2025年04月07日
塗装剥がし

窓配置がおかしな、例のUS Hobbies時代の製品である。これを入手したのは25年ほど前で、カリフォルニアで開かれたコンヴェンションで見付けた。極めて安かった。その理由は、まず色調が実感的でなかったことと、台車、連結器が壊れていたこと、片方のデッキが壊れていたことである。それらは簡単に修復できた。一般的に、アメリカでは塗装に対する評価の比重が大きい。本体が良いものであっても塗装に失敗していると、価値が極端に下がるのだ。このカブースを見た人は「これは駄目だ、」と言って誰も手を出さない。3日間放置されていたので、閉会するときに行って安く買った。
塗装は見るからに厚く、0.4 mm程度はあった。艶などを考えると、自動車用の塗料を塗ったに違いない。この黄色は極めて彩度が高く、鉄道車輌には見えなかった。全体に埃をかぶせるように薄い灰色と褐色の混合物を塗った。多少落ち着いて見えるようになったのがこれである。窓ガラスを入れ、台車を作って本線を走っていたが、他の車輌とは見かけに格段の差があり、徐々に休車に追い込まれてしまった。あまりにも塗膜が厚く、ボテっとしていたのだ。
一念発起し、上下をばらしてブレーキフルードに漬け込んだ。3日後に出してみると、あとでタッチアップした部分は剥がれていたが、その他は多少柔らかくなった程度で剥がれていない。
やはり、これは一般の塗料ではないということだ。わずかに膨潤するが、溶解するようには見えない。おそらくエポキシ系の自動車用プライマを塗ってから、ウレタン系塗料を塗ってあるに違いない。
しょうがないから、ラッカシンナとアセトンの混合物を入れた大型ポリ袋に入れ、数時間ごとにごろごろと各面を浸すように転がした。普通ならば、この処方に耐える塗料はない筈だった。