2026年06月14日
gimmick の価値
鉄道模型の趣味がある人のうち、ドアが開いたりするのが好きな人はどれくらいの比率なのだろう。現在、筆者はそういうのは嫌いであるが、中学生のころまではとても好きでドアが開くのを友人に見せて得意になっていた。ドールハウスに使う小さな蝶番を探して買ったこともある。
その後何年も経ちレイアウトで運転するようになると、ドアが開いてトンネル側面に引掛かる事故を経験した。対向列車にぶつかったこともある。壊れるとある程度塗装を剥がしてハンダ付けをやり直さねばならない。また部品も散乱する。それが嫌になって可動させることはやめた。以降、扉は接着して開かなくするのが当鉄道の仕様である。
さて、この冷蔵貨車はギミック満載である。20年ほど前 e-bay で買った。どういうわけか売手はオーストラリアの人で、日本への送料は安かったが、距離のあるアメリカへは送料が2倍ほど高かった。アメリカからの入札者は無く、筆者だけしか入札者がいない状態でとても安く買えた。
側面の扉は断熱材を再現して厚く作ってあった。扉は観音開きで、ロックが掛かる。鎖錠装置は良く出来ていた。本物のように偏心していて、回転させて死点を越えると開かなくなる。軸の弾力を利用したうまい方法であった。こう書くと素晴らしそうに感じるかもしれない。到着時は見事な作動だったが、徐々におかしくなって来た(この写真は鎖錠装置を壊している最中に思い付いて撮ったので、下半分しか残っていない)。
ブラスで作ってあるから何百回も力が掛かると徐々に金属疲労が進み、硬くなって来てロックが甘くなったのだ。すなわち閉めたつもりでも、走っていると開いてしまうことがあった。折れるまでには長い年月がかかるかも知れないが、実用に耐えなくなったということである。
屋根の氷を入れるハッチ周りの裏側も白い断熱材が張られているのを再現している。ここでそのハッチが開いたまま走れるように、ラッチが掛かって閉まらないようになっている。これは本物の構造の通りだ。氷室の構造もよく再現されていた。良く出来ていたが 3/4 が壊れていた。
作られてから数十年は経っていただろう。片面のドアが壊れた状態で届いた。直そうかとも思ったが走行中に開く可能性があるので、別部品で作り直して開かないようにした。非常にすっきりして良くなった。氷を投入する蓋も留めた。
20年前、これを見せた時「凄いね!」と称賛する人も居たが、走らせるものはギミックを無くした方が良い。また、動かすのなら確実な鎖錠装置が必要だ。あるいはドアは内側にしか開かないものが良い。
この件に関してご意見を戴けると嬉しい。
その後何年も経ちレイアウトで運転するようになると、ドアが開いてトンネル側面に引掛かる事故を経験した。対向列車にぶつかったこともある。壊れるとある程度塗装を剥がしてハンダ付けをやり直さねばならない。また部品も散乱する。それが嫌になって可動させることはやめた。以降、扉は接着して開かなくするのが当鉄道の仕様である。
さて、この冷蔵貨車はギミック満載である。20年ほど前 e-bay で買った。どういうわけか売手はオーストラリアの人で、日本への送料は安かったが、距離のあるアメリカへは送料が2倍ほど高かった。アメリカからの入札者は無く、筆者だけしか入札者がいない状態でとても安く買えた。
側面の扉は断熱材を再現して厚く作ってあった。扉は観音開きで、ロックが掛かる。鎖錠装置は良く出来ていた。本物のように偏心していて、回転させて死点を越えると開かなくなる。軸の弾力を利用したうまい方法であった。こう書くと素晴らしそうに感じるかもしれない。到着時は見事な作動だったが、徐々におかしくなって来た(この写真は鎖錠装置を壊している最中に思い付いて撮ったので、下半分しか残っていない)。ブラスで作ってあるから何百回も力が掛かると徐々に金属疲労が進み、硬くなって来てロックが甘くなったのだ。すなわち閉めたつもりでも、走っていると開いてしまうことがあった。折れるまでには長い年月がかかるかも知れないが、実用に耐えなくなったということである。
屋根の氷を入れるハッチ周りの裏側も白い断熱材が張られているのを再現している。ここでそのハッチが開いたまま走れるように、ラッチが掛かって閉まらないようになっている。これは本物の構造の通りだ。氷室の構造もよく再現されていた。良く出来ていたが 3/4 が壊れていた。作られてから数十年は経っていただろう。片面のドアが壊れた状態で届いた。直そうかとも思ったが走行中に開く可能性があるので、別部品で作り直して開かないようにした。非常にすっきりして良くなった。氷を投入する蓋も留めた。
