2025年01月23日

Texas and Pacific の Texas

T&P Texas この機関車は祖父江氏のところにあったジャンクから作った。2-10-4の軸配置は、この機関車が最初だったのでTexasと名付けられた。

MG T&P smokebox front「部品が足らねぇよ。」ということだったが、アメリカのジャンク市で部品を買い集めたり、手作りしてほぼ完成させた。この種のジャンク部品は意外と高いものである。


 サンドボックスは増設した。裾の丸味はハンダを盛ったものである。これは上手く出来なかったので、祖父江氏にやってもらった。
 祖父江氏は大きな銅の焼き鏝を加熱して、サンドボックスをボイラに付けたままで、ひょいひょいと廻して盛ってしまった。その間約2分である。達人の技を近くで見られて幸運であった。50%ハンダを使ったのを確認した。  

 この機関車は Lima 社の自信作で、主台枠が途中で切れている珍しい一群である。Super Powerというシリーズだ。従台車は無く、曲がる主台枠の後半が、従台車の代わりをする構成であった。Articulated Locomotive という本では、この機関車を関節式の中に入れているほどである。

MG T&P Texas Super Power 大きな火室を支えるために、主台枠の下に独立した台車を設置するのではなく、灰受けその他をすべて載せた台枠(水平面での回転しかしない)が滑り子 (slider) で火室後部を支えている。前進には非常に具合の良い構造ではあったが、後退時には分岐での脱線が起こり易かった、と Wikipedeia には書いてある。この話は初耳だ。機関車の出力は火室の大きさによって決まるらしい。このことは井上豊氏からもたびたび聞いた。

 模型もその構造を再現し、ドロー・バァ(機炭間の連結棒)は後部台枠から出ている。祖父江氏は、「主台枠はここで切れちまって後ろはねぇんだよ。でもねぇ、模型じゃ、モータを入れにゃならねえんでね。」と言った。そのための薄い台枠が火室の途中まで伸びていたのだ。しかしコアレスモータが付いていれば、それは不要であるから切ってしまうつもりだ。 

 この機関車には祖父江氏の双方向クラッチが付いている。うっかりして箱の中に転動止めの詰め物をするのを忘れて、工作室から撮影のため動かした途端に機関車が動いてカウキャッチャがつぶれた。また作らねばならない。   
 双方向クラッチはどうも都合が悪いものだ。動輪軸を外して、新規に製作した高効率ギヤ付の動輪軸に取り替える必要がある。これで壊したのは2回目だ。やる気が失せる。

コメント一覧

1. Posted by たかひろ   2025年01月23日 11:52
Limaでは"Four Wheel Articulated Trailer Truck"と称してましたので台枠と見なすか従台車と見なすかは見解の分かれるところではあります

> 後退時には分岐での脱線が起こり易かった、

曲線上では推進抵抗によって水平面内座屈を起こしたんじゃないかと思われます
(滑り子内のコロ式復元装置が非力)
2. Posted by 読者   2025年01月23日 13:50
ほんとだ。カウキャッチャーが壊れてますね。ボールベアリングで摩擦が少ないので、箱の中で動いてしまったわけです。それだけで壊れるという訳ですから、かなり重いということですね。
3. Posted by dda40x   2025年01月23日 21:34
 テンダへの連結棒が付いている以上、従台車というのは無理がありそうです。台車の中に灰受を簡単に付けることにします。
 機関車は 2 kgほどあり、プラスティックのケース(昔大量に買い求めた video tape 用の容器で運ぶときに5 cmほどの隙間がありました。キャブ側に寄せて運ぶようにするのでカウキャッチヤは壊れない筈でしたが、うっかり箱を壁に当ててしまい、壊しました。これは双方向クラッチなしであったなら、まず壊れることはないでしょう。
4. Posted by たかひろ   2025年01月24日 07:23
> テンダへの連結棒が

電気機関車には台車に連結器が付いたのが沢山有りますね

> 台車の中に灰受

Oil-burningならAshpanは要らないんじゃないでしょうか
Fireboxの底を閉じたほうが好いでしょう
5. Posted by dda40x   2025年01月24日 09:34
 しかし、蒸気機関車の従台車に連結棒があるのは見たことがないです。
 灰箱の件はおっしゃる通りです。他社の大きな灰箱付きのを見て、何かないと隙間が空いて見えますから付けた方が良いと考えたのです。オイル焚きの火室底の良い図面はありませんか。ロコサイクロを見ても参考になるものが見つかりません。
6. Posted by たかひろ   2025年01月24日 12:07
> 蒸気機関車の従台車に連結棒

いっそのこと英LNERの技師長Gresleyが1931年に古い4-4-2を改造したClass C9 (4-4-4-4)みたいに従台車を機炭間の連結に兼用したほうが潔かったかも知れませんね

> ロコサイクロを見ても

ロコサイ1930年版P460と1938年版P442にT&P 2-10-4の火室部分の三面図が載ってます(全く同じ図)
7. Posted by dda40x   2025年01月24日 18:40
 ロコサイクロをお持ちですね。素晴らしいことです。30年版を見ました。蒸気によるヒータが見えていますね。バーナの位置が意外と後ろで驚いています。UP の800の燃焼室のバーナ位置はかなり前です。煉瓦アーチの位置に近いと炎が長く大きくなって有利な筈です。
8. Posted by たかひろ   2025年01月24日 20:23
想像ですけど元々Coal-burningで計画されたモノ(Grate Area=100sq.ft.)をOil-burningにしたんじゃないでしょうか
(Oil-burningなら長いFirebedは不要)
P185にはT&P No.600の竣工写真も載ってますので火室下のスケスケ感もつかめるかと存じます
ちなみにロコサイは他に1919, 1922, 1925各年版も有りますのでお問い合わせには応じられるかと
9. Posted by たかひろ   2025年01月25日 16:40
良く考えたらUP FEFも元は石炭焚きでG. A.も同じ100sq.ft.でした
UP FEFのFlame Travelの数値が判りましたらご教示いただけると幸いです
(T&P機は76in )
10. Posted by dda40x   2025年01月25日 18:29
FEFの場合は火室の前の壁(煉瓦アーチのすぐ下)にバーナが付けてあります。横から見ると見えます。炎の長さは不明ですが、火室長さに該当する筈です。それに比べるとこのT&Pの炎の想定長さが意外に短いので不思議なのです。
11. Posted by たかひろ   2025年01月26日 18:26
済みません小生のメアドが間違ってました
12. Posted by dda40x   2025年01月26日 19:03
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