DCC

2024年05月06日

dead rail の課題

 アメリカには屋外レイアウトも多くなってきた。45 mmゲージが主流である。通電の確保には苦労しているようだ。LGBは集電シュウを付けているとは言え、通年で外に敷いてある線路から集電するのはかなり難しい。その結果、dead rail に移行する人が増えている。

 このサイズであるとバッテリィはかなり大きなものを積めるのであろうが、動力車の効率がよくない。どう考えても伝達効率は10%ほどである。これが30%になればかなり航続距離が稼げて楽になる。
 聞くところによると、機関車のみならず客車、貨車の中を電池で満たしている場合が多いという。ところがその客車、貨車の車輪はプラスティック製で摩擦が大きく、車軸も太いものが多いようだ。すなわち電池を増してもその重さで負荷を増やし、結局のところ、航続距離の増大に寄与しているようには見えない。

 軽い機関車でたくさん牽くというのが鉄道の本質である。問題解決の最初のところで間違っているような気がするのは筆者だけだろうか。そういう意味では高効率ギヤの価値が増すような気がしている。

 dead rail はこれからも進歩するだろうが、航続距離の問題だけは大きな部分を占め続けるだろう。突き詰めればそれは伝達効率の問題以外の何物でもない。高効率ギヤを採用された方はこの問題の半分は乗り越えているわけだから、ぜひ残りの部分に挑戦して戴きたいと思う。筆者のヤードのような特殊な事例でなく、普遍的な課題解決にもなるはずである。

 以前紹介したこのデヴァイスは約 5 Vで作動させることができるので、高効率ギヤには相性が良いのではないだろうか。 

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2024年05月04日

続 最近のDCC

 Dennisは筆者のYoutubeを見て、関節式機関車の前後のエンジンが微妙にスリップしているのを感じ取った。その機関車には2個のモータが付いて、前後を独立に駆動しているからだ。きわめて自然である。

 ところが見せて貰った Bluenami には、あたかも "スリップしているかのような音" が出るモードがあるのだ。
 まず、一般の機関車は左右で2気筒であるが、3気筒を選ぶことができる。これはコンタクト・ホィールを付けているわけではないから、モータの回転から読み取るタイミングの間隔を狭くするだけであって簡単な話だ。しかし、そのタイミングは完全な三等分になっていないところがミソである。

 問題はその次で、スリップ・モードである。加速率を少し上げると、動輪が滑っているわけではないのに、スリップ音がするのである。その機関車の動輪を近くでじっと観察していると、奇妙なものである。
 関節機の場合は1回転で4回音がするのが2つあるわけだから、合計8回のドラフト音がするはずだ。その4つのタイミングを微妙にずらして坂道でのスリップを模擬する。片方だけ派手にスリップする様子も再現できる。しかしここまで来ると、何か詐欺にあっているような感じである。でも、売れているのだそうだ。HOのサイズで 5 mも離れていれば動輪の回転など見えはしないのだろうか。もちろん単機でも派手にスリップする音が出る。それはないよと思うのは、筆者だけなのだろうか。

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2024年05月02日

最近のDCC

DCC (1) Dennisのレイアウトは1990年代から DCCである。はじめはLenzであったが、徐々にいろいろな機種を経てNCEになった。筆者は最初からNCEである。彼に2年ほど遅れて参入したが、かれこれ25年以上の経験があることになる。当時日本では、誰もと言っても良いほど仲間が居なかった。今でもDCCを採用している人は、2%以下だろう。  
 
DCC (2) 最近はかなりいろいろなところが進歩している。無線のcommander(手元の発令機)はいくつも市販されているし、車上に載せる子機の機能も異常なほどの発展を遂げた。写真はタブレットから操作するものである。これは類似品がいくつかある。

 Dennis のところで最新型の Blunami を見せてもらった。これは例の Tsunami の発展型である。こういうものに日本語を使うのも不思議だ。Tsunami が出てすぐに東日本大震災が起き、"Tsunami" が国際的に認知される言葉になった。彼らはその名前を使い続けるのかどうかを気にしていたが、結果として変化はなかった。今までのサウンド装置と比べてはるかに高性能で、大音量で明確な音がすることは間違いない。これは高価であったので、Econami というラインも発売している。 

 今度の Blunami には不可思議な機能が付いている。不可思議というのは筆者の主観的な感想である。一般には”大したものだ”と受け入れられているのだそうだ。 

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2024年04月30日

続 dead rail engine

DCC dead rail 2日間の奮闘の甲斐あって、機能は回復したので試運転を披露した。



exhoust エンジンを始動する音がしてスタンバイである。2本の排気管から煙が出るとDennisの顔がほころんだ。汽笛を吹き、ベルを鳴らしながらゆっくり前後進して調子を見る。側線の奥にある貨車を連結して持ってきた。目の前で連結を開放するのだ。

 彼は開放用のマグネットの無いところでは解放できないと思っていた。連結器のナックルが開いて開放すると、目を見開いて驚いた。今まではソレノイドのようなバシャンという音がするものしか見たことが無かったので、今回の音もなく開き、閉じる工夫にはとても驚いたのだ。
 「Kadeeの下にぶら下がっている解放用の鉄線は必要無くなった。」と言うと「凄い!」の一言であった。その場で切り落とした。

 線路上では dead rail が実感できないので、テーブルの上でもやって見せた。レイルが無いところで走らせるのは、刺激的だ。抑速ブレーキは働かせる場所が無いので、話だけしかできなかったが、ぜひ見てみたいと言う。動画を撮る必要があるが、分かるように撮るのは難しそうだ。

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2024年04月28日

dead rail engine  

 DCCの dead rail の機関車を持って行った。Dennisの感想を聞きたかったのだ。これは開発者のA氏の意向でもある。
 リチウムイオン電池を外し、それは手荷物で持って行った。スーツケース内に入れておくと、検査で見つかった時に多大な罰金が科せられる可能性があるからだ。

 到着後点検すると、ひどいことになっていた。空港でスーツケースを投げたようだ。上廻りは一部つぶれ、接着がはがれていた。堅い箱に入れ、何重にも緩衝材で巻いてあったのに、かなりひどい状態であった。

 この機関車は実験機で、電波の通りが良いプラスティック車体である。下廻りも激しく圧力を受け、台車がゆがんだのでショートする。
 電源は自分で持っているからショートしていても走るが、通電区間に入るとそちらの回路が飛んでしまう。

Workshop (5) 最初の2日は工作台を借りてオーヴァ・ホールをした。下廻りは全て分解し、調整をし直したのだ。Dennis の工作室にはありとあらゆるサイズのワッシャがあり、こういう時は助かる。 

  ブレーキ・シュウが微妙に当たるので、削った上で曲げて付けた。いよいよ試運転である。Dennisは興奮した。 

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2024年04月01日

DCC dead rail engine

DCC dead rail A氏に改装をお願いしていた試作機関車が到来した。DCCによる無線操縦機関車である。これは今までのものとは根本的に違う。dead railでありながら、DCCのコマンドが100%使えるのだ連結器の開放もできる。こういう機能を持ったものは、まだ市場にない。すなわち世界最先端の機能を持つ。
 ご質問はあろうが、雑誌に載るまでは詳しくお答えすることができない。
 
 博物館の隠しヤードから貨車を25輌ほど(約10 kg)を牽き出して1.9%の坂を登っている。非常に低速が効き、毎秒3.5 mm程度でも滑らかに登る。実物ではモータが焼けてしまう速度だからあり得ない。毎秒20 mm(時速 3.5 辧膨度にしているが、これでも遅過ぎるくらいだ。サウンドが最大限に働いてエンジンの轟音が反響する。排気管からは煙(水滴)を吹き出させることができるが、消費電流が大きいので、観客があるときだけにする。重い貨車30輌を牽いて最高速(50マイル/h)で1.56%の下り坂を降りる途中で、dynamic brakeを利かせるボタン(F4)を押す。グワーンという音がして抑速され、抵抗器が熱くなる。これは本物と同じ動作である。実に面白い。

 まだ単機だが、2輌の固定編成で長大編成を引き出せるようにする。大きな負荷だが、おそらく100往復ぐらいはできそうだ。駐泊所に充電装置を置く。電池は大型のリチウム電池3本で11 Volts近辺だ。3本の直列充電は危険なことがあるので、2つの端子で充電ということは避けたい。枕木から4つの端子(場合によっては6つ)を出して個別に充電するようにしたい。

 ヤードでの入替中、案の定、奥の方で脱線があり、線路でショートが起こっていることが確認できたが、この機関車は全く影響を受けずに牽き出せた。1,2輌程度なら脱線していても、無理やり牽き出すことができる。 

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2022年01月29日

続々 actuating gimmicks

 この機関車の中に組み込まれた工夫は、昔からあるものだ。古いTMSのページを繰れば、かなり見つかる。MRにもよく載っていた。それを狭い場所にうまく配置し、電気装置でコントロールしているのは大したものであるが、すでにそういう時代ではなくなっていた。
 これも本人が言っていたことだが、
「時代はDCCだ。これは前世紀の遺物だ。」
 その年は2001年で、21世紀の最初の年であった。 

 発煙装置もケロシン(灯油)を加熱するものであった。装置はテンダに移植され、煙はパイプを介して送られている。吹き出す様子はブロワが効くとなかなか良いが、素晴らしいとは言い難いものであった。超音波振動子による霧化の話をすると、
「素晴らしい。でももう、私はできないよ。」と残念そうであった。

Mr.Wangrow 奇しくも隣のブースでは、Wangrow氏がDCCの実演をしていた。このDCCは、現在ではNCEになっている。  
 Wangrow氏が開発したものだが、NCEがOEM(相手先の銘柄で製造)していた。両者の契約切れと同時に、NCEが自社で販売を始めたので、Wangrow氏は商売をやっていけなくなった。Wangrow氏はNCEに対して訴訟を起こしたが、勝てるはずもなく、彼は2003年ごろ失意のうちに亡くなった。

 多数のポイントを同時に切り替える工夫とか、その他の同時制御の工夫はWangrow氏のアイデアによるものが多い。筆者は1996年にこの人と出会って、DCCに足を踏み入れた。当時珍しかった大電流 (4 Amps、のちに 8 Ampsも出来た) の流せる子機はGゲージ、Oゲージの人たちにとっては貴重なものだったので、筆者の友人はWangrow, NCEを採用している人が多かった。
 彼は、筆者が買うデコーダが小さな1.3 Amps のものばかりなので、不思議がっていた。高効率の機関車の存在は、彼の理解の範囲には無かったのだ。 

