蒸気機関車 模型

2023年08月25日

貫名氏の報告

 JAMが終了し、その報告を戴いた。

 このブログの読者は、興味深く観察されたそうだ。現物を見るのは初めての方も多かったようだ。運転の滑らかさ、直接手で押して動くその軽さには、どなたも驚かれたそうである。
 数人の方はギヤセット(ギヤボックス付き)を欲しいと注文されたようだ。ある程度の腕のある方は、マニュアルさえあれば換装は可能である。ただし、リーマを持っていないと難しい。
 
 現在開発中のより薄いギヤボックスができれば、さらに応用例が増えるであろう。筆者はHOを触ったことがないので、勘所が分からず、購入者からの質問にもうまくお答えできないことがあったが、今後は貫名氏が頒布してくださるそうで助かる。注文してあった薄型ギヤは納品されたので、現在ギヤボックスの制作中である。換装マニュアルを一部分書き換えねばならない。

 今までは日本製の模型を換装することを考えていたが、韓国製機関車の換装は思わぬ障壁があるそうだ。動輪軸断面が真円でないものがあるという。そうなると、ボールベアリングが入らないこともある。
 模型といえども、まともな工業製品である磨棒鋼を使用してあるものと、そうでないものの差は大きい。正しい磨棒鋼が手に入る国に生まれたことを感謝したい。

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2023年08月13日

続 高効率ギヤ搭載機関車の展示

 どの様な展示になるのかは当方には全くわからない。観客が見たいものが何か、は貫名氏が考えてくれてあると思う。 
  
 重い列車をじわりと牽き出す様子、坂の途中で再起動する様子などを見せてくれると面白い。先にご指摘のあった、押して動き、前照灯が点くという場面も面白そうだ。 

 貫名氏は工学を修めた方なので、この種のメカニズムのキモは確実に押さえている。解説は正しく、観客の知りたいところを確実に見せて下さると期待している。

 今年もあの怪しいコンテストはあるのだろうか。低速、高速の話だ。負荷無しでやるのは小学生程度だと書いて、非難轟々かと思ったが、実際には「よくぞ言ってくれた。」という御意見をたくさん戴いている。やはり、分かる人は分かっているのだと安心した。

 重負荷での挙動を評価するコンテストがあれば、この歯車を装荷した機関車は、どの分野でも上位を独占するだろう。効率が高いということはそういうことなのである。 

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2023年08月11日

高効率ギヤ搭載機関車の展示

 貫名氏のお話では、近々開かれるJAMの会場内で、貫名氏とお仲間の皆さんが高効率ギヤ搭載機関車の運転を披露するそうだ。場合によっては、押して動く場面を目近で見ることができるだろう。

 貫名氏達は、すでに多くの機関車を換装されている。その動きには大変満足され、このメカニズムをより多くのファンに知らせたいということである。このメカニズムの露出を増やして欲しいとお伝えしたところ、この様な事になって望外の喜びである。

 これは開発者としては身に余る光栄である。筆者自身はHOには疎く、このメカニズムの換装促進には全く寄与できない。しかし、今回それが、購入者によって行われる、というのはとても嬉しい。

 このギヤには某大手が触手を伸ばして来ていたが、結局のところ業務縮小で立ち消えとなった。もう3年ほど前に接触できれば、また異なる展開になったであろう。

 現在のギヤはギヤボックスの幅が十分狭いとは言えないので、既存の台枠に無調整で入るわけではなかった。近々、より狭いものを発表するので、換装はかなり簡単になるだろうと思われる。 

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2023年07月02日

続 押して動く機関車

 コメントにもあるが、他の多条ウォームの駆動装置は滑らかには動かないそうである。その理由を色々な人に聞かれたが、現物を持っていないのでよく分からない。ただ2つだけは言えることがある。

・歯数が互いに素になっていない場合は、どこかに引っ掛かりがあるとそれが解消されるということがない。すなわち、いつまでも同じところで引っ掛かる。単純な話なのだが、この理屈がわからない人が多いようで、同じ説明を何百回となく、している。すべての歯が相手の異なる歯に当たるようになっていないといけない。極端に高精度の歯車はそういうことを考慮しなくても良いらしいが、ほとんどの実用機械(自動車も含めて)は互いに素になっている。作るとき指定するだけなのだが、これが出来ていないとアウトである。

・ウォーム軸のスラストを正しく承ける様になっていないと引っ掛かる。せっかくスラスト軸受を入れても、ラジアルベアリングと触れているようでは意味がない。これについてはここでも議論されている。
NMB made in Japan HOゲージなら、スラストベアリングを省略してラジアルベアリングでスラストを受け持たせることができる。ギヤボックスは十分精密に出来ていて、無調整で完成する。写真はやや大きな内径 3 mmの溝つき型。許容荷重が大きい。

 あとは先回の記事にあるように、バックラッシを極力減らすことである。潤滑油が回る程度の隙間があれば良く、事実上ガタ無しで良い。開放型ではホコリを巻き込んで駄目になるのだが、こちらの注意を聞かずに開放型にしてしまい、動かなくなったと文句を言ってきた人もある。そういう人には売らないことにするつもりだ。

 I田氏の動画に既存のものとの比較がある。差は大きいようだ。探し出せないが、他の動画では押しつけてガリゴリと逆駆動しているのもあった。  

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2023年06月30日

押して動く機関車

 先日の記事で、「手で押して動くというのは、さほど意味はない」と書いたところ、複数の方から突き上げを喰らった。大いに意味があるとおっしゃる。

「単にギヤを替えただけでは、押さえ付けなければ動かない程度に思われてしまいますから、軽く転がるまで整備しています。」
「押せば発電して電気が灯り、他の機関車も動きます。今まで見たことがない光景が繰り広げられます。これは楽しいです。」

 などである。

 確かに、初めて見ると興奮するだろう。それは副次的な効果であるが、筆者も39年前にそれをやっていたことを思い出した。すでに時は流れ、それが当然であるので、忘れていた感覚であった。確かに、合葉氏大変興奮していた。

 効率が良いと、このような効果を生む。多条ウォームを使っても、設計が良くないとこのような結果は得られない。とにかく音がするようでは根本的にアウトである。
 設計するということは、注文することとは違う。そこのところを理解していない人はいる。歯型が大切なことを理解していないのだ。

 工学系の友人はもう1つ付け足した。
「ウォームを押しネジで留めているのは、全て駄目です。」
その通りだ。首を振っている可能性が高い。今ならロックタイトがある。昔は軸にローレットを切って圧入した。また、ハンダ付けする人も居た。 

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2023年06月26日

続 高効率ギヤによる走行

 いくつか意見を戴いたが、その内容はほとんど同じであった。改装して走らせているのは関西方面の人が多い。関東で高効率ギヤを使って走らせている実例を見たことがない、というものであった。
 関東にもかなり出荷されているが、実際に装着して走らせたという連絡は、確かに少ない。8月になればJAMがあるので、そこで見られるかも知れないと期待はしているが、実際のところはどうなのだろう。

 このギヤの真価は重負荷のときに現れる。手で押して動くというのは、さほど意味はない。要するに、勾配線も無いようなレイアウトを、軽い編成を牽いてぐるぐる回すだけの人には意味がないのである。平坦線なら、数十輌の貨車、あるいは10輌以上の鋼製客車を牽いてゆっくり発進して止まるのを見せ付けて欲しいものだ。

「ウォームギヤは音がするものだと思っていたが、このギヤはしない」という話が聞こえて来た。初めは、一体何を言っているのかよく分からなかった。彼が言うには、市販のギヤはガリガリ音がするのだそうだ。それはひどい話である。これについて、工学系の友人は、
バックラッシのせいではないかな。」と言ったので、さらに驚いた。
 本来ウォームギヤは、バックラッシが無くても良い歯車である。昔から、ウォームの調整は、少し隙間を空けるとTMSにも書いてあった。今回頒布のギヤボックスではバックラッシをほとんど無くしている。ギヤの精度が高いのでそれを実現できるのだ。 

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2023年06月24日

高効率ギヤによる走行

 高効率ギヤを採用された方から、情報を戴く。非常に評判が良く、開発者としては嬉しい。もっとも、これを新規に開発した訳ではなく、O scale のディーゼル電気機関車用として開発したものを薄くして、HO蒸気機関車用に流用できるようにしただけのことである。とは言うものの、専用ギヤボックスとの組合せができなかったら、ここまで浸透しなかっただろう。3Dの師のS氏には感謝する。

 いくつかの動画がある。まずこの動画からご覧になると良いだろう。実際にレイアウトで走らせている方は少ないらしいので、参考になる動画である。たくさんの動画を発表されている。
 この動画は重負荷でゆっくり起動する様子を写している。高効率ギヤの真髄である。この種の動きは、今までのHO模型ではまず見られないはずだ。筆者はOゲージで40年近く前からやっているが、それを見た人は、「Oゲージだからできるのさ。HOでは無理」と諦めていた。
「いや、できるはずだよ。」とは言ったが、歯車を用意しなかったので、そのままになった。今思えば、ディーゼル電気用は30年以上前からあるので、やる気になっていたら、可能であった。
 今回は I 田氏からの要望で思い切って作ったわけだ。300組作ったが、すでにほぼ完売した。一度にたくさん買う人が数人いて、その人達のグループ内で競って改装したようである。
  
