2024年11月14日

D型機

UP 2-8-0 (1)UP 2-8-0 (2) この17日に綿商会館で開かれる KKC 集会の今年のお題は「D型機」であった。たくさんあるのでどれでも良いのだが、いつも 4-8-4 ばかり持って行くのは気が退けた。せっかくだから新作を持って行こうと思い、塗ってないものを探した。
 
 Lobaugh の下廻りを利用したミカドを完成させたいが、やや時間が足らない。スクラッチから作っているマウンテンは ヴァルヴ・ギヤをヤング式にしているが、これも間に合いそうもない。そうなると 30時間で出来るものは 2-8-0 しかなかった。

 綿商会館は来年には取り壊されるようなので、そこでは今年が最後になるとのことだったが、来年は取り壊し前の9月に行うとの発表があった。

UP6053UP355 UP には各種の 2-8-0 がある。製造所はいくつかある。また製造年は非常に長期に亘っている。使用期間が長いので、ほとんどが改造で原型からはかなり離れたところにある。支線ではその線区に合わせて特色ある改造が施されている。

 筆者としては細いヴァンダビルト・テンダの機種が好きである。石炭焚きでも、箱型テンダは好きではない。右の写真はテンダを太いものと振り替えている。これは 2-10-2 用のテンダのように見える。

 この模型は30年以上前に入手したもので、動力改良を施してある。Tom Harveyの家の近くの公園で実物と対面した。小さいが、バランスの取れた機関車である。
 製造はKTMだが、祖父江製作所ではない。この種のストレイト・ボイラのものは祖父江氏のところに注文が行かなかったようだ。内側を覗くと、ハンダ付けのプラクティスはかなり違う。ハンダが完全に廻っていない。

 引越しを何度か経験しているので、あちこち壊れていて、部品がかなり無くなっている。塗装済みのものは丁寧に梱包するが、未塗装のものは、つい荒っぽく扱ってしまったようだ。ハンダ付けが完全でなかったのが大きな原因だろう。
 ジャンク箱を探してそれらしきヘッドライトその他を探し、手摺を付けた。あちこちのハンダ付けもかなり緩んでいたので、炭素棒で完全に付け直した。力のかかるところは銀ハンダで付けた。もう壊れることはないだろう。

 よく水洗し、乾燥させた。Canonのモータの外側がかなり錆びていたので削った。再塗装する。
 この機関車は黒塗装だから簡単だが、メリハリのあるものにしたい。現役時の、ある程度艶ありの状態にするつもりだ。 

コメント一覧

1. Posted by 読者   2024年11月14日 21:06
祖父江氏の工場には単純な形の機関車の注文は行かなかったのですね。
ボイラーが複雑なテーパ―のついた模型は全て祖父江氏が手掛けたものなのでしょうか。
2. Posted by dda40x   2024年11月14日 23:07
>>1
 ボイラ形状の複雑なものはほとんど祖父江氏が手掛けていました。他にはできる人がいなかったのでしょう。
 2つだけ他の人が作った物であることが確実な4-8-4がありますが、それらは非常に出来が悪く、アメリカでの評判が良くなかったのです。そういうこともあって、祖父江氏のところに注文が殺到したのです。
 祖父江氏のところでたまたまテーパのついた機種の設計しているところを見学させてもらったことがあります。
 見当を付けてテーパ部を何通りか作り、それをヤスリで少しずつ削り、組合わせてハンダで仮組するのです。それをいろいろな角度から見て、写真、図面と照らし合わせます。 よし、となったらそれを解体し、その通りの抜き型を作って量産に入ります。
 数台分を組立ててみて、接合部に微妙な修正をして比較します。最適の修正方法が見つかったら、その修正を全部に施してからジグの上でハンダ付けします。内部に先のまがったコテを差し込んで、当て板を完全にハンダ付けします。
 こうやって、あの素晴らしい形の頑丈な模型ができるのです。
 職人の凄さを知りました。

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