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2021年02月11日

漏電

 信号機が完成したので、DCC本線で4-8-4の牽く旅客列車を走らせて悦に入っていた。ところが、ある日突然ショートしていると表示され、2週間の運休を余儀なくされた。
 
 列車全体を退避させ、ディジタル抵抗計を接続してみると、両レイル間にはわずか 1.5 Ω 〜 2 Ω程度の抵抗しかない。12 Vを掛ければ数アンペア以上流れることになる。1.3 Aで制限しているので、当然ショートと認識される。

 突然のことで原因がわからず、二日ほど考えた。敏感なディジタル抵抗計で全線にわたって抵抗を調べた。もちろんセクションごとのフィーダをすべて外してからである。そうすると、10 mほどのセクションの抵抗が少なく、他は十分な抵抗がある。3年ほど前にネズミが侵入して小便をした辺りである。ということはその尿の成分の塩が残っている可能性がある。

 高性能な抵抗計は、 3 Vを掛けて、被検知部分に発生する電圧を調べる。その抵抗の読みは、接続した瞬間は小さいが急速に大きくなって一定値になった。金属を接続したときとは明らかに違う。抵抗値が時間が経つと大きくなるのだ。オシロスコープにつなぐとおもしろそうだったが、筆者の真空管式のオシロスコープはかなり前に捨ててしまったのだ。

 1.5 V電源のテスタをつなぐと、抵抗はゆっくり大きくなり、抵抗値は前者より大きい。電圧によって伝導率が違うのである。これが何を意味するかは、興味深い。電気化学の教材に適する。

 これは金属導体内の電子の移動による通電ではないということだ。イオンが動いていると結論せざるを得ない。電気分解が始まれば電流は一定になる。電気分解電圧に達していなければ、そこで通電は見かけ上、停まるはずだ。ところがDCCは12 Vの交流である。イオンはあっちに行ったり、こっちに戻ったりしているはずだから、電流は通じる。しかし、ガスが発生したり、金属が腐食したりすることはないだろう。

 ともかく、漏電は塩(”えん”と発音)によるものだということが分かった。何の塩かはよくわからないが、ニッケルや銅の塩化物は潮解性である。これは乾くことが無いことを意味する。空気中の水分を集めて湿っているのだ。

 線路に掃除機を掛け、ごみやほこりを完全に清掃し、ネズミの小便によると思しき汚れの発見に努めた。事件の後、掃除をしたので殆ど痕跡は消えていたが、3か所それらしきところが見つかった。水を掛けてブラシでこすり、紙タオルで吸い取った。これを数回繰り返すと、残存する塩を十分に少なくできる。

 ネズミ侵入事件が起こった時、穴があることを知り、それはモルタルで埋め、建物の内外にネズミを捕獲する装置を多数置いたところ駆除に成功し、それ以降は問題ないものと思っていたが、年を経てこのような事件が起こったのは意外であった。


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2021年02月03日

完全直流デコーダ

 ゆうえん氏は先回の記事で納得戴けたのだろうか。次いで、完全直流デコーダによる駆動についての質問があるが、これは高効率低摩擦の機関車、列車を動かしたことのない人には、なかなかお分かり戴けないと思う。

 筆者のOスケールの機関車は、どれも3 kg以上あり、すべての回転部分にはボールベアリングが入れてある。ギヤボックスを外せば、どれも0.5%以下の坂を下り降りる。モータと連結しても1.5%弱で下り降りる。単3電池一つでゆっくり起動し、毎秒数ミリの速度で動く。このような機関車であるから、電池をたくさん用意して1.5,3.0,4.5 Vと電圧を上げるだけでも、滑らかな運転ができるほどである。伝達効率は50%を下回らない。

 一方大半のHO以下の模型では、モータの出力の大半は動力伝達装置内や、車軸の摩擦で消費され、最終伝達効率は10%もいかない。 NMRAのレポートによると、あるHOのシェイの実測値は0.25%であった。こうなると負荷の大小は問題ではなく、どうすれば一定速度で走らせれるか、が最大の目標になる。昔はギヤ比を大きくする以外の方法はなく、モータは高速で回り続けて凄まじい音を出していた。
 Back emfフィードバックができるようになると、かなりギヤ比を小さくしても、見劣りしない走りをさせることができるようになった。これが現実の世界であろう。
 
 もし、HOでも”全くひっかかりのない滑らかな運転ができるようなボールベアリング装着の高性能機関車”ができれば完全直流デコーダが使えるだろうが、牽かれる車輛すべてが、低抵抗車輪と摩擦の少ない軸受で統一されている必要がある。その実現は、かなりハードルが高い。しかも、小さなものは大きなもののようには動かないのは、何度もここで採り上げた通りである。


 ゆうえん氏は、考え方には優劣が付けられないというのが持論のようだが、それは同じスケールでの比較の場合である。大きさが異なるものは同じ考えでやってはいけない場合もある。アメリカで、韓国製の機構のあやしい模型にBack emfを効かせて無理やり一定速で走らせてモータを焼いたという実例をよく聞く。優劣は明白だ。
 HOに向いたやり方があるだろうが、それがほかのサイズの模型にも通用するわけではない。BEMFは動きが今一つの模型を、見かけ上調子よく動かす機能であるが、かなり無理をしている部分がある。

 ちなみにこの永末氏のデコーダは、氏が筆者の地下室のレイアウトでの走行を見て、実現したいと感じられたのがきっかけで作られた。残念ながら、筆者と土屋氏以外には売れなくて、大半を筆者が購入した。音声用デコーダと別にしてあるので、全く相互干渉がなく、きわめて静粛な運転ができる。蒸気機関車には最適である。この製品の概要に、
 DC駆動については、BEMF駆動とは対極の位置にあり、高品位のコアレスモーターと駆動伝達装置により効果を発揮いたします
とある。これはメリット・デメリットの話ではなく、用途目的が異なると言っているから、比較はできない。

 要するに無理やり一定速で走らせるのが目的ではなく、負荷が掛かれば遅くなり、スロットルを開けば出力が増大する。開き過ぎればスリップする。スロットルを戻せば電圧は出力はゼロとなって電気的に切り離されるから、勝手に惰行する。本物のような運転を楽しみたい人はこの方式を採用するが、その性能を持たない動力車には使えない。

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2021年02月01日

空転させる設定

 ゆうえん氏から質問があったので、少しく詳しく説明したい。

 スロットルのspeed tableは、NCEの場合126ステップある。それぞれのステップに固有の出力電圧を割り当てることができる。殆どの場合は、最高速を抑えるとか、動きの悪い機関車の出発時の電圧を上げるくらいしか用途が無いだろう。筆者の場合、(0,0)を通る完全な直線で使っている。伝達効率の高い動力装置と、全軸ボールベアリング装荷のおかげで、何もしない方が自然な動きをするからだ。

 例えば、第10番目のステップだけで、最高速の40%ぐらいの電圧を与えるとする。起動して直ぐには列車の抵抗があって動き出していない。短時間高電圧が掛かればスリップするだろう。ステップ10以降はごく普通の出力曲線で加速するだろう。

Momentum 減速時にご心配のスリップが予期せぬ時に起これば、気分が悪くなる。しかし、NCEにはスロットルの上の方にMomentumというボタンがある。これを押すと、見かけ上の慣性を与える動き(徐々に加速する、あるいは減速する)の程度が10段階で指定できる。その設定変更は、運転中でも可能なのだ。

 起動時のスリップを希望するときはこのモメンタムを、0 にセットする。そうすればステップ10だけで高電圧が供給され、派手にスリップするだろう。列車は重く、その慣性は大きいから、実感的なスリップの再現が可能だ。そして順調に加速していくだろう。このモメンタムの値を適宜増減すると、スリップ発生具合も変化するはずだ。
 巡航時にモメンタムを最大値 9 にセットする。そうすると、ステップ10を通過しても、ほとんど変化を感じないだろう。

 もし、派手に逆回転をさせてみたければ、逆転をかけ、モメンタム0でステップ10を選べばよい。あるいはステップ2あたりにもそのような電圧が与えられていると良いかもしれない。

 筆者採用のデコーダは永末氏の完全直流デコーダで、スロットルOFF時には、モータの逆起電力は完全に遮断されるので、列車は自らの慣性でかなり進んでしまう。そこで、逆転してそこそこの電圧が掛かれば、逆転空回りを披露することができるはずだ。


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2021年01月22日

続 自動信号機の設置工事

automatic signal センサ部を列車が通過して光を遮ると、その信号が赤になると同時に、一つ後方の信号は黄色に、もう一つ後方は緑になる。これを順次繰り返していく。(コメントを戴いたので補足すると、これは閉塞区間よりも短い列車を運転している。)

 4区間なので、一つの線に2列車入れることも可能である。いつも黄信号であるから徐行せねばならないが、そういう運転も面白いだろう。また、赤信号ぎりぎりまで詰めていくと、緑の区間が一つできる。
 この方法は、危険な運行である。本物と同じで、全体を見ていないと追突が起こる。ATSは付いていないのだから。博物館レイアウトは全体を見渡すことができる場所があるので、見ている限り追突は起こらないだろう。

 1列車の場合、たとえ長い列車が2つの閉塞区間を跨いでいても、問題なく作動する。この博物館のレイアウトでは、1つの信号の閉塞区間は22 m強である。120輌編成の列車は34 mほどある。(これも補足すると、信号は前から、赤、赤、黄、緑・・・・となる。)

 論理モヂュールは非常に信頼性が高い。最高電圧さえ気を付けていれば、壊れることはないそうだ。5 Vが必要なので、USBの電源を用いた。いくつかの電源を順次、負荷をかけてテストし、安定して5.0 Vが出るものを選んだ。何かの間違いで7 V以上になると壊れてしまうので、それだけは気を付けねばならない。

 自動信号機は、かねてから採用予定者が見学を要望している。今回の工事で実際の設置状況を見ることができるようになったので、来訪が増えるだろう。

 順次色が変わるのを見るのは楽しい。立体交差の下のセンサで検出されると、その信号が赤になると同時に、すぐ上の線路の信号(2つ前の閉塞区間)が緑になる。当然ではあるが、感動的である。

