2023年05月25日
spline joint
床材を張る部屋が一つしか無い時は良いが、廊下の左右両方に部屋があって、連続的に床を張らねばならない時はどうするかが問題になる。
こういう時は廊下の一方の壁に沿って最初の1本を打ち付ける。それは完全な直線上になければならないので、糸を張って確認する。廊下全体を張ったら、各部屋の入り口を連続して張る。部屋の中まで同じ調子でできるだろう。しかし反対側の部屋をどうするかだ。床材のその方向には、tongue(飛び出している部分)が無い。
床板の切れ端から、溝にやや固めに入る細い材料 spline を切り出し、紙ヤスリで研いで押し込める程度の厚さにする。 強力な接着剤を塗って押し込む。このスプラインは、長さは30 cmくらいにすると失敗がない。一本ものである必要はないので、何本かに分けて嵌め込むと良い。筆者はこのスプラインを作るのが得意で、Ben が褒めてくれた。 普通の人にはできないのだそうだ。
こうするとどちらにも凸部がある部材ができるので、そこから反対方向に張り始める。この部材には、最初に両方向から釘を打っておく。そうしないと反対側に打った時にずれるおそれがある。
この種のテクニックは友人の大工から学んだのと、本を読んだことから得た。400ページくらいの本で、それを読むと体力と機械があれば家を建てられる。日本の大工の腕とは異なる次元のテクニックなのだ。最近は日本の大工も機械を使うようになったので、それにやや近付いていると感じている。
splineは自分で作るものと思っていたが、調べると市販されている。1.2 mの長さで3.5ドルだそうだ。自信のない人には、ありがたいだろう。 問い合わせたところ、30 m分で160ドルというのもあった。この材料は堅木でなければならない。
数学を勉強された方はスプライン曲線という概念をご存知だろう。有限個の点を通るなめらかな曲線を作る工夫だ。この図では三次スプライン曲線になるが、曲がり方が大きいので、多少ずれる。
spli〜で始まる言葉は、ほとんどが木を細く裂いたものに関係がある。splint は骨折の治療に用いる副木(そえぎ)である。ギプスが実用化されるまではこれしかなかった。


こうするとどちらにも凸部がある部材ができるので、そこから反対方向に張り始める。この部材には、最初に両方向から釘を打っておく。そうしないと反対側に打った時にずれるおそれがある。
この種のテクニックは友人の大工から学んだのと、本を読んだことから得た。400ページくらいの本で、それを読むと体力と機械があれば家を建てられる。日本の大工の腕とは異なる次元のテクニックなのだ。最近は日本の大工も機械を使うようになったので、それにやや近付いていると感じている。

数学を勉強された方はスプライン曲線という概念をご存知だろう。有限個の点を通るなめらかな曲線を作る工夫だ。この図では三次スプライン曲線になるが、曲がり方が大きいので、多少ずれる。
spli〜で始まる言葉は、ほとんどが木を細く裂いたものに関係がある。splint は骨折の治療に用いる副木(そえぎ)である。ギプスが実用化されるまではこれしかなかった。
コメント一覧
1. Posted by m 2023年05月25日 08:46
たしかにこの板は厚いですね。プランクの意味がよくわかります。
”Walk the plank"という言い回しは映画などで聞いたことがありますが、こういうことだとは思いませんでした。
”Walk the plank"という言い回しは映画などで聞いたことがありますが、こういうことだとは思いませんでした。
2. Posted by 老模型人 2023年05月25日 18:36
なるほど、反対側から打つときもある訳ですね。そうすると裏側の溝の意味もよく理解できます。
3. Posted by dda40x 2023年05月31日 09:16
裏側の凹みの意味はおっしゃるとおりです。おそらく最初はなかったのでしょうね。うまく行かないことがわかったので改良したのでしょう。削る刃物にふくらみを付けるだけのことです。これは特許だったと聞いたことがありますが、真偽の程はわかりません。