2022年05月23日

吊掛け駆動

 いわゆる吊掛け式とは、一体何だろう。
 元々は、電気機関車の台車内の構造を表す言葉である。重いモータが車軸に付いていると、線路の不整でモータが上下に揺さぶられて、壊れやすいし、線路も傷む。そこで、モータ軸を車軸と近い高さにし、モータの質量の半分を台枠に結び付ける。そうすると、線路からの衝撃はかなり減り、不都合なことが減る。車軸は片足持ち上がる可能性もあるので、固定は一点である。

nose suspension その台枠に結びつけるモータの突出部分を英語で "nose"と言う。飛び出しているからだ。英語で吊掛け式は、nose suspension drive という。趣味人でこの英語表現を知っている人には会ったことがなかったが、最近電鉄会社OBと話したところ、この表現が出てきて驚いた。会社によっては、ノーズという言葉を社内で使っていたようだ。

 この部分はモータの質量を承けるだけではなく、反トルクをも承けている。”吊掛け式”と称する機関車や電車の模型を見せてもらうと、その部分が怪しいものをよく見る。ノーズ部分をきちんと作ったものを見ることは少ない。起動、停止によって、モータがガバガバと上下するものがあるが、それでは全くダメである。反トルク承けが付いていないものは、うまく走るはずがないのだ。

 蒸気機関車の模型では、直角伝動だから、モータはかなり後ろに来る。すなわち、モータの重さは、動軸にほとんど掛からない。しかし、そのノーズは先述の1点支持になるべきなのだが、このあたりの構造が怪しい模型がとても多いと感じている。 

コメント一覧

1. Posted by ゆうえん・こうじ   2022年05月23日 18:20
吊掛け式のノーズではいろいろやってみましたが、私のHO/16番 中小型蒸機では、弾性体(発泡体基材)入りの強力両面テープの小片で、吊掛け機構の後部を台枠に貼り付けるのが一番調子が良いように思います。
金属板バネやコイルバネなどもやってみましたがいまいちでした。
ただテープをそのまま台枠に貼り付けると分解が不便なので、台枠にネジ留めした小板材に貼っています。
またべたっと大面積で貼り付けると良くなく、10mm角ぐらいの小片が具合が良いようです。

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