 このレイアウトでは配線が長く、末端では電圧降下がある。と言っても一番遠いところで4.92 Vである。下り線も配線されると電流が2倍になるから、もっと下がる可能性がある。
 4.76 Vでも間違いなく作動することは確かめてあるが、饋電線があると、より信頼性が増すだろう。太い線を引き廻すより、LANケーブルの残余線2本を使うと良さそうだ。(これも補足すると、現在では4つをループと短絡線で結び、電源回路の抵抗を減らしている。) 

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2020年11月17日

GTEL用サウンド・デコーダ

 30年以上もこの機関車が完成できなかったのは、ガスタービン用のDCC decorderが発売されていなかったからである。うかつにも調査を怠っていて、非常に高性能のものが数年前から売り出されていることを知らなかった。
 一つのデコーダの中にいくつかの音源があり、第一世代から第三世代まですべてに対応し、なおかつスピーカは2つ(A,Bユニット)というのもある。価格もそれほど高くない。
 まだ買っていないから何とも言えないが、補助ディーゼル・エンジンの音も出すために、スピーカが2つに分かれていれば効果はあるだろう。タービン排気管にスピーカ・ボックスを付けると面白そうだ。

 効能書きを見ると、fire-ballが出る時の音も再現するとある。怪しい話だが愉快だ。

 昔は、1輌の機関車に2台のデコーダを積むのが当鉄道の方針であった。モータ制御電流の許容値が小さかったことと、BEMFが掛かるのでモータから嫌な音がするので避けたのだ。BEMFを最小限にしてもゼロにはならず、それは許しがたかった。Nagasue さんのところから完全直流型を出してもらったので、モータ電流はそれを使い、音の方は独立のデコーダを使っていた。時代が進んだので、今回はサウンドDCCのモータ出力で動かしてみよう。モータ・ドライヴァが焼けたら、音だけ使って、主電流はNagasue さんのを使ってみるつもりだ。大きなコアレスモータを使うと、完全直流型でないとかなり大きな音が出ることがある。

 最近は、デコーダの許容モータ電流は1.5 A 程度になった。機関車はフルスリップでもせいぜい 0.5 A強だから、焼けることはないだろう。


 考えてみればこの10年ほど新しいデコーダを買っていなかった。買い溜めしたものを少しずつ使っていたので、新しいものを調査するのを怠っていたのだ。先日、アメリカで放出品があったので買い占めた。

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2017年07月15日

続々 Bluetooth control 

 コントロールの効く範囲は、だいたい 10 m である。それ以上離れると時々切れるようになる。HO以下なら、全く問題ない範囲である。

 この基盤はロボット製作用であるから、最大5.5V(4.8V電源を考えている)である。新規に設計すれば 12 V用も可能であろう。そういう製品を出せば、かなり売れるはずだ。価格もこの程度でできるだろう。当然、コントロールパネルはそれなりの設計が必要だ。
 今回はターンテイブルの駆動に用いるので、操作距離は 5 m以内である。回転橋を目で見て操作するので、これで十分だ。駆動部の製作は少し進展した。 

 
 今までDCCが最高だと考えてきたが、最近考え方が少々変わって来た。無線制御は、これからかなりの顧客を獲得するだろう。比例制御が決め手である。on, offしかない制御では面白みがない。連結器の解放がゆっくり行われるのは気持ちが良い。ドアの開け閉めも自在だ。しかし、ポイントマシンはDCCが良い。信頼性の点では敵わないからだ。

 博物館のレイアウトは最大距離が 20 mあるので、Bluetooth そのままではだめだが、いくつかの中継基地があれば使えるかもしれない。通信する内容が少ないので、Wifiより安上がりである。Wifiは動画の送信などに都合の良い方式である。そういう意味ではWifiはもったいない。電力もたくさん要る。

2017年07月13日

続 Bluetooth control 

 この装置は3980円である。電圧がやや低いのが問題だが、それにあわせたモータがあれば、鉄道模型でもそのまま使える。DCCと違って、ファンクションがすべて比例制御だから、連結器の解放、ドアの開閉、パンタの上下等、自然な動きをさせられる。しかも安い。電圧を上げる工夫はH氏が実験中だ。

 DCCのデコーダで3980円で買える物が、いくつ位あるのだろう。音声は少々考えねばならないが、現在の技術なら、克服は可能だろう。

 買った受信機には自由に名前を付けられるし、最大20ほど登録できるから、かなりの数の機関車を呼び出すことができる。しかし、重連のことは考えてないから、iPad等が複数要る。重連を前提とするなら、全く新しいソフトウェアが要るだろう。
 筆者は関節式蒸気機関車の前後のエンジンをこのモータ出力2つで動かすことを考えている。片方だけ、スリップさせることは容易だ。

 ひとつのモータ出力で1.5 Amps だそうだが、二つを並列につないで、回路を少し変更すると(ジャンパ線を切り、新たなジャンパを付ける)3 Amps 出力になるという。当レイアウトでは最大電流が1 Amp 程度なので、その必要はないが、面白い設計だ。


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2017年07月11日

Bluetooth control

bluetooth RC Bluetooth のラジコンセットを買ってみた。赤く光っているのが、商品である。洗濯バサミではさんであるのが、サーボ・モータであり、大きなギヤード・モータが、ターン・テイブル駆動用とインデックス用である。 
 
 驚くほど小さく薄い。配線はあまりにも単純で、これで良いのかと何度も確認した。電源は、最大5.5Vとあるので、4.5 Vの電源を持ってきて電圧を計った。無負荷で7.5V もあるので、そのままでは壊れてしまいそうだ。解放端を接続するのではなく、ブリーダ (bleeder) の抵抗を付けて、ある程度の電流をバイパスさせた。経験上、100 mA 程度流せば電圧が落ち着くものだが、今回はその程度では駄目であった。昔の電源は全波整流を電解コンデンサにつないでいたから、141%の電圧が出てしまった。少し流すだけで、電圧が落ち着いたものだ。


 たくさんの抵抗を直並列につないで、電流を増やした。500 mA も流さないと、6 Vにならない。3 W ほども熱が出るので、抵抗は熱くなる。表面積が大きくなる様に工夫しておいたが、しばらくすると、火傷するくらい熱くなる。もう少しまともな電源を探さねばならない。 
 
Bluetooth  control ソフトウェアは、ダウンロードできるから、iPadを開いてアイコンをクリックすれば、すぐにこの画面が出る。sync を使えばいくつかのサーボを同時に動かせる。個別の極性反転は flip で行う。


control panelcontrol panel 2 編集画面で、2モータ、4サーボ、4LEDの選択をする。画面に見せない様にすることもできるし、いくつかを連動させることもできる。ただ、自分の好きなように縦横を入替えることができないので、ロボットのラジコン以外では使いにくいだろう。
 黄色と赤の文字は筆者の注釈である。

2017年06月15日

Model Railroader 1000号

MR1000th Model Railroader の 1000号 を見ている。
「鉄道模型はこうなる」(The Future of Model Railroading )という記事が興味深い。この種の記事は、TMSではほとんどないところが悲しい。

  game changer (流れを変えてしまうもの)はDCCのようなコマンド・コントロールとサウンド・デコーダであるという。細かいディテール・パーツの発売などではない。新しいFシリーズの機関車の発売でもない、と書いているところには笑ってしまった。要するに細かいディテールなどを気にする人は、少なくなったということだ。

 今までは線路を流れて来た電子(電流と言わないところが面白い)で動いていたが、バッテリィで動く機関車が、いま調子良く使っているDCCと同様に動かせればよい。問題は電池容量である。HOの燃料タンクくらいの大きさで、1、2時間動くものが既にある。重連しているダミィの機関車の中に積めれば、もっと長い時間動く。充電の方法を考えれば、電池を外さずに充電できる。(もう少し踏み込んで書けば良いのにと思う。)

 Offboard sound (スピーカを車輛から外したサウンド・システム)要するに、スピーカを小さな車輛に積むのをやめて、線路からのDCC信号をサウンド・デコーダに直接つなぎ、その音声出力をヘッドホンに無線で送る、ということらしい。確かにいい音はするだろうが、機関車が向こうに行っても同じ大きさの音である。蒸気機関車についてはどうやるか分からない。
 Oゲージでは大きなスピーカが積めるので、それほど利点は感じない。 

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2016年10月10日

所属クラブの公開日

O scale NMRC 9日は、所属する名古屋模型鉄道クラブの公開日であった。名古屋市立科学館の地下ホールで、例の仮設テイブルの上で線路を組み立て、公開運転をした。
 段ボールの箱を沢山組立て、合板を載せてテープで継ぎ目を押さえる。上に人が乗っても大丈夫だ。

 O,OJの島、HO,Nの島、DCCの島と三つに分かれて設営した。見ていてはっきりわかるのはDCCのグループの設営完了までの時間が極端に短いことだ。スナップ・トラックを使っていて、パチパチと組めばすぐ運転できる。
 山本真一氏によるZ21に依る運転で、スマホを使ったワイヤレス操作である。ポイント切り替えはiPad上の画面をタッチして行う。すべてワイヤレスで接続の面倒がない。固定レイアウトではないので、そのメリットは素晴らしく大きい。
 山本氏はスマホの中古を多数手に入れられて、それで車輛をコントロ−ルし、さらにipadによる分岐切り替え指令および表示を実現されている。素晴らしく調子が良く、初めて見る子供でも直ちに操作法を習得する。
 博物館の新レイアウトにも採用予定である。

 模型誌上でのDCCの記事が少ない。下らないと言っては失礼だが、姿形だけの模型記事ばかりだ。走らせていない人が多いということだ。
 山本氏の機関車は、どれも素晴らしく良く走る。動輪の心がよく出ているのだ。当たり前のことではあるが、実際にはそのような機関車は少ない。精度の高い旋盤加工の腕をお持ちなのである。

 O, OJグループは入り口に近いところで走らせている。
「どこで売っているのだ」
という質問が多い。
「すべて自作ですよ」
と言うと、皆驚く。

cars from Harmon 筆者は塗り立ての貨車を3輌持っていった。このFriscoのヘラルドは興味深いらしい。
バットマンと関係があるかという質問が多かったが、そのはるか昔から使われている。
 アライグマの皮を張った様子を表しているのだ。日本では理解する人はまず居ないが、アメリカでは子供でも分かる形のようだ。  

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2016年10月02日

携行用DCC

power-cab 今回はDCCの機関車を持って行ったので、その電源を持っていく必要があった。これは、非常に軽くて助かる。2 Amps
電源を含めて350 gくらいだ。他に電線が100 gほどある。
 

