
少々古い写真である。このタンク車は先回のと同時に来たものであるが、材料が異なった。このタンクボディは t 0.3 ではあるが、焼き鈍してなかったので、丈夫である。短いから、厚みがなくても壊れはしない。ハンダ付けが足らない。
タンク・エンドの接合部は滑らかでない。オリジナルの形を尊重したが、本当は継ぎ目を無くすべきであった。大抵の場合、本物は滑らかだ。
全てのハンダ付けをやり直して、手摺りその他を新製した。デッキは新品である。どこかに引っ掛けて手摺りが曲がっているが、ハンダ付けが完璧なので壊れない。梯子が安っぽいのは残念だ。先回のような3枚の部品を組合せたものを、使うべきだった。
筆者はタンク車を作るのは得意で、スクラッチ・ビルトが、かなりある。すでに既製品の中に埋もれてしまって、探し出すのが大変である。

その中で、この2つは異色のものである。長くて細いものは6ドーム・ケミカルタンカーになる予定だ。この仮のドームは小さい。本物はタンクの径とほとんど変わらない大きなドームが付く。3D printが楽だろうと思うが、展開図を描いて作ってみたい気もする。

太いものは以前にも作った。50%ハンダをたっぷり使って、丸みを出す。これも厚い板を使わないと壊れてしまう。
大きなものは丈夫にする必要があるのだ。t 0.5を巻いて作った。この種のハンダ付けをするときは 100 Wのコテと、小さなガスバーナを用いる。少し温めながら、コテを当てる。融けない程度に炎を当てて、コテで流し込むわけだ。凹みがないようにハンダを盛ってから削り落とす。
濃過酸化水素水運搬用のアルミ製タンクにする。
アルミ製のタンクボディは弱いので、鋼製の台枠を持っている。そこが、以前のと異なるところだ。

最後に示すこれは、輸出用として極めて初期のものである。裏に、
”Made in occupied Japan" とある。1952年以前の生産だ。下廻りを捨てて作り直した。タンクボディは、厚みが 0.25 mm(10/1000インチ)しか無いが、沢山のリヴェットを打ち出してあるせいか、加工硬化して、その部分はかなり剛性がある。