2024年12月10日

cracks on painted surface

Crack この貨車は例の「魔法使いの弟子」の等角逆捻りのボディ・シェルである。 しばらく手を触れていなかったが、来客があり列車から外して手に取ったところ、とんでもない状態になっていた。塗装した表面に無数のひびが入って、修復は絶望的だ。塗膜の張力で、下塗り層の中で固体が流れたのだ。
 
 原因を考えた。塗料は Floquil であり、Glazeも入れてある。下塗りはミッチャクロンだ。おそらく下塗りが厚過ぎたのではないかと思う。1 L缶の中の残りが少し粘くなったのを薄めて塗ったような記憶がある。その時、残りを使ってしまえと、厚く塗った気がするのだ。たぶんそれが失敗の元だ。

 乾燥後、塗料膜が縮んだのだろう。下塗りが薄ければ、張力が発生しても引き摺られることが無かったのかもしれない。クラックは一面に広がっているが、ディカール部分は割れていない。ごく薄い膜ではあるが、ある程度の張力に耐えたことになる。

 実は先日お見せした coach にも派手なクラック(0.7 mm幅)があった。3本だけだったので、パテを込めて研磨し、薄く上塗りをしたら見えなくなった。そのパテは光で固まるもので実に便利だった。0.5 mmの細さで押し出せる。それをゴムベラでクラックに押し込み、僅かにはみ出たものは1200番のサンドペーパで水研ぎした。実に簡単に修復できたが、今回は 0.2 mm 〜 0.3 mm程度のクラックで、完全に押し込める自信が無かった。どうせ上塗りをせねばならないので、思い切って剥がすことにしたのだ。ブレーキ・フルードに放り込んでしまった。2日も経てば剥がれるであろう。

removing paint ブレーキ・フルードに半日漬けたらここまで浮き上がった。触るとずるりと剥けた。このブレーキ・フルードはもう10年も使っている。乗っている車がPHVなのでブレーキ・パッドがほとんど減らず、すでに32万キロ以上を無交換で走った。すなわちブレーキ・フルードも交換していない。回生ブレーキの威力は絶大である。
 以前はドイツ車に乗っていたので、ふんだんに使用済ブレーキ・フルードが供給されていた。その当時のものだが、密閉保存してあればこのように使えるわけだ。
  
repainted 同じディカールはもうないものと思っていたが、もう一組発見されたので、以前と全く同一のものが再生された。


dda40x at 12:10コメント(2)貨車 | 塗装 この記事をクリップ!

コメント一覧

1. Posted by YUNO   2024年12月11日 11:49
塗装剥離中の貨車が立っている金属の容器は何かの流用ですか?
2. Posted by dda40x   2024年12月11日 15:45
 この容器は金属製ではありません。液体を入れる高さ250 mm、幅が85mm程度のポリプロピレン製容器です。密栓ができるので、この種の吸湿性のある液体の保管には便利です。

コメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価:  顔   星
 
 
 
Recent Comments
Archives
categories