2024年07月01日
bulkhead flatcars

この貨車を完成させるのにはかなりの困難があった。側面に
stakepocket というものがある。鋳鋼で出来た部品で、空洞に角棒を突っ込んで荷物の崩れ留めにするのだ。それをどのように表現するかは、角材を貼り付けてごまかすくらいしか説明書には書かれていなかった。


接着は光硬化接着剤を用いた。塗布して部品を押さえてLEDで近紫外線を当てるとたちまち硬化する。実際には電池が弱っていたらしく、やや固まりが悪かった。そこで快晴時に30分程度日光浴させると完全に固まった。ヤスリでサクサク削れるほど硬くなる。
裏側に活字を接着し、455gとした。重いが、空車回送時の脱線を防ぐためである。Low-D車輪のおかげできわめて走行抵抗が小さい。目で見えない程度の傾きでも転がり出す。
半年ほど前、所属クラブの展示会にいらした平岡幸三氏はLow-Dの性能に興味を持たれた。余剰貨車を1輌進呈したところ、すぐに連絡があった。
「テーブルの上に置いたら自然にするすると走り出すではありませんか。水平だと思っていた私のテーブルがきわめてわずか傾いているということです。感度の良い水準器で見ないとわからないくらいの傾斜でしょう。初めての経験です。いうまでもなく、ピボット軸受けの摩擦抵抗がいかに少ないかということを示しています。あらためて驚きました。」
と感想をお伝え戴いた。
平岡氏は高名な技術者であって、そのような方から客観的な感想をお知らせ戴いたのは嬉しい。
以前完成させた2輌と合わせてrolloutさせた。ロールアウトは新車の実戦投入時などによく用いられる表現である。
積み荷を考えねばならない。コンクリート・パイプを積んだのをよく見た。記憶をたどって製作してみよう。