2025年08月23日

ハンダゴテの先

コテ先 (1)コテ先 (2) 筆者の板金工作用の3種のコテの先である。左から150 W、100〜150 W、60 Wである。
 先が尖ったものは電気配線にしか使わない。先端が平型が模型工作には適する。

 この状態では先端はハンダめっきが不完全である。作業が終わった時、熱いままで先端を流水で洗う。塩化亜鉛を落とすためである。そのとき銅の上の酸化被膜が一部剥がれている。ハンダは付いてはいるが、ぴかっとは光っていない。これで良いのだ。

 使い始める前に大きなヤスリで形を整える。通電してハンダが融ける温度になる直前に塩化亜鉛の飽和溶液を塗る。以前にも書いたが、塩化亜鉛の飽和溶液の沸点は 320 ℃以上であるから、ピチピチとは音を立てない。そこにハンダを当てると、削って銅の面が出た部分の全体にハンダが廻り、いわゆるハンダめっきがなされる。
 焼けた状態でヤスリを掛ける人が多いが、それは間違いである。瞬時に銅の表面が黒くなるのが分かる。熱くなる前に塩化亜鉛飽和溶液で濡らしておき、ハンダが融ける温度になった瞬間にハンダめっきを掛けるわけである。
 このハンダめっきについてはおかしな記事があった。発刊当時のとれいん誌で前里氏が書いていたが、コテ全体をハンダめっきすべしというのである。まったく無意味である。そのめっきはすぐに酸化されて剥がれる。一体何が言いたくてあんなことを書いたのだろう。今でもやっているか、聞いてみたいものだ。

 コテが熱くなったら、直ちにハンダ付け作業に入って連続して使う。段取りをよく考えて、休ませないように使うのがコツである。作業の「間」が空く時は電圧を下げてコテ先の過熱を避ける。ハンダが付かないという人は、ほとんどこの過熱によってコテ先のハンダが酸化された状態なのだ。その状態では付くわけがない。ハンダコテを熱くしている時間をなるべく短くするべきだ。コテ先、ヒータの寿命は意外と短いものなのだ。

 最近は温度を自動制御でうまくコントロールできるコテもあるが、大きなワークには適さない。大きなものは素手では触れない温度(約 80 ℃ )にヘヤ・ドライヤで全体を温めておいて 150〜200 W程度のコテを使うと、完璧なハンダ付けが可能である。しかし、大きなワークはガスバーナで加熱するのが最適であろう。しかし普通のガスでは局所的に加熱することは出来ない。酸素・アセチレンを使える人はその種のバーナを入手すると良い。長さが 2 mm程度の極めて高温の炎が出来る。アセチレンの燃焼速度は水素の次に大きいからである。これがあると大きなワークでも予熱なしで局所加熱が出来る。炭素棒をはるかに上廻る発熱が、極めて狭い範囲で起こるからである。

コメント一覧

1. Posted by ゆうえん・こうじ   2025年08月24日 10:39
私は通常はコテ先を削らずに、既製品の鉄メッキコテ先を使っています。ヤスリは使わずに、耐熱スポンジのコテ先クリーナーに水を染み込ませて、使っています。

コテ先の形態のバリエーションが限定されるのが欠点ですが、これは邪道かも氏照れませんが同メーカーの他のコテ用のお気に入りの形態のコテ先を改造して使っています。

私が使っている温度制御コテ先は、センサーがついているワケではなく、ヒーターの電気抵抗で温度を測定している?ようですが、改造したあまりにも熱容量の大きなコテ先をつけると温度制御がうまくいかないようです。

あとハンダゴテで疑問なのは昔からの形のハンダゴテではコテ先の胴体をサ両側からヒーターで挟んでいることです。これだとヒーターの熱をかなり外に捨てているので効率が悪いと思います。
新型コテは穴があいていてコテ先を突っ込むようになっていますね。



2. Posted by dda40x   2025年08月24日 11:09
 鉄めっきはハンダの中のスズとのアマルガメイションを妨害するためにされています。これが無いとスズが銅の中にどんどん沁み込んでしまいます。したがって鉄の層を削ると意味がなくなります。好みのコテ先が見つかる可能性は低く、既存のものを使うしかありません。
 ヒータの側面からの放熱は意外と少ないものです。ヒータの面とコテの根元の面は直接接触して締め付けられていますからそちらの伝熱の方がはるかに大きいはずです。
3. Posted by 半田付男   2025年08月24日 23:16
1の方のように半田コテの先を湿らせたスポンジに当てる方法は初めて知りました。段取りを考えて連続使用を心がければ、そんなことをする必要はなさそうです。
当方の半田コテの使い方は自己流ですが、ほぼブログの記事の通りで驚いています。要はいかに通電時間を短くするかで、作業の効率化を考えて満足を得ています。ヒーターの寿命が短いのは本当です。いつもコテ先の水洗いで作業終了となります。これをしないと先がボロボロに錆びます。
4. Posted by 猫   2025年08月25日 08:33
水を含ませた耐熱スポンジで擦るのは電子工作では一般的ですね。鉄メッキのコテ先なら簡単に酸化被膜が落ちて綺麗になります。最近は粗めのスチールウールを使う製品もあるようですが。
銅のコテ先では厚めにハンダを乗せておかないと水スポンジでは上手くいきませんね。
5. Posted by ゆうえん・こうじ   2025年08月25日 09:34
3の方に誤解があるようなので書いておきますが、耐熱スポンジで拭うは通常の銅コテ先のように腐食しない 鉄メッキされたコテ先の扱い方です。
鉄メッキコテ先でも、高温で使っているとハンダの濡れが悪くなりますから、水を含ませた耐熱スポンジで拭って、表面が酸化しているハンダ皮膜などを落とします。
それでも濡れが悪くなってくるので、ハンダコテメーカーが出している ケミカルペーストといったフラックスと錫(すず)を配合したペーストをつかうとコテ先のハンダの濡れが回復します。

6. Posted by 半田付男   2025年08月25日 21:19
いや、私が言いたいのは板金工作をするには鉄メッキの施された既成のコテでは、このスリコギ持ちが出来ないのではないかということです。
色々なコテを使用していますが、どれもコテ先に平面の当たり面を付けてあります。連続使用するので、何かでしごかなくても半田がぴかっと光った状態を保ちます。作業終了時に流水でコテ先洗浄をすると黒皮がむける位ですね。
それから放熱の件ですが、空気と振れていても対流しか起こりません。内部ではコテと接触していますから伝導で熱が伝わります。こっちの方が二桁くらい熱が伝わりやすい筈です。

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