2026年06月04日

Roomette

PRR 18-roomette Pullman この客車は定員18人の個室寝台である。ただしそれはやや狭い部屋である。この小さな個室は roomette と呼ばれ、1937年に導入された廉価版の個室寝台だ。いかにもフランス語風の言葉だが、アメリカで使われ始めた造語である。アクセントは後ろにある。アメリカ人の中には、フランス文化に憧れを持つ人は今でも多い。

Pullman compartment interior いわゆる「通常型の Pullman の個室」にはベッド、椅子、テーブル、トイレが備わっている。ベッドは枕木方向にあるのが普通だ。すなわち通路は車体幅の片方にある。トイレは部屋の隅にあって上にクッションが載っている。ベッドは昼間は畳まれてソファになり、ゆったりとしている。これは旧国鉄時代のA個室寝台と同等である。それには45年ほど前乗ったが内部は殺風景で、かなりの料金を支払って乗ったことを後悔した。
 一方、アメリカの個室は木目調の塗装で落ち着きがあった。これは車内に可燃物をできる限り少なくするという目的で採用された。手描きでクルミの木目が再現してあった。これはプルマンの統一された仕様である。そういう職人を擁していたのである。

 ルーメットでは、トイレは昼間は露出(上にクッションがあり、蝶番で開くようになっている)しているが夜間はベッドの下になり、用を足すことが出来ない。ベッドを畳むと使用できるが面倒であるから、車端にある general toilet 一般用便所を使用せざるを得ない。

Budd_Company_Budgette_car_1945 このポスターは「開放寝台は古い。ルーメットの時代ですよ」と宣伝している。プライヴァシィが保たれる個室への移行を表しているのだ。1945年に始まった広告だそうだ。Budd社の広告でプルマンの仕様とは少し異なるが、二段式の上の寝台に登るのが嫌だという人はある程度居るということを強調している。 

 日本の寝台車には何回か乗ったことがある。ベッドがレイル方向と枕木方向にあるのと二種あった。確か前者がA寝台であった。ベッドが少し広かった。
 この方式を「プルマン式」と表現したのを見たことがある。これは正確には開放型プルマン寝台と言うべきであろう。厚手のカーテンに囲まれた2段寝台で寝るのは悪くはなかった。寝台電車は3段式であった。客車時代の3段式は乗ったことがない。
 その後新幹線があちこちに開業し、寝台車というものをほとんど見ることがなくなってしまった。

 アメリカではチャンスがあると乗ってみた。寝台、洗面所、ラウンジ、食堂車を順にくまなく見て体験するのは楽しかった。ラウンジにはピアノが置いてある場合が多かったが、調律がしてなかった。
 どれも大きな車輌であった。新幹線は十分大きいが、天井が低いのは残念と感じる。 


コメント一覧

1. Posted by 寝台車好き   2026年06月04日 15:56
面白いお話をありがとうございます。プルマン式寝台という言葉はよく聞きましたね。
さて、日本でもフランス語を導入した例はあります。ビュッフェです。英語では何と言えばよいのでしょう。発音は調べました。バフェイですね後ろにアクセントがあるのは面白いです。
新幹線にあったビュッフェは最近の記事のランチカウンター車に近いものですね。
2. Posted by dda40x   2026年06月04日 22:30
 アメリカ人は民主主義というものに最大の信頼を置いている国です。フランスはその民主主義を最初に実現した国で、そういう意味で憧れと信頼を持っています。(実際に行って見るとフランスはかなりいい加減な国ですけど)
 さて、ビュッフェの本来の意味は日本で言うバイキング方式のレストランでしょう。立ち食いを意味するという説もありますが、座るのが基本ではないでしょうか。
 新幹線のビュッフェは何度か利用しましたが立ち食いでしたね。あれに小さくても椅子があればランチカウンタに近いでしょうね。
 ルーメットはフランス風の名前にしているのは面白いです。発音はルメィに近いです。「メ」を強く言いフランス語風にします。そこまで拘るか、という感じですね。
 部屋の大きさはちょうど畳1枚くらいでベッドが開いてあると横に立つのはやや苦しいです。昼間もベッドにしてごろごろしている人も居ました。
3. Posted by YUNO   2026年06月05日 16:01
日本で線路方向のA寝台というと解放式だった頃ですね。後年量産された個室車では枕木方向に変わりましたが、とても狭く快適ではありませんでした。
一方、現在も走っているサンライズ号のA寝台は個室でありながら線路方向の寝台にしたおかげで1車両にわずか6室しかありません。
各室には寝台とは別の椅子とテーブルがあり、内装には木材が使われるなど贅沢な作りになっています。
4. Posted by dda40x   2026年06月05日 19:19
 サンライズの車内写真を見ました。確かに木目調です。難燃材料が使ってあるのでしょうね。
 現在定期列車の寝台はこれだけなのでしょう。昔とは変わって窓が曲面ガラスなのは驚きです。出雲に友人がいるので乗ってみたいものです。
 客車寝台は例の不定期特別列車だけのようで、これは寂しいです。

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