2023年08月19日

続 山川 眞氏の死去

 吉岡精一氏が筆者に山川氏を紹介して下さったのは35年前である。腕が良く、向上心のある方であった。後者が大切である。吉岡氏はOJの仲間の中で山川氏を最も高く評価していた。というのは、例えば見かけ上細かく作ってある台車ではあるが、中でジャーナル部が左右動しても平気な人がいる。これでは、台車が斜めになって走ってしまう。そういう模型が多い中で、山川氏の車輌にはそういうことが一切なかった。
 とにかく、よく走る車輌を作るために、最大限の努力をされる人だった。逆に言うと、そうでない人が多かったのだ。吉岡氏は細密工作自慢会のような運転会がお嫌いだったようだ。だからこそ、吉岡氏は筆者との連携を大切にされた。
 吉岡氏がOJの会合に筆者の3条ウォームの組込見本を持って行ってもほとんど評価されなかったが、山川氏だけは飛び付いて来た。その後売り出された怪しい3条ウォームの不具合で、やる気を無くされたようだった。その頃は筆者は国外に居た。

 その後再会し、筆者の機関車群を見てどうしてもやりたいと言われた。ところがそのOゲージ用ギヤボックスは大きく、OJの台枠にはとても入らない。さりとて、新たに歯車を用意するのは、少々難しかった。
 自宅に招かれ、様々な模型を見せて戴いて、尋常ならざる探究力と工作力の持ち主であることが分かったので、お手伝いしたい気持ちが強くなった。そこで、ギヤセットだけをお渡しし、ギヤボックスの図面を描いて送った。驚くべきことに、その図面通りのギヤボックスをフライス盤で削り出し、素晴らしい走りを実現された。その頃から、山川氏はOJの会合に行く頻度が減ったようだ。逆に筆者とは緊密に連絡を取り、様々な部品や資材の調達、二次加工などを引き受けた。お宅には筆者が東京に行くときに必ず寄るようにし、年に10回程度お会いした。次から次へと作品が完成した。この完成とは、動力改装工事の完了を指す。

Mr,Yamakawa's OJ gauge layout 筆者としては、OJ分野でも動力改造の希望者が増えることを願っていたが、
「それは無理。あの人達は走らせることにあまり興味がない。」
と言われてしまった。山川氏は自宅に30畳程度の運転場を持っていた。そこが根本的な違いであった。
 


コメント一覧

1. Posted by northerns484   2023年08月25日 23:40
> 腕が良く、向上心のある方であった。後者が大切である。

お会する機会があったときに、CADを使った設計のお話を差し上げたのですが、じっと耳を傾けられ、私のような若造に対して「今日は勉強になりました」と丁寧な言葉をかけていただきました。謙虚な方なんだなぁ、と思いました。

まだまだお元気でご活躍され、素晴らしい作品を作られると思っていたので、残念です。

心よりご冥福をお祈りいたします。
2. Posted by dda40x   2023年08月26日 20:46
 山川氏は、どんなに細かく出来ていても滑らかに走らないものは駄目、という信念を持っていらしたので、「バネなしイコライジングを推奨するクラブの方針には賛同出来ない」と明確におっしゃいました。
 筆者の機関車の走行を見て、その方針を貫くことを確認しました。こうすれば良くなるということが決まれば、突き進む方でした。
 そういう意味で極めて客観的な方でした。短時間ではありましたが、いくつかお助けすることが出来て、私としても良かったと思います。

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