20年前、これを見せた時「凄いね!」と称賛する人も居たが、走らせるものはギミックを無くした方が良い。また、動かすのなら確実な鎖錠装置が必要だ。あるいはドアは内側にしか開かないものが良い。
この件に関してご意見を戴けると嬉しい。
コメント一覧
2. Posted by 経験者 2026年06月14日 23:20
私も中高の時代はあちこち開いて喜んでいました。でもそういうことは走る模型には不要です。触る度に塗装が剥がれ、みじめになりました。
要するに幼稚なのですね。以前のディーゼル機関車の扉が開くのが入賞していましたけど、あれを選ぶ審査員が幼稚なのではないでしょうか。
要するに幼稚なのですね。以前のディーゼル機関車の扉が開くのが入賞していましたけど、あれを選ぶ審査員が幼稚なのではないでしょうか。
3. Posted by ギミックが好きでした 2026年06月14日 23:27
小さい時から鉄道模型で遊んでいた。工作が出来る様になると、扉を開けたい、窓を開きたいと考え始めた。不器用なので、弄っているとあちこちが壊れ始めた。
父親には『こんな作り方をしても壊れるだけだ!』と言われた。
それから長い時間が経過し、鉄道模型制作のプロにギミックを付けたいが壊れやすいという話をした。やはり小さい時と同じことを言われた。
『運転に必要以外の可動部は作るんじゃない!』
このブログの内容と同じだと思った。
父親には『こんな作り方をしても壊れるだけだ!』と言われた。
それから長い時間が経過し、鉄道模型制作のプロにギミックを付けたいが壊れやすいという話をした。やはり小さい時と同じことを言われた。
『運転に必要以外の可動部は作るんじゃない!』
このブログの内容と同じだと思った。
4. Posted by 普通の模型人 2026年06月15日 16:02
5. Posted by 一式陸攻 2026年06月15日 17:07
かつてのことはちょっとわからないのですが、今の日本の模型鉄道はプラモデルうちのいわゆるスケールモデルと同じ文脈を好んでいるように見えます。
プラモデルが玩具と不可分だった時代はモーターで動く代わりに見えないディティールなどはほぼ存在せず、可動部分も強度を持たせるような形にされていました。
それがユーザーの志向の変化で細かくなる代わりにモーターで動く機能は廃されました。
ただし、扉が開くなどの細かな遊びは増えました。
それは自然な流れだと思います。
プラモデルは鑑賞する時基本触らないものであるので心得のある人がたまに扉を開くくらいであれば脆くても大きな問題では無いのですが、模型鉄道の車輌は遊ぶたびに特に固定レイアウトを持つ人の少ない日本にあっては車輌を持って線路に乗せるなどの作業があるためプラモデルの文脈をそのまま持ってくるのは不自然です。
また、国鉄の旧型客車などは窓やドアが開くと夏の雰囲気を出せて楽しいのですがそのようなことができる製品は少なく、多くは機関車のハッチや煙室扉などといった運行上開いている必要がないものばかり開くようになっているところを見ると簡単につけられる付加価値なのでしょう。
また、細かいパーツをつけるとそれこそ車輌が止まっていても(むしろ止まっていないと、ですが)明らかに要素が追加されたことがわかり、簡単にやりがいを得られる工作なのだと思います。
やりがいという観点ではキサゲ作業での半田の削り取り過ぎも同じことが言えると考えています。
プラモデルが玩具と不可分だった時代はモーターで動く代わりに見えないディティールなどはほぼ存在せず、可動部分も強度を持たせるような形にされていました。
それがユーザーの志向の変化で細かくなる代わりにモーターで動く機能は廃されました。
ただし、扉が開くなどの細かな遊びは増えました。
それは自然な流れだと思います。
プラモデルは鑑賞する時基本触らないものであるので心得のある人がたまに扉を開くくらいであれば脆くても大きな問題では無いのですが、模型鉄道の車輌は遊ぶたびに特に固定レイアウトを持つ人の少ない日本にあっては車輌を持って線路に乗せるなどの作業があるためプラモデルの文脈をそのまま持ってくるのは不自然です。
また、国鉄の旧型客車などは窓やドアが開くと夏の雰囲気を出せて楽しいのですがそのようなことができる製品は少なく、多くは機関車のハッチや煙室扉などといった運行上開いている必要がないものばかり開くようになっているところを見ると簡単につけられる付加価値なのでしょう。
また、細かいパーツをつけるとそれこそ車輌が止まっていても(むしろ止まっていないと、ですが)明らかに要素が追加されたことがわかり、簡単にやりがいを得られる工作なのだと思います。
