2024年09月01日

JAM

 貫名氏と会ったときにJAMでの様子を聞いた。

 高効率ギヤに興味を示す人は居るが、実際に取り組むという人は少ないという。手持ちの機関車の一輌がこの動力機構を持つとすべてやりたくなるものなのだが、非常に大きな障壁があるそうだ。やればそれほど難しくない筈なのだが、乗り越えられない人が多いらしい。

 貫名氏は購入希望者に事前に換装手順書を送り、持っている工具の確認をすることにしていると言う。孔はリーマを通すように念を押す。リーマなしではできないと伝えると手を出さないそうだ。安い工具であるのに入手しようとしないらしい。
 決して叩き込んだりせず、ボール盤などでゆっくり押し込むように言うのだが、言うことを聞かない人も居るようだ。
 すなわち、相も変わらず「コンコン改軌」を得意そうに語る人はまだまだ多いようだ。
 OJの人にも車軸を叩く人はたくさんいるようで驚いている。


 ある友人の話が印象的だった。彼はなかなかのクラフツマンで工作は上手だ。
「最近のTMSに載るような超絶技巧(というのは褒め過ぎか)の作品を作るのと、高効率ギヤへの換装とを比べてみれば前者の方がはるかに難しい。僕もやろうかと思ったけど自信がないよ。ところが後者はできる。やろうと思えば一日で出来る。動輪のクランクの位相合わせだって、ジグを作ればよいのだ。その作り方はいろいろな方法が発表されている。簡単なのを作ればよい。それがあればどれだけでもできる。そういう工作ができないと言いながら、外観を細かく作るというのは解せない。」
と言う。彼にはカスタムビルダになるように勧めておいた。

 JAMにはたくさんの精緻なレイアウトがあったが、どれもこれも猛スピードで走るものが大半であったそうだ。これは悲しい。
 前回にも述べたが、スケールスピードは大切だ。正しい動力伝達機構を持たせれば、ごく自然にできることなのだ。
 高効率ギヤのギヤ比は低い。3:23である。それでも低速での走行が安定しているのはどうしてしてだろうか、と考えて欲しい。

コメント一覧

1. Posted by マラソンライナー   2024年09月01日 19:40
この間、日本で個人レイアウトの大集合展示イベントを見た。その中にとてもスムーズにHOのSLが牽引する客車列車が目についた。展示の担当者に聞くと駆動装置が市販品を取り換えて3条ウォーム駆動で走行しており、SLを持たせてもらうとモータ-
の発熱は感じられなかった。彼曰く「午前中から5時間ほど走行しているけど、走行音や牽引力も変わらないよ」と話してくれた。こんなに素晴らしい駆動装置なのにほとんどの見学者は素通りしてしまうそうだ。たまに質問を受け、施工手順を話すと工具や施工行程が難しいとか言って立ち去ってしまうそうだ。改めて走行列車を見ていたら周りから他の個人レイアウトから発している“模型列車等の運動会のように感じる大音響”が聞こえ残念ながら現実のぎこちない模型展示に引き込まれてしまった。

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