2026年03月16日

続 Alco C855 の塗装

 どんなに注意してマスキングをしても、塗料の漏れというものは発生する。その部分をナイフで削り、薄い塗料を塗って修正する。その作業に2時間も掛かった。

 マスキングは極めて困難な状況であった。エンジンフッドの脇には長い歩み板(cat walk)がある。そこは灰色に塗るのだが、エンジンフッドを完全にマスクするのは難しい。その表面にはいくつかの突出物がある。それを承知で細いテープを何回も貼るのだが、失敗することもあるのだ。

 その点、KTM製のディーゼル機関車は良く出来ている。その部分で切り離されて完全に縁が切れるのである。それやったのは祖父江氏だ。50年前、初めて会った時に GP35 を見せて話をした。筆者が、「他社の機関車はここが分かれないのですが、KTM製は分かれるのですね。」と言うと、「塗装の時に困るだろうと思ったんだよ。」と、こともなげに言ったのだ。

diesel hood split idea これには驚いた。一般ユーザにとっての不便な点を見事に突いていた。その一言でこの人は単なる職人ではないと気付いた。模型人なのである。
 その切り口部分はうまく嵌め込まれて全体を板バネで圧着し、エンジンフッドを強く握っても隙間は空かない。恐れ入りましたという感じであった。
 この手法はその後のKTM製品に受け継がれているが、他社にはほとんどない。
 
 運転室内を塗り、ガラスを嵌めた。 

コメント一覧

1. Posted by 経験者   2026年03月17日 20:47
塗分けの苦労を知っている方が設計したというのは素晴らしいことです。確かにこの部分はマスキングが大変そうですね。
このブログでは祖父江氏のことが時々紹介されていますが、今回のような本質的な工夫についてもどんどん紹介してくださると嬉しいです。

コメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価:  顔   星
 
 
 
Recent Comments
Archives
categories