2025年05月29日

入換の実演

delayed uncoupling 今年も実演をしていた。素晴らしいことではある。Delayed Uncoupling は Kadee couplerに備わった機能であって、何も目新しいことではないのだが、これを目の前で見て驚く人が多いのは不思議だ。この50年、TMSはいったい何をやって来たのか。

 現代では Kadee は価格的には何の問題もなく手に入るはずである。それを何も考えずに付けて、この機能を堪能していない人が99%以上であろう。下の解放腕を切り取る人も多いらしい。 
 そもそも Kadee を組む時に説明書の通りにバリ取りをして、粉末潤滑剤( 6B鉛筆でも可)を塗っている人はどれくらい居るのだろうか。

 筆者は自宅のレイアウトに電磁式の uncoupler(解放装置)を3個つけ、毎日遊んでいた。誰でもやっているのだろうと思っていたが、日本ではその実例をまず見なかった。
 
 外す時は車体を手で持ち上げる人が多い。あとで復線させるには苦労する。アメリカではマイナス型ドライバ(要するにネジ回し)を連結部に差し込んで捻る人が多かった。その時光が欲しいので豆電球を点けて照らしていた。
 もっと工夫して、ネジ回し部を透明なプラスティック棒にして導光させていた人が居た。これは面白いアイデアだった。

 すでに日本では入換を駅ごとではやっていない。拠点駅でしか連結・開放しないし、しかも列車を短くしたり併結することもないらしい。しかし模型の世界はそればかりではない筈だ。

 連結開放せず、周回線路をただ走らせて満足する人が多いのは、いったいどうしてだろう。

コメント一覧

1. Posted by 一式陸攻   2025年05月29日 08:57
この話題が出るたびにコメントさせていただいていますが今回も少し意見を述べたいと思います。
自分はもう20年以上前ですが、Nゲージャーだった頃にTOMIXのMカプラーがというアーノルト型のカプラーが磁石で開放できることをたまたま発見し、それから自動解放には今に至るまで取り憑かれています。
日本で流行らない理由はいくつか考えたことがあります。
まず現在は固定編成の電車が多いことが挙げられると思います。
ただ、自分は幼少期から近鉄の大和西大寺駅での増解結を幾度となく眺めてきたのでこれを再現したい方はいるはずです。
ただ、そのために必要なカプラーはHO以下では密連型で自動解放できるものは存在しないためアーノルトか自連型にする必要があります。
ただ、今まで一度だけNの密連カプラーをかなりの力技ながらDCCを使って解放している例は見たことがあります。
次に、流行りの貸しレイアウトなどで解放ランプレールがまず存在しないため、自宅以外ですることが無いというのが付帯的に挙げられるかと思います。

自分からすると手でいちいち繋げたりぶちぶちと外す方がよほど不自然なのですが、それでも外から全く見えない中間まで含めて精密なカプラーの方が良いという方と多く遭遇します。

ただ、当方の模型を二人で協力して走行中解放させるのは皆さん面白がったいただけるのでつまらないと思っている訳では無いように思います。
2. Posted by むすこたかなし   2025年05月29日 13:03
所属クラブがまだ公開運転会を行っていた頃、私の父はブルートレインの機関車交換を観客に見せながら説明していました。貨車の入れ替えとは逆ですね。
東京から牽引してきた青い機関車が関門トンネル用のステンレスの機関車へ、九州に入ると赤い機関車に、順番に観客の目の前にあるアンカプラーで開放・連結を行い、机の下にスピーカーを置いてホイッスルを鳴らし、長編成のブルートレインを走らせていました。これだけでも観客は驚き感心していました。
おそらく昨今の運転会では「特定の機関車+客車・貨車」の固定編成で走らせている方が多いような気がします。また、自分と他人の機関車や客車・貨車をつないで走らせることにも抵抗がある(気が引ける)と感じます。
3. Posted by 大之島鉄道   2025年05月29日 22:53
初めてコメントいたします。走行や音関係にも言及され、化学や物理に則った記事に感服しています。
さて、KDカプラーの組立は、説明書に従い、ドリルロッドやgrees-emを使って、シャンクやdraftgearboxを滑らかにしてから組み立てています。これは1973年に初めてKDカプラーを購入した時、説明書を辞書片手に翻訳してからずっと実施しています。
そのためシャンクが軽く動くので、DUが行えています。
4. Posted by Tavata   2025年05月30日 05:33
私も機関車列車が好きなのでDUは大きな魅力に感じています。
ただ、電車全盛後の世代なので、同世代ではかなり異質でしょう。