 ヒステリシスの小さい伝達装置で、モータの出力が動輪にそのまま伝わる。だからこそ極めてゆっくりと起動できる。また客車の車輪はHO用 Low-Dで、極限まで摩擦が小さくなっている。
牽かれる車輌の責任」という言葉を導入したのは筆者であるが、最近はあちこちでお目にかかる言葉になったのは嬉しい。


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2023年04月25日

再度 ユーレイについて

 山線のレイアウト上でユーレイの実効性が確かめられたとあった。勾配線対策の決定版とあるが、そうだろうか。

 押されたテンダが脱線とあるからには、失敗と考えるのが妥当ではないか。本来、勾配を乗り切ろうと思えば、補機を考えるのが普通であろう。大きな重い車輌が押しているというのは、極めて調子が悪い。DCCを使っている訳でもないので、動力の配分はむずかしい。

 I田氏に“ある装置”を進呈したら、この用途にも使えるかもしれないと連絡があった。早速試運転をしているようだ。今回のような重連にも使えそうだと、新しい工夫をしているようだが、さてどうなるだろうか。楽しみである。


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2023年04月21日

歩み板の取付

内野氏の歩み板 これもTMSに発表されている。これは参考になった。機関車は重く、下手に触ると壊れてしまう。ここにもあるが、人の機関車を無造作に掴む人が居る。大抵はHOの人だ。HOならば軽いし小さいので、どこを持っても壊れることはない。Oでは3 kgから4 kg 程もある。関節機であれば 6 kgもある場合もある。それを握られたらたまったものではない。人のものは触らないというのが鉄則なのだが、無造作に持とうとする人は跡を絶たない

 あるコンテストで筆者の機関車がわしづかみにされている証拠写真が有った。その後ろにはそれを見ても気にせずニヤニヤしている人まで写っている。その箱には持ち方を大きな字で説明した紙を入れてあったが、ラニングボードはひん曲げられ、あらぬ姿で返ってきた。
 骨は入れてあったが、歩み板そのものは薄いので曲がってしまったのだ。骨の部分は尖っているので、そこを避けて持ったようで、あまり意味はなかった。それを見て、ある友人は、「歩み板の裏側に見えないようにトゲをたくさん付けておくと良いかな。」と言った。  

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2023年04月15日

位相合わせの方法

 内野氏の位相合わせ法この方法はTMSに載っていた。筆者も何回もやっている。クランクピンが円筒形であるから、楽である。

 HO以下では、クランクピンがネジ込みである可能性が高く、うまくいくかはよくわからない。 
 上盤とあるのは定盤の書き間違いである。清書の時に間違えたようだ。下書きは合っていたのだ。  

 結局のところ、筆者は津田駒の万力を安く手に入れたので、それで専用の位相合わせ機を作った。今、蒸気機関車用の歯車を作っているので、それができればやりたい機種が目白押しで並んでいる。
 アメリカの友人からの要望もあるので、待ち遠しい。

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2023年04月01日

高効率ギヤ

 高効率ギヤで機関車群を改装された方が来訪した。もう20輌程改装したそうだ。

「人生を無駄にしました。」とおっしゃるので何事かと聞くと、
「数年前まで、このギヤの存在を知らなかったのです。80年代にとれいん誌に載ったのを見ていなかったので、動力改造に無駄な時間を使ってしまった。」

 確かにTMSに載せなかったのは、失敗だったかもしれない。読者の数も層も違った。それには一つ理由があった。
 この種のアイデアを人に見せると、それをすぐに特許申請する輩が居るのである。それを察知したので、直ちに雑誌に載せれば、公知の事実となり、誰も特許申請ができなくなる。筆者は、この特許で金儲けができるとは思わなかった。模型界の売上高は見当が付いていたからだ。このアイデアは広く使われるべきもので、特許で縛るのは良くないと思った。誰でも出来るように要点をすべて書いた。

 すぐに載せてくれるのはとれいんしか無く、思った通り一月で載った。それで解決と思っていたが、某模型店が特許申請をしたという情報を得た。出向いて社長に会うと、驚いたことに、
「あれはうちで作ったもので、特許の権利はうちにある。」と言う。そこで、そのとれいん誌を開いてみせると絶句した。
「あなたが特許を申請する一月以上前に、この雑誌が発行されていますね。」

 その後のことは思い出すのも面倒だが、一つだけ呆れたことを言ったのは覚えている。
「日本の模型界では各社が持っている特許を互いに無償利用できることになっている。」という出まかせだ。
「ほう、よその会社に行って今のことを伝えましょう。お宅の特許はただで使えるとね。」
 社長は青息吐息で、這いつくばった。
「これで御勘弁を…。」
 筆者は無言で会社を出た。その後、その社長は筆者と出会うと、いつも逃げて行った。 

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2023年03月22日

続 Climax

Climax F2 どちらも押して動くようにするために、駆動装置を徹底的に改良している。そうなると歯車の噛み合わせは重要だ。
 
 平岡氏の歯車設計の式を眺め、難しそうだがやってみるかとも思った。しかし、動けば良いだけなら、3Dプリントという手もある。
 円筒にインボリュート歯を付け、それを絞って円錐にして傘歯車を作る。その断面を解析して円錐に貼り付ければ、それと噛み合うような食い違い傘歯車を作れるかもしれない、と3Dの専門家と協議していた。そこに、Lobaughのギヤでも動くようになったとの報らせがあり、ひとまずオリジナルのギヤでの走行となった。
 F氏はこれらを Free to Roll にして、同一線路上で片方を押せば他方が動くようにしたいと言う。歯車が多くて効率が稼げないから、かなり難しそうではある。 

 このキットを完成させて走らせることが出来た、という話は過去数十年間、聞いたことがないので、現在の販売元は大喜びらしい。走行動画を公開すれば売れるかもしれないからだ。 

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2023年03月20日

Climax

 当博物館には、Climax式の機関車のキットがあった。1960年頃、Lobaughが売り出したもので、ギヤは食い違い傘歯車であった。本物を縮小しただけのようで、かなり歯が細かく、わずかの心ブレでも不調になるものであった。雑誌の記事にその完成品の写真があったが、走ったとは書いてなかった。調子が悪いことは有名で、筆者の友人も「駄目だ。」と言っていた。150輌弱製造され、売れたのが100輌程で残りはLobaughに死蔵されていたようだ。筆者の親しい友人 Bob がそれを買い取り、少し改良部品を付けて売りに出したのだが、ほとんど売れなかった。それを1輌手に入れて土屋氏にお渡ししたが、半製品で博物館に寄贈されたのだ。

Climax F F氏が組んでみたいと希望されたので、お渡しした。部品が間違っていたりして大変だったようだ。そうこうしているうちに、F氏はその販売元から、ご自分の分も買った。2輌まとめて組立ての途中である。 


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2023年03月18日

平岡氏の記事

平岡幸三氏平岡幸三氏2平岡幸三氏3平岡幸三氏4 内野氏のところから来た膨大な資料の中に、日本機械学会誌の切り抜きがあった。それは平岡氏がClimaxの1/16模型を作られた時のことを書かれた記事であった。

 誰も実現していないことを初めて達成した時のことが書いてある。興奮して夜中にも拘わらず、小さかったお子さんも叩き起こして見せたとのくだりは、筆者も似たようなことがあったことを思い出させた。

 この記事は学会でもかなり評判が良かったそうだ。この記事をスキャンして発表しようと思った。しかしネット上でも発表されているとお知らせ戴いたので、紹介する。

 クライマックスは歯車が命である。昔どこかで見た本で、適当に鋳物を作って、その歯面にヤスリを掛けて仕上げている場面があった。かなりいい加減だ。回転速度は大したことがないので、ゴロゴロガラガラと走っていたのだろう。そのうち擦り減って落ち着くというわけだ。


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2023年02月26日

0-4-2 のイコライジング

 今野氏のブログで木曽森林のBaldwinの機関車の話題が続いている。発売は50年以上も昔の話だ。その割には現物が走っているのを見たのは少ない。ろくに走らないのだ。
 その理由は当時のモータの大きさにある。キャブと炭庫を完全に埋め尽くすモータであって、重心が第ニ動輪より後ろにあるかもしれない。軸は固定だから、第一動輪はほとんど意味がない。脱線しやすく、牽引力は少ない。

0−4−2 40年ほど前、井上豊氏にお会いしたときに、
「木曽森林は調子が良くないようですね。」と言うと、井上氏はさらさらと絵を描き、
「機関車自身の重心はこの辺にある。遠くに従輪を持って行ったのは、なるべく動輪に機関車本体の重さが掛かるようにしているんだ。」
と説明してくれた。4-4-0を前後ひっくり返したような構成だ。
「でも後ろのほうが大きくて重そうですね。」と言うと、
「ボイラ・火室は厚い鋼板だ。後ろの水槽とか炭庫はペラペラの板だ。満載しても鉄の比重にはかなわないさ。この構成にすると、炭庫、水槽の中身が牽引力に影響を及ぼさない。これは、タンク機関車には重要なポイントなのだ。」と教えて下さった。
 確かに、国鉄のC11などは炭水庫に満載でも空でも、動輪上重量がほとんど変化しないように設計されている。

