2024年03月10日
surface tension??
その種の違いがわからない人の文章に、必ずと言って良いほど登場するのが、この表面張力という言葉であるという。最近はその種の文章を読むことに拒否反応が出るようになってしまったので、伝聞の情報ではあるが、複数の人が同じことを言っているので確実なのだろう。それをまとめて言うと、表面張力という言葉が出てくるハンダ付けの記事は怪しいものが多いということだ。
「塩化亜鉛を使うと融けたハンダの表面張力が小さくなるので沁み込む」とあるらしい。これはとんでもない間違いである。
融けた金属の表面張力はとても大きい。水銀の玉を見れば分かる。液体の銅(約1100 ℃)で水の18倍というデータがある。常温の水銀で5倍だそうだ。ハンダもその程度であろう。
表面張力を測る物理実験を学生の時にしたことがあるが、純水の値を求めてから界面活性剤を一滴落とすとその値は二桁ほど小さくなった。これは界面活性剤が水に溶けるからである。
塩化亜鉛は融けたハンダの液体に溶ける、とでも言い張るつもりなのだろうか。塩化亜鉛はハンダには溶けない。塩化亜鉛は金属表面の酸化物を溶かして新しい金属面を出しているだけである。そこにハンダの有効成分であるスズが接触するとアマルガメイションが起きて「ぬれ」を生じるのである。ここでは表面張力は全く小さくなっていない。塩化亜鉛水溶液に界面活性剤を足してあるものもあるが、それは多少の油気がある金属面であっても、塩化亜鉛水溶液がその表面をよくぬらすようにする工夫である。これは筆者も時々やる。サンポールなどを一滴足せば良いだけである。これでハンダ融液の表面張力が小さくなるわけではない。ここで起こっていることは、塩化亜鉛水溶液がワークをぬらし易くなり、その結果、露出された金属面をハンダがぬらすのである。
この種の間違った情報を面白半分に流されると、この趣味の発展には害があるような気がする。見つけたら削除を求めたほうが良いかもしれない。しかしそういう人はそれが間違いだとは認識しない可能性が高いと見ている。
「塩化亜鉛を使うと融けたハンダの表面張力が小さくなるので沁み込む」とあるらしい。これはとんでもない間違いである。
融けた金属の表面張力はとても大きい。水銀の玉を見れば分かる。液体の銅(約1100 ℃)で水の18倍というデータがある。常温の水銀で5倍だそうだ。ハンダもその程度であろう。
表面張力を測る物理実験を学生の時にしたことがあるが、純水の値を求めてから界面活性剤を一滴落とすとその値は二桁ほど小さくなった。これは界面活性剤が水に溶けるからである。
塩化亜鉛は融けたハンダの液体に溶ける、とでも言い張るつもりなのだろうか。塩化亜鉛はハンダには溶けない。塩化亜鉛は金属表面の酸化物を溶かして新しい金属面を出しているだけである。そこにハンダの有効成分であるスズが接触するとアマルガメイションが起きて「ぬれ」を生じるのである。ここでは表面張力は全く小さくなっていない。塩化亜鉛水溶液に界面活性剤を足してあるものもあるが、それは多少の油気がある金属面であっても、塩化亜鉛水溶液がその表面をよくぬらすようにする工夫である。これは筆者も時々やる。サンポールなどを一滴足せば良いだけである。これでハンダ融液の表面張力が小さくなるわけではない。ここで起こっていることは、塩化亜鉛水溶液がワークをぬらし易くなり、その結果、露出された金属面をハンダがぬらすのである。
この種の間違った情報を面白半分に流されると、この趣味の発展には害があるような気がする。見つけたら削除を求めたほうが良いかもしれない。しかしそういう人はそれが間違いだとは認識しない可能性が高いと見ている。
コメント一覧
1. Posted by 読者 2024年03月10日 13:47
拒否反応ですか。わかります。そういう人は、自分が間違っているということを理解できないので、あらん限りのことをデタラメに書きます。他の人の書いた文章を引用するのですが、それの間違いもわからないのでしょう。そんな文章は見たくないのは当然ですね。
どなたかが書いていらしたのですが、「インターネットで読んだ文章は、最初から自分の頭の中にあったと勘違いする人がいる」というのがありましたね。
やっていないことを誰かの文章を読み、自分もやったと勘違いしてそれを書くと、また2次、3次の被害が出ます。困った時代になったものです。
以前の「HOの1/87 3.5mmスケールは戦前からアメリカで決まっていた」というガセネタもインターネットがなければ広まりませんでした。あの件に関しては、よくぞ食い止めて頂いたと感謝しております。これからも正しいことをお伝えになるよう、お願い申し上げます。
どなたかが書いていらしたのですが、「インターネットで読んだ文章は、最初から自分の頭の中にあったと勘違いする人がいる」というのがありましたね。
やっていないことを誰かの文章を読み、自分もやったと勘違いしてそれを書くと、また2次、3次の被害が出ます。困った時代になったものです。
