2023年05月21日

Powernailer

Power Nailer 意外なことに、床についての問い合わせがたくさん来た。釘打機の写真を見たいとのことで、自宅の地下室から発掘してきた。30年ぶりに取り出したが、傷んでは居なかった。


 タイルの大きさが 30 cm角であるから、大きさの見当は付くであろう。 ハンマは900 gである。かなり重い。ゴムの付いている方で、叩き込む。反対側の尖っている部分は、床材を叩いて密着させる時に使う。自宅を建てる時に雇った大工のBenは 2 mの大男で、一発で叩き込んだが、普通の人は2回叩かないと入らない。叩く力が強過ぎると、その部分の板が強く寄せられてまっすぐにならない。Ben が絶妙の力で一回で打ったのには感心した。

floor nails 左に飛び出している銀色部分に釘を入れる。釘は接着剤で固めてあり、この写真の4倍くらいの量を収容する。オークは極めて硬く、普通の釘を手で打つことはできない。釘が折れ曲がる。このL字の釘は厚さ1/16インチ(1.6 mm)の鋼板を打ち抜いたもので、加工硬化して極めて硬い。打ち込まれて先端が入ると、その後は鋸状のギザギザがあって、オークを粉砕しながら貫通する。そして最後のL字の頭が喰い込んで止まる。このあたりの設計は巧妙で、実にうまく留まる。と同時に床材は相手に固く喰い付いて、隙間は出来ない。

 この床材を日本で購入して使う人がたまに居るようだ。ウェブ上でその結果を披露している人も居るが、大抵は隙間が空いて埃が溜まってしまうと不満をこぼしている。それは本質を理解しないで、うわべだけを真似したからだろう。

 床材は入荷してすぐに釘を打ってはいけない。一年中でもっとも乾いた時期に打ち付けるのだ。そんなに待っては居られない場合は、エアコンを利用する。床材の封を切り、床一面にばらまいて、エアコンで除湿する。2週間乾かして張るのだ。そうすれば、隙間は空かない。そういうことは床材の説明書にちゃんと書いてある。それを無視して、「隙間が空いた」という不満を書くのはいかがなものか。急いで作りたい人は、化粧合板の床材を使うべきだろう。

 大工仕事は経験上の裏付けがあって確立されている。素人の浅い知識だけではできないこともあることを知るべきだ。 

コメント一覧

1. Posted by 愛読者   2023年05月21日 17:30
5 木材は湿度で伸び縮みするのですね。エアコンで除湿とは驚きました。合理的な方法です。
日本では、無垢材を使用することがほとんどなくなってしまったけど、エアコンが普及したので冬は乾きやすくなりました。夏でも締め切って最強にしておけばよく乾くでしょう。
断面形状も詳しく教えてください。
2. Posted by dda40x   2023年05月21日 20:23
 床材についてのご質問が多いので、新しく稿を起こしました。日本の建築にも使う人が増えてきましたが、まともな仕上がりをほとんど見ません。全館空調をしていないと思うような結果にならないということもあります。日本の夏の湿度は尋常ではありませんし、冬の低湿度、しかもエアコンによる暖房でのさらなる乾燥により、隙間があくというのは苦情が出るでしょう。この種の塗料を何度も塗って研ぐということもまず見たことがありません。
3. Posted by 読者   2023年05月22日 18:56
>本質を理解しないで、うわべだけを真似したから
このブログでそのようなことはたくさん拝見しております。3条ウォームや牽引力測定では、いつまでも訳のわからないことを言っている人が居ます。
素晴らしい見識を発表頂いているのですが、読者のレべルが全くついていけないのがよく分かります。高校1年生の物理の教科書をよく読んでほしいものです。

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