 しばらく前のコメントで、Tavata氏が全く同じことを書かれたので、その解説を書こうと思っていたが、1年以上経ってしまった。
 現在では、モータは小さく軽いので、後ろを薄い板で軽く作って、なるべく前に補重すべきだ。そうすると実物のようなイコライザでも良いはずだろう。しかし、補重が足りそうもないので、ボイラを中の詰まった挽物にした上で台枠の中も高密度の金属(鉛では足らないかも)で埋めるべきかも知れない。

追記:発売中の蒸気機関車という雑誌に、高木宏之氏がC10,C11の軸重について書かれているそうだ。タンク機関車の軸重は炭水庫積載量に影響を受けない構造となっているとの記述を裏付ける文章とのことである。        2023年3月30日

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2023年02月24日

続 FEF4 のデモ運転

 動輪があまりにも軽やかに空転するので、この機関車はとても軽いに違いないと思った人も居た。機関車を持たせると仰天した。3.2 kgもあり、牽引力は 7 N もある。そう簡単には滑らないはずなのだ。

 テンダも 3 kg強あるが、軸重はやや小さいが伝導軸が多いので、多少滑りにくい。その結果、動輪のほうが先に滑ることになる。 

 短い線路では運転は難しいので、付き添って運転指導した。勝手に触ると事故を起こすので、それは釘を差しておいた。

 会場の奥の方で運転したのだが、観客席から見ていて、声を掛けて戴いた方も居た。
「この機関車の運転が見られるとは思わなかった。」と感謝された。「まさに実物のような動きですね。」とおっしゃる。特に、ブレーキを掛けて動輪が止まったまま滑っていくのには驚かれた。止まる前に逆電圧を少し高めると逆回転するのは、
「実に面白い。」とのことだった。
 この動画は1月に名古屋模型鉄道クラブで撮影したものだ。オリジナル画像はなめらかで良いのだが、Youtubeの動画は動きがぎこちない。どうしたものかと悩んでいる。

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2023年02月22日

FEF4 のデモ運転

FEF4 先日の神戸の行事に慣性増大装置付きのFEF4を持っていった。6 mの線路と電源も携行した。テンダが重いので、機関車全体では 7 kg弱である。

 線路を敷いてすぐ、運転を開始した。単機でも出発時に動輪がスリップするのを見るのはクラブ員も初めてで、集まって見て戴いた。

 運転は難しいので、最初は許可しなかった。思うところで止められないので、大事故が起こる可能性があるからだ。実際のところ、筆者の運転でも2回停め損なった。しかしそれは超低速運転だったので、大したことにはならなかった。動いているのが見えなかったのだ。
 停止から極めてゆっくり起動することができ、その速度を保てる。それを見て驚く人も多い。怪しい低速コンテストとは全く異なる動きだ。

 先輩からはこのような言葉を戴いた。
「実物で見られる動輪の空転や、停止直前の滑走は、質量の大きさから来るものです。Oゲージ程度の大きさでは、到底実現不可能と思っていたものなので、大変興味深く見せて戴きました。何十年もの間研究された結果とお聞きし、趣味の神髄を味わわせて戴きました。」

 こういう感想を戴くのは嬉しい。


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2023年02月06日

続々 太いボイラ

 筆者がアメリカに居た頃に、このK4のボイラが太いということは聞かされていた。シカゴのMike Hill氏は6輌のカツミ製K4sをカスタムビルダに作り直させ、かなりの価格で頒布したそうだ。

 それを聞いていたにもかかわらず、筆者は西部の機関車に興味が向いていたので、現物を見ることがあまりなかった。一方10年ほど前から、三線式のスケール車輌が出廻るようになった。ライオネルの線路を走らせるので、急カーヴを曲がれるように一部のフランジがなかったりするが、上廻りはよくできている。本物の図面を渡して中国で作らせているので、ボイラの外形はとても良い。三線式は販売数がとても多いので、大抵はダイキャストである。時間が経つと壊れる可能性もあるかもしれない。

 カツミの旧製品のK4s パシフィックは、一言で言うと立派過ぎる。火室の大きさだけでこんなに印象が変わるものなのだ。それはチャレンジャについても言える。ビッグボーイの長さを切り縮めただけで、火室が大き過ぎるのだ。後に作られた韓国製、中国製のボイラの形はすこぶる良い。ボイラの形は例外なくシロナガスクジラのように真ん中が太いのだ。キャブの前は絞られている。
 ビッグボーイも近くで見ると、ボイラ中央部が膨れて飛行船のような感じである。

 今回、K4s をじっくり眺めた。横から見ている限りはなかなか良いものである。汽笛の位置、向きは興味深い。Tom Harveyの気持ちもよく分かる。


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2023年02月04日

続 太いボイラ

PRR K4 SofuePRR K4 old これらを修正するのはかなり難しいが、アメリカのカスタムビルダの中にはそれをやった人がいるらしい。今は高性能の細いモータが手に入るのだから、できないことはないだろうが大変だ。
 さて、左は祖父江氏が作った最後のカツミのOゲージ製品である。火室側面は、右の旧製品とは格段の差があり、細くなっている。

from topcomparison2 上から見るとこんな調子だ。火室後部のすぼまりがよく分かる。この製品がカツミから出たときは筆者は留守をしていてよく分からなかったが、今見るとその差には愕然とする。

comparison 斜めから見るとこんな具合だ。ベルペア火室の上の部分が大き過ぎるが、違和感を感じさせるのは、むしろその下のラニングボードと接するあたりの幅である。
 当時のモータではどうしても幅が小さくできなかったのだろう。祖父江氏の工夫でなんとか収めようとしたのだが、力及ばず広くなっている。
 
HO and O HOの模型を並べてみた。これはユナイテッドのK4sである。不思議なことにカツミの旧製品と似ている。棒型モータで、多少の隙間があるのだが、太いボイラである。これについては太いとかいう評判は聞いたことが無いのは不思議だ。HOの人はそれほどこだわらないのだろうか。それともOゲージの大きさが、その差を訴えるのだろうか。
 その昔、「とれいん」が発刊された頃、Y氏が輸出されていた機関車を褒めまくって、寸法が正しいとか言っていたが、その記事の写真もこれと全く同じである。 

 これらのジャンクで手に入れた機関車に手を入れてみようかとも思うが、火室、キャブは完全に作り直しとなる。しかし、それだけの手間を掛ける価値があるかどうかは疑問である。 

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2023年02月02日

太いボイラ

 カツミが Max Gray やその後継者に輸出した蒸気機関車の一部には、火室が太いものがあることは、アメリカの模型ファンには常識である。カツミは1960年頃から2000年頃まで約2万輌のOゲージの機関車を輸出している。その内の7割以上は祖父江氏による。

PRR K4 当初、モータが大きいので、そのモータにかぶせることができる最小のボイラを作って載せた。すなわち、火室は少し太い。真横から見るとわかりにくいが、前から見るとすぐに分かる。これはK4パシフィックである。キャブ前の妻は、ラニングボードの方から見てほぼ長方形でなければならないが、台形である。

PRR M1PRR E6s ペンシルヴェイニア鉄道のアトランティック(4-4-2)、パシフィック(4-6-2)、マウンテン(4-8-2)などの機関車の火室は、どれも太い。太いと言っても火室の幅のことであり、真横から見たときはそれほど感じない。左はマウンテンM1,右はアトランティックE6sである。模型のE6sの火室は明らかに広がっている。とは言うものの、祖父江氏の工夫でモータの鉄心をキャブに押込んだので、多少は助かっている。

I remember Pennsy (2)I remember Pennsy (1) 本物の機関車を毎日見ていた人は、これらの角度でも見ていたのだから、違和感を持つ人はあっただろう。これらは、K4s パシフックである。模型のラニングボードが狭いのがよく分かる。ベルペア火室の幅が広過ぎるのだ。キャブの前に向けて、すぼまっていなければならない。2枚の写真は、写真集 ”I remember Pennsy" からお借りしている。


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2022年11月02日

高効率機関車の挙動

 友人が、高効率歯車を搭載した機関車を運転した感想を伝えて来た。一言で言うと、スロットルの廻し具合と、機関車の動輪のトルクが一致するのだそうだ。

 比較的急な勾配で、ある程度の負荷を牽かせると、途中でスリップして止まってしまう。普通ならそこからの再起動はできない。動輪が滑るだけで列車は止まっているはずだ。  
 ところが高効率ギヤを付けている場合は、ゆっくり再起動して、動輪の再粘着により、少しずつ引っ張り上げて行く。滑ればスロットルを戻し、少しずつ引き上げることが出来るという。
 通常の動力装置であると、電圧を上げてもなかなか動かず、ある程度の電圧をかけた瞬間に回転を始め、スリップして摩擦係数が減るので動き出せない。再度止めて起動しても、結局は同じ結果であるらしい。 

