2026年06月30日

slumbercoach

 この客車の slumberというのは「まどろむ」という言葉で、本格的な睡眠とは少し違う。要するにコウチ(座席車)であるけど寝られる簡易個室寝台車である。便器が各室に付いているのは大したものである。一日中籠っていられるわけだ。最近の寝台電車にもあるらしいが便器は付いていないようだ。 

UP 49er 半二階建てとなっていて、2つの客室が互い違いに組合わされている。車体長さに対する収容人員が飛躍的に増え、低廉な料金でプライヴァシィを確保できる画期的な構造だ。1935年頃に登場した。車体の片面には窓が2段に並び、特異な形状である。区画の天井は低く、今で言うカプセルホテルとそう変わらない。
 
steps lead to upper rooms Union Pacific鉄道はこのデザインを採用した。それはUP の”49er”という大陸横断特急である。シカゴからサンフランシスコへ2日強で走り抜けた。「フォティナイナ」とは、1849年にサクラメント郊外で金が発見されて、それを目がけて押し寄せた人たちのことである。この事件でカリフォルニアの人口は一挙に十倍以上になったらしい。現在はサンフランシスコにあるフットボール・チームの名前だ。
 最後尾の流線形テイルを持つ展望車と連接になったこの簡易寝台車は、世界中で有名になった。

 その後その列車は形も名前も変わったが、最後尾の2輌だけはそのまま使われた。すなわち、ヘヴィウェイトのプルマン寝台列車の最後尾にこの流線形の2輌が繋がれたのである。既存の列車の最後尾を取り替えるだけで新しい編成の気分を味わえるから、模型の場合は好都合だ。

 この模型を作り始めて30年になる。かなりのところまで行っていたが、窓の切り抜きが気に入らず、放置されていた。数年前、northerns484氏のご助力でステンレス板をレーザで切り抜いたものを作って、やる気になった。 


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