以前の「HOの1/87 3.5mmスケールは戦前からアメリカで決まっていた」というガセネタもインターネットがなければ広まりませんでした。あの件に関しては、よくぞ食い止めて頂いたと感謝しております。これからも正しいことをお伝えになるよう、お願い申し上げます。
2. Posted by Tavata 2024年03月10日 21:07
私がハンダの表面張力を実感するのは、微小パーツの近くに別のパーツを後からハンダ付け(しようとして失敗した)ときです。
微小パーツの取付ハンダが溶けて、後からのハンダと繋がってしまうと、微小パーツがコテに吸い付けられて動いてしまいます。
炭素棒ハンダ付け装置を使うようになって、この失敗は大幅に減りました。
微小パーツの取付ハンダが溶けて、後からのハンダと繋がってしまうと、微小パーツがコテに吸い付けられて動いてしまいます。
炭素棒ハンダ付け装置を使うようになって、この失敗は大幅に減りました。
3. Posted by HOゲージャー 2024年03月13日 11:04

そう言えば、あのおかしな「HOゲージは和製英語です。」の文章は随分と短くなり、ますます意味不明になりました。
私の国語力の不足でしょうか、何を言っているのか全く分かりません。
このブログで論破されて削除した部分が多くなり、全体として筋が通らなくなりました。全部消せばよいのにと思いますね。
4. Posted by dda40x 2024年03月14日 08:14
>>2
正しい意味の表面張力のご意見を初めて頂戴しました。部品が小さいとハンダが融けた瞬間に引き込まれるでしょうね。炭素棒ならそれで押さえ込めるのでかなり楽です。しかし動いてしまうということは、その部品がハンダの膜の上に浮いているわけで、接着強度は小さいでしょう。ハンダの量を減らして合金層で付けるべきでしょうね。しかし小さな部品が入り込んでいれば、どうやってそれを押さえ込むかはかなり難しそうです。
正しい意味の表面張力のご意見を初めて頂戴しました。部品が小さいとハンダが融けた瞬間に引き込まれるでしょうね。炭素棒ならそれで押さえ込めるのでかなり楽です。しかし動いてしまうということは、その部品がハンダの膜の上に浮いているわけで、接着強度は小さいでしょう。ハンダの量を減らして合金層で付けるべきでしょうね。しかし小さな部品が入り込んでいれば、どうやってそれを押さえ込むかはかなり難しそうです。
5. Posted by dda40x 2024年03月18日 19:27
この動画の8分17秒近辺に表面張力で電子部品を引っ張る瞬間が写っています。
https://www.youtube.com/watch?v=1ceCFSYgTzg
https://www.youtube.com/watch?v=1ceCFSYgTzg
6. Posted by 読者 2024年04月16日 16:59
やはり、おっしゃるように間違いだとは認識していないようです。
「接触角の理屈を直観的にわかりやすく説明するのに表面張力を使うのは吝かでは無い」などと頓珍漢なことを書いています。引用された文献の著者は迷惑しているでしょうね。この論文を友人の専門家に読んでもらいました。間違い無いものであることは分かりました。彼は、「引用した人が何も理解していないのに、読んだふりをしておバカなことを書いている」と切り捨てました。こういうことはよくある話だそうです。知ったかぶりはやめて欲しいものですね。
「接触角の理屈を直観的にわかりやすく説明するのに表面張力を使うのは吝かでは無い」などと頓珍漢なことを書いています。引用された文献の著者は迷惑しているでしょうね。この論文を友人の専門家に読んでもらいました。間違い無いものであることは分かりました。彼は、「引用した人が何も理解していないのに、読んだふりをしておバカなことを書いている」と切り捨てました。こういうことはよくある話だそうです。知ったかぶりはやめて欲しいものですね。
7. Posted by dda40x 2024年04月19日 12:53
>>6
おっしゃることがよく分かりませんが、その種の人は居ます。以前申しましたように、その種の人は自分の間違いに気が付かないタイプの人ですので、相手にできません。拒否反応というのはそういう意味です。私も自然科学者ですから、物事の正誤判定は厳密です。そういう経験のない人は勝手な理屈を作って「ほら、こうなる」と言うのですが、ほとんどの場合、根本的なところで間違っています。
おっしゃることがよく分かりませんが、その種の人は居ます。以前申しましたように、その種の人は自分の間違いに気が付かないタイプの人ですので、相手にできません。拒否反応というのはそういう意味です。私も自然科学者ですから、物事の正誤判定は厳密です。そういう経験のない人は勝手な理屈を作って「ほら、こうなる」と言うのですが、ほとんどの場合、根本的なところで間違っています。