2023年08月03日

若い見学者

 若いOゲージャ S氏の来訪があった。今まで筆者の作品、動画を見たが、たくさん牽いて走るのを実際に見てみたいとのことであった。
 最近は雑事が多かったのでしばらく走らせていなかったが、無事走り、極めて滑らかな走行を見せることができた。

 120輌の貨物列車が坂を登るのは、驚いたようであった。途中で止まってから、再牽き出しが困難であるのは実感的であったという。停車中にカブースを手で押すと、その動きの波が40 m先の最先端まで達し、機関車が押されて動いたのには、「すごい!」と叫んだ。

 次にFEF3によるプルマン10輌編成の運転を見せた。
「蒸気機関車がこんなに滑らかに走るのは、HOでも見たことがない!」とのことであった。特に坂の上から、位置エネルギィを運動エネルギィに変えて下り降りる様子には、興奮したようだ。
2000 km以上走ってもこの調子だよ。」
と言うと、潤滑についての質問があった。車軸、ギヤ、モータには無注油、ロッドには10時間ごとの洗浄、注油をしていると答えた。
 ステンレスのロッドピン、ブラスのスリーヴのお陰である。全ての摺動部にはブラスの小片を摺板として当ててある。相手はラッピングしてある。   

 貨車の標準質量を 355 gと決めていることを知り、POM樹脂のピヴォット軸受を採用していることは意外だったようだ。
「本当に持つのですか?」と聞くが、
「すでに30年以上走り続けているが、何の故障も無い」と言うと驚いていた。
「先入観を持ってはいけないのですね。」と言う。その通りなのだが、今だにピヴォット軸受を忌避して、摩擦の多い軸受でキーコーと音を出しながら走らせている人は居る。  

 帰り際に、「やればできる上限を見せて戴いたので、これに追いつくようにしたい。」という決意を聞かせてもらった。 

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