2024年12月18日
ゴムチューブの実力が判明
このブログでは、ゴムチューブをギヤボックスとモータ軸の接続に使うのは良くない、と書き続けて来た。さりとて、その客観的なデータがあるのかと言われると、なかなか難しい問題だった。
高効率ギヤと慣性増大装置を 45 mmゲージで実装されている A 氏が、客観的なデータを採って写真を提供して下さったので紹介したい。
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これはモータ単体を 6 Vで無負荷回転させた時の電流を示している。モータ自体はそれほど高効率のものではなさそうだ。0.20 W ほど消費している。
�◆ヾ契�増大装置(フライホィール)を遊星ギヤを使って4.4倍に増速している場面だが、金属製のユニヴァーサル・ジョイントを用いているときの電流値は0.18 Aである。その時の電力は 1.1 Wである。この時、アラインメントには留意し、直線上に配置しているから、継手の中の損失は事実上ないと考えられる。
�� その慣性増大装置 ＋ 遊星ギヤをシリコーンゴム・チューブを介して回転させているときの電流は 0.28 A で、電力は 1.7 W弱である。この時もアラインメントには留意して、直線上にあるようにしている。
�◆櫚，詫契吋�ヤ内部での損失とフライホィールの軸受での摩擦損失、空気抵抗損失の和である。継手での損失はほぼ無視できる。
��−�△蓮�シリコーンゴム・チューブに起因する損失であると考えるのが妥当だ。いったい何が起こっているのかはよく分からないが、この損失は無視できない大きさである。
負荷によりチューブがねじれて長さが多少縮み、それによって軸受けにスラストがかかって損失が増える可能性もある。しかしこんなに短いのであれば、その量は無視しうる程度なのかもしれない。
もしくは、アラインメントを合わせてあるとは言え、「極微量のずれ、角度ずれが存在すればその損失が現れる」ということなのかもしれない。だとするとそれは非常に感度が高い（少しでも狂っていれば大きな損失を生じる）ファクタだということなのだ。
また、蒸気機関車の前進時、ギヤボックスはモータ側に傾くであろう。その態勢ではチューブに剪断力が掛かる。後退時はどうなるのだろう。
もし、負荷が増大すれば、損失はさらに増大するであろうし、トルクアームがなければ、ますます大きくなるであろう。しかし、上記のような感度が高いファクタであると、トルクアームも役には立たないことになる。
いずれにせよ、このような理想的にアラインメントが出ている状況でさえもこれだけの差があるのである。だから蒸気機関車の模型に付けた時は悲惨な結果になるのであろう。
この実験を参考に、読者の方々から実測値をお知らせ戴くと嬉しい。その際には必ず実験方法が分かる写真を付けて戴きたい。
高効率ギヤと慣性増大装置を 45 mmゲージで実装されている A 氏が、客観的なデータを採って写真を提供して下さったので紹介したい。��
これはモータ単体を 6 Vで無負荷回転させた時の電流を示している。モータ自体はそれほど高効率のものではなさそうだ。0.20 W ほど消費している。
�◆ヾ契�増大装置(フライホィール)を遊星ギヤを使って4.4倍に増速している場面だが、金属製のユニヴァーサル・ジョイントを用いているときの電流値は0.18 Aである。その時の電力は 1.1 Wである。この時、アラインメントには留意し、直線上に配置しているから、継手の中の損失は事実上ないと考えられる。
�� その慣性増大装置 ＋ 遊星ギヤをシリコーンゴム・チューブを介して回転させているときの電流は 0.28 A で、電力は 1.7 W弱である。この時もアラインメントには留意して、直線上にあるようにしている。�◆櫚，詫契吋�ヤ内部での損失とフライホィールの軸受での摩擦損失、空気抵抗損失の和である。継手での損失はほぼ無視できる。
��−�△蓮�シリコーンゴム・チューブに起因する損失であると考えるのが妥当だ。いったい何が起こっているのかはよく分からないが、この損失は無視できない大きさである。
負荷によりチューブがねじれて長さが多少縮み、それによって軸受けにスラストがかかって損失が増える可能性もある。しかしこんなに短いのであれば、その量は無視しうる程度なのかもしれない。
もしくは、アラインメントを合わせてあるとは言え、「極微量のずれ、角度ずれが存在すればその損失が現れる」ということなのかもしれない。だとするとそれは非常に感度が高い（少しでも狂っていれば大きな損失を生じる）ファクタだということなのだ。
また、蒸気機関車の前進時、ギヤボックスはモータ側に傾くであろう。その態勢ではチューブに剪断力が掛かる。後退時はどうなるのだろう。
もし、負荷が増大すれば、損失はさらに増大するであろうし、トルクアームがなければ、ますます大きくなるであろう。しかし、上記のような感度が高いファクタであると、トルクアームも役には立たないことになる。
いずれにせよ、このような理想的にアラインメントが出ている状況でさえもこれだけの差があるのである。だから蒸気機関車の模型に付けた時は悲惨な結果になるのであろう。