 この様子を別の工学系の友人に説明したところ、興味深い言葉が出てきた。
「つまり、通常型の場合はヒステリシスが大きいのだね。」

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2022年10月23日

最高速度

 高効率ギヤを購入し、換装された方々からレポートを戴く。どなたも、走行性能の格段の向上に驚き、絶賛して下さる。最高速についての不満はないようだ。揚げ足取りを目的に、速過ぎると書く人もいるだろうが、それは的外れだ。最高速について、かねてから思っていることを書こう。

 ファンタジィの世界に入り、実物との違いを考えていない人が多いのだ。以前、無負荷での最高速は意味がないと書いた。実物の場合は無負荷のように見えて、たいへん大きな負荷を掛けての試験である。それは空気抵抗である。120 km/hを超えると、空気抵抗はかなり大きい。小出力の動力車は、空気抵抗だけで最高速が決まってしまう。

 数千馬力もある機関車は空気の塊を押しのけて、楽に200 km/hを出せる。ただし、機械部品の最高回転数は制限されているので、むやみには出せない。壊れてしまうからだ。
 新幹線を考えてみよう。仮に先頭車に動力があったとして、1輌だけを走らせたとすると高速は出せない。 長い後続車に動力があり、総出力が大きいからこそ 300 km/h以上が出せる。すなわち、先頭車の後ろの連結器には、大変大きな推力が掛かっている。ヨーロッパの高速列車は前後部に強力な機関車を付けているから、少し話が異なるが、空気抵抗が大きな部分を占めることには変わりがない。
 一方、模型の場合は空気抵抗はあって無きが如し、である。すなわち、最高速など考えても仕方ないのである。 

 最近は行っていないのでよくわからないが、大きな催しで、最高速、最低速コンテストがあるそうだ。どちらも負荷を全く考えていないから、夏休みの自由研究と変わらない。出場資格は小学生以下とすべきだろう。

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2022年10月19日

続 内野氏の動輪の構成

driver counter balance weight 輪心の厚み方向からの撮影である。カウンタ・バランス、クランクは 6 mm厚の板を嵌めたので、同じ高さであるはずだが、カウンタ・バランスにはさらに 1 mmの板を貼り足してある。

 この鋳物ができたら、旋盤上でクランクだけ挽くのである。全周廻すとカウンタ・バランスが削れてしまうので、チャックハンドルを差して、45度位の範囲だけを手で往復させて削る。大変そうだが、それほど難しくはない。ただ、バイトはよく切れるものを使わないといけない。

 カウンタ・バランス・ウェイトが大きく飛び出していると、非常に迫力がある。Oゲージは実物より1.8 mm弱、線路幅が広いので、下手にこれをやると、破綻する場合が多い。微妙にシリンダ中心を移動したり、クロスヘッドの裏を削ったり、というような様々な工夫でごまかすことが必要であった。内野氏もそこには気を遣っていた。 

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2022年08月21日

イコライザの間違い

a mistake D社が頒布した1/24のC62のキットの組立て説明書があったので、目を通したところ、驚くべき間違いを見つけた。これは15年ほど前、別のG出版社が出した本の図と同じ間違いである。その出版社に手紙を出したところ、すぐ改訂された。新しい版を送ってくれたので古い本は捨ててしまったが、その古い本の図のコピィのようだ。

IMG-2475 新しい本の図はこの様になって、前群と後群が分かれている。これは正しい。



 上の本のイコライザでは、機関車は鼻を擦るか、しりもちをつくはずだ。そのC62の模型キットを購入した人は、これを読んで気付いたのだろうか。

C62 C62の模型のイコライザはこんな構造には出来ないから、先台車で一点、動輪従輪で二点となっている。A氏が写真を送ってくれたので、それを見ると先台車が一点となっている。 それで問題ないが、この図のような間違いは多い。

 以前にも指摘したが、不安定なイコライザもどきはよくある。よく出来たメカニズムならば、完成した瞬間に失敗であることが分かる。走り出した瞬間につんのめったり、尻を引きずるのだが、摩擦が大きいメカニズムだと、その不具合に気付きにくいのだろう。

 以前のコメントにもあったが、某社製の高価な輸出用機関車のイコライザがまさにこれで、前後にギッコンバッタンした。早速修正して、先台車を一点としたらよく走るようにはなったが、それを購入した人たちは何も感じなかったのだろうか。

[追記]
初版の図 G出版の初版本を見せて戴く機会があった。こんな図で、上記の図はこれから取ったことは間違いない。
              2022年11月19日

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2022年08月05日

ラージ・エンジン・ポリシー

 表題の言葉を使おうと、何回か思ったことがあるが、今まで控えてきた。
 この言葉が英語であるのか、和製英語であるのかが今だにわからないからだ。I田氏が使っているのを見て、それほど違和感を感じないので、今回は使ってみることにする。

 この言葉は高木宏之氏の著作にたくさん出てくる。大きなボイラを持つ機関車を使うと、運転も保守も楽であるということを、繰り返し述べている。車も、アメリカの大排気量の車の運転は、実に楽である。
 井上 豊氏も同様のことを言った。
「C62になって楽になった。C59ではギリギリだった。ほんの少しの余裕があるだけで、こんなに違うものか。」
と思ったそうである。 

 筆者が最初に作った4-8-4は当時最大級のコアレスモータを用い、低ギヤ比にして効率を稼いだ。ギヤ比は低いほど伝達効率が大きいというのは常識である。同じギヤを使っても小動輪の貨物機関車の効率は低い。同速度でもモータの回転が多いからだ。
 そういう意味では大動輪の4-8-4のエネルギィ伝達効率はすこぶる高い。今でも50%以上をマークする。
 もう一つの秘密は、主動輪のクランクピンには複列のボールベアリングが入っていることだ。これだけでも10%弱の差が生じる。寒いときに高速で重負荷を掛けて走らせると、貨物機のこの部分が温かくなるのが分かるのだ。

 筆者は犬に馬車を牽かせるのには反対である。なるべく大きなモータを入れたい。むしろそんなことより、牽かれる物の責任を追求するほうが、生産的である。


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2022年08月01日

続々 高効率ギヤによる改装報告

 US氏は技術系の方であるので、説明しなくても正しい分析をされている。当初M0.6と書かれたので、「進み角を忘れていませんか。」と書いたら即座に反応されて、M0.5と書き換えられた。こういうところにピンと来る方であるから、分析は客観的である。 

 いまだに、「ギヤ比が低いから最高速が…」という揚げ足を取る人が居るが、それは今までの低い効率の動力伝達装置しか見たことがない人の推論である。
 US氏は、「実際に交換してみると、同じモータであるのに、従来の1条ウォームより低速が効く」とおっしゃる。他の方からは、「高効率」の意味が初めて分かったという感想も来ている。

 例の「犬に馬車を牽かせる」話については、US氏は次のように解釈された。
 従来の方法では動かせなかったものが、高効率ギヤでは動かせるので、犬でも馬車が牽けるとも言える。しかし、モータのトルクが小さく、低速が安定しないときはDCCで補正するのが実用的だ。
 しかし、従来の1条ウォームで低速走行が安定しないようなモータでは、高効率ギヤに替えても芳しい結果は得られない


 正しい能力を持った方が分析されているので、これをお読みになって着手しようと決断される方が多くなれば、それは喜ばしい。食わず嫌いの方もいるだろうが、困るのはそれを吹聴する人が居ることである。
 最近はウェブ上で各種の知識が容易に得られるので、US氏の意見のような客観的な情報に接する人が増えてきた。すなわち、より客観的になってきたわけで、望ましいことだ。

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2022年07月30日

続 高効率ギヤによる改装報告

 次はUS氏の感想である。

 想像以上の静かさと滑らかさで、高速から低速まで安定した走りでした。負荷に応じた速度の変化が見られ、実物に近い運転感を楽しめます。牽き出し時はスロットルをゆっくり回さないと空転するのも実感的です。
 スロットルの動きと列車の動きが異なっても、車両の慣性や走行抵抗を感じられるので集電不良のような不快感はありませんでした。

 DCC運転では負荷による速度変化が抑えられて安定した走行になり、低速での安定性も向上しました。3条ウォームは1条ウォームより減速比が小さいので低速時の安定性が心配されましたが、コアレスでなくてもトルクがあるモーターなら低速も問題ないことも分かりました。

 自動運転を楽しむにはDCCが有利ですが、個人的にはアナログの方が、運転は面白く楽しいと感じます。


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2022年07月28日

高効率ギヤによる改装報告

 HO用ギヤセットを購入された方から、次々と改装の報告が入る。
 まずMS氏の報告から。

 中村精密キット組みの旧作8200の動力系を換装しました。
動輪の軸バネはコイルで硬かったので、「続・蒸機を作ろう」誌掲載の高木幹夫氏の記事を参考にして、リン青銅バネに取り換えました。モーターは「I田氏」のブロクで推奨の17x25コアレスモーターを採用、吊掛け式とし、ジョイントは当然ながら六角ジョイントです。結果は上々で、単機で2 V、0.2 A前後で起動、平地でブラス製客車14輌を牽き出します。機関車を手で押すと、軽く転がります
曲線(750R)でのスピード低下はありますが、PowerPacのつまみを少し上げる程度で気になるほどではありません。急なパワーオフで、客車に押されて数十cmは惰行します。換装時のポイントはモーターの選択と車両側の軸受けの改良(今回バネだけですが、車軸受けもベアリングないし樋状軸受けにするとさらに良いかもしれません)、ウェイトによる補重と重心調整と考えます。HOでは、モーターおよび動輪径の制約から小型機への装着は難しいようで、大型機に長大編成を牽かせる状況がベストな印象です。
ブラス製客車 + ケィディー・カプラです
と、牽き出し時に実物の自動連結器のような挙動も楽しめます。最近はプラ製客車が出回っているので忘れてしまっていましたが、再発見でした。 

