2022年08月11日

続 スズ63%ハンダを使う

 この機関車の床板は 0.6 mmのエッチングされた板で、へなへなである。エッチングは焼き鈍した板を使うからだ。見かけは良いが、衝突したら悲惨である。その事故車を筆者が安く手に入れたのである。前頭部は取り替えた。
 床のサブフレイムは、なんと2mmの板である。剛性が素晴らしいはずなのに、大きな孔が全幅の6割もあるので、そこで折れやすくて話にならない。上廻りがついていても車体に力を掛けると撓むのが分かるが、設計した人は何も感じなかったようだ。モータは2個も付いているから、この孔が2個もあって剛性がない。伝達効率が高ければ、モータは1つで十分であったはずだ。 

 1 mmの板を貼って、孔を塞げば剛性は飛躍的に高まる。細い部分の厚みが増すからである。厚みが1.5倍になれば、その3乗で効くから、強度は3.37倍になる。孔があっても剛性は保たれる。
  0.4 ✕ 3.37=1.34
であるから十分だ。

63%ハンダ こういうときは正確に切った板を載せて、例の押さえを使う。塩化亜鉛液を塗って、63%ハンダを置き、ガスバーナで加熱する。間もなく、ハンダは融け、隙間に一瞬で吸い込まれる。全面に均等に吸い込まれ、合わせ面からわずかにハンダが見えている。

 このハンダ付け工程を来客に見せたら、大変感動していた。彼の思っていたハンダ付けとは全く異なるものであったようだ。

 右の方にモータが見える。丸みに合わせて長穴の内側面を斜めにヤスって、モータを沈めた(モータが持ち上がる)。ドライヴ・シャフトが水平面に来るので、伝達効率が飛躍的に良くなる。
 モータは、U字状の支えで取り付けた。今野氏のとは違い、薄い板を曲げたものである。

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