この実験を参考に、読者の方々から実測値をお知らせ戴くと嬉しい。その際には必ず実験方法が分かる写真を付けて戴きたい。
コメント一覧
1. Posted by 老模型人 2024年12月20日 18:19
結果を拝見して驚愕しております。
こんな商品を数十年も売っていたとは信じられない思いです。
どなたもコメントを書かれないのはどうしてなのか、と考えております。驚き過ぎてものが言えないのか、それとも、そんなこと俺には関係ないと思っていらっしゃるのか…。
こんな商品を数十年も売っていたとは信じられない思いです。
どなたもコメントを書かれないのはどうしてなのか、と考えております。驚き過ぎてものが言えないのか、それとも、そんなこと俺には関係ないと思っていらっしゃるのか…。
2. Posted by dda40x 2024年12月20日 19:54
この記事の読者数がかなり増えているのですが、コメントは初めてです。以前から調子が良くないとはわかっていたのですが、ここまでひどいとは思いませんでしたね。
六角ジョイントに切り替えた方たちの驚きがよく分かりました。
六角ジョイントに切り替えた方たちの驚きがよく分かりました。
4. Posted by YUNO 2024年12月21日 12:21
アラインメントを合わせてもゴムチューブで損失が発生する理由を色々と考えていたのですが、エビデンスがないのでコメントを控えていました。
思いついた理由の一つが、ゴムチューブを捻るのにエネルギーが使われているのではないかということです。
結果として、モーター軸とギヤボックスの軸が小刻みに加速と減速を繰り返すことになるのですが、これを証明するのは容易ではありません。
負荷側にも直流モーターを接続し、オシロスコープを両方のモーターに接続して、電流と電圧の変化をグラフにすれば、仮説が正しければ波打つ様子が観測できるかもしれませんが、そもそも直流モーターはミクロに見れば常に電流が変動し続けているので、その影響を排除して目的のデータだけを取り出すのは容易ではありません。
ゴムチューブをもっと長くすれば現象が発生しやすくなると思いますし、逆に双方のシャフトがくっついてしまうぐらいゴムチューブを短くすれば、損失は減ることになります。
思いついた理由の一つが、ゴムチューブを捻るのにエネルギーが使われているのではないかということです。
結果として、モーター軸とギヤボックスの軸が小刻みに加速と減速を繰り返すことになるのですが、これを証明するのは容易ではありません。
負荷側にも直流モーターを接続し、オシロスコープを両方のモーターに接続して、電流と電圧の変化をグラフにすれば、仮説が正しければ波打つ様子が観測できるかもしれませんが、そもそも直流モーターはミクロに見れば常に電流が変動し続けているので、その影響を排除して目的のデータだけを取り出すのは容易ではありません。
ゴムチューブをもっと長くすれば現象が発生しやすくなると思いますし、逆に双方のシャフトがくっついてしまうぐらいゴムチューブを短くすれば、損失は減ることになります。
5. Posted by ゆうえん・こうじ 2024年12月22日 11:54
先日発売されたＴＭＳ1月号（996号）の96頁に、中尾豊さんの記事の再録ということで、ゴムチューブの調整のことがのっていますが、これはもう50年前の話だと思います。
dda40xさんの六角ジョイントを使ってトルクアームをつければこんな調整は全く不要で、この部分のコンテンツは過去の遺物だと思います。
過去事象の文献的な記録という意味で再掲載されたのならよいですが、これを見てＴＭＳに書いてあるからいまからやってみようという人が増えれば、不適切なコンテンツだと思います。
現在六角ジョイントは簡単に入手できませんが、これが簡単に模型店で入手できるようになれば、こんなゴムチューブの調整で時間を浪費することもないはずです。
dda40xさんの六角ジョイントを使ってトルクアームをつければこんな調整は全く不要で、この部分のコンテンツは過去の遺物だと思います。
過去事象の文献的な記録という意味で再掲載されたのならよいですが、これを見てＴＭＳに書いてあるからいまからやってみようという人が増えれば、不適切なコンテンツだと思います。
現在六角ジョイントは簡単に入手できませんが、これが簡単に模型店で入手できるようになれば、こんなゴムチューブの調整で時間を浪費することもないはずです。
6. Posted by dda40x 2024年12月22日 21:25
>>5
そうなのですか。驚きました。
近くにTMSを扱っている書店がないので見ておりません。前世紀の遺物に何をしても無駄であるということが分からないのですね。おそらく反トルクの処理もしてないものと思います。
きわめて初歩の中学生程度の力学なのですがね。
そうなのですか。驚きました。
近くにTMSを扱っている書店がないので見ておりません。前世紀の遺物に何をしても無駄であるということが分からないのですね。おそらく反トルクの処理もしてないものと思います。
きわめて初歩の中学生程度の力学なのですがね。
