2024年07月21日

バナナの熟成

 読者の方が興味深い感想を送って下さったので、紹介させて戴く。コメントも合わせて御読み戴きたい。

私が子供の頃(昭和30年中〜末頃)は、バナナは輸入果物ゆえにかなりの高級品で、一般には「病気の時の滋養」としてしか口にできないものであったと聞いております。ところが、我が家では結構な頻度で食卓に上がり、特別なものという感覚はありませんでした。

これは我が家が裕福だったというわけではありません。父親が神戸港の港湾職員で小型船の運転をしていた関係で、熟れて食べ頃のものをタダでもらって来ていたからです。

当時は、船でも冷蔵設備が整っていなかったので、バナナは完熟前の青い物を収穫して船積みし、船倉内で蒸らして成を行っていました。このため船倉内で食べ頃になったバナナは、店頭に並ぶ頃には変色して商品価値が無くなる(実は、このタイミングのバナナが一番うまいのですが)ので大量に船上から神戸港内に廃棄しておりました。この廃棄するバナナをもらって来て(もちろん海に捨てる前のものです)お相伴に与かっていたというわけです。現在は、温度管理の向上や食品ロスの観点からこのような事は行われていない筈ですが、貴ブログの記事を拝読して、ふと懐かしく思い出した次第です。

 この投稿によると、船の中でむらしていたそうであるが、筆者が見たのは青くて固いバナナが運ばれて来て、それを地下の室(むろ)にぶら下げていたのである。間違って船の倉庫で熟成してしまったのを廃棄していたのかもしれない。そこのところが不明だが、興味深い調査の題材を与えて下さったと感謝している。

 また、青いバナナについては、「轟沈」という軍歌にもあるそうだ。

 
かわいい魚雷と一緒に積んだ青いバナナも黄色く熟れた。男所帯はきままなものよ。髭も生えます。無精髭。




dda40x at 07:21コメント(2)化学 | reefer この記事をクリップ!

コメント一覧

1. Posted by Tavata   2024年07月21日 09:53
前回のエチレンの話と関連して、なるほどと思いました。
昔の船は、船内に排ガスが回り込んできていたので、船内のバナナは保管場所次第では温度とエチレン濃度と相まって熟れすぎたのでしょう。
というのは、船内換気にグースネック(ガチョウの首の形)通風塔を使っており、フィルタも何もなく走行風を取り込むので、風向きによっては排煙を吸ってしまうのです。(今はモーターファンで排煙が来にくい場所から新鮮空気を吸っています。)
また、軍艦の場合は艦隊ゆえ、僚艦の排煙を吸うこともあります。潜水艦は(今も昔も)潜水時の都合から排気管と吸気管の配置が近く、高さの差も少ないので、より排煙を吸い込みやすいです。ただ、昔は「可潜艦」として通常時はディーゼルで水上航行するので、排煙を吸い込む確率は高かったのでしょう。
2. Posted by dda40x   2024年07月21日 23:10
 排煙を吸っていたわけですか!
 興味深いご意見を戴き、感謝します。潜水艦の話も納得します。50年ほど前、海上自衛隊の潜水艦の中を見せて戴いたのですが、停泊中なのに排煙のにおいがしていたことを思い出します。セイルの部分に排気管と吸気管が隣接していればそういうことはありえますね。スノーケルを使っていたとしても速度、風向きでは吸ってしまいます。
 いくつかの疑問が解けました。ありがとうございました。

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