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2022年07月06日

続々々 高効率ギヤへの換装報告

 そもそも、HO以下の模型に新ギヤを取り付けることは、筆者の想定外のことであった。そのような要望があって驚いた、というのが本音である。     
 Oゲージ用の歯車を薄く削ったものを作り、試作品として供給した。ギヤボックスは新規に起こした。幅が少々苦しく、シールド型ベアリングが使えないので、ギヤボックスの形を工夫して、ゴミが入りにくい構造にした。それが一次試作である。その後何度か改良して現在の形に至る。

 とにかく、なんとか収まれば良いと形を決めたので、イコライザ装備の模型等には、苦しい寸法だそうだ。筆者はHOの模型を持たないので、それについては配慮が足らず、反省すべき点もある。しかし、イコライザを付けている方はクラフツマンであろうから、その点はご自分で工夫されるだろう。例えば、軸箱とギヤボックスを一体化するという手もある。

 13 mmゲージにはギヤボックスを自作しないと使えない。その写真を見せてもらうと、なんとウォーム前後のスラストの処理がなく、ギヤボックスは開放型であった。具合が悪いとのことであった。それは当然である。
 すぐに要点を伝え、作り直して戴いたら、調子が良いとのことである。このブログに写真が載っているが、これは撮影時に蓋を外して中を見せているもので、実際は密閉型だそうだ。この歯車は模型用の精度の製品ではないから、わずかでも埃を噛むと、性能が著しく落ちる。 

 小さなモータでうまく動かないという報告もあるが、それに対してこんな比喩を送ってくれた方があった。
「犬に馬車を牽かせるようなもので、調子が悪いと言って、DCCを御者にしようとしていますね。」 
 なかなか良いところを突いていると思った。そろそろお止め戴くようにお願いしている。犬は死にそうだ。 

 櫻井氏からの情報では、例の低速モータはここで手に入るそうである。このモータが収容できる機関車の換装を考えていらっしゃる方には、お薦めする。

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2022年07月04日

続々 高効率ギヤへの換装報告

 最高速の考察も、たくさん戴いている。一番多いのは、
「12 Vを掛けて走らせることはまずない。」
ということである。しかも無負荷というのはありえないそうだ。これは筆者の意見を補強している。

 高効率ギヤを装着した機関車で、重い列車(輪軸を改良したもの)を牽くと、実物のような牽き出しができるそうである。電圧を徐々に上げると、あるところでスリップするので、少し戻すと再粘着する。そして電圧を少し上げるということを繰り返すと、牽き出せてしまうそうだ。
 今までの非効率な模型では、牽き出し時に余分な電圧を掛けざるを得ず、止まっているか、動いているか、どちらかのクリティカルな動きをしていたのだろうと推察する。だから牽き出せない。新ギヤでは、じわりとトルクを掛けるということが、できるようになった、ということである。

 当然のことではあるが、新ギヤボックスを付ける前の段階の改装で、「トルクアーム + 六角ジョイント」の効果に驚いた、というお知らせをたくさん戴いている。
 ゴム・ジョイントと怪しい継手で、モータ出力の半分を失っていたのだろう。素晴らしい性能アップだそうだ。何も他にしていなくても走行性能が劇的に良くなり、「天地がひっくり返ったような衝撃を受けた」と書いて来た人が居る。

 考えてみれば、戦後すぐから、70年以上も何も進歩していなかったのだ。ゴム・ジョイントがシリコーン・チューブに変わっても、駄目なものは駄目なのである。もう、皆さんはお分かりになったとは思うが、どなたか、客観的な比較実験をしてくださるとありがたい。
 Oゲージの模型を作っている人は、この不具合が気にならない人がいるらしい。これも大きさの効果である。大きなものは柔らかいのである。しかし、気にならないということは気が付かないということであろう。取り替えて見れば、その差に愕然とするはずである。

 六角ジョイントは作るのが簡単である。さほどのノウハウはないが、材質には注意すべきだ。ただ、直径方向の寸法が正しく出る成型方式を採用すべきである。POMまたはナイロンで射出成形すれば良い。どこかのメーカが作ってくれれば、こちらも助かる。

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2022年07月02日

続 高効率ギヤへの換装報告

 このような感想も戴いている。

 送付いただきましたギヤをフジヤマ製の4-8-4に装着し、あまりのギヤの滑らかさに感動いたしました。手持ちのコアレスモーターとの組み合わせでは、アナログの電流計がほとんど振れないほどです。
 また、いただいた詳細なマニュアルは誠にありがたく、無事に取り付けることができました。当初69インチ以上の動輪径のみを置き換えようと考えておりましたが、小さな動輪径の機関車も含めて変更したいと思います。


 おそらく、今までのゴム・ジョイントを使い、スラスト処理のない開放型ギヤボックス、トルクアームなしの状態だったのだろう。それから考えれば、とてつもない変化である。 


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2022年06月30日

高効率ギヤへの換装報告

 頒布した高効率ギヤを取り付けた方々から、次々と報告を戴いている。賛辞を戴くのは嬉しい。
 ここで何度も書いたので、最近は「逆駆動できるギヤ」という表現が減ってきたのはありがたい。

 動画を送って下さった方が多い。良く走る様子を皆さんにも見て戴きたいとのことであったが、動画の形式が異なり、ここではお見せすることができない。Youtube での公開を待とう。 

AT&SF3760 まずは櫻井成道様の作例である。古い United製 のAT&SF 4-8-4に組み込んである。モータは以前紹介した12 Vで2400 rpm(実測)のΦ22、32 mm長のコアレスモータである。
 単機でも惰力で30 cmほど動くそうである。動きの悪い客車13輌を牽いたので満足している、とある。 

 このモータは大型蒸機には最適であると貫名氏から、お墨付きを戴いている。

 小さなモータを付けて、牽けない、とか登り坂で遅くなる、などという意見もたまに来るが、その他の方は概ね肯定的である。
 高効率であるということは、モータの出力が直接動輪の回転に表れるということである。登り坂では過負荷である。小さなモータでたくさん牽けないのは当然で、実物でできないことを、模型にさせる必要はない。

 今までの模型は低効率の動力伝達装置でモータの出力を大半すりつぶしながら、モータをフル回転し、そのごく一部が連結器から出力されていたに過ぎない。だからDCCの補正効果が顕著であったように見えた。
 少し考えて、最適のモータ、最適の負荷(付随車の輪軸を改善する)にすれば、素晴らしくよく走る模型になるのである。中学校の理科の時間に戻って考えてみてはいかがだろう。

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2022年06月04日

六角ジョイントの効果

 I田氏が紹介している動画が興味深い。ゴム・ジョイントを調整しても、あまりうまくいかなかったが、六角ジョイントに交換したら、極めて調子が良くなった例を示している。

 今野氏も述べているように、低速から引っ掛かりなく、徐々に加速させたいという願望は誰でも持っている。しかし現実には、それは難しい。ゴム・ジョイントには、回転を妨げる様々な要因があるのだ。低速回転時には、出力の大半がそれに費やされ、動輪を回転させるのには向かわない。しかし、ある程度の速度になるとモータの出力は大きくなり、損失は相対的に小さくなるので、気が付かなくなる。
 じわっと走り出させるには、ゴム・ジョイント以外の継手が必要なのだ。

 ここにはユニヴァーサル・ジョイントを付けると良いのだが、場所がない。また、位相が正しいものは手に入りにくい。六角ジョイントなら、大抵の場合、問題なく付けられる。

 六角ジョイントを付けた人は、みな、その劇的な変化に驚嘆する。今まで何をやっていたのか!?と感じるそうだ。  

 
 しばらく品切れであった六角ジョイントが入荷した。全長10 mm と 7 mmがある。狭いところには短いほうが有利なのは当然である。
 希望者はコメントに<私信>として、本文中にメイルアドレスを書かれたい。
 ギヤボックスは、入荷までしばらくお待ち戴きたい。 

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2022年05月27日

蒸気機関車の吊掛け駆動

 本来の吊掛け駆動(平行にモータ軸を搭載)を蒸気機関車に応用するのは、極めて困難だ。直角駆動にせざるを得ない。そうすると、モータはかなり後ろに付き、モータの質量はほとんど台枠の上に載る。こうなると、完全浮動のトルクアーム方式とほとんど変わらないが、分解時にギヤボックスはモータと共に外さねばならない。そういう点では分解の楽なトルクアーム方式が気楽だ。モータの差し替えが自由だからだ。ちなみに、トルクチューブであればもっと楽に外せる。

