2021年05月28日

M10000 のエンジン

 M10000のエンジンはガソリン機関ではない。たまたまこの記事のシティ オブ サライナを確認していたところ、筆者は書いた覚えがないのに、ガソリンと書いてある。誰かが書き加えたのかもしれない。著者が消すことが出来ないので、訂正までに時間がかかるだろう。

 UPは意外とケチな会社で、燃料費を節約することには熱心だった。ガソリンは当時から高かった。その近辺で安いのはナフサ(精度の良くない蒸留装置で作ったガソリンに近いもの)であった。ガソリンはキャブレタで霧化蒸発させねばならないので、沸点範囲が厳しく決められていた。優秀な精留装置がないと出来なかったのだ。ナフサはかなりいい加減で、様々な沸点のものが入っていたが、価格ははるかに安かった。現在の製品で言えば、油性ペンキの薄め液のようなものだ。

 ただし、エンジンが冷えていると着火が難しく、ガソリンで着火してエンジンが温まるまで待つ必要があった。回転中に、燃料を切り替えて運転を持続する。
 ガソリンエンジンであれば、スパークプラグは1本であるが、このエンジンは4本も取り付けてある。航空エンジンは2本が標準であるが、これはその2倍である。更に電圧も2倍を掛けていたそうだ。また、燃料タンクは、起動用のガソリンもあるので2系統必要となり、面倒であった。
 当時はディーゼルエンジンの信頼性がなかったのだ。ディーゼルエンジンの信頼性が確立されたのは、1960年頃である。

 サライナは当時急速に発展中で、シカゴ以西ではかなり大きな街であった。椙山氏の話を聞いて、50年前から一度行ってみたかったところである。 3年前にその街に行ったが、穀物倉庫が並ぶ静かなところであった。 

コメント一覧

1. Posted by northerns484   2021年05月29日 08:57
UPのDistillate Fuelの利用についてはこちらに詳しく書かれていますね。

https://utahrails.net/up/distillate.php

この中で参照されている、"The Dilworth Story"はこちらから読むことができます。

https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=mdp.39015021243277&view=1up&seq=56

まだ目を通した程度ですが、面白そうです。
2. Posted by dda40x   2021年05月29日 10:55
 読ませて戴きました。最初の Utah Rail の記事は、著者のDonとは親しいので、話を聞いていたとおりです。
 二番目の記事は初めてでしたが、支線での経費節減の話でしたね。油性ペンキの希釈剤(いわゆる石油ターペン)というものの話が出ています。ちなみにターペンとはテルペンチンという植物由来の希釈剤です。現在のリモネンもそれに含まれます。針葉樹を蒸し焼きにして得ていました。ちなみに松根油で飛行機を飛ばす話もあったのですから、沸点範囲は近いものです。
 ガソリンの価格が出ています。1ガロン15セントというのは信じられない価格です。1970年代初頭の価格は23セントくらいでしたからそれから見ても異常な価格です。
3. Posted by YUNO   2021年05月29日 12:04
日本だとなぜかローマ字読みの「テレピン」あるいは「テレビン」の方が言葉として定着していますね。
テレピン油は現代でも広く流通しているので、こちらなら馴染みのある方も多いことでしょう。

私も「The Dilworth story」を数ページだけ読んでみましたが、なかなか面白かったです。ガソリンの¢15に対してテレピンの当時の価格はわずか¢3と書いてありますから、どうしても使いたかったでしょうね。
4. Posted by TM   2021年05月29日 15:17
署名記事なのに勝手に書き替えるってことがあるのですか。変な話ですね。
もっと変なのが、その下に編集者が書いているのです。書き替えて(かどうかはわかりませんが)おいて、それは間違っていてこれが正しい、みたいな書き方です。

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