2021年12月24日
続 MOW

このジャンクを15年ほど前、安く手に入れた。事故車で、あちこち壊れて悲惨な状態であったが、捨て値であった。不要な窓を塞ぐのは非常に難しい。側板を直ちに捨てて、作り直すべきであった。
窓枠を外して当て板を付け、そこにちょうど嵌まる板にリヴェットを打って、炭素棒で加熱して密着させた。コテでハンダを塗りつけた。曲がったヤスリでハンダを削り、あとは小さな板にサンドペーパを張ったもので削った。妙にリヴェットがはっきりしている辺りだ。
何度も削ったり埋めたりしたが、完全には直らない。本物にもこの種の補修痕があるものも多いので、良しとした。この時代の製品は十分な厚みのブラス板でできていて、丈夫である。ハンダ付けも熟練した職人の手によるので、よく出来ている。後の韓国製は板が薄く、またエッチングした板を使っているので、へなへなである。バラすと歪んでしまい元に戻らない。
ハシゴを曲げて付け、屋根上のラニングボードは、エッチングで透けたものにした。ここは目立つので、改造は必須である。
アルミニウム・ペイントを塗り、完成である。この車輌には、珍しくACIラベルが貼ってある。これは1970年代に採用された、反射光に依る車輌認識装置である。海上コンテナにも貼られて、日本にもやってきたが、汚れに弱く、すぐに廃止になった。80年代には、すでに剥がし残しが存在するだけであった。これもその状態である。