2023年08月05日

続 若い見学者 

 彼は3条ウォームギヤの効率について、あまり知識がなかった。押して動く程度のものだと思っていたようだ。
 音がするようなウォームギヤはまがい物であって、存在すべきものではないことを強調した。

 現物のギヤボックスを実際に触らせて、感想を聞いた。
「これがウォームギヤとは、とても思えない」と言う。機関車がするすると押せて、前照灯が点くのにはかなり驚いたようだ。

「このギヤセットだけ分けて下さい。」と頼まれたが、それはお断りした。ギヤボックスとボールベアリングのセット、それと高精度シャフトの組でなければ売らないことにしている。そうしないと怪しいギヤボックスを作って、「動かない!、インチキ商品を売付けられた!」ということになってしまうからだ。これには過去に苦い経験がある。高名な模型人だから分かっているはずだと思ったのだが、実際にはその方は小学生程度の理解しかなかった。

 このギヤのバックラッシについて、話をした。潤滑油が通る程度しか隙間はない。モリブデングリスの塗布についても説明した。潤滑油なんてなんでも良いのだと思っている人も居るから、そこは特に注意した。完全密閉のギヤボックスが必要である。
 模型用の歯車ではなく、精密機械の歯車であることを認識してもらわねばならない。つい先日も、訳の分からない人が「歯車だけを売れ」と言って来たので、困った。この人も価格だけを見て買いたいと言ったのだ。怪しいOゲージ用のギヤも最近は高いのだそうで、何でも良いけども、安い筆者のを買いたいのだ。こういう人とは接触を避けているが、下手に断ると「あいつは独り占めしている」と言われかねない。
 
 模型人は自信過剰の人が多いようだ。今まで誰も出来なかったことを、歯車さえあれば自分にもできると思うらしい。このギヤにはかなりのノウハウが有る。全部が設計者の意図の通りに組まれれば、高性能を発揮するが、1箇所でも駄目な所があれば、性能はガタ落ちで作動しない。謙虚さが大切だと力説しておいた。


コメント一覧

1. Posted by 自信過剰人   2023年08月06日 01:03
ある鉄道模型の運転会場で、走行車両が盛大に脱線転覆して見ている自分の所に飛びこんで来た。手に取ると台車周りが、ガチガチに固定されていて線路の凸凹に追従されていないのが、一目瞭然であった。作者がひったくる様に手に持ち、”自分はOゲージ模型の趣味を50年以上楽しんでいるのにこんな事は始めてだ”と 怒鳴っていた。思うに現在のOゲージ模型は、以前の断面の大きいレールや崖の様な高いフランジでは無くスケール的に細く、フランジもレールに追従する様に低くなっている。傍にいた方が、”あの方は、他のクラブでも自信過剰で有名ですよ”と話しかけてくれた。こんな人がいるクラブは、先が思いやられる。自分は”謙虚さが大切だと”つくづく思い知らされました。

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