2025年03月28日

続 今野氏の意見

 細かく作った模型を褒めるという尺度はあるだろう。それはそれで仕方ないが、意味があるかというと少々怪しい。
 
 その昔、もう35年ほど前だが、吉岡精一氏はこう述べた。
本物の図面通りに作りました、って得意そうに言う人は多いが、それが出来るかどうかということは置いといても、そんなに難しいことではない。頭を使わなくても良いのだからね。
 模型は小さいから、縮尺通りに作っても挙動が異なるんだ。そこを考えられるかどうかというのはその模型人の力量そのものなんだよ。
 ヤング率は一定だから小さなバネは相対的に硬くなり、ものは壊れなくなる。しかし模型をひっくり返したりして保持する仕方が本物とは異なるから、逆に壊れやすくなることもある。機関車のキャブなんて本物の通りに作ったら 0.05 mm厚以下になるだろう。でも手で持つのだからある程度の剛性は必要だよね。」

 要するに、軽々しく「本物通りに作ったと言うなよ。」ということなのである。
 
 しかし今回の記事を見ると、「本物通り」という言葉が聞こえてくるような気がする。そんな筈はないのだけども・・・。

コメント一覧

1. Posted by 精密モデラー   2025年03月28日 09:29
遙か前に模型製作工場の見学で最後の行程で試走テストがあった。作業台に勾配も無く1メートルの直線レールを敷いて数回行き来をさせて終わっていた。作業者曰く「うちの製品は超精密(’実物の完全縮尺)で出来て居るので、購入者はこの走行試験より多く走行する事が無いさ」と言っていた。購入者は実物のように、列車運転を夢見ている。現在でも直線しか走行しないと言う話題を耳にする。
2. Posted by 愛読者   2025年03月28日 19:06
吉岡氏の教えは素晴らしいです。

「本物通りに作るのは難しいことではない」と言い切り、「頭が要らないから」と言うのはなかなかできないことです。
しかし、よくよく考えると、その通りですよね。
3. Posted by dda40x   2025年04月02日 20:58
 椙山氏の「走行性能、塗装済み、ディカール、ガラス」の件は今でも正しく実行しています。
 時々、「ガラスが入っている!」と驚く人が居ますが、かえってその方が不思議だと感じます。

 吉岡氏の「頭が要らない」の件はいつもその通りだと思います。形だけでゴリゴリ動く(「走る」ではない)のを見ると、良い気分ではありません。
 最近はYoutubeで走行場面の動画を見ますが、「BGMが付いているのは聞くに堪えない音を出している」という人が居ます。そうかもしれませんね。

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