やりがいという観点ではキサゲ作業での半田の削り取り過ぎも同じことが言えると考えています。
7. Posted by キハ85-2 2026年06月15日 19:15
「走らせるものはギミックなしが良い。動かすのなら確実な鎖錠装置が必要、ドアは内開きのものが良い。」は、その通りと思います。
そのことを守ったうえで、客車のドアとか、貫通扉とかが開いている状態も再現するのは、車両の表情が豊かになって楽しかろうと思います。昔は、開けっ放しでよく走っていました。
小生は、1番ゲージに近い縮尺で電車を作っていますが、NやHOにはない特色を持たせたくて、車内に走行モーターが突き出ていない内装の作りこみと、ドアの開閉装置を目指しています。開閉装置は、HOのようなパシャパシャといった動きではなく、大縮尺を生かした実感的な動きができたかなと、僭越ながら少々自負しています。
繰り返しになりますが、可動部が走行中にフラフラするのはいけません。
動画リンク:
https://drive.google.com/file/d/1mFsM-e4eOsfRy8zxKMP7tDp31s_PsdAo/view?usp=drive_link
9. Posted by TM 2026年06月15日 21:31
昔の、エンドウのブリキ製貨車の有蓋車は、側扉が開くようになっていました。
アダチの貨車キットの有蓋車も、側扉開閉可能ですが、開閉すると塗装がはがれていまい、見苦しくなるので、アダチの貨車キットを組み立てた際は可動とせず、ハンダで側扉を固定しています。
何でも実物通りにすればよいのではなく、模型では実物と違っても、美観の維持やより良い走行のためにはやむを得ない割り切りが必要と思っています。
アダチの貨車キットの有蓋車も、側扉開閉可能ですが、開閉すると塗装がはがれていまい、見苦しくなるので、アダチの貨車キットを組み立てた際は可動とせず、ハンダで側扉を固定しています。
何でも実物通りにすればよいのではなく、模型では実物と違っても、美観の維持やより良い走行のためにはやむを得ない割り切りが必要と思っています。
10. Posted by Tavata 2026年06月16日 09:37
ギミックの件、私自身は割合好きな方なのですが、本来性能とのトレードオフを考慮していない作例が散見されるというのが問題の本質ではないかと思いました。
dda40x氏は鉄道模型は走ってこそ、という考え方を示されているので、このコメント欄にいらっしゃる皆様には、走行性能をスポイルし、剛性を弱めるようなギミックは走行模型では避けねばならず、それ相応の補強などが必要である、という事は当然であり、納得する話だと思いますが、一方で静物として扱う方にはピンと来ない話かもしれませんね。
なお、私はライト点灯(これをギミックと言うかは微妙ですが)が特に好きです。実車は昼間は非点灯ですが、私は走行時の模型的な楽しさを優先しています。トンネル内壁を照らしながら迫ってくる蒸気機関車の楽しさはライト点灯あってこそです。また、NやHOナローなどの小スケールの機関車の場合、存在感の向上の意味で効果があると感じています。
煙室扉の開閉と中の作り込みも、私自身やったことがありますが、塗装時にエアブラシで扉を吹き開けてしまい、ヒンジを損傷した経験があります。
ギミックの有無については、「こういう模型を作りたい」というポリシーの中で取捨選択するものだと考えています。
dda40x氏は鉄道模型は走ってこそ、という考え方を示されているので、このコメント欄にいらっしゃる皆様には、走行性能をスポイルし、剛性を弱めるようなギミックは走行模型では避けねばならず、それ相応の補強などが必要である、という事は当然であり、納得する話だと思いますが、一方で静物として扱う方にはピンと来ない話かもしれませんね。
なお、私はライト点灯(これをギミックと言うかは微妙ですが)が特に好きです。実車は昼間は非点灯ですが、私は走行時の模型的な楽しさを優先しています。トンネル内壁を照らしながら迫ってくる蒸気機関車の楽しさはライト点灯あってこそです。また、NやHOナローなどの小スケールの機関車の場合、存在感の向上の意味で効果があると感じています。
煙室扉の開閉と中の作り込みも、私自身やったことがありますが、塗装時にエアブラシで扉を吹き開けてしまい、ヒンジを損傷した経験があります。
ギミックの有無については、「こういう模型を作りたい」というポリシーの中で取捨選択するものだと考えています。