2025年03月06日

Mr.James Tangney

 この人の名前は1970年代の NMRA の Bulletin(会報)に出て来る。NMRAの選んだ Master Model Railroader(達人)に選ばれている。筆者は会ったことはないが、友人から評判を聞いたことがある。すごい腕の持ち主であったようだ。

Nov 1990 Bulletin  date もともとは飛行機の模型の世界の人だったそうだが、鉄道模型に急にはまってしまったという。深い工学の知識と凄まじい実践力の持ち主で、誰もできなかったことを成し遂げるのが趣味だったそうだ。1980年代に、HO貨車のブレーキハンドルを巻き上げると実物通りにリンクが作動しブレーキが掛かる模型を発表したのは記憶にある。
 歯車、モータは自分で作り、自家鋳造で細かいものを作るのが趣味だったという。

CB&Q Pacific この写真はNMRAの会報1990年11月号から複写したものだ。 CB&Q の機関車であるが、裏から見ても歯車が見えない。シリンダの側面は外されて中のピストンが見える。すなわち、主台枠内部からピストン棒を駆動しているのだ。残念ながら、その解説記事がいまだに見つからない。

 例の機構で、日本型でなく米国型の機関車のシリンダの内部から駆動したものと同様のものである。こちらの方が時期的に早い。山崎喜陽氏が、それよりも早い時期にD51の記事が出ているので、「D51の記事を送ってみる」と勢い込んで書いていたが、その後それに関する記事はないようだ。ということは不発に終わったと思われる。もしTMSの記事の方が早かったのであれば、意気揚々と何か書いたに違いない。ということはどんなやり取りがあったのだろう。

 筆者の疑問点はもう一つある。これが Tangney 氏自身の発想なのか、ある日本人の発想が彼の友人の NMRA の有力会員を経て伝えられ、本来の開発者の偉業を称える形で発表されたのか、である。
 筆者はその開発者から日本での理不尽な発表のされ方を聞いていたので、Tangney 氏に直接会って経緯を聞きたかったが、残念ながらそれは叶わなかった。 
 その頃のBulletinを順に見ているのだが、なかなかそれに関する記述が見つからない。この件に関して何か情報があればありがたい。

 筆者もギヤが見えない機関車を作ったことがある。

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