 NCEはフル・ファンクションのスロットルを売っているが、これは単なるスロットルではなく、 ブースタ(出力の電源)まで内臓である。しかも電流計が付いていて、その瞬間の電流が直読できる。

wiring 配線はこの図の通りで、簡単明瞭である。薄く右側に描いてある小さいスロットルは、場合によって付けることができる。そうすると大きなスロットル内蔵の出力電源がブースターとなる。好みによって、小さいほうだけを使うことができる。デコーダのプログラムには、大きい方を使える。 
 
 このPower Proは、普通のブースターにつないで使うこともできる。博物館のレイアウトのDCCではこの方式を使っている。そうすると既存のスロットルと組み合わせて、重連で前牽き後押しが楽しめる。
 価格は非常に低く抑えてあり、今でも実売価格135ドル程度だ。お勧めする。

 これを持って行ったら、NCEは初めて見たと皆さんが仰る。
「ボタンがたくさんあるから大変そうだけど、かえって初めての人には分かり易いかもね。」ということであった。

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2016年09月26日

関西合運

 ベルの内側の色については、たくさんのコメント、メイルを戴いている。正直なところ、筆者にはお答えできる知識はない。赤は目立つという意見もあるが、振れないベル(固定されて、内部で打ち金が動くもの)もあり、赤である積極的理由とも思えない。 
 日本も銅は戦前は輸出をしていたし、 戦争がはじまると、薬莢製造に多量に必要なので、諸国が輸出を制限したことが大きい。当時はアメリカ西部の銅山はまだまだ未開発の部分があった。

 さて、週末には関西合運に行った。長雨で塗装ができず、生地完成まで持って行った貨車20輌が完成しなかった。せっかく、塗装の工程表を作り、ディカールの数も確認したのに、である。かれこれ10年ほども掛けたプロジェクトだったので、少々残念であった。

 仕方がないので、DCCのディーゼル電気機関車と、持ち運びが楽なプラスティック製貨車4輌だけを持って行った。ご覧になった方は、DCCの重厚感ある走りに、感銘を受けられたようだ。機関車がとても重そうに見える動きをする。Momentum(動いていると止まらない) のある動きだ。牽引力は十分あり、連結器を押さえて止めようとするが、かなりの力があるので、皆さん驚かれた。超低速も可能だ。
「『3条ウォームは力がない』ということを言う人がいるが、ありゃ嘘だね。」 
 ホイッスルを鳴らしてエンジン音が高まり、警告ライトを点滅させながら走ると、観客は陶酔状態だ。

 貨車には間に合わせのウェイトを入れていった。例の使えない曲がったゴム板を切って入れていったのだ。固定しなくても具合よく納まる。また、運搬中に中で踊っても、被害はない。 ゴム板を持ってみての感想は、
「意外に重いものだね。」
ということである。 

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2016年06月15日

視力とDCC

 検診で視力測定を受けた。意外なことに両眼ともかなり良くない。
 白内障、緑内障の心配は全くなく、網膜も無事なのだが、ピントが合わない。老眼でレンズが薄くなっている。かなりの遠視になったのだ。以前は両眼とも、視力2.0を誇っていたのだが、今はどちらも0.8程度だ。しかし+1.0ディオプタのレンズを装着すると、2.0になったので安心した。夜間、車を運転するときには眼鏡を掛ける必要がある。2,3年前、本業の本を仕上げるのに、数か月コンピュータと睨めっこをしたので、急速に悪くなったような気もする。

 過去に何回も手術を受けて角膜を引張ったせいか、左眼に微妙にあった乱視が完全に直っていた。このことは伊藤 剛氏も仰っていた。
「私は乱視でしてね、夜空の星が点に見えなかったんですよ。ところが白内障の手術をしたら、角膜を縫い付けて引っ張ったので、ピンと張って、おかげでとても良く見えるようになりました。角膜にシワがあったんでしょうね。」

 遠視になると不便この上ない。日中は虹彩が細く絞られるので、かなりピントが合うが、夜間や室内では裸眼ではピントが合わない。線路をつなぐような作業は、眼鏡を掛けないと全くできない。
 もう一つ困ったことがある。DCCの機関車の番号を打ち込む作業ができない。そこに止まっている機関車を、少し移動したいので呼び出そうとするのだが、番号が読めないので非常に難しい。普段あまり動かしていない機関車の番号は忘れてしまうからだ。

2016年02月13日

SL-1

SL-1 SL-1という装置がある。その昔、PFM方式と呼ばれた装置を日本型向けに簡略化した装置だ。PFM方式は筆者も持っていたことがある。10年ほど前に友人に譲った。その後DCCサウンドのみで来たので、もうPFM方式はほとんど意識の外に追いやられていた。

 土屋氏の機関車は大半がPFM方式で、DCCは数輌しかない。直流電源で走らせるときはサウンドのスウィッチを切っていたのだが、こんなにたくさんあるのだから、DCCに改良する前に音を聞いてみようということになった。そのSL-1は筆者の手を離れて仙台に嫁していたのだが、帰宅を許可願って戻ってきた。

 接続して驚いたことは、音がとても大きい。スピーカが大きいのも理由の一つだが、テンダを密閉式にしていることが良い結果を出している。裏側の逆位相の音を漏らさないようにしているわけだ。
 アナログの擬音であるから、大したことはないのだが、とても良い。カットオフを調整しながら、良い気分に浸った。高圧の機関車で、排気膨張室が無いわけだから、歯切れの良い音を出すべきだ。あちこち触っているうちにたちまち時間が過ぎた。
 昔のPFM方式よりはるかに進歩していたが、これを10年以上も知らずにいたことは、もったいなかった。今あるPFM方式の機関車を整備して、せっかく敷くDC用線路だから活用するつもりだ。

 

  

2016年02月11日

dead rail wireless decoder

 しばらくレイアウト方面の仕事しかしなかったので、車輛工作、DCC工作からは遠ざかっていた。レイアウトの本線が開通したので、自宅から様々な車輛を持っていき、DCC運転をしている。DCとの共用(厳密には共用ではなく、選択式)区間の運用を考えると、すべての電源を落とした状態での入替え作業をする必要がありうる。電池駆動でwireless方式の運転をしたい。

 室内飛行機用の軽量ラジコンを使うと良いと教えてくれた友人がいる。他に、携帯電話から駆動するWifi方式の試作をしていた別の友人から完成したとの知らせがあった。そのことをアメリカの友人に知らせたら、
「これを知らないのか?」と聞かれた。

244386222 それはwireless のDCCを使って、機関車に指令を出す装置であった。安くて驚いた。これは売れているだろう。小さな素子にアンテナも付いている。ライトの点滅だけでなく、様々な点灯の仕方を選べる。普通のDCCと同じで、これは便利だ。
 サウンドが付いていないが、それは別の工夫で可能だ。とりあえず一つ手に入れて、機関車に入れてみよう。プラスティック ボディのGP9があるから、それを入替用にしようと思っている。

 このデコーダの名前は、”dead rail”という言葉を付けている。文字通り死んだ線路で、導通が悪かったりして、DCCのコントロールが効かないところで役に立つ。許容電流は1.3 A だが、大型機でも効率が良いのでフルスリップでもその程度以下だ。大丈夫だろう。

 これを教えてくれた友人は、
「線路がなくても走るから、落っことすなよ。」と言った。有難い忠告だ。レイルを検知する、何かの安全装置を付ける必要があるかもしれない。しかし、良く考えてみればそのレイルとの導通が悪くても作動するのだから、あまり賢い方法ではない。

 この種の方式には他にいくつかの会社が出している。微妙に差があるが、電池式であることは一緒だ。 

2015年10月14日

DC と DCC

DCC-DC compatible track 建設中のレイアウトには、DCにもなる本線がある。実は、そこのところの割り振りがとても面倒だ。
 自宅のレイアウトは、事実上DCC専用である。最近は乗り入れもないので、DCのパワーパックは外したままだ。

 新レイアウトでは、機関区から本線へ行く線および本線1本のみが、DCにもなる線である。不用意に切り替わらぬよう、安全装置を付けてスイッチで一気に切り替える。貨車ヤードには動力車が入らないことにすれば全く問題ないが、そうもいかないので、接触限界標あたりで電気的に切り離す。
 客車ヤードはDCC専用となる。客車には電灯がついているからだ。また、隠しヤードもDCC専用となる。そうしないと、本線走行中の入れ替えが難しくなる。

 おそらく、Visitorが持ってくる機関車の大半はDC仕様だ。それを無碍に排除することはできない。土屋氏から来た機関車のいくつかにはDCC化が終わっていないものもある。DC運転可能にしておけば、いろいろな点で助かることもある、と見ている。
 ターンテイブルは、切替えでどちらも使えるようにする。ターンテイブルの枝線 (spur)の半分もDC用になるので、間違えないよう、何らかの方策が必要だ。DCCの枝線に止まっている機関車は電灯を点け、音を出しているが、DCの方は沈黙していることになる。
 ポイント切替、ターンテイブルの動作はDCCで行う。これはDr.Yに、助けて戴くことになっている。

 場合によっては、無線操縦の機関車でDCの機関車を牽いて移動することもあると見ている。当鉄道ではすべての機関車が3条ウォームか、べべルギヤであるので、機関車を牽くのは簡単である。


2014年09月01日

Dennis のレイアウト

Dennis' Hobby Room Dennisのレイアウトは庭の小屋の中にある。小屋とはいっても、熱絶縁のされた空調の効いた部屋である。10 m × 8 m 程度の大きさであって、アメリカの基準で言えば、大きな方には入らない。
 入口にはデッキを作り、夕方ここで飲むビールは格別である。

Dennis' Layout 全ての車輪がLow-Dに取り換えられ、曲線での抵抗がかなり減少した。デニスは最近GG1に凝っている。あらゆるボディを買い集め、寸法を測定している。人間の目は1 cm 程度の長さの誤差には気が付かない。筆者用にもひとつ用意されていたので、受け取ってきた。彼はパンタグラフ部品までロストワックス鋳造する。
 奥の壁には色々な鉄道用品や部品がぶら下がっている。細長い黒いものは、筆者が持参した某軽便電鉄のパンタグラフの擦り板である。妙に気に入ったらしく、壁に掛けてあった。

 地震の無い地方はうらやましい。壁に付けた棚に、無造作に飾ってある。これで落ちないのだ。

Dennis' Layout 3 2枚目の反対側、すなわち入口に近い部分の壁が写っている。2層になっていて、下が隠しヤードである。ある機関車が天井を擦るらしく、全体を1/4インチ(約 6 mm)下げたとのことである。


