。
ディーゼルの多重連は総括制御なのでコンシストに限る。
2009年08月03日
続々 「DCCで楽しむ鉄道模型」
DCCが導入されれば、走らせたくなるのは当然である。走らせるためにはそのような機構が必要である。日本の鉄道模型のもっともおろそかにされていた部分が変化せざるを得なくなったのである。
この本はその部分を大いに改善してくれるであろうと思う。
筆者は固定のレイアウトを持たない人こそDCCを始めるべきだと思っていた。その実例がこの本に載っている。スナップ・トラック(要するにお座敷運転のパチパチつなぐ線路)を使ってもすぐできる。ポイントの動作は走行電流から取れる。ほとんどのポイント用デコーダは走行電流を少しずつとって充電し、指令に従って放電させて動かす。走っている車輌がつんのめることもない。
ポイントマシンとコントロールボードを結ぶ、あのうっとうしい電線がすべてなくなる。これは大変大きな進歩である。大規模な組み立てレイアウトでは電線だけで20 kgもあることもあるのだ。
サウンド付き車輌の運転の楽しさにも触れている。実は筆者がDCC化したのは10年ほど前だが、サウンドが目的であった。
当時は高価であったが、現在はそうでもない。動力車を購入する価格で何台ものサウンド化が実現する。これは楽しい。
日本の模型屋さんの中でDCCについての知識のあるところは少ない。やってみれば簡単で誰もが欲しがるものなのに。この状態を放置してきた日本の雑誌の不作為の罪は大きいと思う。
この本の続編(応用編)の出版を期待したい。
2009年08月01日
続 「DCCで楽しむ鉄道模型」
DCCはすべての動力車とポイント切り替えができるはずである。ポイントの切り替えもするのだが、ヤードなどの各枝線には個別のスウィッチを付ける、またはポイントの切り替えによっての遮断をする。という話が二つも載っている。
要するに、常時通電の「DCCに依る動力遮断」をせず、別の装置(スウィッチであったりポイントの切替えであったり)の遮断をするというわけである。DCからDCCに乗り替えた人にこういう方式をとる人が多い。過去の行動様式が深く刻まれていると、それから抜け出して新しい方式には馴染みにくいものだ。ポイントを切り替えたとき、その線路が遮断されると安心ではある。ところが通電がないので、機関車のランプは消え、サウンドも止まってしまう。
初心者が読む入門書の最初の部分にこういう話が載っているのは感心しない。DCCならではの楽しみ方を載せるべきだ。過渡期にはこのようなことはあるにせよ、わざわざ書くこともあるまい。付け足し程度の扱いで十分だ。
この話は、アメリカのDCCの本などによく出てくる。しかしこの手の話とは少し違う。
DCCを古くから楽しんでいる人は初期の怪しい遮断性能しかないデコーダの記憶があるのだろう。筆者の持っていた古いデコーダにもとんでもないものがあり、OFFにしてあるのに勝手に少しずつ動くものがあったのだ。現在のデコーダにはそんな恐ろしい製品はない。
アメリカの本の話は、安全装置としての遮断だ。ターンテイブルの枝線にはスウィッチを付けるという話がある。
レイアウトルームに行き、メイン・スウィッチを入れると、いくつかの機関車のランプが点き、またサウンドが聞こえるのは気分が良い。
機関車の番号を指定すると、その機関車のランプが明るくなり、ボイラの圧力が高まる音がする。汽笛一声、発進!という楽しみが失せてしまうのは残念だ。
最近のDCCデコーダは性能が格段に上がって、信頼性が高い。
2009年07月30日
「DCCで楽しむ鉄道模型」

さすがはオーム社である。本の作り方が上手である。他社から出た本とは根本的に異なる。以前の本を読むと、出版社編集部の知識がないのがわかってしまう。
特定の会社の製品をこれしかないという感じで扱っている。著者がその会社の代理店になろうとしているかのように読めてしまうのだ。そんな本を知らずに買えば、洗脳されてしまうだろう。
世界は広く、よいものは他にもある。
出版社には責任がある。メディアとして社会に貢献するつもりなら、広く意見を求めなければならない。
日本でDCCについての「技術書」を出そうと思えば、NGDCCを無視することはできない。永末氏以外に確実な知識のある人などどこにもいないのだ。
今回、オーム社は永末氏に取材を申し込んでいる。当然と言えば当然なのだが、それを意図的に排除した本は参考書としての価値は低くなるだろう。
三矢英輔氏の素晴らしいレイアウトの紹介記事も興味深い。
今回この書を入手できたのはごく一般的な書店である。鉄道図書のところに平積みになっていた。売れるであろうと思う。
ようやく、DCCの普及の兆しが見えてきた。
2009年03月30日
Southern Pacific RR Train 98-99

