2023年10月10日

焼戻しの意義

 焼入れは簡単だ。温度さえ間違わねば良い。ガス火で焙る。温度は色で見るのだ。すなわち暗いところでやればすぐわかる

 焼きの入る鋼材はいくつかあるから、クズを入手しておけば良い。
 扱いやすいのはS45Cである。快削性があり、簡単に整形できる。最後にFなどの文字がついているとより快削性があるが、模型製作ではあまり意味がないだろう。 

 焼入れしただけでは、その工具は硬いが脆い。金床の上に落としただけで欠けてしまうことはよくある。靭性(じんせい)を与えねばならない。靭性は英語で toughness という。要するに脆性(ぜいせい)の逆で、そう簡単には割れないということである。磁器などの焼き物は硬いが、すぐ割れてしまう。これは靭性が無い例である。

 焼入れしたものに靭性を与える操作が焼き戻しである。様々な方法があるが、素人でも失敗しないのが、この低温焼戻しである。天ぷら油の中で煮て戻すという方法が長らく紹介されていたが、燃料が無駄であるし、油に着火すると取り返しがつかない。長時間油を加熱すると、徐々に油の中に過酸化物が蓄積され、着火しやすくなるので避けたい。屋外でオーブントースタというのが一番安全であろう。焼入れから時間が経つと良くないと聞いた。直ちに焼戻しに掛かれるように予熱しておく。

 焼戻しは、繰り返し使う可能性のある工具に施す。一回きりしか使わないなら、欠けないように使って廃棄しても構わない。

dda40x at 10:10コメント(2)材料 | 工具 この記事をクリップ!

コメント一覧

1. Posted by 猫   2023年10月10日 12:34
包丁を扱う刃物屋さんが(あくまで実験としてですが)電気オーブンで包丁の焼き戻しをした話をしてらしたのを思い出しました。
2. Posted by dda40x   2023年10月11日 08:29
 焼戻しの温度範囲は広いので、電気炉を用いるほどのこともなく、簡単にできるこの方法を採っています。電力も僅かです。焼戻しをすると明らかに靭性が向上し、欠けることが減ります。

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