Dennis' Layout 2 このスイッチはエアコンの機能切替スウィッチである。手が届かないので、外して線を延長した。温度調節は、銀色の棒を使う。ユニヴァーサルジョイントが付いていて、つまみを遠くから廻すことができる。この種の工夫はDennisの最も得意とするところである。 
 遠くのポイントはワイヤで動かしている。 


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2014年05月05日

DCC化

 日本ではDCC化への移行速度が小さいと感じている。色々な機会に運転会に出かけると、一部の人達は当然のようにDCC化しているが、大半はDC運転である。その違いを考察すると次のように感じる。

 レイアウトを持ち、日頃運転をしている人はDCC化している場合が多い。車輌工作至上主義の人は、DCC化には全く無関心である。DCC化するとウォーク・アラウンドをやってみたくなるのは必然である。レイアウト規模がある程度大きくなると、ワイヤレスでやってみたくなる。ワイヤレス方式はたくさん出て来て選べるようになったので、色々なところで採用例をみるようになった。

 2008年にこのブログでウォーク・アラウンドをあまり見ないと書いたら、コメントでKMCの方からそんなことはないという「ご忠告」を戴いた。それも昔の話になった。
  
 現在計画中の新レイアウトは60坪あり、複線である。複線の片方はDCC専用にする。もう一方は本線のみ、DC, DCCを切り換えられるようにし、その側線はDC専用とする。どちらもウォーク・アラウンドにする。DCのウォーク・アラウンドは30年前に完成させてある。ただしテザード(スロットルのケーブルを順次差し替えて行く方式;要するに「ひも付き」のことである)である。
 魚田真一郎氏に長らく貸してあったが、震災の直前に返してもらって難を逃れた。当時もう一台作ってくれと頼まれて居たが、もうそういう時代ではなくなった。魚田氏はウォーク・アラウンドの価値を認めた最初の日本人であったような気がする。彼が生きていたら、様々な試みがなされていただろうと思う。

 ヤード部分は全てDCC化する。そうでないと配線が面倒だからだ。今回の記事に書いた6回路用のをいくつか使って見よう。何も考えずにヤードと渡り線ができるというのは、ありがたい。


2014年05月03日

続々 Frog Juicer

822_double_crossover_wiring 2Aしか電流が流せないと書いたが、説明書を詳しく読むとそれで殆ど問題がないそうだ。と言うのは機関車には車輪がたくさんあって、いくつかの車輪からという。 
 この図は両渡り、シザース・クロッシングである。4つの区間にFrog Juicerから供給している。確かにこの方法なら、配線に頭を使うことが無くなる。ただ繋げば完成である。

 今まではポイントがあるとそこで頭を使って、動作パターンを絞り、無電区間が無くなる最適な方法を見つけ出した。タンデム三枝ポイントなどは意外と難しい。
 この方法ならあっと言う間だ。

400_Crossing_Wiring_Diagram_400px クロッシングの場合も、何も考えなくて済む。以前発表した方法など、どうでも良くなってしまった。
 
 操車場などのポイントが連続した部分(ladderと言う)のフログも、6出力のジューサを買えばあっという間だ。

 技術の進歩はとどまるところを知らない。より簡単になっていく。

 最近、DCCの記事が少ない、と色々な人に言われている。実は、アメリカではあまりにも普遍化してしまい、既製品には最初から付いているので、何も書くことがない。 日本はあまりにも遅れている。 


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2014年05月01日

続 Frog Juicer

 Juiceは飲むジュースと同じ綴りである。アメリカの口語では電源のことを指す。
 講演などではコンピュータを持って行って、プロジェクタで映写するのがふつうである。その時、当然のように「ジュースは用意してあるから…」 ( juice provided ) という案内が来る。行ってみると、氷水は用意してあるが、オレンジジュースはない。そこで「話が違う!」などと怒ってはいけない。

 壁に付いているいわゆるコンセントのことを、"juice"と言うのが普通になった。70年代は半分くらいの人が使う言葉であったが、最近はまず100%の人が使う言葉になった。
 Juiceは果実の絞り汁、ビーフステーキなどの肉汁のことだが、エネルギーの源という意味があり、それが流れ出してくるものという意味で、電源を指す言葉に転化したのだ。しばらく前は、ガソリンもジュースと言っていたが、最近はあまり聞かない。

 Juicerは文字通り、電源を供給するものである。瞬時の短絡によるDCC電圧降下を検知し 、左右のレイルからのどちらを給電するかを判断する。最大 2 A まで通過させることができるから、HOクラスでは全く問題ない。一部のOゲージ車輌は数アンペアも喰うものがあるらしいので、それには対処できない。つまりHO以下専用であろう。

 ポイントマシンには補助接点があり、それを使えば極性切替えは簡単である。電流容量も大きい。筆者は自作のギヤード・モータによる転換を採用しているので、補助接点はマイクロスウィッチを使っている。

 このようなDCCディヴァイスが登場したのは、おそらく、HO以下ではポイントマシンを内蔵しているポイントが増えてきたからであろうと思う。マシンは付いているが接点がない、あるいは足らないのではないかと思う。筆者にはその方面の知識がないから確証は持てないが、それ以外には思い付けない。
 ややこしい渡り線や、搾線(ガントレット)などでは役に立つかもしれない。

2014年04月29日

Frog Juicer

 ポイントのフログでは左右の線路が交差するので、極性の切替えが必要となる。昔の市販線路の一部には、絶縁フログがあり、そこは無電区間であった。すなわち、集電車輪数が少ない車輌は立ち往生することがあった。
 二軸車ではこの問題は大きく、より接地性を高めるためにバネ可動やイコライジングの必要性があった。それでも集電不良は多く発生した。

 のちに英語で、all-rail switchという言葉が出てきた。これはフログを絶縁材料で作らずに、ポイント全てを金属のレイルで作るものであった。フログに給電する極性を何らかの方法で転換した。すなわちフログ部は他のレイルとは切り離されて、独立した電気区間となっている。

 DCの時は尖端レイルが接触するストック・レイルから電流を供給すれば、分岐した枝線にもその極性が伝わり、都合が良かった。すなわち、分岐の切り替えによって、その先の枝線の通電を制御できて、好都合だったということもある。
 しかしそれでは接触していない(車輪が通過しない)尖端レイルには、その近傍のストックレイルと逆極性の電気が来ていて、ショートの危険が増す。NMRAの規格は30年ほど前更新されている。以前は、この逆極性の時も尖端レイルとストック・レイルとの近接を認めていたが、突然改訂され、離す量を大きくするように要求してきた。理屈はそれでよいのだが、実物より離れる量が大きいのであまり恰好が良いとは言えなかったのだ。

all-rail swtich フログだけを独立区間として電気極性を転換すると、左右の尖端レイルはストック・レイルと同極性であるから近接しても良く、NMRA規格でもそれを認めている。これはDCCの導入によってより加速された。 
 DCCでは、分岐後の枝線にも常にDCC電圧が掛かっている。通電していてもデコーダが遮断するので問題がないのである。フログの極性は尖端レイルの動き(throwing)だけに依存すればよい。その給電方法は、マイクロスウィッチによる転換が主流であった。このようにDCC化を前提に作られた商品を DCC friendly であると称する。

 Fast Tracks社はFrog Juicerという装置を発売した。



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2011年06月21日

続々々 Layout Tour in Chicago

0976 ライダ氏の御自慢はこの電話による無線操縦である。
DCC本体はLenzの製品であるがそれを無線にしたのである。10年ほど前、このアイデアをどこかで見たのであるが、それを実用化しているのを見るのはこれが初めてである。

 込み入った操作はできない。ただ加減速、汽笛吹鳴、ベルのみの指示を出す。電話は日本製の室内用コードレス電話である。「安かったからね。」ということである。

 今ではこのアイデアは完全に陳腐化したが、当時としては画期的であった。当時は赤外線方式が出始めていたが、到達距離と遮蔽物を越えての送信ができない点で、電波による無線式にはかなわなかった。もちろん光方式でも受信機をたくさんつければ、それなりの効果はあるが、設備がかなり面倒である。

 現在は高機能携帯電話でそれを行うようになってきた。NCEなどは微弱電波を使うモデルを出している。NCEはしばらく前にアップグレードして、応答性が極めて良くなリ、また信頼性が格段に進歩した。旧タイプでもアップグレード料金は15ドルくらいである。ただし事前に申し込んで受付番号を取らねばならない状態がしばらく続いた。現在ではそのような混みあった状況は無いであろう。

0984 この建物は最新作だそうだ。部屋の中がある程度見えるようになっていて、電気が点いたりすると実感的である。  

2010年05月04日

続々CHI TOWN UNION STATION

Track PlanCHI TOWN UNION STATION 8CHI TOWN UNION STATION 9






 これが、CHI TOWN UNION STATIONの線路配置図である。とにかく広い。400坪はあるだろう。別棟もあるので500坪程度だろうか。この図には、通路の左側(図の上に当たる)は描いてない。
たくさんのテレビカメラで見ている。また、コンピュータ画面ではブロックごとに列車検知をしている。

CHI TOWN UNION STATION 5 DCCはNCEを採用している。大きなレイアウトでたくさんのキャブを持ち、コマンドステーションの数が多いと、NCE以外では制御できない時代が長かった。大きなクラブレイアウトはNCEを採用しているのは間違いない。そういう意味ではNCEの戦略は当たっている。
 クラブで使っているシステムを個人も使うわけであるから、固定客があり、乗り換えられる心配がない。

 このレイアウトは既存の手法を使って最大限に広げるとどうなるか、を示した実践例としての意味がある。

 線路配置図は栗生弘太郎氏にリタッチして戴いた。

2010年04月22日

続々 Dickのレイアウト

dispatching card これはそれぞれの貨車の行く先を示した指令書である。上下裏表で4パターンあって、どこで拾ってどこに落として行くのかが書いてある。
 詳しくは解析していないが、駅の数に合わせてあるのだろう。配送が終わると、その駅の前のポケットに突っ込んでいく。パターンは少ないが、多人数でやるとかなりの組み合わせができるので十分面白いであろう。


