2021年05月18日

EF58の分解

 EF58の分解に取り掛かった。とにかく重い。5 kg以上だ。作業台にひっくり返して置くと、パンタグラフはもちろん、屋根上のモニタが潰れる可能性がある。車体は厚さ0.4mmである。本物のようにふにゃふにゃだ。

EF58 trucks (3) 横向きに置いてネジを20本ほど抜くと台車が外れた。ACモータが集電ブラシから直接配線されている。界磁のポラライズはしていない。ということは、前進のみで後退できない。おそらく、電流が大き過ぎてセレン整流器が入れられなかったのだろう。特急用であれば、それで良かったのかもしれない。台車からモータ、車輪、ギヤをひとまとめで引き抜く。

 台車の構造は全く感心しない。本物の構造を知らない人が設計している。梁に相当する部分の剛性が全く足らない。重い車体が載っているのだから、かなり無理をしていて、台車ボルスタはすでに曲がっている。

EF58 trucks (1) 2つの台車も結合していないから、牽引力は車体を介していることになる。(HO以下の模型ではそれが普通だ。)
 デッキ部分の骨は、主台枠に強固に結合していなければならないのに、上下にフラフラしている。側枠の連結器に近い方の表面にはたくさんのネジが有る。そのネジが何のためなのかを考えれば、こんなひどい設計はしない。本物はここが鋳鋼でできていて、相当の厚さがあるのだ。ところが、1 mmの板にデッキの台枠が 2 mmネジ2本で留まっているだけであるから、バネのように上下に振れるのは当然だ。写真の手前を見ると、その部分が撓むのを見越して逆反りにしているのがわかる。これではだめだ。

axle box 全体を作り替える予定であったが、側枠が意外と良い出来で、残すことにした。軸箱のダイキャストは膨れて動かない。ペンチではさむと粉砕された。ブラスのロストワックス鋳物があるから、それと振り替える。数えたら11個しかないので、一つは自作し、速度計部分とすることにした。板バネは作り替える。例のシァはそのために購入したのだ。 

コメント一覧

1. Posted by 愛読者   2021年05月18日 07:25
この先の展開が楽しみです。3条ウォームによる全軸連動の機関車の挙動が見たいです。
TMSの記事で連動の話は殆どありませんね。2個モータだから強力と言う話はいくらでもあります。物理的な考察の欠如です。

この軸箱の割れは悲惨ですね。当時の材質がいかにひどかったかです。今でも中国製には割れが見られます。困ったものです。
2. Posted by dda40x   2021年05月19日 09:52
 この話は中学校の時、父が出した問題にまで遡ります。
「同じ重さの機関車が2台ある。その中には同じモータが2つ付いていて、独立に動輪につながっているのと、モータ軸が共通で連動している、の2種類である。どちらの牽引力が強いか。」
 答えはすぐに決まるのですが、TMSの記事でそのような連動法を採っているものは少ないのです。
 完成品ではTenshodoの機関車は連動でしたが、カツミは独立方式でした。「強力2個モーター」と書いてあって驚きました。アマチュアの作品は殆どが独立駆動です。

 軸箱の割れは悲惨です。その後の日本製は割れませんが、わずかに膨張する気配があります。

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