2025年01月05日

等速ジョイント

 先日の質問に答えるには図を用意せねばならず、多少の時間が掛かった。
等速になる配置 まず、一組のユニヴァ―サル・ジョイントはどのような角度で使うと等速になるか、という常識から始めねばならない。その結論は簡単で、全体が面対称あるいは点対称に配置された場合だけである。
 この2つの図は伊藤 剛 氏の解説の図から切り出したものを切り貼りして作った。ジョイントの全体がこの形になればよい。

等速になるジョイントの位置 台車キングピンの真下にあれば、いかなる時でもこの形になる。条件としては主台枠に取り付けられた軸受があって、中間のドライヴ・シャフトがいつも車体中心に平行であることだ。


 もしの中間軸が浮動していると、面倒なことが起こる。浮動させると、前後でジョイントをひとつずつにせねば不安定になる。すなわち全体でこの一組のユニヴァーサル・ジョイントと同じ構成になる。その場合は台車の水平面での回転が独立に起これば、等速とは言えない条件も起こりうる。

 一般的には2軸台車にはギヤボックスが2つずつあり、ユニヴァーサル・ジョイントは台車の外にある。そうすると折れ角は大きく、不等速性は無視できなくなってくる。ディーゼル機関車などでは推進力はドライヴ・シャフトの中央から供給される。今回の設計では回転は片方の台車の端から上に取り出されている。角速度が等しくない設定で大きなトルクを二回も経由させていれば、そこで不具合が起きる。慣性増大装置ではフライホィールの慣性モーメントは巨大で、それを駆動する回転に速度変動、それに伴うトルク変動があれば、悲惨な結果になる可能性が大きいわけだ。

 筆者が作った時もその点に十分注意して、不等速になることを避けている。

 先日台湾に行った友人の話によると、例の間違ったシェイは、相も変わらず間違ったままだそうだ。困ったものである。実は白井 昭氏が台湾の鉄道に影響力が大きいことを知っていたので、ある人を介してお願いしていたのだが、効き目がないようだ。

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