2024年06月05日

続 分岐を3D‐プリントで作った⁉

 数年前、ファイン化という言葉をよく聞いたが、最近は下火になった。「線路ゲージが実物と同じものがファインスケール」などと、おかしなことを言い立てる人は明らかに減って来たので安心している。

 模型の車輪がファイン化するとどうなるかということを、厳密に考える人はきわめて少ない。フランジを低くするとか、踏面を細くするなどという奇妙な結論に走る人が多かったが、それも少し減って来たように思う。

 正解は、ファイン化するとフランジが薄くなる」のである。これについては30年以上前に吉岡精一氏と意見が一致し、互いに「日本で初めて気が付いている人に出会った」と意気投合した。フランジ角度がある程度決まっているから、フランジ高さは自然に決まるのだ。すなわち、フランジの高さを先に決めているのではないのだが、ここを勘違いする人は相変わらず多いと感じている。

  Low-D では線路規格の許す限りフランジを薄くしている。一方、フログのフランジウェイは規格の最小限度まで狭くする。
 バックゲージ(back to back)は決まっているので、フログの反対側のガードレイルは少し軌道中心に寄ることになる。
 PECOはそうしている。ネジで動かせるようになっているのだ。これは、線路ゲージを動かさない(すなわち、既存の製品を使う時の方便である。)とした時の話だ。分岐全体を作るのなら線路ゲージをその部分だけ僅かに狭めれば良いことだ。そうしても、誰も気が付かない。これは直線側だけにする方が良い。曲線は軌間が狭いと通らないものもあるかも知れないからだ。もちろん、フログが直線を交差させた形のものなら問題ない。

コメント一覧

1. Posted by 老模型人   2024年06月05日 09:31
このブログで多くのことを教わりました。このファイン化については以前の記事で知り、それまでのモヤモヤが一気に解消しました。
いまだにフランジ高しか考えない人が居るというのは困ったものです。60年前から何も進歩していないのですね。
その点、イギリスは大したものですね。市販されているポイントがそうなっていると走りませんでした。この商品がTMSで紹介されたのは40年ほど前ですが、何も気が付いていないのですね。TMSがもう少しまともだったら、世の中がかなり変わったはずで、残念です。
今回の軌間を狭める話は、素晴らしいです。刺激的な情報です。
2. Posted by dda40x   2024年06月07日 18:10
 コメントありがとうございます。
 一時期思い付きでファインスケールなる言葉を広めようとした人たちがいましたが、計画は潰えたようで、一安心です。新しい言葉はどのように使われているのかという背景が分からないと、導入は難しいものです。そういう意味では勉強不足という誹りからは逃れることはできないようです。

 先日、防災に関する会議で奇妙な言葉に出会いました。保存食料を各家庭で保管し、古いものから消費していくという方法を勧めているのですが、それを「ローリング・ストック」と呼ぶらしいのです。中央官庁や気象庁までこの怪しい言葉をつかうようになりました。一部にはこれは和製英語ですと書いてあるようですが、明らかな間違いです。
 rolling stock とは、正しい英語では鉄道車輌のことです。しかし、これの誤用を止めさせることはもう難しいようです。
3. Posted by  rolling stock   2024年06月07日 23:49
自分も役所の防災担当と話したら、担当が得意になって「ローリング・ストック」の説明を始めました。
自分が「鉄道車両は関係無いですよ」と話したら、「中央からの説明ですと!」と一括されました。

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