2026年06月28日

ハンダ付け部の疲労

 最近ハンダ付けに関する質問や助言をかなり戴くようになった。一言で言えば、「どうすれば丈夫で壊れない接合ができるのだろうか」である。

 このブログでは、スズ 63%ハンダを推奨している。それは接合面に薄く沁み込み、「合金層だけでの接合」を形成しやすいからである。突き合わせの接合はするべきではない。よく見るのはHO車体の妻板接合部の外れである。これは筆者は絶対にやらない。

 前回のコルゲートの客車にはハンダが大量に使われていた。ハンダの塊でブラス板が接合されている部分さえあった。ガス火で焙り、融かして回収した。色から判断するとスズ60%ハンダだ。アングル材を作って貼り付けたらとても丈夫になった。窓部分をすべて切り取り、ステンレス板をレーザで切り抜いた部材に総取替する。全体の剛性を大きくして狂いを防ぐのだ。

 イモ付けであれば、車体を握った瞬間にハンダに応力が集中し疲労する。ブラスよりも弱い材料に応力が集中するのは当然である。毎回接合部を折り曲げようとする力が掛かるのだ。もし妻板がコの字の断面を持ち、ある程度の幅で側板と接合されているなら、ハンダ接合部には力はほとんどかからない。あるいは角線を貼ってあったらどうなるかである。これは大した手間ではない。筆者はその目的のアングル材、角線を各種用意している。

 ハンダという合金はブラスに比べればはるかに弱い。単なる接着剤と考えて、面での接合をするべきである。厚く付けた接着剤そのものに応力が掛かるような構造は間違っている。これが理解できていれば、ハンダ接合は意外と強いものである。

コメント一覧

1. Posted by 実践しています   2026年06月28日 14:49
何年か前、63%が良いと書いてあったので、恐る恐る試しました。素晴らしいです。前回にもあったような細い孔を通してのハンダ付けも簡単に出来ます。それまでの下手クソなハンダ付けと訣別して、今では友人たちにうまいと言われるようになりました。
ところが最近見たあるブログで、スズ63%は金属疲労しやすいから駄目だとありました。そんな筈はありません。こんなに薄く付けられるのに疲労するわけがないじゃないですか。
自分でやったわけでもないのに、誰かがそう言ったと書いてあります。気の毒な人です。
2. Posted by 愛読者   2026年06月28日 22:57
そんなことを書いてあるのですか。かなりおかしな人ですね。理屈が分かってないけれども、いい格好はしたい。そういう人は模型人にはかなり居ますね。
言葉(専門用語)に酔っているのですよ。
3. Posted by dda40x   2026年06月29日 10:30
 過激な文調の投稿がいくつかありましたが、掲載を控えています。その方たちのおっしゃりたいことは、金属疲労はどこに起こるかということです。
 その問題になった「63%は疲労しやすい」は、ハンダそのものについての検証結果があるのか、ハンダ付けで貼り合わされて母材との合金になったものについての検証がなされているかが問題となるでしょう。
 そういうことを何もせずに断定的に決めつけたブログがあったというのは、どうかとは思いますけどね。
4. Posted by ハンダ付け太郎   2026年06月29日 11:12
面白いお話ありがとうございます。以前趣味の友人2名が、模型店で薦められた道具や材料を使用してハンダ付けを行っているのだけどうまく付かず剥がれやすいんだよ!と言ってきた。
現品を見せてもらうと付いているようだけど(材料熱が伝わって赤くなっていた)ハンダ面は平滑ではなく凸凹している。本人達の眼の前で同じ道具で、ハンダを自分が普段使っている63%で作業を見せた所、滑らかにハンダが流れるのを見て驚いていた。模型店で販売しているハンダ棒50%のようで色がクスンでいる。
その後彼らからは、よく流れて接合面が丈夫になったと言われた。イモ付けはダメです。
5. Posted by dda40x   2026年06月29日 13:18
 要するにハンダが完全に液体になって隙間を薄く満たせば正しいハンダ付けです。その薄いハンダは合金層を形成してかなり硬く、丈夫に付きます。単にハンダの層で浮いているようでは意味がないのです。
 すなわちハンダ付けには力が要るのです。力を入れ過ぎると隙間がなくなりますから 0.03 mmと言われる隙間を確保しながら締め付けることが大切です。この件に関しては過去に何度か扱っていますから、「カテゴリー」で【ハンダ付け】の項をお読みくださると嬉しいです。

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