当時はよく調べてある本だな、としか思わなかったが、最近は読む方の知識が増えたため、そこにある図表などの意味がよくわかって、益々面白味が増してきた。
最近この本がe-bayで250ドルで落札されていた。相対的には安いと思う。
Ralph Brownは、この本を参考にしてキットを作ったので、キットを売りつけるときに、「これを買え。」と指定してきた。「持っている。」と答えると、「それなら、きっと素晴らしいものができる。期待しているぞ。」と連絡があった。
それから20年、埃が積もった状態で倉庫からひき出された。接着の失敗でくねくねと曲った車輌が2台と、未組みの状態で9輌出てきた。ブラス製とブリキ製を急いで組んで並べてみると、全体像が浮かび上がる。リモネンを使えば間違いなく組めるし、過去の失敗作も修復可能であると思った。
台車さえあれば、即完成できるという自信が湧いてきた。全ブラス製に比べてはるかに軽く、14輌でざっと20 kg以内という試算も出た。収納して運搬する容器も作らねばならない。すでに、「運転会に持ってこい」というリクエストも戴いている。DCC運転には、DCC装置も必要だ。
ディカールを注文した。値段を聞いてびっくりだが、仕方がない。問題は室内である。すべて手作りすることになる。材質を検討中であるが、以前アメリカで買い求めた木製キットを参考に作ることになるだろう。室内橙を点けなければならないので、その回路も必要だ。客車は軽いので、集電が悪い。電源車を作ってそこから給電する必要があるだろう。ジャンパ回路をどうするかが問題だ。
2007年06月08日
続 DCC

DCC化すれば、各ポイントマシンをポイント用デコーダにつないで、あとはアドレスを割り振るだけである。いわゆるルート・コントロール(ヤードなどの番線を指定すれば、関係する全てのポイントが連動して、ルートを作る操作)の設定も容易である。
ポイントのみならず、いわゆるリヴァース線も全自動で操作出来る。クロッシングのフログの極性切り替えは、面倒であった。これもリヴァース線用のユニットを使えば、何も考える必要が無くなる。
図は2000年頃思い付いて、アメリカのメイリング・リストのフォーラムで発表したものである。アメリカではかなり有名になっている。インターネットでのみ発表されているので、印刷物にはなっていなかった。

このクロッシングの配線は一例で、三枝ポイントとかデルタ線の配線も、極端に簡単になる。
2007年06月07日
DCC

筆者は1997年よりDCCを導入している。ちょうど今年で10年目である。いろいろな雑誌で紹介されているが、どれもこれも中途半端であって、満足のいく記事が無かった。それもそのはず、DCCは雑誌というメディアで扱うものではないという事に気付いていなかった。
当時はDCCが急速な発展を遂げているまっ最中で、原稿を書いた瞬間にも急速な陳腐化が起こる商品であった。
DCCをメインのテーマにしているウェブサイトがいくつかあった。日本のサイトは、残念ながら外国のサイトを見て受け売りのものが多く、独自の視点で書かれたものは少ない。筆者はアメリカのDCCメイリングリストに参加した。そうしなければ最先端の話が入ってこないし、日本にもこういう人が居るということが分かってもらえない。
最近DCCはようやく成熟期に入り、いろいろな意味で勝負がついてきた感じである。筆者が気が付いたいくつかのことをまとめて小冊子にしようと思っていたが、その必要性がなくなってしまった。
この本である。筆者が言いたいと思っていたことがほとんど書いてある。もちろん、それ以上に大切なことも書いてある。筆者の下手な説明より、ぜひご一読をお願いしたい。美しい写真と、メジャーな商品の説明が簡潔に書いてある。種々の応用例も実に明快に説明している。
2007年03月24日
Crossing Sherman Hill

この本の著者たちも、機関士、罐焚き、制動手、線路工夫長、信号取扱掛、機関車に石炭を積む人等々、鉄道のblue collar worker 現場作業者の人たちである。
この本には事故の写真が多い。800とぶつかったディーゼル機関車とか、まさに鉄屑となった貨車(カヴァード・ホッパ)などが載っている。
その他の写真も未発表のものが多く楽しめる。UPの蒸気機関車の最盛期の姿を知るには良い本である。
この本の57ページに機関士、罐焚きの組み合わせを示す黒板の写真が出ている。目を凝らすと、このブログに登場した人たちの名前が読める。その右下には、補欠の罐焚きの名を書くところもある。
2007年03月23日
「機関士の人生」

著者はSPの機関士であった。文体が生き生きとしていて読んでいても気分が良い。Tomの話と一脈通じるところがあり、とても面白い。300ページほどもあるが、一気に読んでしまった。
踏切事故で機関車の側面が大被害を受け、ロッドが吹き飛んでしまうところが妙にリアルに書かれていて興奮してしまう。
挿絵は数枚しかなく、ほとんど文字ばかりだが、気軽に読める本である。

Big Boyを走らせていた人たち、裏方の人たちにスポットライトを当てた本である。機関区で働いていた女性の作業員、電信係、電話交換手、機関車整備員、列車指令、機関士の話をまとめたオムニバス形式の本である。写真も多い。
吹雪に閉ざされて動けなくなった列車が凍りつく話も紹介されている。燃料がなくなった瞬間に機関車は凍り始める。800クラス、チャレンジャの燃料が尽き、氷の塊になった機関車の写真も紹介されている。