2026年02月06日

続々 またまた炭素棒ハンダ付けについて

 炭素棒を赤熱させると約 800 ℃になる。この温度では一酸化炭素が大量に出るからやってはいけない。それは当然だが、もう一つは穴があく可能性があるからだ。薄い板だと一瞬で穴があく。厚いものでもそこに凹みができる可能性もある。
 洋白であると、より簡単に穴があいてしまう。それは洋白の熱伝導度が極端に低いからである。熱が逃げないということは温度が上がりやすい。その結果融けやすいわけだ。
 筆者は洋白を使うときは電圧を下げて電流を制限する。熱の伝わる範囲は狭く、やや使いにくい。こういう時は大きいハンダコテを使うほうが楽である。


 ハンダコテの先がハンダでぬれるようにして、そのハンダを熱媒体として使うべきであるという論調によく接するがそうでもない場合がある。筆者はハンダが付いていない真っ黒に錆びたハンダゴテを、強く熱して押し付けるという手を使うことがある。これは炭素棒ハンダ付けとそれほど変わらない。違いは先端が細くないことだ。先に軸に対して垂直に近い大き目の平面(3x10 mm程度)を持たせて、そこが全面的に接触するようにする。
 コテに溜まった熱は一気にワークになだれ込んでハンダを融かす。問題はその後で、炭素棒のように電流を切れば冷えるということはないので、細い棒でワークを押えながらコテを放す。
 これはプロの手法で、祖父江氏は「ハンダは力で付けるんだ。」という名言を残している。その意味もあって、ハンダコテの握り方はスリコギ持ちであるべきだ。この持ち方以外では力は入らないし、先が安定しない。  

 冷めるまで数秒以上保持せねばならない。これを厚いブラス板の上でやると、熱の発生速度は炭素棒ほど大きくないので、熱は下に逃げてしまい温度が上がらない。すなわち失敗する。

 コテによるハンダ付けは名人芸でもあるのだ。炭素棒はその難しいところをうまく避ける方法である。片方だけでうまく行くわけではない。どちらも利点、欠点があるのでそれをうまく使い分けることが成功への近道である。

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