2025年04月13日
トルクチューブ式ギヤボックス

この絵を見ればお分かりのように、トルクチューブが飛び出している。このチューブは外径 6 mm、内径 5 mmのブラスパイプで、たまたまあったものを利用したが、その精度には驚いた。内外ともぴったりの寸法である。
今でもトルクチューブの意味をよく聞かれる。一言で言うと、設計、施工が極端に楽になるということである。
もし、モータとギヤボックスを一体にして吊り掛けにしようと思うと、ギヤボックスからモータへの取り付けネジの位置を考えてその組立、分解の方法を考えねばならない。さらに、それを台枠に可動で取付ける手法も簡単ではない。軸重も均一になりにくい。大きな重いモータを使わざるを得ない時は、かなり困る。もっとも、このリンクの方法はあまりにも古い。現在はもう少し賢い設計だろうが、それでもモータをどのように取り付けるか、は少々考える必要がある。
トルクアームは多少楽ではあるが、機関車ごとに支持点を設計し直さねばならない。

「こいつぁ面白ぇ方法じゃねぇか。楽だよねぇ。みんな同じ設計でいけるぜ。」と賛同を得た。それ以降祖父江氏の工房で完成される機関車にはすべてこの方法が採用された。いわゆる Sofue Drive はこれを指すのだ。この写真の後部エンジンの駆動がそれである。前部エンジンのギヤボックスは、裏側からトルクアームで支えてある。これは関節式機関車であるから避けられない構造であった。
コメント一覧
1. Posted by F5 2025年04月14日 06:58
なるほど、どんな機関車でも同じになることを確認できました。モーターは固定できますから、そのブラケットから短い腕を前方に出し、そこにトルクチューブの先端部分を留めれば良いわけです。
主台枠から腕を生やしてトルクチューブを支える方法も考えられます。
このギヤボックスを用意してあれば各種の機関車を簡単に動力改良できるわけです。とても良い考えだと思いました。
主台枠から腕を生やしてトルクチューブを支える方法も考えられます。
このギヤボックスを用意してあれば各種の機関車を簡単に動力改良できるわけです。とても良い考えだと思いました。
2. Posted by 老模型人 2025年04月14日 12:37
開発された新アイデアがプロによって認識されて製品に生かされていく例をいくつか拝見しております。素晴らしいことですね。
しかしながら残念なのは、そういうものがTMSには全くと言っても良いほど載らないことです。
編集者は理解できないのでしょうかね。
しかしながら残念なのは、そういうものがTMSには全くと言っても良いほど載らないことです。
編集者は理解できないのでしょうかね。
3. Posted by dda40x 2025年04月15日 10:15
コメントありがとうございます。
祖父江氏は、工学の知識を持つ技能者であり、当時の(いや今も)模型界にはなかなかいない実力者でした。
酒井喜房氏に紹介されて、その能力に触れ、驚きました。職人であるとともに趣味人で、好きなことを突き詰めるという方でした。
私のアイデアを話すと、使えるものは直ちに採用して製品に使われました。それが外国でも通用するものであることは我々にとって大きな励みになりました。
もちろん彼自身の発案のものは無数にあります。
最近のTMSの記事は見かけだけを評価しています。しかも先号のようにたくさんロストワックス鋳物を貼り付けても、それらがヒケを持っているような状態です。誰もそれに気が付かないのでしょうか。
結局のところ、自分で手を動かさない自称自作派の人が多いということでしょうか。
祖父江氏は、工学の知識を持つ技能者であり、当時の(いや今も)模型界にはなかなかいない実力者でした。
酒井喜房氏に紹介されて、その能力に触れ、驚きました。職人であるとともに趣味人で、好きなことを突き詰めるという方でした。
私のアイデアを話すと、使えるものは直ちに採用して製品に使われました。それが外国でも通用するものであることは我々にとって大きな励みになりました。
もちろん彼自身の発案のものは無数にあります。
最近のTMSの記事は見かけだけを評価しています。しかも先号のようにたくさんロストワックス鋳物を貼り付けても、それらがヒケを持っているような状態です。誰もそれに気が付かないのでしょうか。
結局のところ、自分で手を動かさない自称自作派の人が多いということでしょうか。