 また、ギヤボックスをモータと完全に一体にするのは、難しい点が多い。ギヤ軸、モータ軸の同心性が確保されるか、が問題である。長い軸を持つモータが手に入れば良いが、そうでなければ諦めるほうが良い。
 ある人が、
「ギヤにモータ軸の先を入れて固着し、ギヤの反対側に別の軸を挿してはどうか?」
と聞いてきたが、お答えしなかった。失敗する確率が高い。このギヤは極めて高精度である。微妙な心振れが大きな不具合を生じる可能性がある。ギヤボックスは浮動させるのがベストだ。すなわち、トルクアームを使うのが、本来の使い方である。
 どうしても吊掛け型にするときは、貫名氏のような方法で、モータに固着し、間を六角ジョイントで結ぶことだ。

 六角ジョイントの効果が想像できない人が多いらしい。すなわち、ゴムジョイントを用いる方法でも十分に良いと思っているのである。六角ジョイントを用いた駆動方式の動画をご覧になるべきだ。この例では軸がかなりの角度で向き合っており、ゴムジョイントでは伝達不可能な条件だが、それでもこんなに軽く動く。お勧めはしないが、可能な範囲が広いということはおわかりだろう。

 先日、新ギヤシステムの実践者が来訪されたので、感想を伺った。はじめはギヤボックスだけを取り替えて走らせて、かなり改善されたと思っていたが、六角ジョイントに付け替えたところ、劇的な変化があったそうである。多少曲がっていても、 引っ掛かることが全く無くなり、電流値が激減したとおっしゃる。


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2022年05月21日

改装された方々の感想

 貫名氏は、はじめ少数の機関車改装を考えていらしたようだ。試しにやってみたら、意外な結果だったようで、極めて調子が良かった。メイルで、その時の感想を知らせてくれた。
素晴らしい走りです。これまで動力装置を色々と試してきましたが、これ以上のものはありません。
 その後ギヤセットをたくさん購入して、次々に改装されている。
異次元の走行が手に入るというのが、モチベーションになります。
とあった。お気に召したようで嬉しい。

 他の方からも完成させて喜びのメイルを受け取っている。その方はFujiyama製の4-8-4に装着されたようだ。
あまりのギヤの滑らかさに感動いたしました。手持ちのコアレスモータとの組合せでは、アナログの電流計がほとんど振れないほどです。」 
とある。おそらく今までは消費される電流の大半が、ゴムジョイントの前後で浪費されていたのである。トルクアームの効果は、歴然たるものがある。

 このような感想も戴いている。
手押しで動く機関車は、50年近い鉄道模型歴でも初の経験で、空走させたり、発電によって前照灯を点灯させたり、といろいろ楽しんでいます。

 外観だけで満足することなく、走りの改善をすることがいかに大切であるのが、分かったという意見が多い。それこそが、筆者の言いたいことである。このブログの副タイトルそのままである。
  低摩擦、高効率の鉄道模型を追求する



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2022年05月17日

貫名氏の換装手順

 早くからの3条ウォームギヤ装着者である貫名氏は、やや簡易な換装法を紹介している。ご許可を得たので、紹介したい。戴いた原稿に少々加筆している。

NK1 動輪の非絶縁側の中心部に、軸と輪心をまたぐケガキ線を入れる。これは復元時に位相合わせをするガイドになるものである。



NK 2 非絶縁側を外す。これはプレスで押し抜く。決して叩いてはいけない。片方の軸箱を外し、ウォームホィールを露出させる。これも押し抜く。プレスがないときには、ボール盤に短い押し棒を付けて押す。支えは頑丈なものを用意する。押し棒は軟らかいブラスあるいは銅の棒を用いること(この頑丈な鋼製抜き台は、今野氏に頒布して戴いている)。

NK 3NK4 天賞堂、鉄道模型社の製品は、軸にローレット(ウォームホィールと動輪を固定するための凹凸が、軸の円周上にある)が3箇所切ってあるので、片側から、2箇所を旋盤に銜えて削り取る。太さを調べながら、細かいヤスリを当てて削り取り、ボールベアリングがぎりぎり通る太さにする。軸端が段付きの場合は中央の1箇所を削るだけで済む(この写真の韓国製模型の場合は、中央1箇所だけである)。

Jig 新ウォームホィールを所定の位置で留めるためのU字型ジグを用意する。これはボールベアリングを逃げた内径に作るべきである。ボールベアリングを嵌めてから、ロックタイトを塗り、ウォームホィールを滑り込ませる。

 はみ出したロックタイトを少量の溶剤を付けた綿棒で拭き取り、ミシン油を塗ってボールベアリングをもう一つ滑り込ませる。先に嵌めたボールベアリングの軸との接触面にも、ミシン油を沁み込ませる。ボールベアリングは油膜で浮いた状態が正しい

NK6NK5 非絶縁動輪を軽く嵌めて、付けた傷を基に、位相を合わせる。ロックタイトを塗って、プレスで締める。余分のロックタイトを拭き取る。動輪を締めるときに、バックゲージが一定になるようなジグ(上のジグの厚いものであり、ギヤを逃げるように大きな切り欠きが必要)を作っておくと、作業は楽になる。

NK7 少量のモリブデン・グリースを全周に薄く塗り、ウォーム軸の嵌まったギヤボックスをかぶせてから、底蓋を閉める。これで完成だ。この機関車は 2-10-4 であり、火室は長大である。この写真から判断すると吊掛け式ではあるが、モータの重さはほとんどギヤボックスには掛からないから、トルクアーム式に近い。このモータは、例の低速モータである。

 この方法は、位相を決める操作が省略できるから、非常に簡易である。ただし、プレス、あるいはそれに代わるボール盤などが必要だ。または口金が平行に締まる万力でも良いが、その万力の口金は研磨されていることが不可欠だ。


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2022年04月01日

ライヴ・スティーム

livesteamlivesteamlivesteam この5インチのBタンク機関車を作るのには、10年ほど掛かったそうだ。素晴らしい出来である。水圧試験をしてある。
 ボイラのロウ付けを見ると、腕のほどがわかる。素晴らしい。ロッド類も、手が切れそうである。きちんと面が取ってあるから、手が切れることはないが、日本刀のような仕上がりである。 
 質量は60 kgくらいだろうか。大人2人で持ち上げられる。

livesteam 他に仕掛品としてD51の台枠がある。これも極めて美しい。よくぞ、このような仕上げをしたものだ。動輪は見当たらなかった。テンダの台車になりそうな、ベッテンドルフタイプの台車はあるが、乗用車用かも知れない。 
 ご興味のある方は連絡を戴きたい。連絡先をコメント本文に書くようにお願いする。<私信>として戴ければ、公開はしない。 

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2022年01月29日

続々 actuating gimmicks

 この機関車の中に組み込まれた工夫は、昔からあるものだ。古いTMSのページを繰れば、かなり見つかる。MRにもよく載っていた。それを狭い場所にうまく配置し、電気装置でコントロールしているのは大したものであるが、すでにそういう時代ではなくなっていた。
 これも本人が言っていたことだが、
「時代はDCCだ。これは前世紀の遺物だ。」
 その年は2001年で、21世紀の最初の年であった。 

 発煙装置もケロシン(灯油)を加熱するものであった。装置はテンダに移植され、煙はパイプを介して送られている。吹き出す様子はブロワが効くとなかなか良いが、素晴らしいとは言い難いものであった。超音波振動子による霧化の話をすると、
「素晴らしい。でももう、私はできないよ。」と残念そうであった。

Mr.Wangrow 奇しくも隣のブースでは、Wangrow氏がDCCの実演をしていた。このDCCは、現在ではNCEになっている。  
 Wangrow氏が開発したものだが、NCEがOEM(相手先の銘柄で製造)していた。両者の契約切れと同時に、NCEが自社で販売を始めたので、Wangrow氏は商売をやっていけなくなった。Wangrow氏はNCEに対して訴訟を起こしたが、勝てるはずもなく、彼は2003年ごろ失意のうちに亡くなった。

 多数のポイントを同時に切り替える工夫とか、その他の同時制御の工夫はWangrow氏のアイデアによるものが多い。筆者は1996年にこの人と出会って、DCCに足を踏み入れた。当時珍しかった大電流 (4 Amps、のちに 8 Ampsも出来た) の流せる子機はGゲージ、Oゲージの人たちにとっては貴重なものだったので、筆者の友人はWangrow, NCEを採用している人が多かった。
 彼は、筆者が買うデコーダが小さな1.3 Amps のものばかりなので、不思議がっていた。高効率の機関車の存在は、彼の理解の範囲には無かったのだ。 

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2022年01月27日

続 actuating gimmicks

CB&Q tenderMRJuly85 テンダの中には平ギヤ駆動による大きなフライホィールが入っていた。MRへの発表当時は、一定電圧を掛けて、それを内部で電圧を制御していた。その後、制御方式は、かなり変化している。
 また、筆者の3条ウォームが85年の11月号に載った件を、彼はよく覚えていた。それを組み込むと面白そうだとも言った。
 フライホィールで惰行するのだ、と自慢されたので、例の伊藤 剛氏の話をした。怒り始めるかもしれないと身構えていたが、意外にも、
「そうだ。あなたの言う通りだ。これでは機関車はスリップしない。真に慣性のある走りをさせようと思えば、別の車輌、例えばテンダーからの動力ピックアップも必要だろうね。」
と返されたので、非常に驚いた。
「実はそれをやろうとしているのです。3条ウォームは無音で逆駆動できるのですよ。」と筆者が言うと、
「そうだ。ウォームギヤは音がしないのが最大の特長だ。早く作って見せてくれ。」
と言った。
 この作者は極めて客観的な思考をする方だと感心した。サイエンティストであった。ただ、すでにかなりのお歳で、もう気力がないと言っていた。

