2024年10月11日
レイアウトを作ろうとする人へ
合運の会場では多くの友人と会った。どなたもこのブログでのレイアウトに関連する記事についての感想を聞かせてくれた。
「今までのレイアウトの作り方で良い、と思っている人が多いのは問題だね。もう60年くらい同じことをやっているじゃないか。」
たしかにその通りだが、TMSの特集シリーズくらいしか参考書がないから、進歩が無いのだ。材料や施工について知識のある人がほとんど居なかったわけだ。
「Model Railroaderに紹介された L-girder は剛性が足らないよ。」
これも、他に比べる対象が無いのでその弱さに気付かないということだろう。この発言の方は実際に作って確かめている。
「路盤が波打っているのはよく見るね。著名なレイアウトなんだが、行くとそこが気になるよ。最近、高効率ギヤを付けた機関車を持って行くと、波打っているのが極端によく分かるんだ。今まではガリゴリ走る機関車ばかりだったので、それに気が付かなかったのだよね。」
これは高効率ギヤの実力をよく把握された方のご意見である。低速で負荷を掛けて滑らかに走っていると、僅かな走行抵抗の変化が速度変化として現れるというわけだ。
「路盤の高さも高い方が良いということに気付いたよ。今からでも少し持ち上げてみる。実はね、僕の友人がdda40xさんのレイアウトは『Oゲージだから高くしてある。』と言うんだ。それはおかしいよね。HOはさらに高くすべきだし、Nはもっと上げなきゃね。」と言う。
この人はよく分かっていらっしゃると感じた。”鑑賞距離”という概念が身に付いている人である。HOはOより近くで見るはずだ。
また、実際に鉄道を見る角度を思い出すべきであろう。せいぜい跨線橋の高さからしか見ていない。
電車の模型で屋根に凝っている人が多いのはなぜか、ということを話題にする人も居た。どうやらこの辺に答がありそうだ。
実際にレイアウトを持ち上げた人の話をした。下にものを置くスペイスが増えるのは良いことだと感じる人は多い。
「今までのレイアウトの作り方で良い、と思っている人が多いのは問題だね。もう60年くらい同じことをやっているじゃないか。」
たしかにその通りだが、TMSの特集シリーズくらいしか参考書がないから、進歩が無いのだ。材料や施工について知識のある人がほとんど居なかったわけだ。
「Model Railroaderに紹介された L-girder は剛性が足らないよ。」
これも、他に比べる対象が無いのでその弱さに気付かないということだろう。この発言の方は実際に作って確かめている。
「路盤が波打っているのはよく見るね。著名なレイアウトなんだが、行くとそこが気になるよ。最近、高効率ギヤを付けた機関車を持って行くと、波打っているのが極端によく分かるんだ。今まではガリゴリ走る機関車ばかりだったので、それに気が付かなかったのだよね。」
これは高効率ギヤの実力をよく把握された方のご意見である。低速で負荷を掛けて滑らかに走っていると、僅かな走行抵抗の変化が速度変化として現れるというわけだ。
「路盤の高さも高い方が良いということに気付いたよ。今からでも少し持ち上げてみる。実はね、僕の友人がdda40xさんのレイアウトは『Oゲージだから高くしてある。』と言うんだ。それはおかしいよね。HOはさらに高くすべきだし、Nはもっと上げなきゃね。」と言う。
この人はよく分かっていらっしゃると感じた。”鑑賞距離”という概念が身に付いている人である。HOはOより近くで見るはずだ。
また、実際に鉄道を見る角度を思い出すべきであろう。せいぜい跨線橋の高さからしか見ていない。
電車の模型で屋根に凝っている人が多いのはなぜか、ということを話題にする人も居た。どうやらこの辺に答がありそうだ。
実際にレイアウトを持ち上げた人の話をした。下にものを置くスペイスが増えるのは良いことだと感じる人は多い。
コメント一覧
1. Posted by Tavata 2024年10月11日 12:49
ものづくり一般に、「どんなものを作りたいか？」(レイアウトなら、スケール、列車、路線の特徴、固定orモジュール)といったコンセプトから、「どういう作り方をするか」(線形、台枠構造(耐久性、剛性、重量などを含む)、設置高さ、勾配、シーナリーなど)という計画の展開が必要だと思います。
その一方で今までの模型誌や一般に流布しているレイアウト工作に関する情報は方法論に偏重気味に感じます。
路盤の設置高さは「鑑賞にちょうど良い高さ」(立位か座位かにもよる)、「台枠下の工作の容易さ」「部屋の天井高との比率」などの要件から決まる上に、ある方からは「手に入りやすい材料が1.8m単位だから0.9m材を使うと無駄が出ない」という意見も伺いました。
なお、私が現在計画中の固定式レイアウトは「欧州山岳ナロー線」でして、「スイスやオーストリア、ドイツなどで乗車した、息切れすることなく急勾配を駆け上がる蒸機列車の走行シーンを再現したい」というコンセプトです。
具体的には、HOmとHOeの併用、椅子に座って鑑賞の予定で、台枠高さは960mm(90cm木製柱＋40mm角スタッド鋼材の横梁＋アジャスタでの調整代20mm)、路線は最大3.5%勾配で最大300mmリフトアップを考えています。
このあたりの方法論の展開については、今後どこかで発表したいと思っています。
その一方で今までの模型誌や一般に流布しているレイアウト工作に関する情報は方法論に偏重気味に感じます。
路盤の設置高さは「鑑賞にちょうど良い高さ」(立位か座位かにもよる)、「台枠下の工作の容易さ」「部屋の天井高との比率」などの要件から決まる上に、ある方からは「手に入りやすい材料が1.8m単位だから0.9m材を使うと無駄が出ない」という意見も伺いました。