 このレイアウトをDCC化してみないか、と聞いてみると、「俺は74歳だ。全ての配線をやり直して車輌の改造をするのは勘弁して欲しい。死ぬまでこのままでやりたい。」とのことであった。
 これを聞いていた一人が大きな声で言った。「ディック、それは間違いだよ。レイアウトの配線は2本になる。今の配線の量の20分の1になるよ。」
 それは事実である。筆者のレイアウトも構想時の配線は凄まじい量で、そのための電線を用意してあったのだが、DCCで配線したら電線は9割がた余った。

 DCCの時代である。この運転会の参加者の半数がDCC化している。資金が凄まじくたくさん要るわけではない。ほんの少しのやる気があればできる。このレイアウトには動力車が10台ほどしかないので簡単なことであると思う。

 この運転会の参加者に、「ディックの意思とは無関係に、DCC化することを考えてみてはどうかね。私の考えたところではポイントの数だけデコーダを用意して、13人でやれば1日で終わるよ。そして動力車は一人1台ずつ持って帰ってDCC化すれば、1週間でDCC化できる。」
と提案した。一人200ドルほどでできそうである。
「実はそんなことも考えている。」とのことである。「ディックを旅行に行かせねばならない。どうだ、お前のところでしばらく預かってくれないか。」
「そのつもりだ。」と答えたが、ディックの腰は重い。 

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2010年04月20日

続 Dickのレイアウト

Dick's turntable このレイアウトにはターンテイブルが二つある。ウォーク・アラウンドの
Point to Point型レイアウトだからである。終着駅で向きを変える必要があるからだ。




turntable's conductor その構造はいかにもOゲージ的で興味深い。ターンテイブルの直径は85cm位である。もし、中心から小さな径の軸でトルクを伝えると、その軸が捩じりバネになるので、動きがカクカクとなる。太いシャフトと大きなディスクでトルクを伝える。
 このディスクには何本も溝が切ってあり、そこに細いブラスの帯がたたき込まれている。それをリン銅板のバネで押さえて集電している。枝線から給電しているのだ。回転橋には方向があり、それを間違えるとショートする。これはDC時代の発想で、DCCなら何も考えなくてよい。

turn table's mechanism 動力は、ゴムタイヤを付けたギヤ付モータで、長いバネで軽く押しつけている。実に良い動きである。ディスクの慣性質量が大きいせいか、グワーンと加速していく。自動割り出しではなく、目で見て位置を合わせる。




 このレイアウトには1台だけ、祖父江氏の機関車がある。ミルウォーキィの展示品のうち1台を持って帰るのが面倒で、買ってもらったのである。それはNYCのMohawk 4-8-2 L-2aである。 1枚目の写真の枝線のうち、ディックに一番近いところに写っている。

 彼はこれを持っているのが自慢で、訪問者には必ずその由来と効能について述べるのだそうだ。25年経っても極めてよく走って安心した。 

2009年08月21日

続 ASTRAC

 ASTRACはMRなどに大きな広告を載せて宣伝されたが、意外に買う人が少なかった。
 
 初めは5チャネルであったが、GEの内部では16チャネルまで増やす予定であったという話を聞いた。さすがにアメリカとは言え、当時の顧客はそこまで成熟していなかったとみえる。あと10年後なら、確実に市場を形成したであろうと思われる。

 このASTRACの制御卓の配置は当時としては非常に先進的である。筆者は1970年代にHeathkitに夢中になっていた。いろいろな物を作ったが、そのパネルデザインによく似ている。
 最近はHEATHKITと言うらしい。随分様変わりした。昔はテレビのキットとか、ありとあらゆる電化製品のキットが売り出されていて、ステップ・バイ・ステップの説明書を見ながら、本当に100%自分で作るようになっていた。最近はプリント基板に部品が付いたものを差し込むだけのようだ。
 今でも持っているのは超音波洗浄機である。これは意外と大出力で役に立つ。塗装はがしでブレーキ液に付けた後、この中で残りを取り除く。



 このASTRACは事実上の世界最初の同時多重制御による模型列車の運転装置であった。この記事にも書いてあるが、1940年代にライオネルが2チャネルの同時制御装置を売り出したとある。あまり調子が良くなかったそうだ。真空管を使った周波数の違いによる方式では、いろいろな問題が生じうる。電波障害もすさまじいものであったろうと推測する。

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2009年08月15日

続 多重制御

 先回の電灯の点滅をする装置は Phillips の製品であったように思うが、もう製造を停止しているらしい。検索しても出てこなかった。
 同等品はある。どこの国で作っているかは知らないが、この価格は驚異的に安い。
 すでに世の中はLED照明に移り変わりつつあるようで、これを探しているとその種の情報はいくらでもある。

 HornbyのZero1の記事はCQ出版のトランジスタ技術という雑誌に載った。10数ページにわたるかなり詳しい説明で驚いた。NHKブックスだったかで、このZero1について書かれていたのは長氏であった。今その本が行方不明で詳しいことがわからないのは残念である。

 CQ出版というその道の権威ある出版社が、その主力雑誌でZero1の詳細な記事を発表したのには驚いた。TMSに投書して、より懇切丁寧な記事を書いてもらい、掲載すべきだと伝えたが返答はなかった。

 今のところDCCの解説書は2冊である。3冊目はCQ出版が出すべきであろうと思う。


 
 

2009年08月13日

多重制御

 何といかめしい標題であろうか。
実は筆者は中学生のころから多重制御に興味があった。経済的には無理であったので理屈を考えるだけであったが、交流と直流を交互に送って、車内の切り替え装置を動かすことをひたすら考えていた時期があった。いろいろな案をみせると技術者であった父は、「くだらないことを考えるより、無線で操縦する方がよほど簡単だよ。」と取り合わなかった。

 それから何年も経って、MRに連載されていたCTC16とか、ホーンビィのZERO-1などには興味があった。このころは自身の仕事が多忙を極めた時期で、実際に作ったり購入したわけでは無い。
 そのころアメリカの家庭用品で、たくさんの電灯を手元の小さいコントローラで自在に制御する製品を見つけた。電灯線を通して指令を送り、最大16個の電灯のOn、Off、2台の扇風機の調節、逆転ができた。今でも売っているかもしれない。問題は隣の家がそれを使っていたらどうなるかであった。16通りのコードがあって、それを選ぶから問題ないとは言うものの、同じ柱上トランスの範囲内であれば、よその家からでも作動させられるように思った。
 家庭で使う品であるから、価格も安く、簡単に使える。まずカタログを集め、帰国したときに伊藤剛氏に見せた。
 
 剛氏は「これだね。」「これが一番可能性が高い。」と仰った。いずれそれを購入して分解し、使える所を取り出して入れてみようと思っていたが、DCCの台頭がその必要性を失わせた。

 鉄道模型は線路があるので、その2本の線から、かなりの電流を継続的にとることができる所が、他にない利点である。また、その2本が平行しているので、高周波であっても他に影響を与えにくいし、受けにくいところも利点である。
 
DCCがこの世に現れて十余年、欧米ではかなりの普及率を持つのに、日本ではまだまだである。結局は走らせる人が少ないということに尽きるのだろうか。

2009年08月11日

続々 DCCの可能性

 連結機の解放は筆者にとって懸案事項の一つである。基礎実験には成功しているので、いずれ、ある程度の動力車と客車列車の先頭、一部の貨車には付けたいと思っている。

 方式は3つあって、一番確実なのはスロゥモーションのポイントマシンを付けることである。Oゲージでは体積が大きいので、テンダ内に全く問題なく付けられる。強いバネも押し開くので、電源をOffにすると自然に戻る。極小型のモータを入手できれば、連結器の下にでもつけられる。

 2番目は、小さいソレノイドコイルを使ってナックルを開く方法である。これも特に難しいことではない。しかし、うっかり長時間通電すると、焼ける可能性がある。

 3番目の方法は、形状記憶合金である。ヒータで温めると元の形に戻るのでバネと組み合わせると、往復運動ができる。最近はこの手の材料は通販で簡単に手に入るようだ。筆者は苦労して手に入れたが、最近は安い。問題は、ヒータを添わせると熱容量が大きくなり、応答が悪くなることだ。細い材料を使えば、そのものに電流を通じて加熱することもできるだろう。
 このユニットを量産すれば、話は簡単になる。いろいろなパターンを考えているが、長さの変化を期待する方式が一番素直である。これもOゲージは有利である。長さ200 mm程度のワイヤであれば5 mm程動く。テンダの床下につければ良い。長いと抵抗値が大きく焼けにくい。すなわち動作がゆっくりになるから都合がよい。

 形状記憶合金と言えば思い出すのは、伊藤剛氏の線路工夫の保線カラクリである。親方の合図で、8人の工夫が保線作業に従事する。
 完成直後にそれを見せて戴いた時、それだけでも十分に面白いのに、もっと面白くする方法はないかと問われたのでこう答えた。 
「線路がまっすぐでは面白くないですよ。レイルを形状記憶合金で作り、列車が走ってぐにゃぐにゃになったら、線路工夫たちがエンヤコーラして、その間にレイルに通電してジュール熱でピンとさせて見たらどうでしょう。」
 その時の剛氏の顔は今でも忘れられない。

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2009年08月09日

続 DCCの可能性

 DCCの楽しみの一つに燈火がある。
 
 DCのときにはヘッドライトとテールライトが一つづつ付いていただけである。DCCでは最低限がその二つで、あとはいろいろな燈火が付け放題である。
 マーカーランプ、運転室の室内燈、点検燈、場合によっては警告燈(縦軸を中心に左右に振るタイプ、丸く振るタイプ)をそれらしく再現する光り方を選ぶことができる。
 光度も点滅速度も自由に選べる。蒸気機関車の火室下には火がちろちろと見えるのも再現できる。このような燈火は最大8回路あるので好きなように選べる。

 煙を出したければ、そのうちの1つを使ってリレィを作動させ、大電流のON,OFFをすることができるので、かなりの迫力ある煙を出すことが可能だ。

 レイアウトの電源を入れると、サウンドが起動すると同時に、これらの燈火が一斉に点く。機関車の番号を指定すれば、その機関車のライトが明るくなり、呼ばれたということがわかる。設定次第で音を大きくすることもできる。
 火室下の赤い火を明るくすると、出発間近いということになる。ドレインを切りながらゆっくり出発して、列車に連結する。

 出発まで待機しているときはブロワ音を大きくする。前照燈を明るくするとターボ発電機のヒューンという音が大きくなる。汽笛一声、出発である。スロットルを細かく調節し、スリップぎりぎりで加速するのは楽しい。たまに大きくスリップすると、激しいドラフト音が鳴り響き、再粘着と同時に元に戻る。

