2024年07月03日
6-dome tankcar

テキサスには大きな硫黄鉱山があった。硫黄が地下に埋まっているところに高温高圧の水蒸気を注入し、融解したものを圧力で押し上げて取り出す(Frash法)のだ。その融けた硫黄(115 ℃以上で融解)を入れるタンク車があった。ネット上ではあまり良い写真が無いが、現物を見たことがある。ドームが意外に太いと感じた。その写真が見つからないので、いくつかの参考資料と記憶とを照らし合わせての設計である。
既に、このフラッシュ法での硫黄採取は今世紀に入ってからは行われていない(フラッシュは人名である)。現在硫黄は原油の脱硫から得られるものが大半で、鉱山で採掘することが無くなったのである。
タンクボディのエンド部分の2枚以外はスクラッチ・ビルトだ。そういう意味ではタンク車の製作は簡単である。気を付けなければならないのは、ハンドレイルが直線でなければならないことだ。仮に線を入れて確認しながら作る。
HOの模型と比べると、ドームの雰囲気が異なる。このドームは3Dの師のS氏に作図をお願いした。高精度のアクリル製である。うっかり1週間ほど明るいところに置いてあったら、部分的に色が変わってしまった。直射日光は当てていない。
成型は最低厚みがあってそれが薄いとは言えない厚みなので、製品の底を大きな丸ヤスリで削った。その手間が大変だったが、タンク本体は簡単である。3本ロールで丸めて、端は丸金床で合わせた。タンクエンドは既製品である。実はこのエンドを2つ持っていたので作ってみようと思い立ったのだ。旋盤を持っていれば作るのは簡単そうに思うが、径が大きいので、これを作るのはいろいろな点で疲れる作業である。
塗装は黄色を主としたものになる予定。