2025年06月24日

続 神戸の例会

 この会場に来る人の大半は関西で鉄道模型を楽しんでいるグループの人たちで、ある程度の知識と腕のある人たちである。静岡の会場に来た人たちとはやや違う。
 静岡で筆者が慣性増大装置のついた機関車を動かして見せていると、突然このように話し掛けて来た人が居た。
「この機関車にはウェイトが足らないね。」
 さすがにこの時は反論する気力もなかった。

 その話を友人にすると、A氏のC62の動輪がスリップするのを見て、「ゴムタイヤを付けるといいですよ。」と言った人も居たということを聞いた。
 昨今の鉄道では、車輪がスリップする現場を見ることがなくなったので、致し方ないのであろう。機関車は動輪がスリップするように設計してある。滑らないと運転しやすそうに見えるが、故障しやすいのである。

 神戸の例会では「慣性増大装置実演中」という看板を掲げておいたので、興味深そうに見てくれる人が居た。特に、
「ブレーキを掛けますよ」と言って、
僅かの逆電圧を掛けると動輪がロックしてスーッとスリップするのを見た人の中には、
「素晴らしい! こんな模型を見ることが出来るとは思わなかった。」と言ってくれる人が居た。その方は70代後半の方だった。
 しかし、若い人はあまりピンと来ないようだった。実際に蒸気機関車が走るのを見たことがない上に、動力車はスリップするものだという知識がないからだろう。

コメント一覧

1. Posted by ゆうえん・こうじ   2025年06月25日 00:22
HO/16番やNだと、牽引力を増やすためにゴムタイヤをつけるという手法が使われているのはご存じのとおりですが、回転トルクの小さいモーターだとモーターが負けてストールさせてしまうことがあります。それがコアレスモーターを積んでいる機関車でおきるとモーターが発熱して、磁力が低下してしまい不可逆的にパワーが低下してしまうという事態もおきるようです。
 起動時や逆転時だけではなく牽引力が不足するときスリップするというのは模型ではモーターを保護するためには必要だと考えるようになりました。模型のゴムタイヤを否定はしませんが、牽引力不足のときモーターがストールしてしまうぐらい粘着力を上げるのはマズいのは確かです。
2. Posted by dda40x   2025年06月25日 10:07
 TMS誌にゴムタイヤの記事が出た時のことを思い出します。最初の感想としては、牽かせるものの摩擦を減らすのが大事ではないかということでした。
 その後牽引力コンテストなどという首をかしげる話が相次ぎ、台車をバネでひねってフランジを引っ掛けて摩擦を大きくするなどという珍案が入選していました。どうかと思いましたね。
 そんなことより、客貨車の低摩擦コンテストをすべきなのです。まず直線の緩い勾配を下らせます。その次に適度な曲線(緩・急あり)を下らせて引っ掛からないことを 
確認して順位を決めればよいのです。これは客観的なテストになりますから、文句なく決まるでしょうね。客車ならある程度の編成で調べるべきです。貨車なら例えば10輌とか決めておくと良いでしょうね。

 本物の電気機関車はスリップしなければ壊れます。一部の蒸気機関車は滑らないように設計されていたのですが、はたして運転しやすかったかどうかは、議論の分かれるところです。 ペンシルヴェイニア鉄道の蒸気機関車はその例が多かったのだそうです。すると機関士の腕は関係なくなってしまい、後の強力機(スリップする)の登場時、まともに運転できる人がほとんどいなかったという話を聞いたことがあります。

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