 このような運転を寝る前に楽しむ。DCCは楽しい。15分のつもりが2時間になる。

 費用対効果を考えると、DCCはもっとも価値あるおもちゃであると思う。




2009年08月07日

DCCの可能性

 重連した機関車を両手にスロットルを持って走らせる話を書いた。自分でもやや異常な雰囲気だと思ってはいたのだが、ある方から、「それは当然です。」という連絡を戴いた。大いに力づけられた。

 コンシストは多重連ディーゼル機関車の制御に用いるように作られている。その証拠に先頭車しかライトが点かないし、汽笛も先頭車だけから鳴る。電車に使うのも全く問題ない。
 手動の協調運転をするときには機関士の数だけスロットルが要るのは当然であるという趣旨である。

 最近、番線切り替えによるルートコントロールの補助装置が安く市販されるようになった。
 ルートコントロールのみならず、車輌検知、信号まで対応する。

 これがあると、ヤードごとに線路配置を描き、ポイントの開いている方向を現示させることもできる。大きな表示装置では勘違いも生じるので、個別に付けられればとてもよい。

 実は筆者の所属しているクラブのOゲージの組み立てレイアウトのコントロールボードがあまりにも巨大である。配線も太く重い。これだけでもDCC化できれば楽である。
 車輌はしばらくはDCで行くしかないと思う。線路だけでもDCC化すると、そのうち車輌をDCC化する人も出てくると思う。
 ここしばらく、筆者は動力車を持っていかない。自分の車輌はDCC化してしまったので、そこでは走らせることができないのである。

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2009年08月05日

続々々 「DCCで楽しむ鉄道模型」

コンシストについての説明がある。コンシストは編成という意味である。要するに重連をしたらどうなるのかということだ。
 いくつかの例が示してある。たとえば碓氷峠の横川駅で待機したEF63などが、やってきた列車に補機としてつなげられる場面とか瀬野・八本松間の解説である。

 確かに同時に一つのキャブから全体を制御できればお手軽ではある。しかしそれでは筆者は満足できない。
 DCCでは、運転者が縮小されてキャブに入っているという錯覚が生じるほど、個別運転が可能である。
 重連では、総括制御ではない限り、キャブを複数作動させて走らせたい。

 特に蒸気機関車は総括制御など不可能であるから補機は別のキャブで運転したい。そうすれば後部補機の押し過ぎで列車が脱線しない様にコントロールする面白さが出てくる。

 筆者はキャブを3台持っている。いつもは2台で遊んでいる。両手に持って重連を楽しむ。汽笛の応酬を楽しみ、場合によっては片方がさぼった状態で運転する。

 押して動くギヤが付いているので1輌でも引っ張れるが、やや苦しい。特に勾配区間では困難だ。勾配に差し掛かった時だけ両方が頑張るとぐいっと引き上げることができるのを見るのは楽しい。

 ディーゼルの多重連は総括制御なのでコンシストに限る。

 


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2009年08月03日

続々 「DCCで楽しむ鉄道模型」

“走らせる鉄道模型”という極めて当然なことが、この本では扱われている。
 DCCが導入されれば、走らせたくなるのは当然である。走らせるためにはそのような機構が必要である。日本の鉄道模型のもっともおろそかにされていた部分が変化せざるを得なくなったのである。
 この本はその部分を大いに改善してくれるであろうと思う。

 筆者は固定のレイアウトを持たない人こそDCCを始めるべきだと思っていた。その実例がこの本に載っている。スナップ・トラック(要するにお座敷運転のパチパチつなぐ線路)を使ってもすぐできる。ポイントの動作は走行電流から取れる。ほとんどのポイント用デコーダは走行電流を少しずつとって充電し、指令に従って放電させて動かす。走っている車輌がつんのめることもない。
 ポイントマシンとコントロールボードを結ぶ、あのうっとうしい電線がすべてなくなる。これは大変大きな進歩である。大規模な組み立てレイアウトでは電線だけで20 kgもあることもあるのだ。

 サウンド付き車輌の運転の楽しさにも触れている。実は筆者がDCC化したのは10年ほど前だが、サウンドが目的であった。
 当時は高価であったが、現在はそうでもない。動力車を購入する価格で何台ものサウンド化が実現する。これは楽しい。

 日本の模型屋さんの中でDCCについての知識のあるところは少ない。やってみれば簡単で誰もが欲しがるものなのに。この状態を放置してきた日本の雑誌の不作為の罪は大きいと思う。

 この本の続編(応用編)の出版を期待したい。

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2009年08月01日

続 「DCCで楽しむ鉄道模型」

 この本を読んでいていくつか気がついたことがある。

 DCCはすべての動力車とポイント切り替えができるはずである。ポイントの切り替えもするのだが、ヤードなどの各枝線には個別のスウィッチを付ける、またはポイントの切り替えによっての遮断をする。という話が二つも載っている。
 要するに、常時通電の「DCCに依る動力遮断」をせず、別の装置(スウィッチであったりポイントの切替えであったり)の遮断をするというわけである。DCからDCCに乗り替えた人にこういう方式をとる人が多い。過去の行動様式が深く刻まれていると、それから抜け出して新しい方式には馴染みにくいものだ。ポイントを切り替えたとき、その線路が遮断されると安心ではある。ところが通電がないので、機関車のランプは消え、サウンドも止まってしまう。
 初心者が読む入門書の最初の部分にこういう話が載っているのは感心しない。DCCならではの楽しみ方を載せるべきだ。過渡期にはこのようなことはあるにせよ、わざわざ書くこともあるまい。付け足し程度の扱いで十分だ。

 この話は、アメリカのDCCの本などによく出てくる。しかしこの手の話とは少し違う。
 DCCを古くから楽しんでいる人は初期の怪しい遮断性能しかないデコーダの記憶があるのだろう。筆者の持っていた古いデコーダにもとんでもないものがあり、OFFにしてあるのに勝手に少しずつ動くものがあったのだ。現在のデコーダにはそんな恐ろしい製品はない。
 アメリカの本の話は、安全装置としての遮断だ。ターンテイブルの枝線にはスウィッチを付けるという話がある。
 
 レイアウトルームに行き、メイン・スウィッチを入れると、いくつかの機関車のランプが点き、またサウンドが聞こえるのは気分が良い。
 機関車の番号を指定すると、その機関車のランプが明るくなり、ボイラの圧力が高まる音がする。汽笛一声、発進!という楽しみが失せてしまうのは残念だ。

 最近のDCCデコーダは性能が格段に上がって、信頼性が高い。
 

2009年07月30日

「DCCで楽しむ鉄道模型」

DCCで楽しむ鉄道模型 7月24日に発売された本である。DCCの解説書としてはバランスの取れた本であり、お勧めしたい。

 さすがはオーム社である。本の作り方が上手である。他社から出た本とは根本的に異なる。以前の本を読むと、出版社編集部の知識がないのがわかってしまう。
 特定の会社の製品をこれしかないという感じで扱っている。著者がその会社の代理店になろうとしているかのように読めてしまうのだ。そんな本を知らずに買えば、洗脳されてしまうだろう。
 世界は広く、よいものは他にもある。

 出版社には責任がある。メディアとして社会に貢献するつもりなら、広く意見を求めなければならない。
 日本でDCCについての「技術書」を出そうと思えば、NGDCCを無視することはできない。永末氏以外に確実な知識のある人などどこにもいないのだ。
 今回、オーム社は永末氏に取材を申し込んでいる。当然と言えば当然なのだが、それを意図的に排除した本は参考書としての価値は低くなるだろう。

 三矢英輔氏の素晴らしいレイアウトの紹介記事も興味深い。

 今回この書を入手できたのはごく一般的な書店である。鉄道図書のところに平積みになっていた。売れるであろうと思う。
 ようやく、DCCの普及の兆しが見えてきた。

2008年08月18日

Charlieのレイアウト

Charlie's Layout Charlieは、Abileneの北50マイルくらいの町に住んでいる。想像を絶する田舎で、牛の数の100分の1も人間がいないだろう。道路が舗装してないのにも驚いた。赤い土埃を立てながら、車が走った。
 T&Pの支線が通っていたらしいが、30年位前に廃止されたらしい。チャーリィの奥さんの出身地にヒューストンから引っ越してきて、家を建てたのだそうだ。この土地としては珍しい地下室のある家である。退職後は田舎暮らしをしたかったのだそうだ。
 
 もともとは石油掘削機器を作る会社に居た。特許を7つ持っていて、壁にその特許証を額に入れて飾ってある。非常に緻密な思考をする聡明な技術者である。

 地下のレイアウトは 8 m × 12 mくらいで、アメリカのレイアウトとしては小さい。当然DCCであるが、半数の機関車がDCなので部分的に切り替えられるようになっている。レイアウトの制御はDCCである。
 ポイントが40台ほどあるが、「配線が少なくなって楽だった」としみじみと言う。もしこれがDCCでなかったら配線の量は10倍であっただろうと言う。

 レイアウトの高さは48インチと36インチであり、その間を勾配線がつないでいる。ヤードは有効長が5 mほどで、あまり長い編成は組めない。15輌くらいの貨物列車をコンソリデーションやミカドが牽く。勾配がきつく、長い列車を牽くのは無理であった。「重連をやりましょう。」と提案すると、「そうだ、それはまだやったことがないね。」と乗り気になった。35輌の貨物列車を筆者が組み立ててつないだ。

 Consistという重連の仕方ではなく、二人で二台の機関車を運転し、掛け声をかけながら発車した。ディーゼル電気機関車の重連はコンシストが自然であるが、蒸機の場合はキャブ2台の方が、ずっと楽しい。登り坂では両方が頑張らねばならない。 峠を通過するときは「閉める!」と叫ぶ。lead engineの機関士に決定権がある。重連時の汽笛の鳴らし方はマニュアルを探さなければ分からないと言うので、声による意思疎通であった。久しぶりに楽しい運転であった。 

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2008年07月21日

NCEの新製品

NCE Power Cab NCEはDCC製造各社の中で最右翼である。製品は手堅く、ハイエンドの製品を作っていた。

 しばらく前、このPower Proを発売した。実売価格は驚くべきことに150ドル弱である。軽いので郵送料も知れているから、日本からでも買いやすい。電流値は最大2 Aくらいであるが、筆者の車輌の走行およびポイント切り替えには十分である。

