2025年06月02日

ore car の手直し

ore cars (2) 間違った設計のオアカーの数輌を修正して、とても気分が良くなった。
  
「台車のキングピン位置が間違っているから気分が悪い。」と友人に言うと、「僕は気にならないけど、どうしてそんなに気になるのか?」と彼に逆に聞かれた。

 筆者の父親は技術者で、この種の構造物を見た瞬間に何かを感じる人だった。そしてその感想は、2つの内のどちらかだった。
「この設計は正しい。」
「これは間違っている。すぐ壊れる。」
 実際に長持ちするものは正しい設計で、壊れたものは金属が疲労していたものが多い。

 そういう人に育てられてしまうと、無意識にそれを考えるようになってしまった。だから、以前述べたようにトラス構造が間違っていると、気持ちが悪くてしょうがなかった。気付かずにいたならば、もう少し楽しく人生を送れたに違いない。

ore car king pin shifted 今回はブラス製とプラスティック製の2輌を修正した。どういうわけか、ブラス製には元の位置の外側にもボルスタを留めるネジ穴があったので、抜いて差し替えただけで終了であった。ボルスタが内側に留めてあったのは、軸距離の大きなベッテンドルフがついていたことに原因がある筈である。
 プラ製のはどうしようもないので床板を外して切り刻んで、新たに作ったブラス製床板に接着した。連結器付近は上廻りに付いているので、外して切り詰めて床板に貼り付けた。大きな隙間は光硬化パテで埋めて塗装したら継ぎ目は分からなくなった。

 これで荷重が直接台車に掛かる正しい設計となり、精神衛生上とても良くなった。 

コメント一覧

1. Posted by 一読者   2025年06月02日 10:52
能力のあるお父様に育てられたからこそ、正しい知識が身に付き、素晴らしい模型が出来るのですよ。うらやましい限りです。
模型の世界で物理や化学がこれほどまで生きている記事を読めるのは一般人にはとても嬉しいことです。これからもよろしくお願い申し上げます。
2. Posted by dda40x   2025年06月05日 11:26
 父はいろいろな実例について批評を加えました。その答えは実はもう一つあり、
「これは過剰だ、重過ぎる。」というものでした。
 飛行機は重いと飛ばないわけです。飛行機に限らずすべての物に対して実用に使える最低限の線を狙うべきだというのです。
 剛性を残しつつ、なるべく薄く要所を抑えた設計が必要だと言いました。家庭用品でも必要のないところの肉が厚いと不機嫌でした。
「日本は資源のない国だ。無駄をしてはならぬ。」ということを何度も聞かされていました。

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