2025年01月09日

続 UP Mikado 

UP Mikado 2 この写真はしばらく後の撮影である。既に煙突は沈ませてある。もう少し低くしてみよう。この機関車は、Heavy Mikado と呼ばれる。それでは Light Mikado とは何か。それは動輪径が小さいものを指す。これらは63インチ(1600 mm)であるが、小さい方は 57インチ(1448 mm)である。   

 煙室の真下にはリヴェットのついた補強板を当てる。その場所を用意しておいた。それを付けるとボイラ中心が少し上がるから、キャブも持ち上がる。そうするとテンダの炭庫の肩の曲がり具合との整合性がよくなる。この部分の整合性が無い模型はたまに見るが、変なものである。Rivarossi のUP FEF3はそれだ。Big Boyのテンダを流用しているので、肩の曲線が全く合っていない。 これは椙山氏ものちに同じことを仰っていたのを記憶している。アメリカの雑誌の記事で、それを修正したテンダを作った話があった。

 カウ・キャッチャは硬い材料のものに取り替えたい。ラニングボードは短くして段を付け、その下にエア・コンプレッサを2台付ける。

 また、シリンダ部上の排気管(左右で2本)は少し長さが足らなくなりそうで、継ぎ足す方法を考えねばならない。 設計してから作っているのではないので、あちこちを補正しながらの作業である。1輌しか作らないものであるから、気楽である。

 キャブはハンダが剥がれて分解してしまった。焼き鈍された板をエッチングしてハンダ付けしてあるが、彼らにはその技量がない。
持つと多少歪む。それが累積するとハンダが割れ、壊れてしまったのだ。硬い板で裏打ちをして、角には角棒を入れて作り直す。 
 このように補強していくと、完成時には元の製品とは全く異なる剛性のある機関車になる。

コメント一覧

1. Posted by たかひろ   2025年01月10日 11:02
前略、いつも興味深く拝読しております。
Heavy Mikado と Light Mikado の違いを動輪径によるものとしておられましたが、Heavy と Light の分化がUSRAを起源とすれば、動輪軸重の差によるものではないかと思われます。
手元の The Journal of the Institution of Locomotive Engineers. Vol.50 (April-June 1921) 所載の論文 "Standard Locomotives in the United States." に拠りますと、USRA 12形式に関しては下記のようになっております。
Mikado, Santa Fe, Mountain
Heavy: 60,000 lbs. / Light: 55,000 lbs.
Pacific
Heavy: 65,000 lbs. / Light: 55,000 lbs.
0-6-0, 0-8-0
55,000lbs.
2-6-6-2, 2-8-8-2
60,000lbs.
なお動輪径につきましては、
Mikado
Heavy / Light 共 63in.
Santa Fe
Heavy 63in. / Light 57in.
Mountain
Heavy / Light 共 69in.
Pacific
Heavy 79in. / Light 73in.
0-6-0, 0-8-0
51in.
2-6-6-2, 2-8-8-2
57in.
以上ですが、もし米国内の実情と違っていましたらご指摘願います。
 

2. Posted by dda40x   2025年01月10日 18:44
 興味深いコメントありがとうございます。その件は、何十年も私の頭の中で巡っています。UPの従業員だった友人もそれを調べていて、以前のパシフィックの件で、動輪径しかないということになりました。しかし軸重や、機関車質量も全部調べてみると、多少はずれるものが出てきました。ミカドは、動輪径で分類して、まずいところはありませんでした。
 ただし、これはUPの範囲のことで、他社については不明です。USRA以前の物は、規則はなかった訳です。
3. Posted by たかひろ   2025年01月10日 20:20
>2.
早速のご返信有難うございます。
USRAが基本仕様を決める際に在来形式を網羅的に調べた結果、動輪軸重の分布に概ね二つのピークが有ったことより、Heavy / Light を分けたと承知しております。
線路等級の差異に対応する上でも動輪軸重を第一義に考えた方が良さそうな気がしますが、当事者が言うのであれば仕方ありませんね。

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