 独立した電源トランスが不要で、100 Vから240 Vまで使える小さなDC電源が付属している。この本体の機能は通常型のPro Cabと同等で、なおかつ小さな電源も内蔵している。6芯のケーブルでジャックにつながれる。普通は4芯であるから、残りの2本で2 A 弱の走行電流を受け持っているのだろう。

 さらに60ドルくらい出せば、3 A型にグレイド・アップ出来る。3 A 出力のブースタというものを買い足すわけである。ほとんどの人はそれで十分であろう。もっと出力が必要であれば、それをさらに買い足せばよい。いくらでもつなぐことが出来る。

 このPower Proの発売でDCC人口がかなり増えたようだ。この価格なら、欲しくなる人が増えて当然だ。HOの完成品を買うと、DCC仕様になっているので、それを運転するのに必要だということが大きい。
 また、レイアウトの本線用にはすでに持っていても、試運転に使用したり、筆者のように、可般式モジュールの付属品としての購入が多いようだ。普及したと云えども、DCCがない場所でのデモ運転には必要だからだ。


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2008年07月19日

Nagasue's Stationary Decoders

Nagasue's Stationary Decoders 最近組立て式レイアウトに夢中になっている。そのポイントマシンを制御するDCCデコーダを紹介したい。

 前述のように、分岐モヂュールの有効深さが25mm程度しかないので、スロゥモーション・ポイントマシンは採用不可能である。背の低いものは、ツイン・コイル型しかない。引き出しの中を捜すと、いくつか発見できたし、追加分をe-bayで落札することもできたから、必要数は満たせた。さて、それらを駆動するためには大電流を流せる電源が必要であり、なおかつ、それを瞬時に放電させるにはスウィッチの容量も問題である。多分すぐ焼けてしまうであろうと思われた。

 筆者は大容量キャパシタに溜めた電荷を放電させるタイプが好きである。半導体のスウィッチを使えば焼けることはないが、その回路構成を考えると頭が痛かった。そこで永末氏のデコーダを薦められたのだ。このデコーダの優れているところは、線路を流れているDCC電流を少しづつ拾ってキャパシタに充電するところである。アイデアはすぐ思いつくが、実行は難しい。さらにそれを倍電圧検波して端子電圧を最大限上げている。Q=CVだから、電圧上昇の効果は目覚しい。強力にポイントマシンを動かしてくれる。また、ルート・コントロールの時は、1台あたり最大4つまで順次パチン、パチン、パチンと動かしてくれる。このあたりの作動状況は、見ていて楽しい。

 充電電流は僅かに100mA程度である。小さな電源を使っていたとしても、走行中の列車の速度が落ちることもない。大変よく出来た製品である。

2008年05月03日

続々 レイアウトは進化する

 ウォーク・アラウンドにすると無線にしたくなる。
以前は、ソケットをあちこちに用意して差し替えながら歩くという方法があった。筆者は70年代からその方式を採用していた。もちろん、ソケットから抜いた状態では、列車はその速度を維持する。

 これは Model Rairoad Craftsman誌に連載されたSWACという方式を採用したときのことである。当然DC方式で、それにはボタンが二つしかなかった。ひとつを押すと、押している間加速を続け、離すとその速度を維持する。もうひとつのボタンを押し続けると、減速し、そのうち停止して逆行を始める。

 あたかも物理のmaの実験をしているような感じがした。これを神戸の故魚田真一郎氏が大変気に入って、しばらく貸していたことがあった。
 SWACは、DC方式では最も進化した方式であった。もう使うことはないが、大切に保存してある。

 さて、電線がつながっていると、いろんな点で不便である。引っ掛かったりするし、もう少し遠くまで伸ばそうと思っても無理であったりする。これを英語ではtetheredという。テザァとは犬の首輪の綱や、馬のつなぎ紐という意味であって、人間が自由に動けないことを意味する。

 ウォーク・アラウンドは無線でないと面白くない。無線は光方式と電波方式がある。どちらも一長一短である。いずれBlue-Toothなどの方式を採るであろう。
 
 視点に近い線路高、ウォーク・アラウンドの組み合わせはレイアウトを数倍面白くする。

2008年05月01日

続 レイアウトは進化する

 時々、筆者のレイアウトを見にいらっしゃる方がある。「レイアウトを作りたいので参考にしたい」というわけである。彼らが一様に驚くのは基盤の高さである。48インチ(122cm)を見て「高すぎる」とおっしゃる。「遠くまで見えない」とおっしゃる方もある。

 ほとんどの方は、長方形のレイアウトを作り、その片隅から全体を俯瞰して操作するおつもりのようだ。それは四、五十年前のコンセプトである。それから抜け出すのは、非常に難しいことらしいと感じる。

 それはDCCを採用していないからだと思われる。DCCを使えば、スウィッチ・ボードはほとんど不要となる。ワイヤレスのコマンダを使えば、どこに居ても列車に指令を出せる。ポイントの切り替えも、個別の指示を出す必要はない。運転して見るとよく分かるが、ポイントの切り替えは、ほとんどいくつかのモードでしか行われないから、そのモード番号を入れるだけである。
 1番線通過モード、2番線での退避モード、機関区からの出発モード、操車場への出入りモードとかの数パターンしかない。

 細かい操作は、スウィッチ・マシンの番号を入れて行うが、それもモード別に整理できるものが多い。セクショナル・スウィッチ・ボードを作ってもよい。

 ウォーク・アラウンドのコンセプトも、お分かり戴くのが非常に難しいようだ。Andy Sperandeo氏とは、押して動くギヤの件でお世話になり、その後ご無沙汰していたが、第一回のJAM会場で再会した。そのときいろいろな話をしたが、「日本にもウォークアラウンドを根付かせたい」という熱意が溢れていた。彼の講演で出てきたのが、先回の「低空飛行のヘリコプタからの展望」の効果である。すばらしいお話であったが、果たしてどのくらいの方が、理解されたのかは分からない。

 少なくとも、日本の雑誌ではウォーク・アラウンドを採用しているという記事には、ほとんどぶつからない。 

2007年06月25日

続々 Track Cleaning

Track Cleaning Car 集電を良くするには、汚れを取るのはもちろんだが、表面の酸化被膜を取るという意味もある。しばらく走らせていなかった側線に入線するときは事前の清掃は重要だ。それには、物理的な清掃も欠かせない。

 この写真の清掃車は戦前のものらしい。Louのところで見せて貰った物で、今となっては珍しい外側三線式用である。ブラシが金属製でないところが興味深い。

Track Cleaning Car Underside これは裏から見たところである。

 今なら、電池を積み、ラジオ・コントロールで好きな場所を清掃できる。掃除機も小型で強力なものがある。押していく機関車もラジオ・コントロールにすれば集電不良の心配もない。

 実は今それを製作中である。筆者のレイアウト中、特定の箇所の集電不良に悩まされている。その場所は手が届きにくく、困っている。長い棒に細かい紙やすりを付け、軽くこすってから、流動パラフィンを塗って重量列車を走らせると大抵直るが、それを一度で解決したいのだ。古いラジコン自動車から外した駆動装置を流用している。ブラシはブラスのカップ状ワイヤー・ブラシを使う。ブラシ用モータはジャンク屋で手に入れたギヤード・モータである。

2007年06月24日

続 Track Cleaning

 一般の流動パラフィンは石油の蒸留により分子量が300前後のものを集め、それを発煙硫酸などで処理し、その中の硫黄分などを完全に除いてさらに精製したものであり、吸い込んだり飲み込んだりしても全く害はない。ちなみに、この操作で廃棄物として出るのは悪名高い硫酸ピッチである。

 買うときには、工業薬品店を電話帳で探して「流動パラフィン」と言えばすぐに売ってくれる。多分印鑑も要らないだろう。500gの瓶入りしかないので、小瓶に分けて、レイアウトに置いておく。必要に応じて細い刷毛で塗ればよい。蒸気機関車の場合は、動輪に直接垂らして、走らせれば良い。

 発煙装置に入れる油も流動パラフィンの一種である。臭いがないが、広い意味では灯油の一種であると言える。Paraffinはイギリス英語では灯油の意味で使うこともある。

 特別に純度の高いものはNujolと言う。ヌジョールは、赤外分光装置で分散媒として使う。

 ともかく、鉄道模型で使う分には、臭いを気にしないならば普通の灯油でも良いということになる。灯油にはある程度の天然の硫黄化合物が入っている。日本では気がつかないが、産地によって臭いが異なる。たとえばアメリカでは、ペンシルバニアの灯油とテキサスの灯油では違う臭いがするのだ。

 引火の心配をする人もいるが、灯油は約40℃以上でなければ引火しないような成分になっている。すなわち、灯油は人間の生活環境では引火しないように作ってあるのだ。流動パラフィンの引火点はもっと高い。

2007年06月23日

Track Cleaning

 DC運転をしていたときにはあまり気がつかなかったが、レイルと車輪の表面はかなり汚れるものだ。DCCでは電流の断続はデコーダの誤作動、サウンドの雑音その他の悪影響の元となる。

 レイルを磨くという方法もあるが、磨くとレイルは確実に減る。少しでも長持ちさせたい。それにはレイル表面を洗うしかない。

 色々な接点復活剤が市販されている。それらを大きく分けると、溶剤系のものと潤滑油を含んだものとに分かれる。

 前者はこれまたたくさんの種類に分かれ、炭化水素、アルコール、エステル、ケトン、その他、あるいはそれらの混合物がある。最近は、リモネンというオレンジの皮からとる物質を含んだものが流行である。しかしこれはかなり強い果物の香りがする。

 蒸発しやすいので何も残らないが、濡れている間にプラスチック、塗料を溶かしたりする。また、その間にこすらないときれいに落ちない。ということはある程度、蒸発速度が小さいものが良いので、順に調べていったところ、リグロインという灯油よりもやや蒸発しにくい炭化水素が大変な好成績を収めた。

 レイルに筆で塗っておいて、列車を走らせると、先頭から10輌くらいの車輪に広がり、走ればこすられるので汚れが落ちる。それは車輪の踏面から横に押し出され、乾いて落下する。レイアウトの周回線路上に何箇所か塗ると、その一日は、ほとんど問題なく楽しめる。

 さらに分子量の大きい「流動パラフィン」という、石油のある溜分を用いても同様であるが、蒸発までの時間が長く、こちらの方を好む人も多いだろう。

 どちらも、人間に感じられる臭いは無く、引火の心配もない。これをタンク車に入れて、DCCで目的の場所に塗布できればとても愉快だ。

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