CB&Q boiler 機関車の出力は小さい。フライホイールの後ろの黒い小さなモータがそれである。出力は 3 W程度だろう。発煙ヒータは 20 Wくらいで、その送風モータ、ベルを動かすモータ、焚口戸を動かすモータ、機関士の腕を動かすモータ、逆転機を動かすモータがある。焚口戸が開くとまばゆいオレンジの光がキャブ内に満たされた。機関士がスロットルを引くと、前方までリンクが動く。


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2022年01月25日

actuating gimmicks

CB&Q smoking 少々古い写真が出てきたので、複写してお見せする。21年前の3月19日撮影とある。撮影場所はシカゴである。O scale conventionがあって、東部の友人に誘われた。オヘア空港の近くの殺風景なホテルであった。名前だけは知っているいろいろな人と会ったので、楽しかった。その後お付合いが続いている人も多い。入り口でこのデモンストレィションがあった。その十数年前のModel Railroaderに載った機関車である。

 このCB&Q 鉄道のO5bの模型は、あまり良い設計ではない。誰が設計したのかは、見当がつくが詳しくは書かないでおこう。形がおかしいのである。それをかなり丁寧に直してあった。

 この模型は、考えられるすべてのギミックを満載した機関車で、パルス電圧を掛けてリレィを切り替え、様々な部品を動かした。この機関車の中には7個のモータが入っている。

CB&Q O5 高校生の頃考えたことがすべて実現されていたので、興味深く見た。残念ながら、動きは今ひとつであった。余りにも入り組んでいて、故障も多い。テンダの中には電気装置が満載で、そこに発煙装置もあるので、熱の影響もあるかもしれない。 

 テンダ内のモータで機関車を駆動している。機関車の中には、様々な仕掛けがたくさんあって、駆動モータを入れる場所がなかったのだ。

MR July85 railtruck氏から、MR誌の掲載号を教えて戴いたので、早速UPした。 

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2022年01月23日

続 先輪はなぜ小さいのか 

against derailment この図を示せば、何も説明は要らないだろう。α<βであるから、小さな先輪のフランジ先端がレイル面に当たる位置は、大きな動輪のフランジが当たる位置より、ずっと手前にある。すなわち脱線しにくい。

 もちろん、フランジ形状、摩擦係数などのファクタはあるが、脱線しにくいのは小径車輪であることは間違いない。気になる方は、レイル面でフランジを切った断面図を描かれると良いだろう。それが曲線上でどうなるかである。

 それでもわからない方は、ふすまのはまっている敷居の溝の中を考えると良いだろう。ビー玉を転がすのと、大きなボウリングのボールを転がすのとでは、どちらが外れにくいかである。当然ビー玉の方が外れにくい。

 このようなわけで、小さな軸重が掛かっているだけで、復元力を大きくしても外れない。だから誘導輪としての効果を発揮する。模型の場合も同様の筈だが、HO以下では、復元力はほとんど無きが如しである。復元力が無いと、かえって脱線しやすいようにも思うが、それについて研究された方は居るのだろうか。

 先回お見せしたUP835は先従輪の復元力が極めて大きいので、動輪のフランジはほとんど触らないはずだ。ある人はフランジレス動輪でも走るのではないかと言ったほどだ。
 ボールベアリングの外輪をローラとして、V字斜面の中心に転がり落ちるようになっている。先輪は摩擦の少ないステンレス製 Low-D であるから、脱線の可能性は極めて小さい。  

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2022年01月19日

先輪はなぜ小さいのか

 先輪の軸重が少なくても脱線しない理由を、問われた。それを疑問に持つ人が少ないのは不思議だったので、良い機会であるから説明したい。
 これも、まず作図をすることから始めるべきだ。ここに図を出してしまうと「ふーん、そうか」で終わってしまう。読者が手描きで良いから作図をしてみるべきなのだ。
 フランジがレイルヘッド側面に当たる図を描けば、同じフランジ高さであっても、小半径の先輪が如何に脱線しにくいかわかるはずだ。

 蒸気機関は実用最大回転数が限られているから、高速を出すには大動輪を持たせるしか方法がない。最大、直径 2 m程度である。このような動輪では脱線しやすいので、先輪は不可欠なのである。

 最近「蒸気機関車の◯◯」という3冊の本を読む機会があったが、説明に怪しいところがかなりある。工学に疎い人のような気がする。しかし、大上段に構えて書いているので、初学者が読むと信じてしまう人もいるだろう。間違いを指摘して差し上げたいが、これをやると「『悪口を言われた。』と取られる可能性が高いから気をつけろ。」と友人に釘を差された。

 振り返ると、筆者は人生の中でサイエンティストとしか話をしなかった。間違いを指摘して感謝されたことは数多くあるが、逆恨みされたことはまず無い。しかしこの趣味界では、サイエンティストでない人のほうが多い。どうするべきか思案している。 

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2022年01月13日

続 Youtubeへの投稿 

 博物館には1年に300日ほど出かけて作業している。この半年、毎日このUP835を起動する。Pullmanの急行列車を牽いて、DCCの出力70%で走らせる。そのまま数時間放置する。電流は、登りで0.55 Amps、平坦線で0.25 Amps、下りでは客車の照明だけだから、0.12 Ampsくらいだ。

 毎日、8 km位走るだろう。半年で1000 km以上走ったことになる。今までの分を合わせると2000 kmほど走ったわけだ。ロッドに注油するだけで、特に何もメンテナンスはしていない。撮影直前にヘッドライトが切れた。白熱灯であったが、点灯しなくなった。そろそろ全検でLEDに更新の時期なのだ。このレイアウトはカーヴが左右にほぼ均等にあるので、フランジの片減りは心配しなくて良い。

 硬い鋼製の動輪タイヤ、ステンレス製Low-D車輪、日本製ボールベアリング、正しい設計の3条ウォームギヤのおかげで、全くへたる気配がない。おそらく筆者の死後も、何の変わりもなく走り続けるはずだ。主連棒の掛かるロッドにもボールベアリングが付けられている。先台車の復元もボールベアリングによるから、復元力は顕著である。
 客車はLow-Dと3D print台車である。よく持っている。

 登り坂になると、途端に遅くなり、均衡速度20マイル/時(約35 km/h)でゆっくり登るが、白い勾配標を過ぎると平坦線であるから、俄然速くなる。下りは、とんでもない速度になる。フルスロットルで下ると130 マイル/時(約210 km/h)出るから、いささか怖い。

 脱線したことはないから問題ないだろうが、Tom Harveyの言う通り、旅客列車は安全第一であるから、制限速度を守っている。
  彼が乗務している列車の動画を撮ったので、公開している。白い帽子、白いシャツと赤いバンダナが彼の趣味であった。すすを出さない運転をすれば、問題ないそうだ。

注 ここでのキロ数は模型でのキロ数で、実物であれば10万キロに相当する。

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2022年01月09日

続々々 またまたイコライジング

 最後に、重心を決めねばならない。重心はイコライザの支えの位置からは求められない。イコライザ系の中の、目に見えない動作点から求められる。これは別の図(等価図)を作図せねばならない。

Equivalence Diagram  軸距離と軸重が決まっているので、それらから、目に見えないシーソウ運動するテコを考え、どこが中心であるかを求める。前群の軸重の総和は 2f である。後群の総和は (5/3)x f であるから、一番上のテコのどこを押さえると、そのような荷重配分ができるかを考えれば良い。

 前群から5:6 の位置を押さえれば、すべての軸に所定の軸重が掛かる。動輪上に掛かる力は全て等しくなるのは言うまでもない。これは、モータを取り付けた後、上廻りを載せた状態での話である。完成した機関車の重心を求めていることを、忘れてはならない。

 簡単な話なのに、これを理解しようとせず、ウェイトを所定の位置に付けない人が居るのには驚く。それでは脱線する。イコライザ付きの機関車にとっては重心位置が命である。正しくウェイトを設置して、重心が定位置にあれば、機関車の質量を測定するだけで、牽引力が求められる。

 難しく考える人は多いが、中学校の理科である。正しい鉄道模型の実現のために、理解したい。  

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2022年01月07日

続々 またまたイコライジング

 たまに手つかずの機関車が発掘されると、まずモータ、ギヤを捨てる。次にテンダ台車、先従台車の車輪を取り替えて、ボールベアリング化する。最後に台枠を寝かせて、寸法を写し取り、イコライジングの案を練る。主台枠の加工は、縦フライスがあると実に容易である。動輪軸のギヤ廻りの加工は一番最後である。 