なお、私が現在計画中の固定式レイアウトは「欧州山岳ナロー線」でして、「スイスやオーストリア、ドイツなどで乗車した、息切れすることなく急勾配を駆け上がる蒸機列車の走行シーンを再現したい」というコンセプトです。
具体的には、HOmとHOeの併用、椅子に座って鑑賞の予定で、台枠高さは960mm(90cm木製柱＋40mm角スタッド鋼材の横梁＋アジャスタでの調整代20mm)、路線は最大3.5%勾配で最大300mmリフトアップを考えています。
このあたりの方法論の展開については、今後どこかで発表したいと思っています。
2. Posted by その後の見学者 2024年10月11日 14:00
レイアウトの高さは仰る通りだと思います。小生は実物でも築堤の上を逆光の下、スポーク車輪を透かせながらコロコロ回して行く列車を見るのが好きです。模型でこれを再現しようとすると、路盤を目線の高さまで上げるしかないと思います。このシーンの再現はお座敷運転では困難で、椅子に座って運転するにしても自ずとレイアウトの高さは決まってくると思います。何を楽しむのかでのレイアウト高は議論の価値があると思います。
3. Posted by とか 2024年10月24日 17:27
Tavata様私も“椅子に座って鑑賞の予定”でレイアウトを妄想しております。
そうなりますと、高さはやはり１ｍ程度、でしょうか。
4. Posted by Tavata 2024年10月29日 09:20
とかさま
台枠高さの考え方は人それぞれですが、ブログ主のDDA40X氏を含め、米国でレイアウトを見たことがある人は「日本のレイアウトは低すぎるのでは？」と思っています。ただし、米国は土足の床に立位鑑賞が基本です。その意味で私は日本の場合、イベント展示でのレイアウトこそ机ベタ置きではなく嵩上げすべきと思っています。
日本の家庭用レイアウトについては、ある方は「乗り出した際に反対側まで手が届くし、床に座って見るから脚の長さは65cmにした」と仰っていました。もっとも、その方のレイアウトは小型軽量なので、鑑賞しやすいように持ち上げたり、工事のために横倒しすることも容易です。
私の場合、オフィスのデスク高さが70cm程度なので、最低面を1m程度にすれば、座って鑑賞するとパソコンのモニターくらいの高さになると踏んでいます。また、山岳線で30cmほど登るので、下から登ってくる列車が眼前を通った後、見上げる位置にまで到達するという山の中腹での鑑賞イメージになります。立位ならドローン視点でしょうか。
加えて90cm以上の下方クリアランスを作れば、市販の本棚やキャスターつきの椅子がレイアウト下を潜れるので、実用上でも有利に考えています。また、台枠を高くして相対視線を下げると急カーブが目立たなくなるという副次的メリットもあります。(私の場合、ナローなので急カーブは見えても構いませんが)
コメント欄での連続やり取りはブログ主のDDA40Xさんにご迷惑かと思うのでここまでにしておきますが、近いうちに記事に纏めて本に投稿するつもりです。
台枠高さの考え方は人それぞれですが、ブログ主のDDA40X氏を含め、米国でレイアウトを見たことがある人は「日本のレイアウトは低すぎるのでは？」と思っています。ただし、米国は土足の床に立位鑑賞が基本です。その意味で私は日本の場合、イベント展示でのレイアウトこそ机ベタ置きではなく嵩上げすべきと思っています。
日本の家庭用レイアウトについては、ある方は「乗り出した際に反対側まで手が届くし、床に座って見るから脚の長さは65cmにした」と仰っていました。もっとも、その方のレイアウトは小型軽量なので、鑑賞しやすいように持ち上げたり、工事のために横倒しすることも容易です。
私の場合、オフィスのデスク高さが70cm程度なので、最低面を1m程度にすれば、座って鑑賞するとパソコンのモニターくらいの高さになると踏んでいます。また、山岳線で30cmほど登るので、下から登ってくる列車が眼前を通った後、見上げる位置にまで到達するという山の中腹での鑑賞イメージになります。立位ならドローン視点でしょうか。
加えて90cm以上の下方クリアランスを作れば、市販の本棚やキャスターつきの椅子がレイアウト下を潜れるので、実用上でも有利に考えています。また、台枠を高くして相対視線を下げると急カーブが目立たなくなるという副次的メリットもあります。(私の場合、ナローなので急カーブは見えても構いませんが)
コメント欄での連続やり取りはブログ主のDDA40Xさんにご迷惑かと思うのでここまでにしておきますが、近いうちに記事に纏めて本に投稿するつもりです。
5. Posted by dda40x 2024年10月29日 13:14
Tavata様
この種のご投稿は大歓迎です。記事として扱いますから、投稿してください。メイルでも結構ですし、このコメントで連続投稿して下されば、つなげて記事にします。
この種のご投稿は大歓迎です。記事として扱いますから、投稿してください。メイルでも結構ですし、このコメントで連続投稿して下されば、つなげて記事にします。
6. Posted by とか 2024年11月14日 17:27
Tavata様丁寧な返信、恐縮です。
私が“椅子に座って”を前提に妄想しております理由が、
�� のんびりと寛いだ状況で運転を愉しみたい、に加え、
�� 老いて車椅子利用となったとしても、模型鉄道レイアウトを愉しんでいたい、という思惑がございます。
嘗て亡母を介護した経験から人間、年老いて歩けなくなってしまう可能性は低くないと感じているのですが、若し不自由な躰となり旅行等が困難となったとしても、出来れば模型鉄道は今際の際まで愉しみたい、等と思案しております次第です。
