2025年01月31日
SP の Southern Pacific(Max Gray)
軸配置 4-10-2 を ”Southern Pacific” と呼ぶ。SPの注文で作られたのが最初だからだ。この模型はMax Gray向けで、製造は祖父江氏だった。
「こいつにゃあ、苦労したぜ。」と言う。サンドドームを貫通しているスロットルの引き棒の孔を前後で合わせるのが大変だったそうだ。ガタの無い孔で、なおかつ引き棒が曲がってはいけない。正確なジグを作り、ケガキを入れたという。これは難しそうだ。
この SP はアメリカの中古市場で破損品を入手したものだ。徹底的に修理して先輪の復元機構を作り、動力機構を取り替えた。祖父江氏が「あんたもよくやるよねぇ」と呆れるほど手を加えた。3気筒だから先輪の復元機構の厚さがほとんど取れない部分であったが、V字の斜面で正しくセンタリングする機能を持たせるように設計し、作り直した。
3気筒機であるから、中央クランクを作動するように改造した。しかしそれは祖父江氏の目には適わず、さらに2回も改良工事を受けている。この件については以前にも述べた。
外観は完成しているが、キャブ内が作ってなかった。そのまま30年近く放置してあったのだ。極めてよく走り、どんな線路状況でも脱線したことがないので、救出用の機関車として重宝していた。自宅のレイアウトで手が届きにくい場所で脱線した貨車があっても、連結さえできれば牽き出せる。牽引力は大変大きく、信頼性があった。
これもキャブ内を適当に作って塗ることにする。重油専焼型の焚口戸はたくさん用意してある。後はメータ類とブレーキだけだ。その程度の部品が付いていれば、文句はない。
32年前この機関車がほぼ完成した時、神戸の震災で亡くなった魚田真一郎氏に見せた。彼はその構成と走りに驚嘆した。
「こんなに実感的であって強力で、滑らかに走る機関車は世界中のどこにもない。」と褒めちぎった。
それでこのレヴェルの機関車を祖父江氏に作って貰い、世に残すべきだと、祖父江プロジェクトを立ち上げたのだ。
全軸イコライジングで、模型としての完成形を作ろうというものである。祖父江氏という類稀なる能力を持つ人に、正しい資料を適切に提供し、物理的、工学的な監修を施した世界最高の模型を作って貰おうということになった。日米の模型人と交渉して、販売先を確保しつつ、資料と部品の入手に尽力した。晩年の祖父江氏はこれらのプロジェクトで忙しかったが、きっと幸せであったと思う。
Sofue Projectとして8機種の製品が誕生し、それらはOゲージ鉄道模型の最高傑作とされている。
この機関車は動輪径が63インチ(1600 mm)であって、固定軸距離がそれほど大きくはないので急曲線の続くSPの山岳路線では重宝されたのだ。
「こいつにゃあ、苦労したぜ。」と言う。サンドドームを貫通しているスロットルの引き棒の孔を前後で合わせるのが大変だったそうだ。ガタの無い孔で、なおかつ引き棒が曲がってはいけない。正確なジグを作り、ケガキを入れたという。これは難しそうだ。


外観は完成しているが、キャブ内が作ってなかった。そのまま30年近く放置してあったのだ。極めてよく走り、どんな線路状況でも脱線したことがないので、救出用の機関車として重宝していた。自宅のレイアウトで手が届きにくい場所で脱線した貨車があっても、連結さえできれば牽き出せる。牽引力は大変大きく、信頼性があった。
これもキャブ内を適当に作って塗ることにする。重油専焼型の焚口戸はたくさん用意してある。後はメータ類とブレーキだけだ。その程度の部品が付いていれば、文句はない。
32年前この機関車がほぼ完成した時、神戸の震災で亡くなった魚田真一郎氏に見せた。彼はその構成と走りに驚嘆した。
「こんなに実感的であって強力で、滑らかに走る機関車は世界中のどこにもない。」と褒めちぎった。
それでこのレヴェルの機関車を祖父江氏に作って貰い、世に残すべきだと、祖父江プロジェクトを立ち上げたのだ。
全軸イコライジングで、模型としての完成形を作ろうというものである。祖父江氏という類稀なる能力を持つ人に、正しい資料を適切に提供し、物理的、工学的な監修を施した世界最高の模型を作って貰おうということになった。日米の模型人と交渉して、販売先を確保しつつ、資料と部品の入手に尽力した。晩年の祖父江氏はこれらのプロジェクトで忙しかったが、きっと幸せであったと思う。
Sofue Projectとして8機種の製品が誕生し、それらはOゲージ鉄道模型の最高傑作とされている。
この機関車は動輪径が63インチ(1600 mm)であって、固定軸距離がそれほど大きくはないので急曲線の続くSPの山岳路線では重宝されたのだ。