Nゲージでは一式陸攻氏の言うようにTomixのMカプラーがKDより手軽かつ確実なので、私もかなり楽しみました。Nの場合はポイントを通過するだけでも集電が不安定になり、低速で推進する動きはかなり難しく、KDでDUをするには車両も線路も根気よく調整する必要があります。互換のKatoナックルカプラーの方が安価かつ剛性が高くて調整しやすいので、私は多用していましたが、最近は解放腕のないタイプばかり売られていて、DU需要の低さを認知しています。
KD組立の注意点は、一応は代理店のカトーによって日本語説明書が同封されているのですが、認知している人は少ないと思います。

アンカプラー棒の利用は、私もアメリカで知ってそれ以降多用しています。KDのみならず、欧州のループカプラーでも対応できる汎用性の高い方法です。私は竹串を使っていますが、透明棒とライトの組み合わせは目から鱗です。

これらの模型での連結解放は、実物の客車列車やヤード中継の貨物列車を知らない世代でも楽しめることなので、模型界が新規層に楽しみ方の提示をしてこなかったことに尽きる気がします。(日本の鉄道模型界は実物体験偏重が過ぎます。)

その点、ご紹介されている入替のゲーム的な実演や一式陸攻氏の走行中の補機解放などは楽しみ方の提示として素晴らしいと思います。
5. Posted by dda40x   2025年06月01日 09:00
 皆さんコメントありがとうございました。他にもメイル、電話で多くのご意見を戴きました。早速、補足記事を書きました。
 わが国ではご意見戴いたような解放・機関車付け替えの実例をレイアウト上で楽しむ人は極めて少ないようです。しばらく前に指摘されたように「箱庭趣味」の人が多いようで、運転そのものを楽しむ人がまれになっているそうです。
 今回紹介した「解放棒」はとても便利です。手でやることに躊躇する人も居るようですが、本来、解放は人間の手でやるものなのです。手が届かないところは機械に頼るしかないのですが、目の前なら手でやるのはおかしくありません。
 昨今のTMSのレイアウト紹介を見ると、箱庭が大半なのでこの種の意見はなかなか通りにくいのでしょうね。
6. Posted by 夏山鉄道   2025年06月02日 21:44
 製作途上の私の小さなレイアウトでは,ヤードや駅だけでなく,転車台にもアンカプラーを組み込んであります。そのため,機回し,客貨車の分解・組立などが運転の中心となっており,ddxさんが仰るように「一般にはDUがあまり使われていない」とは思ってもおりませんでした。
(なお,アンカプラーを内蔵した転車台については,TMS No.998に製作記事を書きました。)
7. Posted by 夏山鉄道   2025年06月03日 21:26
上記の私の投稿で,dda40xさんと書くべきところ,ddxさんと間違って記してしまいました。大変な失礼を致しましたこと,心からお詫び申し上げます。
8. Posted by たづ   2025年06月03日 21:53
5 KD のトリップピンは、某模型店が言うような「垂れ下がる原因」なのでしょうか?私としてはそうとは思えません。下がっていたにしても、本来ポケットに組み付けるべきシムの封入忘れ、つまりは単なる組み立て不良の内に過ぎないと思います。
Nのアーノルトカプラーは解放ピンが機関車からは多くが消え去ってしまいました。もう機関車交代は忘れ去られたようです。辛うじて客貨車のアーノルトにはまだピンが付けて売られていますが、これも今のままではいずれ無しになるんでしょうか。
9. Posted by dda40x   2025年06月05日 11:28
>>6
 その記事を見落としておりました。申し訳ありませんでした。しかし、DUがTMS誌上に現れる頻度は極めて低いことは疑いのない事実です。どんどんその実例を増やしてください。
 

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