Weight distribution PRR E6s 近代型のPennsylvania鉄道の従台車は、通常型とは異なり、台車枠自体がイコライザとして機能するので、一度やってみたいと思っていた。軸重配分は、当鉄道の基準である先台車軸を動輪軸の1/2、従台車軸を2/3としてイコライザの構成図を描いてみた。従台車軸には軸バネが付いてはいるが、テコで掛かる軸重は同じである。

 従台車の幅を少し詰めて、イコライザ支点を内側に各1 mmずらすことができれば、後はほとんど何もすることがない。バネ吊りは長くなるが、硬いリン青銅板を使えば問題ない。従台車の前端では曲げモーメントが発生するので、硬い材料で作り、銀ハンダで付ければ良いだろう。この従台車はブラスの砂鋳物でよく出来ているが、とても重い。バラしついでに、裏側をフライスで削って肉抜きをしてみたい。 
 イコライザ自身が重過ぎると、せっかく正しく設計しても、意味がなくなるからである。 

 この機関車は、何らかの理由でテンダが正規の製品とは異なるので、市場価値が低かった。しかし、たくさんの実物写真を見ていくと、そういう組合せもあったので、問題にはならない。
(次回の重心位置の決め方に続く)

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2022年01月01日

またまたトルクアーム

 トルクアームの話をしたい。ある友人が、この種の話を年に一回くらい、書くべきだと言う。何回も同じ話をしないと、読者は忘れてしまうのだそうだ。模型雑誌が扱わないので、代わりにやれということなのだ。 作用・反作用は、ニュートン力学の3つの柱の一つである。しかし、これを無視した模型機関車は極めて多い。輸出されたHOのブラス製機関車のうち、作用・反作用を考慮した構造のものは、1%に満たないだろう。

 いつも、古い機関車を改造して、性能をUPする作業をしている。
 この機関車では、キャブの中に無理やりモータを押し込むために、出力軸を通常の逆方向に出している。ギヤボックスはブラス板で作られていて、それにはトルクアームが付いている。

torque arm 写真をよくご覧戴きたい。トルクアームの向きが随分傾いているように見えるが、これは正しい設計である。法線に対して直角である。すなわち接線と平行なのだ。バネ支持ではなく、ネオプレンゴム(変化しにくく、永持ちする硬いゴム板)を挟んだ構造で、軸の位置はほとんど変化しない。ただ、静かに走るようになる。これはMax Grayのアイデアである。


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2021年11月28日

本物はどのように動くか

 本物は重い。この4-8-4は、テンダを含めて400トン強もある。機関車が起動するということは、その質量を持つ物体が動き始めるということだ。徐々にしか動かない。この模型では、その動きを見ることができる。普通の模型は、電圧を掛けると、すっと動き始める。しかし、UP850はじわっと動く。その瞬間、電流は0.5 Aほどである。筆者の普通の機関車は0.1 A以下で動くのであるが、5倍も電流を喰っている。
 そのエネルギィは、フライホイールに注入されて蓄積されているのだ。巡航速度になると、電流は0.1 A以下である。制動時には電流は逆方向に流れる。発電しているのだ。その電流をダイオードで阻止してあれば、かなり惰行する。

 この様子を展示会で再現するように求められた。動かすと拍手喝采である。SS氏は、
「止まるときには、ブレーキシュウのきしり音が聞こえるようだ。」
と言った。なかなか止まらないのだ。

 その後で、T氏が、
「機関車だけで発進するのと、テンダをつないだ状態の発進とを比較してはどうか。」
と提案した。なるほどと思い、切離した。当鉄道の機関車群は、40年前から機関車だけで走るようになっている。
 機関車だけだとすいすいと走り、動きは滑らかだが、模型の動きである。動輪も滑らない。テンダを連結すると、途端に本物の動きになる。スロットルを開けるとじわりと動き、その開け具合が大きいと、動輪が半回転スリップして動いていく。
 これは数人が見ていただけだったが、皆歓声を上げて喜んだ。分かる人には分かるのである。雑誌社の人が分からないのは悲しい。
「分かるわけないよ」と言った人が何人かいるが、分かってもらわねばならない。 

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2021年08月02日

続 吊掛け駆動

 これは簡単で良いが、シャフトではいささか剛性が足らない。ショックを与えるとパイプが曲がり、修復不能である。自宅のHOレイアウトの上から動かさないなら良いが、クラブに持って行って見せている時に、ゴンと衝撃があるとまずいだろう。分解したものを再度機関車に組み込む時に、引っ掛かりがあっても曲がりそうだし、鞄の中に入れていても心配だ。ご本人は「大丈夫だ」とは言っていたが、移動時には何があるか、わからない。宅配便での配送は、こわくてできないのではないか。これはHOの模型の話である。大きなOスケールならば、脱線した衝撃でさえも、間違いなくアウトだ。大きいものは弱いのである。

 やはり、吊り掛け式の場合は、前回の図のように支持装置に十分な剛性が必要である。先にお見せしたギヤボックスの角は、その剛性のある腕を取り付けるものである。 
吊掛け駆動方式 これは、友人の依頼で作ったOJ蒸機用の吊掛けドライヴである。簡易な支持構造で、ある程度の剛性を確保している。腕は、チャネルを使用しているので剛性は十分だ。駆動軸には小さな伸縮する自在継手を 用いているので、微小な”心ずれ”に対処できる。あまり剛性を大きくすると重くなる。剛性が足らない分、その時に生じる軸のずれはユニヴァーサルジョイントで解決すると、極めて滑らかに回転させることが出来る。ここにゴムジョイントを用いると、押して動かすことは難しい。様々な損失がそこに生じるからだ。鉄道模型からゴムジョイントを排除できれば、かなりの走行改善が望める。

 筆者のOゲージ機関車群と同様の、非常に滑らかな運転ができたので、依頼者は大喜びであった。

 筆者は、OJの蒸機の主台枠の内側がこんなに狭いとは知らなかった。ギヤを薄くし、ボールベアリングを薄いものに取替え、ギヤボックスを新製して、HO並に薄いものを作った。On3のギヤボックスはこれを使えるはずだ。 

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2021年06月13日

OゲージのC53

 ”ウーンド”を調べている途中で、益田氏のC53の記事を見つけた。TMSの99号である。98号には辻阪信一郎氏の作品が載っている。

C53 drive HOの棒型モータを2台つなげて、スパーギヤで平行に落とし、それからウォームギヤで減速している。スパーギヤはヘリカルギヤを使っているそうだが、騒音がひどいらしい。よほど優秀なギヤを使って密閉式ギヤボックスに入れない限り、この方法では騒音を撒き散らし、とても蒸気機関車とは思えない走りになる。記事にも、うるさくてだめだったと書いてあるが、その後に売り出された模型で、この種のドライヴを持つものは多い。すべてギャーギャーとやかましい。

 益田氏のドライヴで良いところは、隣の軸に跨がせて反トルクを受け持たせたところだ。残念なことにひねりが利くようには作られていない。2軸が3点支持にはなっていないからだ。この種の、反トルクを受け持たせる機構(トルクアームトルクチューブ)を付けた模型は、その後60年以上に亘って、ほとんど出現していないのは、理解に苦しむ。少数は発表されているが、強調がなされていない。前後進で調子の異なる機関車が大半だ。これは走らせている人が少ないということだろう。

C53 写真を見るとボイラが少し太くて立派過ぎる。C59の感じである。説明には2 mm太くしたとあり、失敗だったと書いている。キャブも低くしたようだ。
 この模型は今どこにあるのだろう。拝見したいものだ。


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2021年05月06日

続 C62

C6229C6229 (1) この機関車をK氏宅で棚から降ろす時、左手首を捻挫しそうになった。それほど重いのである。
 一瞬目を疑うような状態だ。ここまで重くしないと、12輌牽けなかったのだ。この機関車のボイラ内は全て鉛で埋め尽くされているのは当然であるが、シリンダブロック、主台枠下も全て鉛の塊を後付けしている。横から見えているが、なりふり構わず、補重しているのだ。機関車だけで5 kg以上ある。 
 

 当時の客車の車輪は Φ3 のブラス製ジャーナルで、ブラス製軸箱である。いくら注油しても摩擦は大きい。せめて鋼製の Φ2 にしていれば、かなり違ったであろう。そのころ、メルクリンでは熱処理した鋼製のΦ1 を使っていた。それを使えば、ずいぶん違った走りを示したに違いない。

 このC62のロッド、クランクピンは、外れそうになるくらい磨り減っている。また、軸はガタガタで、すでに限界に来ている。タイヤを含めて動輪はブラス製であるから、かなり磨り減って、フランジは薄くなり、また相対的に高くなってしまっている。

 下廻りは全て新製する。部品は揃えた。主台枠を作り直すのにレーザを使うか、切削で作るかは悩むところだ。主台枠を一体で3Dプリントする、というアイデアも来ている。可能な範囲にあるそうだ。
 動輪は鋼製タイヤの高級品があるから、気楽な工作である。

C6229 (2) 前方の連結器はダイキャスト製であったが、座もろとも粉になっていた。取付穴に合うように板金工作して、仮の連結器を付けた。いずれエンドビームごと更新されるので、まじめに作ってはいない。 
 
 このOゲージの機関車は走行を目的とし、余り細かく飾り付けないようにするが、走行性能は最高にする。サウンドと煙が出れば文句あるまい。  

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